住みたくないアメリカ、そして日本も?=米で新型コロナ死50万人超

 米ジョンズ・ホプキンス大学の集計で、2月22日、米国の新型コロナウイルスによる死者数が50万人を超えました。各国別では最多で、世界の死者の2割を占めるといいます。

 バイデン米大統領もホワイトハウスで「(50万人は)第1次世界大戦と第2次世界大戦とベトナム戦争での戦死者を合わせた数より多い」と追悼の演説をしました。

 日本は、太平洋戦争だけで300万人以上の犠牲者を出していると記憶しているので、無学な私なんかは「え?」と思ってしまいました。

 人間自然科学研究所の調べでは、米国の戦争犠牲者は、第1次世界大戦は11万7000人、第2次世界大戦は29万人、朝鮮戦争で14万人で、他の資料ではベトナム戦争は5万8000人になっています。いずれも、推計なのですが、第1次世界大戦と第2次世界大戦とベトナム戦争での戦死者を合わせ46万5000人になりますね。

 米メディアは、第2次世界大戦での米軍の死者は推計40万5000人、ベトナム戦争は5万8000人、朝鮮戦争は3万6000人で、この三つの戦争の犠牲者を超えたと報じています。

 いずれにせよ、米国の新型コロナは、大戦争を超えてしまったわけですね。パンデミックがいかに恐ろしいか、思い知らされます。

 同時に、日本はいかに無謀な戦争をやったものだと痛感させられます。しかも、無責任な指揮官は生き残り、日本兵士の大半は餓死と戦病死と言われていますから。

新富町「蜂の子」

 話は変わって、アン・ケース 、アンガス・ディートン共著, 松本裕訳「絶望死のアメリカ」。まだ、未読ではありますが、書評などを読むと面白そうです。現代アメリカの病理が抉り取られている感じです。

 著者によると、「絶望死」とは、まさしく社会に絶望して、アルコール依存症や薬物中毒となり、挙句の果てには自殺をしてしまうことをいいます。

 そのカラクリが悲惨過ぎます。

 本書は、大企業が巨額のマネーとロビイストを使って政界工作し、自分たちに都合の良い法案を通す汚いやり方を暴いているのです。標的になっているのが、大学を出ていない中年の白人層。大企業は社会保険が負担になるからといって、彼らをリストラし、代わりに賃金の安い非正規雇用の派遣社員を雇う。いずれにしても、不安定な職で、清掃や倉庫番、警備など、語弊を怖れずに言えば、誇りを持てないような職種に左遷される。彼らは結婚もできず、生きがいもなく、孤独感から、日々の憂さ晴らしに酒やドラッグに走ってしまう。

 この風潮に乗じて、酒造会社と製薬会社は政界工作で、どんなキツイ酒もドラッグも規制緩和させて販売を自由にさせる法案を成立させ、彼らを破滅に導ていく…。

 実に、身につまされる話ではありませんか。

 「対岸の火事」と安心している日本人がいれば、それは大間違い。タイトルを「絶望死の日本」にしてもいいくらいです。

新型コロナウイルスの正体を知りたい人のための入門書

WST National Gallery Copyright par Duc de Matsuoqua

 私は、生まれながらにして 根が真面目なもんですから、水谷哲也著「新型コロナウイルス 脅威を制する正しい知識」(東京化学同人、2020年5月19日初版)が今話題になっているという情報を察知し、早速購入し、読了しました。1964年生まれの水谷氏は北大で獣医学の博士号を取得し、現在、東京農工大付属国際家畜感染症防疫研究教育センター長。

 ネットで注文したら、プライムとか小賢しい割り増し料金を払っていないのに(A社じゃありませんよ)、何と翌日届き、2日ほどで読んでしまいました。

 本書は、素人にも分かりやすく、「新型コロナウイルス」とは何者なのか説明してくれます。巷では色々な情報が溢れすぎて、何を信じたらいいのか分からない状況ですが、筆者は、「正しく怖がる」ためにも、できるだけ正確な正しい知識を身に着けてもらいたい、と平易に書かれた啓蒙書として提供してくれます。

 平易とは言っても、nsp(non-structural protein=非耕造タンパク質)だの 、nsp12(ポリメラーゼ=複製タンパク質)だの、干渉現象だの専門用語がバシバシ出てきますが、それは致し方ないこと。最低限の知的武装手段として覚えるしかありません(笑)。

 読者を、一般や生徒、学生を想定して書かれ、ウイルスの変異や検査、ワクチン、治療薬について、などほとんど網羅されています。日々刻刻と状況が変化しているため、情報は刷新しなければならないので、本書だけでは古びてしまうという難点がありますが(ただし、水谷教授のネットでは日々情報が更新されているようです)ポイントはしっかり抑えています。(予防に関しては、マスクと手洗いとアルコール消毒と「3密」回避という地道な努力しかないようです。)

 ただ、ちょっと残念だったことは、これだけニュースで毎日報道されているPCR検査とは何なのか、それらの原理や仕組みについては専門的概念で事細かく詳述されているのに、そもそもPCRとは何の略なのかさえ説明がなかったことでした。自分で調べたら、PCRとは polymerase chain reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)の略で、性病や淋病などの検査にも使われていたらしいですね。

 国際ウイルス命名委員会によると、新型コロナウイルスの正確な名称は、SARS-CoV-2というそうです。SARS(サーズ=重症急性呼吸器症候群)は2002年に中国・広東省で初めて感染者が確認され、翌年にかけて猛威を振るった(感染者8098人、死者774人、致死率9.4%)コロナウイルス(Cov)のことで、このあと発生したMERS(マーズ=中東呼吸器症候群)でも、日本人の感染者が出なかったせいか、今では日本人には忘れられてしまったウイルスです。しかし、今回の新型コロナは、ニドウイルス目ーコロナウイルス科ーコロナウイルス亜科ーベータコロナウイルス属で、SARSと全く同じ「属」に属しているのです。ですから、SARSのことが分かれば、新型コロナの正体も治療法も予防もワクチンも分かるというわけで、日々、研究者たちは開発に努力しているわけです。そして、筆者の水谷氏は「感染源はコウモリで間違いありません」と断言しております。コウモリは、中国では高級食材として使われ、東南アジアやアフリカなどでも食べる習慣があるそうです。コウモリを捕獲したり、肉をさばいたり、市場で売られたりした際にウイルスに感染する機会があるというのです。

 ウイルスの歴史を遡ると、コロナウイルスの祖先は約1万年前に誕生したと言われますが、ストレスがあると口の周りにブツブツができるヘルペスウイルスは、約4億年前に誕生し、インフルエンザウイルスは約1億年前に誕生したといいます。46億年の地球の歴史の中で、ウイルスという生物は、我々、人類、霊長類より遥かに大先輩だったわけです(昆虫までウイルスに感染するとは!)。コロナウイルスが1万年前に発生したとしたら、紀元前8000年で、この頃、シュメール文明やクレタ文明が栄え、人類が野生動物を家畜化した時期です。野生動物との濃厚接触が感染に至らしめたことは間違いないことでしょう。

 水谷氏は「新型コロナが終息しても、何年か後に新たな感染症が必ず出現する」と強調しています。その通りでしょう。ウイルスは全て撲滅できないので、共存共生していくしかないのでしょう。

 新型コロナウイルスに関して、漠然とした不安を持っている人にとっては、敵の正体を知る上でも、本書は良い治療薬になるんじゃないかと思います。

数字の魔力に幻惑されないようにしたい

WST National Gallery Copyright par Cuc de Matsuoqua

 世の中、「数字のマジック」というのか、数字とか統計に関して、素人から見るとさっぱり理解できないことがあります。

 例えば、日経平均は、昨日の1日に約3カ月ぶりに2万2000円台を回復しました。我が国でも、これだけ、コロナ禍の影響で、失業者が増大し、倒産する会社も増えているというのに何でなんでしょうか? 専門家は「国家安全法をめぐり、香港に地政学リスクができて、国際金融都市として役割が香港より東京に注目度が増したから」と、したり顔で説明してくれますが、それでもよく分かりませんね。

 今はコロナ一色で、世界各国の感染者・死者数が発表され、WHOよりジョンズ・ホプキンス大学の集計の方が信頼されているようですが、それでも、これらの数字の発表元をどこまで信用したらいいのか分かりません。

 例えば、6月2日午前10時現在、世界の感染者数が620万人、死者数が37万人を超える中、ブラジルの感染者が52万人を超え(死者は約3万人)、米国に次ぐ第2位になったと注目されています。「ブラジルでは毎日2万5000人の感染者が増えている」といった報道もありましたが、となると、ブラジルでは、毎日、少なくとも10万人以上の人がPCR検査を受けているのでしょうか? 日本でさえ、PCR検査は数千人程度、1万2000人が目標なんて言ってるぐらいですから、ブラジル政府は、日本政府以上の検査能力があるということなのでしょうか。

 感染者数が41万人超と世界第3位のロシアですが、死者数が約4800人とは他の欧州諸国と比べてもあまりにも少ない気がします。英国は感染者約28万人で、死者約2万9000人、スペインは約24万人で約2万7000人、イタリアは約23万人で約3万3000人ですからね。ロシアだけ、統計のやり方が違うのでしょうか。

 日本は、1日午前0時、厚労省発表によると、感染者数1万6884人で、死者892人。欧米と比べて少ないのは何故なのか、まだ分からないようです。世界最大の米国の感染者約179万人(死者約10万5000人)の多くが黒人やヒスパニック系の貧困層だと言われていますから、白人が新型コロナに罹りやすいということにはならないようです。そして、アジア人だからといって罹りにくいという結論は導かれないようです。

WST National Gallery Copyright par Cuc de Matsuoqua

 ここ数日、北九州市での感染数が増加して「2次感染か」と注目されていますが、北九州市でのPCR検査が拡大したから、といった報道を耳にしました。新型コロナは症状が軽い人も多いと言われているので、検査したら陽性だったという人がゴロゴロ出てくるかもしれません。今後、唾液だけで簡単に分かる検査も普及するようですから、尚更です。

 100年前のスペイン風邪でも、死者数が2500万人とする報告があったり、いやいや1億人以上だったという報告もあり、恐らく、結論は出ないでしょう。ロシアの場合、死者数が少ないのは、合併症で亡くなった場合、死因をコロナに入れなかったせいかもしれません。あくまでも推測ですが…。

 新型コロナは、全世界に感染拡大しているというのに、北朝鮮とトルクメニスタンだけは、感染者がゼロだといいます。「国際世論」は「本当かなあ…」と疑っていますが、統計上は、ゼロとして歴史に残るかもしれません。

 ともかく、数字には自分の都合の良いように引用したり、解釈できる「魔力」を持っています。数字だけを見て盲信することは避けたいと思っています。

 緊急事態宣言が全国で解除され、今週に入り、通勤電車もバスも随分、混むようになりました。私自身、メディアが盛んに喧伝している「新しい生活様式」なるものは、信じていません。また、同じ轍を踏むことでしょう。

確かな情報を見極める感性を多くの人と協調していきたい=新型コロナ禍で

 緊急事態宣言が25日にも全国で解除されようとしているのに、私の自宅には、いまだに一律給付金10万円もアベノマスクも届きません。安倍内閣の支持率が急降下するはずです。23日の毎日新聞の世論調査では、安倍内閣の支持率が27%と「危険水域」の30%を切りました。末期的です。

 今回の新型コロナウイルス禍は、全世界で、大量の失業者を生み、貧富の格差拡大にさらに拍車をかけることになりました。

 私は現在、かろうじて会社使用人という給与生活者を選択したお蔭で、今回ギリギリ路頭を彷徨うことなく生きていけています。会社を辞めたいと思ったことは100回ぐらいありますが(笑)、もしあの時、フリーランスの道を選んでいたら今ごろ大変だったろうなあ、と実感しています。例えば、15年ぐらい昔に通訳案内士の試験に合格し、フリーでやって行こうかと思ったら、幸か不幸か、はとバスなど既成の職場は既に古株様に独占され、潜り込む隙間もなく、15年前はそれほど外国人観光客も押し寄せることがなく需要も少なかったので、アルバイトならともかく、「職業」にできなかったので諦めたのでした。

 今でも、ある通訳団体に会費だけ払って参加していますが、会員メールでは、「持続化給付金」の話ばかりです。来日外国人が4月は昨年同月比99%以上減少したぐらいですから、通訳ガイドの仕事なんかあるわけありません。はっきり言って失業です。そこで、ある会員さんが、個人事業主として、持続化給付金を申請したら、給付まで最低2週間は覚悟していたのに、わずか10日で100万円振り込まれていた、というのです。大喜びです。

 一般市民への給付金10万円はまだなのに、へーと思いましたけんどね。

  今回のコロナ禍について、世界の識者の所見を知りたいと思い、色々と当たっています。3月末に日経に掲載された「サピエンス全史」で知られる歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏の「コロナ後の世界に警告 全体主義的監視か 市民の権利か」や4月に読売新聞に掲載された人類生態学者のジャレド・ダイアモンド氏の「危機を認める誠実さ必要」などもよかったですが、23日付朝日新聞に出ていた歴史家・人口学者のエマニュエル・トッド氏のインタビュー「『戦争』でなく『失敗』」もかなり含蓄があるものでした。

 トッド氏は「ソ連邦崩壊」を予言した学者として一躍有名になりましたが、哲学者サルトルの大親友ポール・ニザンの孫ですから、哲学的知性を受け継いでいます。(私も好きなニザンの「アデン アラビア」の冒頭「ぼくは二十歳だった。それがひとの一生でいちばん美しい年齢だなどとだれにも言わせまい」=師・篠田浩一郎先生訳=を学生時代に読んだ時、かなりショックを受けたことを今でも鮮明に覚えています)

 トッド氏のインタビューのお応えは、哲学者のようなかなり抽象的な言辞も出てくるので、私自身の誤読か、勝手な思い込みの解釈に過ぎないかもしれませんが、トッド氏は、過去に起きたペストやスペイン風邪などの疫病の流行と今回のコロナと比較するのはナンセンスだとまで言ってます。

 14世紀のペストの大流行では農奴が急減し、教会の権威が失墜し、中世から近代国家の礎ができるきっかけになりました。あのルネサンスも「ペスト後」の時代です。ペストは、歴史的大変革をもたらしたわけです。

 しかし、今回の新型コロナでは、新自由主義経済や金融グローバリズムでは人間の生命を守らないことを改めて認識できただけで、それは既に新型コロナが蔓延する前から分かったことで、大変革がもたらされたわけではない。しかも、コロナによる死者は高齢者に集中し、若者は比較的軽症だったため、社会構造を決定付ける人口動態に新しい変化をもたらすことはない(つまり、若者が大量に戦死する戦争とは比較にならない。だから第1次世界大戦は今でも語られるが、同時期のスペイン風邪は忘れ去られてしまった。スペイン風邪では全世界で数千万~1億人が亡くなり、戦死者より遥かに多かったにも関わらず…)。

 そして、犠牲者は医療に恵まれない貧困層が多く、富裕層は人口の少ない田舎の別荘に避難して感染から免れることができる(トッド氏もベストセラー作家ですから、パリを離れ、ブルターニュの別宅に避難しているとか)。医療システムをはじめ、社会保障や公衆衛生を脆弱にする政府の横暴を市民らが見て見ぬふりをしてきたツケが回ってきた。だから、新型コロナは、マクロン仏大統領が言うような「戦争」ではなく、「失敗」だ。それに、コロナ対策ではEUの存在感はなく、国ごとに事情が違うわけだから、ドイツ・メルケル首相が強烈なリーダーシップを執ったように国家単位で、国際協調をすれば良いだけだ。

 まあ、以上は私自身がトッド氏の話から了解したか、誤読したかの事項ですが、トッド氏が、今回の新型コロナと過去のペストやスペイン風邪と比較するのはナンセンスで、人口動態的にも一種の自然淘汰が激化されただけだという捉え方には新鮮な驚きがありました。私なんか、特に100年前のスペイン風邪の教訓から学ばなければならないと思っていましたからね。

 それでは、これから我々はどうしたらいいのか?

 まあ、私のような貧者は感染したら一発で終わりですから、罹らないように細心の注意を払うしかありませんね。お上に「気を緩めるな」と言われる前に、自分の身は自分で守るしかありません。マスク、うがい、手洗い、三密忌避しか、方法はありませんけど。

 緊急事態宣言が解除されても、恐らく、「第2波」「第3波」はやってくるでしょうから、覚悟しなければなりません。

 情報収集のアンテナは伸ばしますが、デマやガセネタや詐欺情報だけには気を付けたいと思っています。渓流斎ブログも、皆さまに何らかのお役に立てればと思っています。コメント大歓迎です。大いに間違いを指摘してもらい、多くの人と協調していきたいと思っています。(古い記事に関しては、その当時の時点の情報に基づいて書いただけで、後世から最新情報による御指摘は、心もとないですが…)

国家間の協調とは、個人のレベルで言えば、自律した人と人同士が助け合う、ということだと思います。

新型コロナのおかげで「情報貧困社会」に

WST National Galllery Copyright par Duc de Matsuoqua

昨日の昼休み(ということはしっかり都心に命懸けで出勤しておりまする)、ある店舗に入る際に制止させられ、まずアルコール液で消毒するよう言われ、続いて、額にレーザー光線のようなものを当てられました。

 「ハハハア、よくテレビで見る例の体温計かな」と、初体験だったので、ワクワクしてしまいました(笑)。それで、何か言ってくれるのかと思ったら、何も言ってくれないので、お姐さんに「何度でしたか?」と確かめると、「35.7でした」との答え。今の人は「35度7分」と言えんかいなあ、と思いつつ、「えっ!?35度?」と我ながら吃驚してしまいました。自分の平温は36度5分ぐらいだと思っていたからです。ま、機械もいい加減かもしれませんが、いずれにせよ、熱がなくてよかった、と一安心。この御時勢ですからね。

WST National Galllery Copyright par Duc de Matsuoqua

 ということで、昨日は、目下、世界で最も注目されているサイト、ジョンズ・ホプキンス大学の「世界の新型コロナウイルス感染マップ」を久しぶりに眺めていたら、刻一刻と感染者が増加しているので、怖くなりました。怖いもの見たさで、見続けていたら、一昨日まで感染者が140万人台だった米国の感染者が目の前で、あっという間に、150万人台の大台を突破。ちなみに、今日20日午前(日本時間)の時点で、米国の感染者は153万人になろうとしてます。このままでは、米国の死者も10万人を超えることでしょう。

 ニュースでは、ブラジルのボルソナロ大統領による強権的な経済優先の放任主義で、感染が急拡大して世界第3位(27万人以上)になったとか、フランスでの新型コロナによる死者が最も多いのは、貧困層が特に多いパリ北部近郊のセーヌ・サン・ドニ県だとか暗い話ばかりです。

 メディアも大衆も暗いネガティブ情報ばかり目を向けがちです。もっと明るい話はないもんですかね?

 例えば、先ほどのジョンズ・ホプキンス大学のマップによると、本日の時点で、ベトナムとカンボジアとラオスでは、新型コロナウイルスによる死者はゼロなのです。感染者は、それぞれ、324人、122人、19人といるものの、一人の死者も出していないのです。何が原因なのでしょうか? 一党独裁政権による強権的な封鎖が奏功したのではないか、という識者の意見もありますが、それだけじゃなさそうです。何しろ、同じ東南アジア諸国(ASEAN)では、インドネシア1221人、フィリピン837人、マレーシア114人、タイ56人、そしてシンガポールは22人の死者を出しています。ASEANの中では開発国と言われているCLV(カンボジア、ラオス、ベトナム)の「成功事例」を知りたいものです。

 そう言えば、北朝鮮は、死者どころか、感染者さえいないことになっていますが、世界中の人が信じていないのが可哀そうです。北朝鮮の成功例も知りたいものです。

 まあ、この御時勢では、記者や特派員が街に出て、「生の声」を拾うのも難しいでしょう。日本のテレビでは、コメンテーターと称する人たちが、現場を全く知らないのに、家に閉じこもって、したり顔で自分の意見を主張してばかり。これじゃあ、井戸端会議か居酒屋談義と何ら変わりやせん!(だから見ません)

 新型コロナのおかげで、「情報貧困社会」になったということでしょう。

新型コロナの真相が分からないのに煽動している人たち

WST National Gallery Copyright par Duc de Matsuoqua

新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言は、1カ月ほど延長されるようです。仕方ないですね。経済活動より人の命の方が大切ですから。

 でも、「コロナ以前」と「コロナ以後」では、世界は激変することでしょうね。一番激変するのは雇用形態です。大手企業の大半は、自宅待機でテレワークなんぞをやってますが、出社する人間は、コロナ以前と比べ、半分以下でも済んでしまったことが分かってしまったのです。余剰人員であることがバレてしまったんですね。

 旅行は、所詮、メーテルリンクの「青い鳥」探しですが、国内の鄙びた温泉に行こうが、海外の秘境に行こうが、「ここでない何処か」も「どこでもない此処」も何処に行っても同じで変わらないことがバレてしまったのです。

 世界中の人間が、グローバリズムという世界経済システムに組み込まれていて、都市封鎖をして経済活動を止めたら、どうなってしまうのかバレてしまったのです。そして、その阿漕な搾取構造もバレてしまったのです。

 飲んで浮かれて騒がなくても、生き延びることができることがバレてしまったのです。

健康重視のためフィンランドのスポーツシューズ「カルフ」買っちゃいました(笑)

 全ての話題とニュースが「コロナ漬け」になり、それが3カ月以上も続くと、さすがに、人々の苛立ちが募るようです。中には「武漢ウイルスは人工的につくられた」とか、「ワクチンの独占販売権を握った製薬会社の陰謀だ」とか、「陰謀論」が噴出し出しました。でも、私自身は、正直、あまり与したくありませんね。恐らく、真相は10年後か、20年後か、かなり年月が経たないと分からないと思っているからです。

 今、「日本人の必読書」として立花隆著「天皇と東大」第1巻(文春文庫)を私が一生懸命に読んでいることは、世間の皆様にバレていることでしょうが、この中で、「戸水寛人教授の『日露戦争継続論』」という章があります。戸水教授というのは、東京帝国大学法科大学教授のことで、当時の日本の知性を代表する頭脳明晰な人物と言えます。そんな人が、取り付かれたように狂信的な超国家主義者となり、戦争前は、盛んに「ロシアと戦争すべきだ」と新聞や雑誌に投稿し、帝大の七博士と連名で、元老の山縣有朋らに建白書を送り付け、戦争になれば、満洲はおろか、バイカル湖まで占領しろ、と煽り、戦争が終結し、講和条約締結(ポーツマス)の際には、「もっと戦争を継続しろ。何で勝ったのに賠償金が取れないんだ。樺太の半分なんてとんでもない。戦病死した10万人に何と言えばいいのか」と煽動し、何も知らない一般市民を日比谷焼き討ち事件を起こすように煽動し尽くした人でした。

 後世の人間から見たら、日本最高の知性が、何とも誇大妄想是に極まり、ピエロのような間抜け(失礼!)に思えますが、実は、当時は、日露戦争の実態を軍事機密として政府が公表しなかったので、日本はほとんど兵力も武器弾薬も尽き、負け戦寸前で、続行すれば、ナポレオンのモスクワ攻防の二の舞になるところだったことを臣民(東京帝大の教授陣も含めて)は誰も知らなかったのが真相だったのです。(このことは、講和条約を仲介した米国のセオドア・ルーズベルト大統領は情報機関を通じて、先に熟知していました!)

 そして、さらに驚くべきことに、この真相が初めて日本国民に明らかにされたのが、「機密日露戦史」(原書房)の形で公刊された戦後の1966年以降だったというのです。日露戦争は、1904(明治37)年から翌年にかけてのことですから、何と、60年以上も経って初めて真相が明るみに出たということになります。

 ということは、現在、テレビやメディアで、侃侃諤諤と医療専門家もコメンテーターと称する人間も、あることないことしゃべったりしていますが、これまた失礼ですが、真相が分からないのに主張している可能性があります。もしかして、60年も経てば、今回の新型コロナウイルスは、大手製薬会社の陰謀だったという証拠が出てくるかもしれませんが、少なくとも、渦中の今は、真相も分からない人間が、推測で物を言ったり、書いたりしているのではないのでしょうか。

◇偽情報には振り回されないこと

 100年前のスペイン風邪流行時とは違い、現在は、情報量は膨大です。しかし、その情報も玉石混交で、フェイクニュースがかなり混じっています。今の段階は、冷静になって、あまり情報に振り回されることなく、歴史的教訓にも学ぶべきではないでしょうか。

 少なくとも、私自身はそう確信しています。

新型コロナでなければニュースではない

WST National Gallery Copyright par Duc de Matsuoqua

 右を見ても左を見ても、上を見ても下を見ても、「新型コロナ」一色で、新型コロナに関連しないものはニュースではない、という勢いです。

 美談がたくさんある一方、「パチンコ店に押し寄せる県外ナンバーの車」「人が来ないように伐採されてしまった満開のチューリップや藤の花」「看護師の子どもの通園を拒否する保育園」「『感染者が出た』とデマを流して飲食店を閉店させた輩」…ちょっと耳を塞ぎたくなるような心無いニュースも聞かされます。日本人ってこんな民族じゃなかったのになあ…。

 経済関連は良い事一つもなし、といった感じで、ソフトバンクグループは30日に、2020年3月期の連結純損失(赤字)が9000億円に拡大するとの見通しを発表しました。9000億円ですよ。今年度の一般会計予算で鹿児島県が約8400億円、長野県が約9400億円などと言われますが、どれくらいの規模なのか分かります。(もっとも、ソフトバンクの有利子負債は桁違いにも15兆円もあります)

 当然ながら、1929年以来の世界大恐慌が予想されています。それなのに、本日(4月30日)なんか、世界主要国の株式は値上がりしてるんですよね。NYダウは532ドル高、東京の日経平均の終値は、3月6日以来約1カ月半ぶりに2万円台を回復しました。どうやら、エボラ出血熱用に使われている抗ウイルス薬「レムデシビル」が新型コロナにも効くんじゃないかと、治験で好成績が確認されたことが原因らしいですね。

 こんなチグハグな状況だから、危機意識の全くない命知らずの人間が暴走したり、公共心もない行動を平気でやる輩が出てくるのです。

WST National Gallery Copyright par Duc de Matsuoqua

 その一方で、どうも、新型コロナに関しては、世界中の人々が「見えない恐怖」に怯えていると思います。もし、新型コロナウイルスの色が肉眼で見えたり、臭いがしたりしたら、そして、何よりも「死に至る病」ではなかったら、これほど大騒動にならなかったことでしょう。「感染経路が分からない」というのが一番厄介です。

 識者によれば、日本では最初の武漢ウイルスは3月半ばに収束したものの、変異したウイルスが欧州に蔓延し、その変異ウイルスが日本に入ってきて、3月末からの拡散につながったようです。

 となると、また色々と変異して強くなれば、夏場に収束しても、また今冬、来年もと第2波、第3波が来ることを覚悟しなければなりません。来年の東京五輪開催も怪しくなってきました。日本だけの問題じゃないですからね。

 これは、100年前のスペイン風邪流行(1918~1920年)の教訓が教えてくれます。3年かかったわけです。全世界で患者数約6億人で、2,000万から4,000万人が死亡したとされています。100年前も都市封鎖や学校休校、商店閉鎖などの措置が取られたようですが、犠牲者の多さには茫然とします。

 100年前も「自宅待機」が半ば強制されたでしょうが、今と比べれば本当に大変で、今の100倍以上の忍耐を強いられてことでしょう。今のようにテレビもなければ、インターネットもなく、ネットフリックで映画を見たり、SNSで顔を合わせて通話したり、zoomで社内会議したりもできませんからね。

 昔の人は偉かった。

文学とは実学である

WST National Gallery Copyright par Duc de Matsuoqua 

新型コロナウイルス感染拡大の経済対策として、日本の国家政府は、国民1人に10万円と1世帯にマスク2枚を支給してくれるそうです。まだ届いてませんが、有難いことです。

 でも、素直に喜んでいいものやら。マスク2枚で466億円、国民1人10万円で12兆6000億円もかかるそうです。誰が立て替えてくれるのかと思ったら、新聞には「国費」と書いてましたから、結局、税金なんですね。まさか、大黒様の打ち出の小槌で、パッと現金が魔法のように現れてくれるものでもなし。

 何か、お腹の空いたタコが自分の脚を食べて、どうにか生き延びようとしているように見えます。

 うまい! これが文学です。何か、言葉に表せないモヤモヤしている感情を何とか、文字化するのが文学だとしたら、ここ数十年、厄介ものにされている大学の文学部とやらも、こういった緊急事態に何かと役に立つというものです。

 というのも、昨晩聴いたラジオで、作家の高橋源一郎さんが、現代詩作家の荒川洋治の随筆を朗読し、その中で、「文学とは実学だ。文学は、法律や医学や経済学と同じように、実社会に役立つものだ」といった趣旨のことを、孫引きの曾孫引きではありますが、強調していたからでした。(「ながら」でラジオを聴いていたので、荒川氏の本のタイトルを失念。荒川氏は何と、芸術院会員だったんですね!どうも失礼致しました)

 確かに、ここ数年、私自身も、文学の中でも小説やフィクションは、別に読まなくても良い、世の中に直接役立たないものだという思考に偏っておりました。そのため、ここ数年は、ノンフィクションか歴史書か経済書関係の本ばかり読んで来ました。

 しかし、疫病が世界中に蔓延し、アルベール・カミュの「ペスト」などの小説(結局、カミュが創作したフィクションですよ!)が改めて注目されている昨今を冷静に見つめてみると、文学の効用を見直したくなります。

Camus “La Peste”

 今、世界中で感染拡大を防止するために、経済封鎖するか、人の生命を優先するか、の究極的な二者択一を迫られています。変な言い方ですが、今、緊急事態の世の中で、実学として役に立っているのは経済学と医学ということになります。

 とはいえ、医学も経済学も万能ではありません。医学には医療過誤や副作用や、今騒がれている医療崩壊もあります。経済学も、ソ連型計画経済は歴史的にみても失敗に終わり、資本主義は、1%の富裕層に富が集中するシステム化に陥っています。

 その点、文学の弊害や副作用は、それほど劇薬ではないので、大したものではない一方、個人の生き方を変えたり、見直したりする力があります。下世話な言い方をすれば、小説を読んでもお金にはなりませんが、ヒトとしての生きる素養と指針を学ぶことができる、ということではないでしょうか。ボディーブローのようにジワジワと効いて、読んだ人の血や肉になるということです。

 昨晩はそんなことを考えていました。

緊張事態宣言の効果に疑問

WST National Gallery Copyright par Duc de Matsuoqua

 昨日は、ついに日本の国家の最高責任者である安倍首相が「緊急事態宣言」を発令しました。午後7時からの記者会見は、天下のNHKも民放もどこもかしこも同時生中継でした。私も長く生きていますが、こんな宣言は生まれて初めてです。我々は凄い時代に生きていますね。

 どれくらい凄い宣言なのか、私も固唾を飲んで聞いていましたが、以前と変わらない自粛要請のみで、都市封鎖もなし。厳しい外出禁止令を施行している欧米なんかは、違反すれば10万円とか30万円とか高額な罰金を取り、フィリピンの大統領は、違反者は射殺するとまで言ってるというのに、そんな制裁も何もなし。拍子抜けしてしまいました。緊急事態宣言は、5月6日までの期限付きで、7都府県で実施。感染者の多い愛知県が含まれなかったのは、トヨタがあるせいでしょうか。勘ぐりたくなります。

 事前にマスコミ辞令では閉鎖が発表されていた理髪店に行ってもいいし、安倍首相は「散歩やジョギングをしても構わない」とまで言う始末。果たしてこの宣言がどこまで効果があるのか疑問を持ちました。

 安倍首相といえば、ゴリゴリの強権主義者で、大胆無敵なイメージがありましたが、意外にも、結構ナイーブで、慎重、控えめな人だったんですね。英字紙では、緊急事態宣言を「State of emergency」としてましたが、同じ言葉でも、諸外国に当てはめて訳すと、「非常事態宣言」になります。「緊急」と「非常」の違いなんでしょうか?

 でも、日本の場合は、あくまでも単なるお願いですからね。緊急事態が宣言される前の3月下旬ですが、慶応大学病院の若い研修医たち40人もが、小池都知事の自粛要請を無視して、というか、小馬鹿にして、「3密」で楽し気な懇親会を深夜遅く3次会まで開き、18人以上が新型コロナウイルスに感染していたことが判明しました。医療従事者がこの体たらくですからね。罰金刑にしたいぐらいです。

 何でこんなこと言うのかといいますと、緊急経済対策など椀飯振舞いした後の財源が心配だからです。甚大な影響を受けた中小企業や個人事業主らに対しては納税も1年間猶予する方針らしいですから、赤字国債を発行するのか、いずれにせよ、国民の税金に跳ね返ってくることは素人でも分かります。

東京・銀座

 一方、お上が「店を閉めろ」と言ってるだけで、休業補償なしでは生活が成り立たないという商店主や夜の接待業者らの訴えもよく理解できます。

 減収世帯の賃金補償も、厳しい複雑な基準があって、月収20万円の世帯が11万円になっても補償なしなんですよね。半額以下の10万円ならいいようですが、何じゃらほいです。

 そんなこんなで怒りに駆られながら、先程、椅子から立ち上がろうとしたら、右脚がギクッとして、力が入らず、暫く歩けなくなりました。ギックリ腰はやったことがありますが、ギックリ脚は生まれて初めてです(苦笑)。

 生まれて初めて、尽くしです。

「影の首相」今井尚哉氏とは

WST National Gallery Copyright par Duc de Matsuoqua

 新型コロナウイルスで多数の死者が出ているのに、先日は、くだらないジョークを書いたところ、非難轟々。森一中の白沢さんからは「貴方は相変わらずのsarcasm ですね」と言われてしまいました。sarcasmとは相手を傷つけようとする悪意のある嫌味のことで、ユーモアを含んだirony とは違います。せめて、criticism(批評)と言ってもらいたいものです。

 修行の足りない小生なんか、他人様から何か言われると、すぐ怯んでしまいますが、その点、京洛先生は怯みませんねえ。

 「医師会もテレビも、医療崩壊、医療崩壊なんて叫んでますが、ベッド数にしても医者・看護師の数にしても、日本はコロナの前からとっくに医療崩壊しているのです。何を、今さらですよ」と、内部事情に通じた発言をぶちかましていました。

 「それより、毎日新聞日曜版に連載されている松尾貴史さんのコラム『ちょっと違和感』読んでますか?新聞記者もあれぐらい書けなければ駄目ですね。松尾さんはなかなか大したタレントですよ。今の記者は何をやってるんですかねえ」とご立腹でした。

 ということで、3月5日(日)に掲載された「志村けんさん、新型コロナで死去 心がない、お悔やみの言葉」と題したコラムを読んでみました。為政者に対する痛烈な批判です。特に、小池都知事に対しては、「死者に対する心ない発言」や、緊急性のない記者会見を夜に開いて、記者から「夜出歩くな、とか分かるんですが、それを聞くために夜に集まった私たちは何なんですか」と指摘されても「状況は刻刻と変化しております」と開き直る態度をコテンパンに批判してます。これ、あくまでも、sarcasmではなく、 criticismの極致ですね。

 つまり、目立ちたがりの小池さんは都知事として「やってる感」をテレビで強調したいだけなのです。ついでながら、テレビに出ることで、再選のための選挙公報運動をやっているようなものなのです。都民も騙されてはいけませんね。

WST National Gallery Copyright par Duc de Matsuoqua

 話は変わって、今、「影の首相」として今井尚哉・内閣総理大臣補佐官が俄然、注目を浴びています。この方、「全校一斉休校」も「1世帯、マスク2枚」も考案して安倍首相に進言して、周囲の制止を振り切って採用させようとしたという噂の持ち主です。

 ジャズシンガーの山岡未樹さんは、メルマガで「84円の切手を使用したとして 50億円、マスク1枚\200円 2枚で 400円で  200億円 かかります。これ 私達の税金ですよね。」と発言されてました。

 確かに。

WST National Gallery Copyright par Duc de Matsuoqua

 この今井尚哉さん、どんな人なのか調べたら色々と出てきました。まず、お名前は「なおや」ではなく、「たかや」と読むそうで、1958年8月、栃木県生まれの61歳。日本工業倶楽部理事長を務めた宮島清次郎も出た名門・県立宇都宮高校卒業後、東大法学部へ。卒業後、通産省に入省したバリバリのエリート高級官僚です。

 名前からすぐ分かったのですが、新日鉄会長、経団連会長を務めたあの今井敬氏(1929~)は叔父に当たります(本人の父親は医者だったとか)。この今井敬氏も著名人ですが、さらに有名なのが、もう一人の叔父今井善衛(1913~96)です。えっ?何?知らない? この方、府立1中ー1高ー東京帝大ー商工省という絵に描いたようなエリートコースを歩み、官僚トップの通産省事務次官を務めました。。城山三郎の小説「官僚たちの夏」で、商工省入省同期の佐橋滋が主人公の風越として登場し、今井は、同期で次官を争う玉木のモデルになっています。

 この今井善衛は、安倍晋三首相が敬愛する祖父岸信介が商工大臣だった時代の部下で、奥さんが山種証券をつくった山崎種二の娘。一方、安倍首相夫人の昭恵さんの叔母が、山崎種二の三男誠三の妻ということで、安倍家と今井家は遠い縁戚になります。

 そっかあ。ネポティズム(縁故主義)は今に始まったわけではなく、戦国時代、いや古代から日本の伝統芸能でした!