政府と吉本興業との関係は如何に

与太郎 ご隠居さま、御無沙汰しちまってます。

ご隠居 お、与太か、ま、こっちに入(へえ)んな。何かあったんかい?

与太郎 いえ、ね、最近の巷で騒ぎになってるお笑い芸人と芸能事務所とのいざこざ、何で、世間はそんなに騒ぐのか、ちっとも分かんねえもんで…。

ご隠居 吉本興業の話かえ? そりやあ、あったぼうよ。他人事じゃねえからよ。俺たちの懐も痛む話だってえことよ。

与太郎 えっ? それは一体、どういうこって?

ご隠居 まったく、お前さんも、相変わらずおめでたいねえ。安倍政権が2013年につくった官民ファンド「クールジャパン機構」を聞いたことないかい?政府、つまり元を正せば我々の税金がこの機構に約586億円出資されいるんじゃが、2014年と18年には吉本興業が関わる事業に計22億円を投入されちょるんだよ。今年は、吉本興業がNTTと組んだ教育と称する事業に対して、段階的に最大100億円を出資することまで決まっちょる。教育ったって、 何やら、吉本は、沖縄にアミューズメント施設を作って、お笑い芸人を出演させるらしいよ。

与太郎 へー、そうだったんすか。

ご隠居 安倍首相が吉本新喜劇の連中を官邸に呼んで、選挙前の人気取りに利用したりしたのを、お前さんは知らなかったのかい?

与太郎 あら、そう言えば、時の最高権力者の吉本への接近ぶりは異常でしたよね。

ご隠居 そう、つまり、吉本興業は、単なる一(いち)民間のお笑い芸能事務所というわけじゃないんだよ。それは支那事変(日中戦争)勃発後の昭和13年(1938年)に、国家事業として中国大陸に派遣した戦地慰問演芸団 「わらわし隊」のように、政府との結びつきは吉本の伝統でもあるわなあ。

与太郎 さすが、ご隠居、よく御存知で。

WGT National Gallery

ご隠居 知らないのはお前さんぐらいだよ。それより、今の政権ほど、文化事業に介入している与党政権はないんじゃないか。道徳教育と国家主義を標榜する右翼雑誌にも政府資金が流れているという噂じゃないか。

与太郎 ほんとですか?

ご隠居 単なる噂だけど、政治家指導による国民の税金の使い道は、納税者である国民自身がしっかり見届ける義務があるんじゃないかい?

与太郎 そう言えば、こないだ7月の参院選投票率はたったの48・80%で、24年ぶりに50%割ったらしいじゃないですか。日本人の政治意識の貧困さが表れているんじゃないすか?

ご隠居 おや、お前さんにしてはよく知ってるね。見上げたもんだよ。

与太郎 えへへへ、瓦版にそう書いておりやんした。受けおりっすよ(笑)。

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高野山奥の院と青龍山安養寺とトランプ大統領来日の真の目的

 早いもので、もう6月ですか。。。うーん、ネガティブなことを書くのはやめておきましょう。泣こうが、喚こうが、時間は経ち、人生は過ぎていきます。泰然自若の境地でいるしかありません。

 そこで、明るい気持ちになろうと、早くも夏休みの計画を立ててみました。一応、いまだに会社組織にしがみついている身なので、自由はききませんけど、休みが取れればということで、二つの大きな計画を立ててみました。本当は昨年のスペイン旅行に続いて、ポーンと、また海外旅行に行きたかったのですが、お代官様の目が厳しくて今年は無理そうです(苦笑)。

 ということで、国内に絞りました。一つは、7月に弘法大師空海の高野山に行くことです。一生に一度は行きたいと思っていたからです。NHKの「ブラタモリ」の影響もあるかもしれませんが、是非とも「奥の院」に行って、織田信長や明智光秀ら戦国武将のお墓(供養塔?)をお参りしたいと思います。

 もう一つは、京都です。皆様ご案内の通り、このブログのおかげで、作家村上春樹氏の従弟である村上純一御住職と不思議なご縁ができましたが、その村上住職が預かる左京区の青龍山安養寺にお詫び行脚に行こうかと思っているのです。村上おっさん(和尚様のことを京都ではそう呼びます。「お」にアクセント)は、とても怖そうなお方で、お会いするなり、「喝!」を入れられそうですが、お許しを戴ければ、8月の「送り火」辺りにお伺いしようかと思っています。ただ、8月はお盆ですから、1年で一番忙しい月ですからね。一番混む時期なので、また、京洛先生に御厄介をお掛けしてしまうと思います。

◇F35が1兆2000億円

今日書くことはこの辺にしておこうかと思いましたが、先日、国賓として来日したトランプ米大統領のことを書いておこうと思います。

 トランプさんは一体、日本に何しに来たのでしょうか?「新天皇陛下に面会することはスーパーボール観戦の100倍も凄いこと」と安倍首相に説き伏せられたから?それとも、ゴルフをして相撲を観戦して、優勝力士に米大統領杯を授与するために?

 ほとんどのマスコミはそんなお祭りムードめいた報道一色だったので、多くの日本国民もそう思い込んだことでしょう。

 でも、実際は、「ディール(取引)」に来たのでしょう。その辺りの事情をうまくまとめていたのが、5月28日付東京新聞の「こちら特報部」だけでした。見出しだけ見ても、血の気を引いてしまいそうです。「安倍爆買い外交の数々」「農産品関税削減 参院選後の譲歩を確約?」「米の顔色うかがい、国益にならず」…。これでは、ゴルフをしながら、トランプさんが「ちゃんと約束を果たしてくれるかどうか確かめに来たんだよ」と言えば、安倍首相も「おっしゃる通りです」「はい、その通りに致します」と、まるで植民地か属国のように、宗主国に対してペコペコしている感じに見えてしまいます。

 その取引の金額が半端じゃないのです。米国製最新鋭ステルス戦闘機F35、105機の追加費用が何と1兆2000億円。地上配備型迎撃システム「イージス・ショア」2基の取得関連費2404億円、維持運用費を含めて計4389億円。垂直離着陸輸送機オスプレイ1機100億円、17機導入で1700億円。これらは全て、国民の税金ですからね。でも、この桁違いの金額については、国民のほとんどは知らないでしょう。

 極め付きが、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)。カジノ運営のノウハウは日本にはないので、米国の業者が中心に請け負い、その額はプライスレスだとか。つまり、天井知らずの日本人のお金が、米国に吸い取られることになります。

 東京新聞は「金で米国の歓心を買う安倍政権。『貢ぎ物』は軍事に限らない」と、大丈夫かなと思うくらい、露骨にあからさまに書いてますから、これでは、安倍政権に嫌われるはずです。菅官房長官が東京新聞女性記者の質問を受け付けない理由が分かりました。

攘夷と開国の成れの果て

 時は幕末。

 血気にはやる若者たちは、尊王攘夷思想を信奉して、幕府打倒に立ち上がりました。

 病気がちの将軍に代わって、忖度主義で権力を独占したのが老中の阿倍正弘でした。敵対する井伊直助を排除して、ついに開国に踏み切ります。

 不平等条約を結んだのは、ハンザ同盟から離脱したエゲレスと、奴隷解放令を成立させて異国に奴隷を探し求めていたメリケン。そして、インドシナを植民地にして勢いに乗るオフランス。こうして、開国によって、高給を求めて大勢の異人が大和に押し寄せて来ました。

 しかし、異人さんは、大和の実態を知りません。分別のある大人が、電車の遮断機の横棒をノコギリで切断したり、新幹線を止めて線路に飛び降りたり、泰国まで出稼ぎして振り込め詐欺を働くような野蛮な人間がいることさえ知らないのです。異人さんたちは、お金を稼ぐのが目的ですから、「万葉集」どころか、大和言葉に興味ありません。大和学校に登録するだけで、学校に通わず、仕事優先。茶屋四郎次郎が経営する江戸福祉学問所は、これがビジネスチャンスと便乗し、幕府から助成金をふんだんにせしめています。異人が行方不明になろうと知ったことはありません。登録料さえもらえば、後は野となれ、山となれです。

 一方、異人さんの不満解消・吸収策のため、老中の阿倍正弘は、御用瓦版を使って、「人手不足の解消」だの「大和人との同等賃金を」だの「かわいそうな異人たち」だのと、盛んに洗脳記事を書かせます。

 しかし、老中の阿倍自身が、この開国によって、将来の大和がどんな「国のかたち」になるのか、全く想像も思い描くこともできませんでした。

 大津安二郎監督が「大学は出たけれど」を撮った安政の大獄恐慌の頃と同じように、老中阿倍政権の初期に、就職超氷河期が押し寄せました。そのため、40歳になってもいまだにアルバイトか、パートか、契約、派遣に甘んじている大和人が、職安通りに溢れています。それなのに、阿倍政権は、異国人優先の開国に踏み切りました。

 さて、幕府打倒に踏み切った非正規雇用の若者たちの運動は、どうなったのか?

 それが、ぽしゃっちゃったのです。阿倍老中政権の巧みな「働き方改革」で残業がなくなり、享保の改革、寛政の改革、天保の改革に並ぶ金字塔を打ちたてたのです。御用瓦版を使って、民百姓を洗脳し、若者だけでなく、異人さんたちも懐柔し、羊の群れのように唯々諾々とお上に従う民を道徳教育で作り上げることにも成功したのです。

 若者たちは、GHQの目論見通り、国営放送を通じて、芸能人のスキャンダルとスポーツ観戦にひたすら熱中し、銀座の歩行者天国で、ええじゃないか踊りに没頭し、物見遊山の超富裕異人さんたちは、群れをなして日本橋の高級商店に押し寄せて爆買し、格安航空で来た異人集団は道端に食べ残しを捨てまくり、疲れては地べたに座り込み、飽きては大声で叫び、穏やかな大和人の通行を妨害し、開国の自由を謳歌しているのでした。

 嗚呼、まんず、めでたし、めでたし。

左傾青木とスシロー田崎との対立は左翼と右翼との対立ではないということ

Roma

この春先から夏にかけての森友学園、加計学園問題、いわゆるモリカケ・スキャンダルが怒涛の如く報道されました。(お陰で自民党の支持率が急落しました)

この時ほど、メディアの旗幟が鮮明になった時代はないですね。つまり、安部政権批判の「朝日新聞、毎日新聞、東京新聞、共同通信」対安倍政権擁護の「産経新聞、読売新聞」連合の構図です。

「場外乱闘事件」として 話題になったのが、前川喜平・前文科省事務次官の新宿・歌舞伎町の「出会い系バー」通いを報じた読売新聞でした。

ちょうどモリカケ・スキャンダルの真っ最中でしたから、「核心を熟知している当事者の口封じではないか」「何で現役の時に言わないのか」などと侃侃諤諤の議論が展開されました。

あれから、その総括ではないでしょうが、一連のスキャンダル報道にも関連して、「journalism」(朝日新聞社出版局)9月号が「問われるメディアと権力 ジャーナリスト座談会 政治権力とどう向き合うか 監視か提言か、その役割」と題して19ページの長い特集を組んでます。

座談会の出席者は、司会役が渡辺勉朝日新聞編集委員(元政治部長、1961年生まれ)。ほかにジャーナリストの青木理(元共同通信社会部記者、1966年生まれ)さん、倉重篤郎毎日新聞専門編集委員(1953年生まれ)、田崎史郎時事通信特別解説委員(1950年生まれ)、薬師寺克行東洋大教授(元朝日新聞政治部長、1955年生まれ)の4人。

どういう根拠でこの4人か5人が選抜されたのか分かりませんし、これだけ、読売新聞の「前川喜平・前文科省事務次官口封じ問題」を取り上げているのに、読売新聞関係の人を一人も呼ばず、「欠席裁判」の形で座談会をやるなんて、いかにも朝日新聞社の発行するメディアらしいといえば、メディアらしい(笑)。

世の中のメディアの世界は、いくら花田さんが、御自分の出身母体である文藝春秋が朝日化したと糾弾しても、朝日新聞社中心に回っているのは確かで、そのおこぼれを産経新聞や文春が預かっているという構図は変わらないわけです。(「朝日はおかしい」と書いて、お金をもらっているという意味)

つまり、その一例として、大手の朝日新聞社なら、政治部長さえ務めれば、薬師寺さんのように、東洋大教授のポストが用意されていることが分かるのです。

で、この座談会は、見事、旧態依然の教条主義的左翼の共同通信出身の青木さんと、時の権力者の擁護者というより、安倍の代弁者以上のイタコのような発言をテレビのワイドショーに出まくって、獅子の如くまくしたてる政権護持、極右反動主義的な時事通信出身の田崎さんとの対立が浮かび上がっておりました。

田崎さんは「安倍の提灯持ち」「ジャーナリストなのに安倍と毎月のように夜に会食して、権力に擦り寄っている」と批判されても馬耳東風。「よく、安倍さんとの会食は、官房機密費から出ているという人がいるが、自分たちで払っている」「僕は、家で読売と朝日しか取っていないけど、朝日は間違ってる。読売の報道の方が正しい」と主張するばかり。

それに対して、青木さんは「ジャーナリストは、ウオッチドッグ(権利の監視者)に徹するべきで、読売新聞のように、『改憲草案』を出すようなことは報道機関の仕事ではない。そんなことした瞬間、メディアではなく、政治団体化するではないですか」と、真っ向から見事に田崎論を痛烈に批判するのです。

ここで、本来ですと、読売新聞関係者か渡辺恒雄さんに登場してもらって、持論を展開してもらいたいところですが、それはないものねだりです。

要するに、若い青木さんは、ジャーナリストは「社会の木鐸」であるべきで、反権力志向でなければいけないという書生論。老獪な田崎さんは、所詮、情報なんぞは権利者と寝てナンボといった、ちょっと下衆な言い方ですが、権力者の懐に飛び込んで情報を獲得するというスタンスの違いなだけなのです。

そこで、この二人の論争についてどう思われるのか、ジャーナリスト経験の長い京洛先生に伺ってみると、実に的を射た的確な意見を開陳するのです。

…(京洛先生曰く)青木さんは、いみじくも「このままではメディアが政治団体化してしまう」と仰ってましたが、昔から、メディアそのものが政治団体なのです。不偏不党だの中立公正などありえないのです。だから、本質論に欠けてます。

政治とはなんぞやという書生論を置いといても、自分たちの利益になるように我田引水するのが政治です。明治の成島柳北の朝野新聞も、幕府の旗本だった柳北らが発行した、薩長土肥の藩閥政府に対する反権力的な政治新聞で、権力者を批判し大新聞と呼ばれてました。

だから、新聞の根本は政治だということを若い社会部出身の青木さんは分かっていない。

そもそも、情報産業というのは帝国主義的、植民地主義的なところがあり、ロイター通信が大英帝国の尻馬に乗って、欧州の片田舎から1840年、ついにアヘン戦争を起こした中国大陸の香港に支局を開設するまでに至るのです。

青木さんの共同通信の先輩に当たる魚住昭さんが「メディアと権利」(講談社)の中で、ナベツネさんが、1965年の日韓基本条約締結の際に、右翼の大立者児玉誉士夫ととともに、黒子として暗躍したことを事細かく詳細してますね。

つまり、渡辺恒雄さんは、日韓交渉を第三者の傍観者として取材したのではなく、プレーヤーとして、当事者になっていた様が描かれてました。これでジャーナリズムとは、政治団体そのものだということが分かります。

要するに、ジャーナリストとはスパイなんですよ。あっちに行っては情報を貰い、こっちに来ては情報を漏らし、二重、三重スパイを働いているわけです。

ジャーナリストなんて、広告主や権力者の宣伝ビラを書く、代弁するコピーライターみたいなもんですよ。

だから、テレビに出るようなコメンテーターは、中立ではなく、どこからか金を貰っているスパイだと思えばいいのです。

政権護持の発言ばかりしているスシローはスパイだ、と思えばいいのです。ジャーナリストなんて体裁よく呼んでいるから誤解するのです。戦時中の影佐機関、里見機関、許斐機関と実質変わらない、と思っておけばいいのです。

大学の肩書を持っている人間なら、その大学を宣伝をするサンドイッチマンなんです。

 鶴田浩二の「街のサンドイッチマン」さえ、知らなければ、サンドイッチマンと言われても、何なのか分からないでしょうけどね(笑)。…

おしまい