「.com」から「.net」へ=《渓流斎日乗 Ⅱ》に移行します

    【皆さまへお知らせ】

 昨日、ちらっと告知させて頂きましたが、Googleアドセンスの獲得を目指して、2024年3月16日(土)を持ちまして、長年御愛読頂いております《渓流斎日乗》のドメインを移行致します。つまり、

keiryusai.com ➡ keiryusai.net

 に引っ越します。頭のkeiryusai は変わらず、「.com」から「.net」へとドメインが変わります。もし、「お気に入り」に御登録の方がいらっしゃいましたら、変更をお願い致します。ただ、当面は、keiryusai.com の記事は残っておりますので、いつでも読むことが出来ます。新しい記事は、keiryusai.net で更新していくということになります。

 逆に言いますと、 keiryusai.com の記事は更新されない、ということです。

 新ブログの当初は《渓流斎日乗Ⅱ》として再スタートしますが、フォーマットや体裁やレイアウトに関しては、少し時間を掛けて変更していきます。ので、当初は記事とそれに見合った写真のみのシンプルな掲載になるかと存じます。

 戸惑ったりすることが多々あるとは存じますが、どうぞ皆さまの御理解と御愛顧を賜りたく存じます。

 どうぞ宜しくお願い申し上げます。

  keiryusai.com ➡ keiryusai.net

 です。

他のドメインで再挑戦します=Googleアドセンスのこと

 いつも《渓流斎日乗》をご愛読賜り、誠に有り難う御座います。

 昨日はちょっとショックなことがありました。Googleアドセンスに再申請したところ、10日経って、またもや「不合格」となったのです。

 理由は「ポリシー違反が見つかりました」とのことですが、具体的にそれは何を指すのか分かりません。ポリシー違反の中には「有用性の低いコンテンツ」というものがありますから、要するに、「おまえのブログは水準に達していない」ということなのでしょう。

 ギャビ~ンです。(ちょっと古いギャグです。)

 これからどうしたら良いのか? ブログ廃業も考えましたが、結局、他のドメインでもう一度、Googleアドセンスに挑戦するということにしました。技術的には私は素人で無理なので、ITコンサルタントのM氏にほとんど丸投げでお願いすることに致しました。契約は3カ月間です。勿論、Googleアドセンスの獲得を目指しますが、Googleという相手は強者です。ですから、Googleアドセンスは最終的に獲得できない可能性もあります。

 「それでも良し」と納得して、M氏とは契約しました。これまで、M氏には1月下旬からボランティアで散々、長きに渡ってお世話になり、100通近いメールのやり取りまでさせて頂きました。それで、今回諦めて、M氏には「これで終わりにします。どうも有り難う御座いました」とお別れするのは忍びないということがありましたけれど、それ以上にチャレンジ精神がムクムクと湧いてきたからです。

 Googleアドセンスを獲得することが出来れば、万々歳で、めでたし、めでたしで終わりますが、もしまた不合格になれば、こちらの落ち度ということが分かります。Googleアドセンスが承認されれば、広告が付き収益を得ることが出来ますが、よほどの人でない限り、ガーシーさんとは違って、「文章」で勝負するブログ広告の収益は限られています。せめて、サーバーとドメイン代の補填になれば良いという考え方がちょうど良いかもしれません。

 それより、長い間、M氏とメールのやり取りをしていて、Googleアドセンスの審査は年々厳しくなっていることから、獲得できれば、むしろ「名誉職」に近いのではないか、と思うようになったのです。いわば、ブログに箔が付くということです(笑)。

 ということで、恐らく、近いうちに、ドメインを引っ越します。正式に決まりましたら、新しいドメインを告知致します。多分、その後は、もうこのドメイン・サイトでは更新しないと思いますので、もし、「お気に入り」か何かにご登録されていたら、変更をお願い申し上げます。

 

祖父のこと=新曲”Going back to Rome”も公開します

 私の父方の祖父高田正喜は小学校の音楽の先生でした。明治36年(1903年)10月に佐賀県浜崎町(現唐津市)に生まれ、昭和19年(1944年)9月に亡くなっておりますのでまだ40歳でした。父浩が18歳の時に亡くなっておりますから、当然私は会ったことがありません。序ながら、小松製作所の社員だった母方の祖父岡本五八も明治30年(1897年)5月に生まれ、昭和17年(1942年)12月に45歳で病死しているので会ったことがありません。お爺ちゃんは二人とも知らないわけです。

 父方の祖父高田正喜ですが、父親から伝え聞いた話では、佐賀師範学校(現佐賀大学教育学部)を首席で卒業して銀時計をもらったそうですが、卒業後、地元の渕上(ふちのうえ)小学校などで音楽教師を務めた後、昭和6年(1931年)に上京して横浜に出てきて、鶴見の下野谷小学校などに勤めたといいます。よく分かりませんが、当時は、師範学校卒だけでは中学などの上級の教師になれないので、資格検定試験を受けたそうです。祖父は、声が悪かったので、いつも声楽の試験で落とされたそうです。そこで、声を良くしたいと、本当かどうか知りませんが、ナメクジを飲んでいたそうです。

 祖父は小学校の生徒を引き連れて、日本放送協会での子ども合唱会のラヂオ番組に出演したことがあったと聞き、昔、私がNHK記者クラブに勤務していた時、資料室に行って確かめてみましたが、見つからず、裏が取れませんでした。

 当時、ピアノが家庭にある家はお金持ちでしたが、久留米藩士の末裔で維新後、焼き物店などを開いたものの、「武士の商法」で家計は火の車だったと聞いたことがある高田家にピアノを買う余裕があるはずもなく、祖父が何処でピアノを習ったのかも不明です。同じ佐賀県出身で、小澤征爾のピアノの師だった豊増昇(1912~75年)にも習ったことがあったか、知り合いだったのか、薄っすら父親から聞いたことがありますが、詳しく聞かないうちに父も亡くなってしまいました。

 いずれにせよ、音楽教師ともなれば、ピアノは必需品ですから、父親の記憶では、祖父は家に居る時は、朝から晩までピアノばかり弾いていたようです。祖母が「ご飯ですよ」と呼びに行くと、「うるさい!」と言って怒鳴っていたそうです。特に、ベートーベンのピアノ・ソナタが多かったと聞きました。私は特にモーツァルトとバッハ、ブラームスが好きなのですが、クラッシック好きは祖父の遺伝なのかと思っています。

 また、クラシックに限らず、私は、ビートルズやジャズ、ボサノヴァなどの音楽が好きで、作詞作曲したりするのも、これまた祖父の血かな、と思っています。

 ということで、昨日つくったばかりの新曲”Going back to Rome” も公開することにしました。

“Going back to Rome” composed by Kin-no-souke TAKATA

1,Hey, You run away from home.

I swear it, I’m coming back from Rome.

2,You look so bad,. You’re buried, never to be found.

I’m feeling down. I’m feeling like going outbound.

※ You seem to me how long life to be

But you should remember how short it could be

ちょっと暗い曲なのですが、最近の私のメンタル状況を反映していると思われます(苦笑)。次はもっと明るい曲をつくります(笑)。

新曲「バタフライ効果~言葉にならない」を公開します

 学生時代に音楽ユニット「エトランジェ」を結成して、学園祭などで演奏して楽しんでおりました。

 別に誰かに頼まれたわけではありませんが、あくまでも自分たちで作詞作曲したオリジナル曲に拘りました。「好いた、惚れた」だの、「恨み、つらみ」だのと日本語で唄うとどうも恥ずかしいので歌詞は英語にしました。30曲以上作りました。

 知る人ぞ知る存在なので、内輪だけに受けておりました(多分=笑)。社会人になって仕事が忙しくなったこともあり、活動は休止しましたが、昨年、また学生時代の音楽クラブのOB会で実に45年ぶりにステージ立ちました。

 そしたら、やはり、また、音楽活動がしたくなり、オリジナル曲づくりも再開しました。しかし、相方の刀根君は遠く名古屋に住んでおり、しかも、最近は病気がちで、こちらがメールを出しても返信すら出来なくなってしまいました。

 以前でしたら、こちらが作った曲で、途中で嫌になって投げ出した曲などに彼は2番の歌詞を作ってくれたり、バックにチェロの伴奏を重ねるアレンジをしてくれたり、コーラスも付けたりしてくれたのですが、最近は「身体がしんどい」と言って、寝込んでいるようです。

 とても心配なのですが、早く回復してくれて、また一緒に活動を再開してもらいたいと願っております。

 本日は、まだ途中のラフの状態ではありますが、独りで作った曲を公開させて頂くことにしました。人類学者の山際寿一氏の「言葉が人類に暴力性を生んだのではないか」という発言に触発されて作りました。

 タイトルは「バラフライ効果~言葉にならない」です。1本目は、マーチンDー28、2本目はオベイションのセレブリティで演奏しています。刀根君が元気なら歌詞をつくってもらい、アレンジしてもらいたいと思っているのですが。。。

  アインシュタインは「私はしばしば音楽で考える。私はめったに言葉では考えない」と発言したことがあるそうです。ムフフフフ、私も最近、真似しているのです(笑)。

携帯電話メッセージの詐欺ショートメールにはご用心

 私は格安のR社の携帯電話(スマートフォン)を契約していますので、通話やメール等はR社の専用アプリ「R LINK」を使う場合が多いです。

 機種はiPhoneなのですが、それゆえ、最初からiPhoneにアプリとして搭載されている「電話」や「メッセージ」のアプリは有料になるので使いません。

 それでも、こちらから使わなくても、外から「電話」が掛かってきたり、「メッセージ」が送られてきたりします。

 先程も「090-8276-7641」という私自身全く心当たりのない電話番号からショートメッセージが送られてきました。「お客様宅の表札と宛名が一致しないため、配達を見合わせました。」と変な日本語があり、その下にリンク先のサイトが添付されていました。

 怪しい!

 と、私の第六感が働きましたので、リンクサイトを開くことはありませんでした。恐らく、怪しいサイトに誘導されるフィッシング詐欺なのでしょう。

 私は、転んでもただでは起きませんので、この怪しい番号「090-8276-7641」は、何者なのか調査してみました。今は検索すれば、すぐ分かります(笑)。

 やはり、推察通り、フィッシング詐欺専門の電話番号でした。それも手を変え品を変えての暗躍ぶりです。メッセージの内容が少し変わったりしているのです。ある時は「お宅にお伺いしましたが、ご不在で荷物を返却いたしました。後程ご確認を。https://t.co/8jyMAe8LF5」だったりしておりました。

 何故、分かるのかと言いますと、検索すれば、迷惑な詐欺ショートメールの事例が沢山出てくるからです。

 例えば、電話番号「080-9792-0627」から送られてきたショートメッセージは「お荷物をお届けしようとしましたが、ご不在でしたので持ち帰りました。https://t.co/Am0SU3fJ1k」、電話番号「070-9016-1983」からのショートメッセージは「配達予定日にお荷物をお届けできず申し訳ございません。ご連絡をお待ちしております。 URL」…といった具合です。

 私のところには、詐欺のショートメッセージだけでなく、詐欺メールも来ます。いつぞや、「フィッシング詐欺にご注意ください。」と某銀行から親切御丁寧なメールと瓜二つ、誠そっくりの銀行サイトが来たことがありますが、その某銀行には私の銀行口座がないので、直ぐ「怪しい」と判断できました。フィッシング詐欺を騙るフィッシング詐欺だなんて、まさに大胆不敵です。恐らく、罪悪感も羞恥心も後悔も何一つない人間がやらかしていることでしょう。何しろ、対面で恫喝したり、傷つけたりしないで済み、コンピュータが勝手にやってくれるわけですから、罪悪感そのものを感じることはないのでしょう。

 やはり、人類学者の山極寿一氏が力説する通り、人間は、オンラインや電話音声などではなく、握手したり、一緒に食事したりするなど身体的コミュニケーションを取ることで、初めて信頼や共感を得ることができるのでしょう。Facebookに何百人も友だちがいようと、会ったこともなければも怪しいもんですよ。

 

犬養毅の孫安藤和津が女優デビュー=安藤サクラの母ですが、元法相犬養健の娘さん

  本日3月7日付のスポーツ報知に「エッセイストでコメンテーターの安藤和津が76歳で女優デビュー」という記事が載っていました。16日から18日まで、東京・六本木トリコロールシアターで上演される朗読劇「動機」に出演し、「この年齢で新しいお仕事ができる幸せ」などと語っています。

 安藤和津さんは、俳優奥田瑛二の奥様としても知られていましたが、今や映画監督安藤桃子と女優安藤サクラの母といった方が通りが早いかもしれません。

 スポーツ報知では、安藤和津さんの略歴が掲載されていて、そこには「祖父は犬養毅、父は法務大臣で小説家だった犬養健」と書かれていたので、「えっ?」と驚いてしまいました。いや、昔、彼女の血筋が良いことをうろ覚えはしておりましたが、すっかり忘れておりました。

王子・金剛寺

 祖父の犬養毅は岡山県出身で、慶應義塾で学び、郵便報知新聞記者として西南戦争に従軍したことがあります。政界に転身し、立憲政友会の総裁などを務めて首相の座に昇り詰めましたが、5.15事件で暗殺され、教科書にも載っているので知らない人はいないと思います。

 私はむしろ注目したのは安藤和津さんの父犬養健です。私が長年勉強してきたゾルゲ事件に連座して起訴された人(後に無罪)だったからです。犬養健は白樺派の小説家から政界に転じ、ゾルゲ事件当時は政友会の衆院議員で、近衛文麿首相の側近で、汪兆銘(南京国民政府)の顧問も務めていました。ゾルゲ事件の中心人物である尾崎秀実の友人だったことから情報漏洩の容疑で起訴されたわけです。一転して、戦後は、法務大臣(吉田茂内閣)を務め、1953~54年の造船疑獄事件指揮権を発動した法相として歴史に名前を刻んでおります。

 犬養健の長女道子は評論家、長男康彦は共同通信の社長を務めたことはよく知られています。安藤和津さんは、犬養健と柳橋の芸妓だった荻野昌子との間の娘として生まれて認知されたといいます。昭和23年3月6日生まれですから、スポーツ報知の取材を受けた昨日が76歳の誕生日だったわけです。

「資本主義経済は、リスクを取っても良い人間が、リスクを取りたくない人間から利益を吸い上げるように出来ている」=山崎元著「経済評論家の父から息子への手紙」の名言です

 幸せとは何か-? 最近、個人的に、幸せとは「憂いがない」ことだと思うようになりました。「憂いがない」というのに、フランス語で丁度良い言葉がありまして、sans souci(サン・スーシー)と言います。18世紀のプロイセンのフリードリッヒ大王が建てた「サンスーシー宮殿」は有名ですから、聞いたことがあるかもしれません。

 人間、生きていれば色んな憂いがあります。その中でも将来の不安が一番かもしれません。具体的に言えば、将来の生活で、もっと具体的に言えばお金の心配です。私は、「経済音痴」を自称し、給料もほとんど、生活費や子どもたちの学費などで消え、若い頃は普通預金に入れたまんまでした。しかし、中年を過ぎて将来の不安もあり、投資も考えるようになりました。その時、一番お世話になった書籍は、経済評論家の山崎元氏が初心者向けに書いた易しい株式投資の本でした。もう15年ぐらい前かもしれません。彼の著作は何作も読みました。

 その山崎氏が今年1月に65歳の若さで亡くなったことには吃驚してしまいました。何しろ、私より若いですから。そんな山崎氏が「遺作」として「経済評論家の父から息子への手紙」(Gakken、2024年2月27日初版)を出版したことを知り、早速購入しました。

 通勤電車の中で直ぐ読了できました。内容はタイトル通り、経済評論家の山崎氏が東京大学に合格したばかりの18歳の息子に宛てた「私信」を元に、経済の仕組み、起業と投資の勧め、それに人間の究極の幸せとは何かといったことを、まさに「遺言」として説いたものでした。(あとがきで、息子さんの出身高校は、海城だと書かれていたのでこれまた吃驚。私の母校ではありませんか!)

 斜に構えて言えば、この本は、まだ世間知らずの息子に対して父親が説いた「処世術」です。私ももっと若い頃に読んでいたら大いに参考になっただろうと思いました。しかし、「人生哲学書」として読むとなかなか味があります。

 勿論、経済評論家の本ですから、投資に関する指南はまさに的を射ております。何よりも、「資本主義経済は、リスクを取っても良い人間が、リスクを取りたくない人間から利益を吸い上げるように出来ている」というのは、名言です。かなり、真相を突いていると思います。言い換えて、「世の中は、リスクを取りたくない人が、リスクを取って良いと思う人に利益を供給するように出来ている」とも言っております。

 まさに、その通りです。経済格差や世の中の不公平を叫んでばかりいても始まりません。このように、世の中の仕組みを知ることが先決です!!このリスクというのは投資と置き換えて良いかもしれません。世界の大富豪のほとんどが起業したりして自社株を保持し、その評価額が富裕層として反映されています。逆に言えば、投資しなければお金持ちにはなれないのです。(人生哲学で、別に大金持ちになる必要がないと確信している人には関係がない話ですが!)

 テレビにチャラチャラ出て(露出を優先して)、CMで1本8000万円も1億円も稼ぐような芸能人や文化人がおります。山崎氏の伝で言えば、その人は確かに強運の持ち主ではありますが、その人なりに、平凡なサラリーマンや公務員の道を選ばす、リスクを冒して今の自分の地位を築き上げた人ということになります。

 さて、これから、具体的に何に投資したら良いのか? 詳細は本書に譲りますが、山崎氏は、例えば、個別銘柄よりもインデックスファンドをお勧めしています。FXや仮想通貨、信用取引などはギャンブルだと断定しています。また、不動産投資も決して有利なものではなく、それは「不動産業者が自ら物件を保有するのではなく、客を探して売っている状況が雄弁に語っている」と説明しています。

 保険も、保険会社が得をして加入者が損をするように出来ていて(そうでなければ、保険会社はつぶれる)、山崎氏も「最近癌にかかったが、健康保険に加入していれば、民間のがん保険は不要だと改めて確認した」と言うほどです。

 いやあ、こういった助言だけでも、この本を買って良かったと思いました。著者が力説する通り、安心も、リスク(投資=本の購入)を取って初めて得ることができたということになりますか。

 

言葉が人類に暴力性を生んだ?…そう言われると困りますが

Ginza

 いやはや、たまたま見ましたEテレの「NHKアカデミア」に出演されていた人類学者の山極寿一氏のお話は、私にとっては「コペルニクス的転回」でした。そして、何よりも、自分は今まで何を信じて生きて、行動してきたのか、グサッと鋭利な刃物を突きつけられた感慨になりました。

 山極氏は、京大の総長まで務められた方であり、世界的なゴリラ学者であります。そういう人が何故、人間は現代になってもいまだに暴力的なのか、その起源はいつからなのかという問題を探索したことがこの番組のテーマになっていました。

 結論を先に書けば、霊長類の人類は700万年前にチンパンジーから枝分かれしてヒトとして歩み始めてから、当初はアフリカのサバンナで捕食者に囲まれ危険な状態だったので、どうしても協力して集団を作らなければならなかった。そこには共感が生まれ、食べ物の分配も行われ、平和的だった。しかし、1万年前に「言葉」が生まれ、同時に農耕定住生活となると、集団同士が食物や領地の争い等で暴力的になったというのです。

 山極氏に言わせれば、共感の力が暴発して、言葉による情報交換が人々を傷つけ、不安や戦争に駆り立てるようになったのではないかというのです。私は「記者」という職業を選び、40年以上も「言葉」を信じて仕事をしてきたので、まさに彼の説は、コペルニクス的転回の発想であり、衝撃を受けたわけです。人類は699万年間、平和だったのに、言葉の威力によって、わずか1万年前から暴力的になったというのですから。

小倉城

 山極氏が専門のゴリラは、決して暴力的な動物ではなく平和を愛好して、リーダーは仲間割れしないよう制裁したり、気を配ったりしているというのです。よく誤解されているのは胸を叩くドラミングで、これは相手を威嚇する意味ではなく、相手と戦わずして引き分けにする表現だったというのです。

 ゴリラは言葉を持っていないので、自分が見ている世界しか共有できない。一方の人間は、言葉を使うので、見た世界を言葉で表現する。それによって、同じ集団や共同体(せいぜい150人程度)以外に住む世界の別の人間にも情報が伝わる。それが、良い方向で伝わればいいのですが、誤解したり、曲解したりして、相手を傷つけたり、猜疑心、嫉妬心、敵対心などネガティブな感情が生み、人間を暴力的に至らしめる、というわけです。

 私は、言葉より、今はSNSや動画の方が影響が強いと思っていますが、同じことかもしれません。

 山極氏は、このように暴力性を生まないよう防ぐにはどのようにしたら良いのか、ズバリ処方箋を語っていました。それは、言葉に片寄り過ぎないようにして、身体的コミュニケーションを増やすことだというのです。一緒に、食事をしたり、スポーツをしたり見たり、音楽を聴いたり演奏したり、ボランティアをしたりすることによって、相手の気持ちや感情を理解するようにすれば良いというのです。

 確かに、契約や条約締結などは言葉のやり取りで済むはずですが、例えば、わざわざロシアのプーチン大統領が、北朝鮮の金正恩総書記に会うために平壌にまで出かけたりするのは、まさに握手したり、食事を一緒にしたりして身体的コミュニケーションを図って、初めて信頼関係が生まれるからなのでしょう。

 山極氏は若い人からの質問に面白い助言をしていました。

 友達と一緒に夕焼けを見たら良いよ。言葉が出ないでしょう。感動して言葉が見つからないでしょう。人間も自然と付き合うことで相手に近づけて、相手の気持ちも分かるかもしれませんよ。

 うーん、確かにそうですね。しかし、「言葉が人類に暴力性を生んだ」と言われると私は困ってしまいます。何しろ、言葉だけを頼りにこれまで生きてきた人間ですから。。。

大谷さん結婚、それで?

Higashi-Ginza

 ドジャースの大谷翔平選手、ご結婚おめでとう御座います。日本時間、昨日の夕方からこの話題で持ちきりで、民放なんか、政倫審(政治倫理審査会)の大事なニュースまで飛ばして、この話題ばかり放送しているんですからね。

 恐らく、これから書くことは直ぐ古びてしまうと思いますが、お相手はどなたかと思ったら、顔写真どころか、名前すら明かさないというのです。交際していたことすらどこのマスコミにも感づかれず、この徹底した秘密主義には脱帽です。それでも、SNS隆盛時代ですから、皆さん好き勝手に飛ばしています。こういった「飛ばし記事」は、昔だったら、東京スポーツや日刊ゲンダイや「噂の真相」の独壇場だったんですが、今や「普通の人」の発表舞台になってしまいました。

 私はそれほど暇ではないのですが、気になるので、検索してみたら、お相手は、いずれも身長180センチを超えた元バレーボール選手、元バスケットボール選手らの名前が挙がっていました。世界中から注目されますから、そりゃあ大変でしょうね。ご同情申し上げます。

東銀座「紹興苑」 香港焼そば1000円

 さて、またまた私事ですが、このごろ、どうも自信がなく、ビクビク、オドオド生きている気がしております(本日は、満員の駅構内でクソガキからいきなり足で蹴られました)。何も悪いことをしているわけではなく、毎日、往復3時間のバスと満員電車に乗って通勤し、真面目に仕事をし、帰りに悪所に通うことなく、飲みにも行かず、瞬きもせず、真っすぐ帰宅しています。しかも、電車の中では量子力学の難解書を読み、家に帰れば、錆び付いたフランス語を紙の辞書を引きながら勉強しているぐらいです。嗚呼、それなのに、それなのに。誰からも褒められもせず、苦にもされず、木偶の坊と呼ばれるだけです。甲斐性なし扱いです。何か悪いことでも、私、しましたか?

 これでは、ビクビク、オドオド生きてしまうのも仕方ないですね(苦笑)。最近、私が住む地域でも、毎日のように微震が続いているので、「大災害や事件、事故に巻き込まれたら嫌だなあ」といった不安がないことはありませんし、残り少なくなった人生を如何に生きるか? お前は一体何者で、何のためにこの世に生まれてきたのか? といったアポリアが頭の中で堂々巡りしているので、そりゃあ、心が不安定になっても当たり前です。

 一番の薬は、「考えないこと」でした。何しろ、回答がないのです。頭の中で堂々巡りしているだけですから、エントロピーが増大し、考えるだけで時間の無駄なのかもしれません。

 再読している「時間の終わりまで」(ブルーバックス)の著者ブライアン・グリーン氏によると、我々という人類といいますか生命は、自然法則に支配された膨大な粒子が集合してできた物理的存在だというのです。我々の行為や思考は全て、粒子の運動に帰着していることから、自由意志が入り込む余地がないというのです(シュレーディンガー説)。つまり、我々が自由に選択しているようにみえるものは、自然法則が最も基本的な姿で働いているところを我々は見ていないからで、我々には自由な意志で考えたり行動したりしているように強く感じられるとしても、実のところ、それは物理法則に完全に支配されて動き回る粒子たちの複雑なプロセスであることが分かるといいます。

 ちょっと難しい書き方ではありますが、理論物理学者の目から見れば、人間とは「物理法則に支配されている粒子が詰め込まれ袋」に過ぎず、結局、意識や思考も物理法則に支配されているというわけです。

確かに、量子論学者さんから見れば、意識しようが、思考しようが、不安になろうが、人間というものは所詮、「粒子の袋」に過ぎないんですね。文学から見ればあまりにも救いようがない話ですが、科学が見れば、それこそが真実なのでしょう。

最初から、Et Alors?(だから何なのさ?)という話でした。

 

情けは人の為ならず?=「物価高騰対応重点支援給付金」騒動

 個人的な話なのですが、本日、私が住んでいる自治体から思いも寄らないような大金が私の銀行口座に振り込まれました。

 いえいえ、還付金詐欺でも特殊詐欺でもありません。10日程前に自宅に葉書が来まして、さすがに「お前は貧乏だから」とまでは書いておりませんでしたが、「物価高騰対応重点支援給付金を支給致しますので、貴方の銀行口座に2月28日付で振り込みます」との案内があったのです。

 半信半疑でしたから、振り込まれるまで分かりません。油断も隙もありません(笑)。そしたら、本日、口座を確認したところ、ちゃんと振り込まれていたのです。「あの通知は本物だったんだあ」と、安心と嬉しさと喜びと感激に満ちあふれたのでした(笑)。大袈裟ですねえ。

 大金とはいえ、私は2月1日に早々と確定申告を済ませて、6万5200円もの多額のお金を納税したばかりでした。納税分をギリギリ取り戻したか否かの状態なので、何となく、プラスマイナスゼロといった感覚です。とても、これで「豪遊したい」といった気分にもなれません。

 そもそも、物価高騰対応重点支援給付金ということですから、家計の赤字を解消する補填金ですからね。

東京・新富町

 それでも、大いに助かります。もしかして、私が住む自治体だけがこんな行政サービスをしてくれるのかしら?

 いえいえ、昨年11月に閣議決定したものでした。内閣府のホームページにはこんなことが書かれていました。

 エネルギー・食料品価格の物価高騰の影響を受けた生活者や事業者の支援を通じた地方創生を図るため、「デフレ完全脱却のための総合経済対策(令和5年11月2日閣議決定)」への対応として、地方公共団体が地域の実情に応じてきめ細やかに必要な事業を実施できるよう、令和5年11月に「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」(重点支援地方交付金)を創設するとともに、低所得世帯への支援のための「低所得世帯支援枠」を創設しています。
 また、令和6年度与党税制改正大綱のとりまとめと併せて成案を得た「低所得者支援及び定額減税を補足する給付」に対応するため、令和5年12月に「給付金・定額減税一体支援枠」及び「給付支援サービス活用枠」を創設しています。

 お役所の文書なので、大変読みにくいですねえ(失礼!)。交付金は補正予算を含めて、2兆6903億円。

 原資は国民の税金ですから、なあ~んだ、やはり、自分の支払った納税金が、自分の懐に戻って来たようなものです。

 これは、表裏の区別が出来ない連続面となる「メビウスの輪」みたいなものなのでしょうか? まあ、例えは悪いですが、お腹が空いた蛸が自分の足を食べて空腹を満たすようなものかもしれません。

 それとも、自分の投げたブーメランが返って来たようなものなのか? 「情けは人の為ならず」ということで、困った人を助けたお蔭で、逆に、自分が困った時に助けられたような話なのかもしれません。

 いずれにせよ、私自身は2月1日に早々、確定申告を済ませて、納税したお蔭だと思っています。目下、自民党議員の裏金問題で、「確定申告ボイコット」の波がSNS上で巻き起こっているらしいのですが、やはり、確定申告はした方が良いですよ。

 「正直者は得をする」世の中を造っていかなければなりませんから!