あるものを「なかったこと」に

 中国国家統計局は15日、若者(16~24歳)の失業率の発表を突如、取りやめ、大きな話題になりました。6月は21・3%と過去最悪の水準となっていたので、7月はさらに悪化したことが容易に想像されます。

 これに対して、中国のSNS上で「失業率を発表しない、ということは問題がなかったことになりますね」といった皮肉のコメントが投稿されたようです。あれっ?中国には言論の自由があったんですね。

 中国人、特に国家中枢を占める漢民族は、どうも都合の悪いことは、「なかったこと」にすることが得意のようです。これで思い出したのは、2011年7月に中国浙江省温州市で起きた高速鉄道の列車衝突・脱線事故です。この事故で40人の死者が出たと言われていますが、当局は、問題の列車の事故調査をしないで、そのまま高架下の土中に埋めてしまったという国際社会が見ても唖然とすることが起きたことです。

 いまだに当局は、詳細な事故調査をしていない、ということは、事故は「なかったこと」にしてしまったようなものです。

Ginza

 まだあります。中国は、福島原発の処理水を海洋放出することに対して、強固な批判をし続けていますが、読売新聞によると、中国は、国内で運用する複数の原子力発電所が、福島の処理水の最大で約6・5倍の放射性物質トリチウムを放出しているというのです。

 これまた、読売新聞の報道がなければ、中国原発からの海洋放出は「なかったこと」になります。これまた漢民族の「お家芸」が発揮されたことになります。

 そこで、最近、私のブログのあるサイトに関して、色々と言い掛かりをつけてくる人がいたので、早速、この漢民族の手口を使うことにしました。

 関係者がいるので、詳細は茲では書けませんけど、要するに「なかったこと」にすることにしたのです。ややこしい人間とは関わらず、関知せず、関与しないことが常識人の基本です。なかったことにしても大勢に影響はないし、ネット上に載るべき重要なことでもありませんからね。削除は屈辱的でしたが、むしろ、余計なものがなくなってスッキリした気分ですよ。

台湾応援のため台湾料理を銀座「金魚」で食す

銀座 台湾料理「金魚」 

 本日も当局の監視の目をかいくぐってグルメの話題で胡麻化します。

 とは言っても、かなり政治的な話題に触れます。2028年にも米国を抜いて世界一の経済大国になると言われる中国のことです。

 その中国が3月1日から台湾産パイナップルの輸入停止を始めたというのです。中国当局の発表では、その理由は、害虫が発見されたからというものです。台湾産パイナップルの中国への出荷量は輸出全体の9割を占めていたので、台湾の農家にとっては大打撃です。

 台湾では「害虫説」を信じる人はほとんどいません。パイナップルの一大産地である台湾南部は蔡英文総統の与党民進党の支持者が多いため、中国が蔡政権を追い落とす策略のために輸入停止の措置を取ったのではないかと穿った見方をする人もいます。蔡政権はコロナ対策で成功し、支持率も高かったので、中国は、苦肉の策を弄したということでしょうか。

台湾料理「金魚」ランチ「ルーロー飯と台菜麺」1120円 ホットコーヒーを食前に持ってくる風習のようでした

 はっきり言って、大国中国は大人げないですね。弱い者いじめは良くないですよ。台湾だけでなく、国内では同化政策を強行しています。香港では国家安全維持法を施行し、自由と民主主義を弾圧し、「一国二制度」の約束を反故にしようとし、内モンゴルやウイグル地区などでは、固有の言語であるモンゴル語やウイグル語などを禁止して、漢語一辺倒での教育を強制しています。

 中国の今年の防衛費も昨年比6.8%増で、日本円で22兆円余りと日本の防衛費の4倍。アジアの周辺国だけでなく、欧米各国にも脅威を与えています。

 勿論、中国にも言い分はあるでしょう。19世紀から20世紀にかけて欧米列強と、急速に近代化を成し遂げた日本によって、植民地化されるなど長い間支配され、「もう二度と騙されないぞ」と「富国強兵」国家樹立に邁進せざるを得なかったとも言えます。中国にとって、台湾はあくまでも「自国領土」であり、国際社会の批判は「内政干渉だ」と敏感になっています。

 あれっ? グルメの話をするはずが、いつの間にか、生臭い話になってしまいましたね(笑)。

台湾料理「金魚」

  そうなんです。中国による台湾パイナップル禁輸のニュースを聞き、台湾を応援したくなり、本日、台湾料理店に行ったわけです。

 調べたところ、銀座で一番の人気店が、メルサ4階にある「金魚」という店だということで、初めて行ってみました。

 さすが、人気店で、ちょっと待たされましたが、本場台湾の味でした。台菜麺が美味かった。数年前に台湾旅行した時の味を思い出しました。

 今度またこの店に行くとしたら、今回注文しなかった台湾名物「小籠包」でも頼んでみようかしら。

 それとも、こんなことを正直に書いたので、高級中国飯店に行って「倍返し」しなければならなくなるかもしれません。

言語は世界制覇の最大の武器

昭和10年創業らしい「かいらく」 もやしそば 700円

 人間、否が応でも、政治や経済や社会の影響なしでは生きてはいけないということは自明の理です。でも、それ以上に重要なことは、日ごろ安易に感じられがちな文化だと私は思っています。文化の中でも最も大切なものは、言語です。

 言語は単なるコミュニケーションの手段だと、またまた安易に考えられがちですが、人間は言語によって思考したり、言語によって感情を表現したりする極めて重要なツールなのです。つまり、言語は世界制覇の最大の武器になるのです。

…なぞと、いつもながらの渓流斎ブログらしく、ややこしい前触れから始めましたが、何でこんなことを考えたかと言いますと、欧米が中国の「孔子学院」を相次いで閉鎖している、という記事を読んだからです。

 孔子学院とは、中国教育省傘下の孔子学院本部(北京)が海外の大学構内に設置しているもので、教師や教科書は中国から提供され、運営費の半額は原則的に中国が負担しているといいます。今年10月の時点で、世界162カ国・地域で計541校も開校しているといいます。

 しかし、ここに来て、中国が香港やウイグル、内モンゴルなどに強権的政治力を発動し、人権問題になったりしたことから、欧米を中心に反発が広がり、閉鎖される傾向が続いているといいます。そうでなくても、もともと孔子学院は中国政府のプロパガンダ(政治宣伝)機関かスパイ養成機関ではないかといわれるような疑心暗鬼があったことから、拍車が掛かったようです。

 私自身は、孔子学院でどのような教科書が使われているか知りませんが、中国国内でネット検索すらできない「天安門事件」や「香港国家安全維持法」などは取り上げられていないと想像しています。

実家の老親がやっと退院できるようになりましたが、条件はこのように家内に介護環境を整えることでした

 10月28日付産経新聞は「スウェーデン 対中感情悪化=欧州で突出 香港人権問題契機に」という見出しで大きく報道していました。中国共産党の批判書を扱い閉店に追い込まれた香港の「銅鑼湾書店」の親会社の大株主でスウェーデン国籍も取得している桂民海氏が2018年、中国本土で警察に拘束されたことが関係悪化の契機だったといいます。

 スウェーデンは、国内に8カ所ある孔子学院を全て閉鎖し、携帯電話の5Gで中国のファーウェイの機器の使用を禁止したといいます。

 産経の記事だけを読んでいる限り、「そうですか。中国って悪い国ですね」と言いたいところですが、少し冷静になってみると、そう言い切れないところがあります。この深層に、今年新たに孔子学院を2校閉鎖し、最大120校あったものを現在、81校に減少させた米国と、政治的、経済的に世界制覇を狙う中国との覇権争いがあるからです。つまり、善悪で捉えてはいけないということです。中国が一方的に悪で、米国が善というわけではないのです。言ってみれば、サバンナの弱肉強食の世界です。

 スウェーデンにしたって、2000年初めまでは、経済大国であり、ノーベル賞学者を多く輩出する日本を重視し、多くの日本語講座を設けていたのに、中国が経済発展すると、手のひらを反すようにして、日本語学校を閉鎖・追放して中国語講座を設けるようになったという話を以前、スウェーデン留学歴のある学者に聞いたことがあります。

 正確な引用ではありませんが、勝海舟は毀誉褒貶がある人とはいえ、日清戦争が起きる前、「あれだけ、昔はお世話になったのに、支那(中国)がかわいそうじゃないか」と言って、戦争に反対したと言われてます。

 古代に仏教(漢訳経典)も、稲作灌漑技術も中国大陸から渡ってきたものです。何と言っても、日本語の根幹となった漢字の導入があります。ベトナムや韓国北朝鮮は漢字を棄てましたが、「優等生」の日本は漢字を棄てず、今でも漢字なしでは日本語は語れません。日本人は漢字なしでは思考すらできません。

 尖閣諸島に出没する中国船の話などが連日報道され、世論調査でも中国に対する好感度が極度に下がっています。しかし、隣国として将来に渡って付き合わざるを得ません。

 そう言えば、日本のメディアの中国報道はネガティブなものが多い気がします。それが日本人の対中感情の悪化の原因の一つになっています。

 正直、私自身も皆さんと同じように、今の中国のことを大好きにはなれませんが、何事もほどほどに。欧米だけが一方的に正しいというわけではないのです。「中庸の精神」が大事だと私は思っています。

 

日本人の味覚が劣化していく恐怖

 渓流斎ブログは、「世界最小の双方向性メディア」を自称していますが、昨日書いた「コロナ禍どさくさ紛れの種苗法案は今国会断念だけでなく廃案にするべき」には結構反応がありました。

 例えば、学生時代からの畏友T君は、かつて住んでいた中部地方で週末に農業をやり、販売できるほど収穫があったといいます。しかし、それは化学肥料や農薬を使う「慣行農業」だからできたことで、色々と学んでいくうちに、「有機農業」や「自然農法」へと移っていきます。すると、みるみると収穫量が減っていくので、これはどうしたことか、と種子への関心が真剣に高まっていったそうです。そんな中で、サカタやタキイなどの企業が売っている所謂「F1種」に対する疑問が湧き、日本語講師として中国の大学に渡った時、そこで見た「もう後戻りできない」モンサントやシンジェンタなどによる種子の寡占販売を目の当たりにします。帰国後、「遺伝子組み換え」やら「ゲノム編集」やら「種苗法」の問題に遭遇すると、「もう、グルメランキングだの、どこそこのレストランが美味しいなどと言ってる場合じゃない。米国やスイスなどの巨大多国籍企業に、日本人の『食』が乗っ取られようとしている」という心情に達したといいます。

 横浜にお住まいの調理師のM氏は、さすがに、普段から色んな食材と関わってきているので、この問題には敏感です。

 「F1作物と種子戦争、遺伝子組み換え、Oー157、 モンサント、穀物メジャーなど20年以上前の亡霊がまたぞろ現れたかのようです。気付かなければ、国の農業が崩壊させられてしまう。大国の意のままにされ、阿ることしか出来ないのではないかという印象です。今更ですが、単なる属国でしか無く、今度は余った人工呼吸器を買わされるようです。只々残念です」とのメールを頂きました。

 そして、私自身の見解は、日本人の味覚がどんどん劣っているという恐怖です。もう半世紀以上も昔ですが、私が子どもの頃食べた野菜は、トマトもニンジンもジャガイモもキュウリも、もっとどぎつくて、土の味がしました。今のような水っぽい、スカスカの味ではありません。匂いも強烈だったし、エグイ味でした。

 先日、テレビを見ていたら、コンビニで売っているレトルト食品のランキングをやっていました。料理研究家と称する女性が出てきて、ファミマの〇〇が美味しいだの、セブンイレブンの〇〇は手軽にできて、子どもたちも大喜び、だのと言って、実際、子どもたちに食べせて、子どもに「おいちい」とか何とか台詞を言わせているのです。…何か、涙が出てきました。何時間も下拵えして、手間暇かけて作った料理の味とは比べものにならないはずです。

 私もたまに、レトルト食品(英語でTV dinner ということを最近知りました)を食べることがありますが、合成保存料か人工着色料か何か知りませんが、どうしても薬品の味がします。最初からこのような冷凍食品で育った子どもたちは「違い」が分からないのかもしれません。

 もしかして、その番組は、大手コンビニエンスストアと冷凍食品企業がスポンサーで、単なる商業資本主義の権化のような宣撫番組だったのかもしれません。でも、これを見た多くの人は全く気付かず、「まあ、手軽ねえ。ウチも買おうかしら」「チンしたら、レトルトといっても手料理と変わらないらしい。旦那に出そう」という話になるはずです。

 新自由経済主義、グローバリズム、効率主義、料理をする時間があったら外で働いて金儲けをした方が家族のためになるという金融資本主義の幻想が極まった感じです。

 遺伝子操作食品というのは、種子の遺伝子操作だけでなく、人間自体を洗脳して味覚遺伝子までも変える意味も含まれているかもしれませんぜよ。

特措法改正の緊急事態宣言は危ないのではないか?

WST National Gallery Copyright par Duc de Matsuoqua

 まだ3月で、気が早いですが、今年2020年の流行語大賞は、「東京オリンピック」ではなくて、「新型コロナウイルス」で決まりですね。京都・清水寺の漢字一文字も、感染の「染」辺りじゃないでしょうか(苦笑)。

ということで、最近のニュースは、どこもかしこも、閉口するほと「新型コロナウイルス」の話ばかりです。「濃厚接触」だの「クラスター」だの耳慣れない「新語」もすっかり慣れてしまいました。この言葉は、20年後の未来の人が、意味が分からなかったり、違う意味に取ったりしてくれることを願いたいものです。

 個人的ながら、楽しみにしていた来週の高校の同窓会も結局、延期になってしまいました。「同調圧力」に屈したくなく、ギリギリまで開催を模索していたのですが、周囲の状況が許さなくなってしまいました。一番気になっていたのは、わざわざ遠方から参加してくれる友人たちです。1週間前という直前だったので、キャンセル料が発生するからです。幸い、その中の一人のK君の場合は、新型コロナウイルスによる中止延期の場合、新幹線料金のキャンセル料は免除してくれたそうです。まあ、「自粛要請」は国家的規模ですから、一企業としても配慮せざるを得なかったのでしょう。

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 政府は、海外からの渡航者のうち、中国と韓国からは、入国後、二週間は、日本人なら自宅で、外国人ならホテルなどの施設で謹慎してもらう検疫上の措置を取ることになりました。二週間のホテル滞在費は、「自前」ということにしたそうなので、これでは来日、訪日する中国人、韓国人は激減するはずです。まるで「鎖国」ですね(苦笑)。我々今、歴史的な変革期に生きている感じがします。

 この緊急措置に対して、早速、中国政府は「概ね妥当」だとしましたが、韓国外務省は猛烈な抗議をして同じような対抗措置を取ることを発表しました。でも、これは致し方ないんじゃないでしょうか。自然の猛威というか、ウイルスの猛威ですから、人智の及ばない所があるからです。

 それどころか、安倍政権は、日本国民に対しては、来週14日にも、「緊急事態宣言」を施行する構えです。多くの人は甘く考えているようですが、こんな宣言が出されたら、外出禁止令だの集会禁止令だの大幅な私権が制限されることが予想され、国民を不安に陥れます。安倍首相は、新型コロナウイルスにかこつけて、「閣議決定」だけで何でもやりかねませんからね。

 今のメディアは御用新聞化してチェック機能が疎かになっているので、気が付いた時は「いつか来た道」を歩いているかもしれません。

【後記】

 一部のメディアしか報道していませんが、2012年成立の新型インフルエンザ対策特別措置法が改正されて、緊急事態宣言が施行されると、市民の外出や集会を制限できるほか、所有者の同意を得ずに土地・建物の収用なども可能になるといいます。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020030401247&g=pol ☜ 時事通信

大丈夫かなあ?

 

日本共産党と社会党がソ連から資金援助を受けていた話=名越健郎著「秘密資金の戦後政党史」

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(渓流斎ブログ3月3日付「冷戦期、自民党は米国からお金をもらい、社会党と共産党はソ連からお金をもらっていた」のつづき)

 名越健郎著「秘密資金の戦後政党史」(新潮選書)の前半は、冷戦時代、自民党が米国からたんまりとお金をもらっていた、という話でしたが、後半は、日本共産党と社会党がソ連から資金援助と便宜供与を受けていたという話です。公文書から具体的に書かれています。

 共産党の場合はこうです。

 ソ連共産党による秘密基金に関する「特別ファイル」の全ての記録は確認できなかったが、判明しただけでも、1951年に10万ドル、55年25万ドル、58年に5万ドル、59年に5万ドル、61年に10万ドル、62年に15万ドル、63年に15万ドルーと少なくても7年で計85万ドルが供与された。この期間の85万ドルは、現在の貨幣価値では30億円以上に匹敵すると思われる。(176~177ページ)

 社会党の場合は、1950年代は中国から60年代からソ連から「友好商社方式」と呼ばれる迂回融資の形で、お金をもらっていました。

 原彬久元東京国際大学教授の著した「戦後史のなかの日本社会党」(中公新書)によると、社会党の浅沼稲次郎委員長の「米帝国主義は日中両国人民の共通の敵」(1959年3月の訪中の際)発言を前後して、中国は日本に「友好商社」を設け、これを通じて中国産の漆、食料品等のいわゆる「配慮物資」を流し、この友好商社の利益の一部を社会党の派閥・個人に還流していったことは、周知の事実であるといいます。(236ページ)

 その後、社会党は、資金援助を中国からソ連に切り替えます。そのきっかけは、1961年のソ連ミコヤン副首相の訪日だったといいます。歴史的な中ソ対立の最中、同副首相は、社会党の河上丈太郎委員長に対し、「日本共産党が中国共産党に接近したので、ソ連共産党は社会党との関係を深めたい」と正式に申し入れ、本格化したといいます。これを受けて、64年7月に成田知巳書記長を団長とする第3次訪ソ団がフルシチョフ首相らと会談し、貿易面の全面協力などを含む共同声明を発表します。(242ページなど)

 これによって、優遇された社会党系商社がソ連との貿易で利益を得て、その一部を社会党に還元していくシステムが確立したわけです。(社会党がソ連寄りになったのは、共産党が60年代から「自主独立路線」を提唱してソ連から離れたことや、70年代に「日中両国の共通の敵」だった米国が中国に接近したことが要因になっています)

 著者は「ソ連がチェコスロバキアの自由化運動『プラハの春』を戦車で鎮圧した1968年のチェコ事件は、ソ連型社会主義への失望を高めたが、社会党左派の理論的指導者、向坂逸郎や岩井章総評事務局長らはソ連の行動を公然と擁護した」と書き、暗に、社会党系は、ソ連からお金をもらっているから批判できなかった、ことを示唆しています。

 嗚呼、公開された公文書によると、自民党は少なくとも1964年まで米国からたんまりとお金をもらって、ズブズブの関係。そんな大企業中心の金権政治に嫌気をさして、共産党と社会党にユートピア世界建設の夢を託していた大衆も、見事、裏切られていたわけですね。ソ連から利益供与を受けた党が全権を掌握すれば、日本はソ連の衛星国になっていたことでしょう。

 別に今さらカマトトぶるわけではありませんが、こんなんでは政治不信、と同時に人間不信になってしまいます。

銀座から中国人が消えた!…わけではありませんが…

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2月3日の時点で、新型コロナウイルスによる肺炎の死者が、中国で361人となり、2003年に大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)による中国の死者349人を上回った、などと報道されています。ついにそこまで来ましたか。しかし、17年前と比べて中国の世界的影響、つまり経済的影響は比べものにならないくらい大きいのです。

 日本経済新聞は、1月29日付の夕刊で、米調査会社データトレック・リサーチの資料を引用して、2003年の中国のGDPは1.7兆ドル(約185.3兆円)で世界の4.4%を占めるに過ぎなかったのが、19年は14.3兆ドルと占有率は世界の16.3%に拡大。中国発の感染症が世界経済に与える影響は、SARS当時とは比較にならない、と分析しているのです。

 日本も影響を受けるのは必至です。内閣府によると、世界のGDPに占める日本の割合は、1980年に9.8%だったものが、バブル期を経た1995年には17.6%まで高まったものの、2010年には8.5%に急降下。このまま推移すると、2020年には5.3%、2040年には3.8%、2060年には3.2%まで低下するといいます。

 政府は、新型コロナウイルスを「指定感染症」とする政令を2月1日から施行して、湖北省に過去2週間以内に滞在歴のある外国人の日本への入国を拒否するなど入国管理の強化策を打ち出しました。

東京・銀座8丁目

  ということで、私もジャーナリストの端くれですから、「私の庭」である東京・銀座が今どうなっているのか、歩いて確かめてみました。

 銀座8丁目のガード下は、中国人の団体旅行客のバスが軒を連ねている場所ですが、1台もありませんでした。中国当局による海外への団体旅行禁止令が効いていると思われます。

銀座5丁目 ラオックスが入居するビル

 銀座5丁目は、中国企業が買収した家電量販店の「ラオックス」があるせいか、中国人観光客の「溜まり場」になっていて、足の踏み場もないほど、人、人、人で溢れていましたが、今は御覧の通り、ほとんどいません。月曜日の昼休みの午後1時ぐらいの時刻ですが。

 韓国人観光客は、徴用工等の問題で、既に昨年からめっきり減り、銀座で韓国語を聴くのが少なくなりましたが、これほど中国人観光客までもが減るなんて想像もつきませんでした。元に戻ったとはいえ、中国人観光客がいないと、銀座はこんな空いていたんですね。

 でも、中国は、団体客は禁止されましたが、個人ツアー客までは禁止されていないようで、カップルや家族連れは結構見かけました。

 とはいえ、中国人客をアテにしているデパートや商店は さぞかし、大困りのことでしょう。

 私も銀座にある衣料量販店に行ってわざわざ買い物までして取材したところ、店員さんは「はい、ここ2週間ぐらいから中国の方は減りました。売り上げ?…いやあ、もちろん、減りましたよ」と正直に応えてくれました。

 エコノミストの予想では、新型コロナウイルスの影響で、日本のGDPも0.5%以上減速するということですから、やはり、日本は、いや日本だけじゃありませんが、中国におんぶに抱っこだったことが分かります。

 新型ウイルスに効くワクチンが早く開発されて、一刻も早い終息を待つしかないのでしょうか。デマ情報には振り回されず、加油(がんばれ!)

国風文化主義者宣言

Copyright par Duc de Matsuoqua

皆様ご案内の通り、小生は今月初めに、2泊3日で「山陰・山陽の旅」へ行ってまいりました。その間、初日に鳥取県の県紙「日本海新聞」に目を通しただけで、2日間も新聞を読みませんでした。普段は、一日に数紙目を通しているので、まずはありえないことでした。

 でも、読まなければそれで済んでしまった自分にも気が付きました。若い人の新聞離れが叫ばれている昨今ですが、ニュースなら今は簡単にスマホで読めてしまうので、むべなるかな。確かに、どうでもいい情報が多すぎるかもしれません。

 あ、いけない。新聞は何でもいいから読みましょう(笑)。新聞は、一報だけでなく、背景や解説も充実し、ためになります。私は新聞業界の回し者ですからね。

Rembrandt Harmenszoon van Rijn Copyright par Duc de Matsuoqua

 ところで、昨日の会社からの帰り道。通勤電車の中で、中国人と思われる若い女が、車内でずーと携帯電話でわめていたので閉口しました。4駅間でしたから10分ぐらいだったでしょうか。沿線は国内でもかなり中国人の人口が多く、中華料理店の多いチャイナタウン化している駅もあります。

 女は私から4~5人離れた所にいたので、目で注意しても届きません。まして、言葉が通じないでしょう。困ったものです。携帯電話については、車内で日本人だけにマナーの注意喚起アナウンスしているのに、外国人は野放し状態です。

 とにかく、彼ら川向うで話しているかのように声がでかく、傍若無人です。こういうことを書くと、良識のある知識人と呼ばれる皆さんは、すぐ差別だの、ヘイトだのと弾劾しますが、そんな根拠のないレベルの話じゃありませんよ。

 京都の一流ホテルのロビーで平気でつばを吐く輩もいるそうじゃありませんか。人権感覚に乏しいのか、根本的にマナーをわきまえない連中なのです。

 商業従事者は儲かるからいいですけど、何で無辜の庶民が自国で肩身の狭い思いをして生きていかなければならないのか不思議です。街中や駅構内では、やたらと中国語や韓国語の案内看板が増え、もし、災害や事故があったとき、外国からの皆様のために分かりやすく丁寧に周知しましょう、と良識派は訴えますけど、海外に行って日本語で懇切丁寧に指導してくれる国なんかありますかねえ? 私の経験では台湾ぐらいじゃないでしょうか。

 「郷に入れば郷に従え」と言うではありませんか。嫌いな日本の文化や歴史を勉強したくなくても、最低限の大人のマナーだけは弁えてほしい、と切に願います。そんなことは、文明国同士なら万国共通のはずです。日本は和をもって尊ぶ国ですから、あからさまに注意する人はいません。中国人と思しき女も注意されないから図に乗ってるんじゃないでしょうか。

 こういうことを書くと、すぐ極右主義者に間違えられそうですが、乃公は、国家主義者ではなくて、単なる穏便な国風文化主義者です。と、言っておきます。

Jaque-Louis David Copyright par Duc de Matsuoqua

さて、月に2、3回はメールのやり取りをしていた律儀なM氏から2カ月以上音沙汰がなく、気になって昨日、安否確認のメールをしたところ、案の定、二度も入院していた、ということでした。何かの虫の知らせだったんでしょう。

 でも、今は無事に退院されて、ご自宅で静養されているということで一安心です。

マレーシア・マハティール首相の英断=スリランカの港が99年間も租借されたことを受けて

また、協会幹部の方から「渓流斎日乗は上から目線で、偉そう」と怒られそうですが、私は4年前に一度、マレーシアのマハティールさんにインタビューしたことがあります。

当時は元首相で、国産自動車プロトンの会長に就任したばかりで(2014年5月16日付)、マハティール氏出身のクダ州政府主催の投資セミナーの基調講演者として来日しておりました。

当時89歳。マハティール氏と言えば、首相時代に「ルック・イースト」政策を掲げ、「日本に追い付け、追い越せ」とばかりに産業を奨励し、国民1人当たりのGDP1万ドルを達成し、マレーシアを中所得国に急成長させた功労者と言われておりました。親日家としても知られ、日本には何度も訪れております。

しかし、正直、「随分ご高齢なのに、まだまだ政財界とのパイプを切らさず、随分、野心的な人物なんだなあ」と思ったものです。

ですから、今年5月に、92歳にして、2003年以来15年ぶりに首相に復帰したことには驚かされました。

さらに驚いたことは、政権復帰早々、意欲的な活動を開始し、先日(8月21日)は北京にまで飛んで、習近平国家主席と李克強首相と直接面会して、マレー半島を横断する「東海岸鉄道」など、前政権が中国と共同で進めていた大型公共事業中止の了解をこぎつけたことです。総投資額が200億米ドルで、マハティール首相は「マレーシアはそんな大金は払えない」と説得したようです。

私も当初は、政府系ファンド「1MDB」の巨額資金流用疑惑のあるナジブ前政権に対する意趣返し程度としか捉えていなかったのですが、この「中止」は、調べてみると、結構根が深いことが分かりました。

◇マハティール首相が、違約金を支払ってでも、中国との契約を破棄した真の理由は何だったのか?

まず、東海岸鉄道建設の合弁事業に、ナジブ前首相の親族企業との汚職疑惑が取り沙汰されてますが、マハティール政権の真の狙いは、「中国とは一定の距離を置く」、いや「中国離れ」があったようです。

東海岸鉄道は、習近平指導部が推し進めるシルクロード経済圏構想「一帯一路」(The  Belt and Road  Initiative=BRT)の最重要事業の一つでした。一帯一路は、「陸と海のシルクロード」とも呼ばれ、陸は中国の西安を出発し、ウルムチ(中国)、イスタンブール(トルコ)、モスクワ(ロシア)、ベニス(イタリア)に至る古代のシルクロードの復活です。(正確には違いますが)

海は、南シナ海を通って、ベトナム、マレーシア、インド洋を通って、スリランカ、アラビア海を通ってアフリカ、スエズ運河、地中海を通って欧州に至る経済圏です。

裏社会用語で言えば、中国の息のかかった国を増やすということになるのかもしれません。実際、スリランカでは昨年7月、中国の国有企業(招商局港口)によって南部ハンバントタ港が99年間もの長期貸与契約を結ばされております。スリランカ側の資金難とビジネス戦略の失敗が原因と言われてます。日本ではあまり報道されていませんでしたが、99年間とは、まるで、アヘン戦争を仕掛けて清国を侵略した大英帝国が、香港を借用(実は植民地)したようなもんじゃありませんか。

中国はこの顰に倣ったように見えます。被害者が加害者に転じる典型的なケースに見えてきてしまいます。

先日17日には、パキスタンで「親中政権」と言われるカーン氏が首相に就任し、より一層の中国寄り政策が展開されると言われてます。また、30年間独裁政権が続くカンボジアの公共事業はほとんど中国頼りです。

さらに、米国から「トルコリラ・ショック」を仕掛けられたトルコは、中国からの融資と資金援助を期待して、「親中政策」に方向転換しつつあります。

マレーシアが、中国国有企業による事業計画を中止した背景について、マハティール政権のリム・グアン・エン財務相は「(債務超過で、港を99年間貸与契約させられた)スリランカのように、我々マレーシアはなりたくなかったから」と、ニューヨーク・タイムズ(8月23日付)の取材に、いともあっさりと白状しております。

東南アジアでは、多くの華人と呼ばれる中国系の華僑が経済界を仕切っており、マレーシアでは地元マレー人を優遇するためにブミプトラ政策を行ってきました。(インドネシアはプリブミ政策)それが、ナジブ政権では、華人優先でブミプトラ政策も緩和されていたようです。マハティール政権になって、また復活するかもしれません。

もちろん、マレーシアには、世界第2位の経済大国、軍事大国になった中国に対する警戒感があるのでしょう。ニュースを表面的に見聞しただけでは実相は理解できないという一例として今回、マハティール首相の英断を取り上げてみました。

やっぱり、偉そうかなあ…(笑)

暴中膺懲にはならない?

珍しい白鳥対ヌートリアの戦いの瞬間(仏在住のANさんから)

辺見庸著「1★9★3★7」を読んでいたら、久し振りに「暴支膺懲」という言葉が出てきました。何?読めない?とな。

ぼうしようちょう…横暴なシナを懲らしめてやれ…といった意味です。帝国陸軍による中国侵略のテーゼとなり、先の戦中はスローガンとなり、盛んに喧伝されました。「鬼畜米英」と一緒に使われることも多く、特にその御先棒を担いだのが、当時の最先端メディアの新聞でした。

しかし、今回の件では、何処の国もメディアも「暴中膺懲」などと言ったりしませんね。

ここでは、仲裁裁判所の下した裁定に、中国が「そんなもん知るか」と拒絶して、国際法に従わないことを明白にしたことについて、言っています。

振り返ってみませう。

オランダ・ハーグの仲裁裁判所は昨日の7月12日に、中国が主張している南シナ海の広い範囲で独自に設定した「九段線」には「法的根拠はない」との裁定を下したのです。

これは、中国が南シナ海の西沙諸島や南沙諸島などに軍事拠点と見られるような要塞を建設したり、艦船や戦闘機を派遣したりして、着々と覇権を確立し、危機感を感じたフィリピンが「国連海洋法条約違反だ」と仲裁手続きを求めていたものです。

中国の強引な海洋進出に対する初めての国際的な司法判断で、これで中国の主張する「歴史的権利」が否定されたわけです。

これに対して、中国政府は「判決に拘束力なし」と拒絶したのでしたね。

そもそも、「歴史的権利」という言葉こそ、幻想であって、領海や領土などは弱肉強食の論理で人間が勝ち取ったという面を完璧に否定できず、それこそ、日本が「歴史的権利」を主張したら、南シナ海も日本の領海であると主張できないこともないのです。

ご案内の通り、海南島も日本領土で、日本政府の支配下にあった歴史もありますからね。

ということは、国際法に拒否権を発動する今の中国、というより、人民解放軍勢力は、世界第2位の経済力を追い風にして、世界制覇を狙っているのではないか、と東南アジア諸国をはじめ、世界中が注視していると言っても過言ではないでせう。

このまま、中国が国際法を無視して軍事力を拡大すれば、そのうちリットン調査団(?)を派遣せざるを得なくなり、極東の島国も憲法を改正して軍需産業を軸に経済を活性化して、合法的におおっぴらに、中国からの「侵略」を阻止する軍事行動を発展させることができる良き口実を与えかねないのではないかと、私は思っています。

ただ、80年前のように、暴支膺懲にならないのは、当事者である東南アジア諸国連合(ASEAN)の足並みがそろわないからです。ASEANには、華僑が多く、ほとんど経済的社会的政治的実権を華人が握っており、何といっても「経済最優先」が、先の悲惨な大戦を通じて身にしみて分かっているからでしょう。

えっ?知らない?