カード不正使用には気を付けませう

 会社の同僚の三浦君のクレジットカードが不正使用されていたことが分かりました。

 不幸中の幸いで、被害を免れました。その理由は、銀行口座に大金を預金していなかったため、カード会社が引き落とせなかったからでした。

 具体的な内容はこうです。三浦君のカードで、ソニーショップで16万円の決済をされたのですが、三浦君の口座には5万円しか入っておらず、カード会社から彼のところに電話が掛かってきたというのです。彼は、ソニーショップに行ったことはないし、そんな多額のモノも買った覚えはありません。それに、カードは手元にあるのです!

 考えられるとしたら、犯人はオンラインでソニーの何かの製品を買って、三浦君になりすまして、彼のカードで決済したということになります。つまりは、彼のカード番号とパスワードまで盗み出したということになります。

 三浦君の話では、ネットでカード決済したとしたら、映画のチケットを買ったぐらいで、その他はやったことがないといいます。映画のチケットをオンラインで買ったぐらいで、犯人は簡単にパスワードまで盗むことができるんでしょうかねえ?恐ろしい話です。

 幸い、冒頭に書いた通り、銀行口座にお金が不足していたため、引き落とされることなく、彼には被害はなく、不正使用されたカードを破棄して、再発行してもらうことになったそうです。三浦君は頭が良いので、カード引き落としの銀行口座には多額のお金は入れないようにしているといいます。賢いですね。

 ところで、今、ふと思ったのですが、カードの決済は1カ月ぐらい掛かりますから、三浦君のカードを不正使用してソニー製品を買った犯人は、既に、その製品は犯人の手元に送られたはずです。それなら、犯人の住所氏名が分かるんじゃないでしょうか?被害届を出すとしたら、代金が振り込まれなかったソニーなのか、カード会社はどう対処するのか、よく分かりませんが、詳しい方は御伝授ください。

 私が使っているクレジットカードは、オンラインショッピングにしろ、映画チケットを買うにしろ、その度に、何日か経って、いちいちメールで報せてくれます。明示されるのは金額とお店の名前だけなので、「あれっ?これ、何に使ったっけ?」と忘れていることがちょくちょく(苦笑)あるのですが、「購入歴」を辿れば、すぐ分かります。つまり、いつもカードの「使用履歴」については、目を光らせております。

 しかし、最近のニュースに接していると、カード不正使用で逮捕される犯人は、外国人が目立つ気がしてます。いや、偏見を助長してしまうので、これ以上書きませんが、とにかく誰にせよ、悪知恵を働かせず、真面目に働きなさい、と言いたい。恐ろしい世の中になったものです。

 

遅ればせながらの「プライベートバンカー」

 斯界ではかなりの評判と話題に上った清武英利著「プライベートバンカー カネ守りと新富裕層」(講談社・2016年7月12日初版)を遅ればせながら、今さらになってやっと読了しました。初版が出た3年前は私的な事情がありまして、読書できる状態じゃなかったので、読む機会を逃しておりました、と言い訳しておきます(笑)。

 いやあ、実に面白かった。某経済評論家が「僕が今まで読んだ経済小説の中でベスト3に入る」というので、何となく読み始めたのですが、途中でやめられなくなり、一気に読んでしまいました。

Copyright par Matsuoqua-sousai

 最近はほとんどフィクションは読むことはないので、よほどのことがない限り、小説は読まないのですが、途中で分かったことは、この本の主人公であるプライベートバンカー杉山智一氏は実名で、今では東京の外資系金融機関で勤務し、富裕層向けの「マネー執事」に従事しているようです。昨年3月には「ペライベートバンカー 驚異の資産運用砲」(講談社現代新書)を出版しています。(いつか読んでみようかと思ってます)

 そして、バンコク在住の元病院長の日本人資産家の100万米ドルを横領して殺人未遂事件まで起こした元シンガポール銀行(BOS)ジャパンデスク(日本人富裕層向け運用担当)の梅田専太郎受刑者も実名だったとは・・・。さすがにBOS時代の杉山氏の上司で、きついノルマを課して、杉山氏の顧客や手柄を分捕って、悪の権化のような描き方をされている桜井剛という人は実名ではなく、仮名のようですが、あの村上ファンドの村上世彰氏まで実名で出てきます。

 それに、私はこの本を読んで初めて知った方々ですが、シンガポールで成功し、ほとんどの人にはよく知られている若き実業家佐藤俊介氏や投資・経営アドバイザーの木島洋嗣氏らも実名で登場し、このほか、「税金逃れ」のために約30億円の資産を持ってシンガポールにやって来た元パチンコ業者や元不動産業者らも多く登場します。

 この本に登場する日本人は、何十億も何百億円も稼いでしまって、所得税や相続税対策のために、シンガポールに渡って、ペーパー会社を作ったり、不動産投資をしたりして、またまた年間、何千万円もの利益を得ながら、退屈を持て余して、生き甲斐もなく不幸そうに見えます。でも、ご安心ください。プライベートバンカーは皆様のことは相手にしてませんから(笑)。彼らにとって、5億円、10億円でさえ大した資産に見えないでしょう。50億円か100億円以上なら「マネー執事・指南役」として忠実に仕えてくれることでしょう。

 ということで、私にも、皆さんにも全く関係がない話でしたね(笑)。

 著者の清武氏は、ナベツネさんとの確執からと言われて読売巨人軍代表の座を解任されて一躍時の人になったのが、2011年11月のことでした。もう7年半も前なんですね。敏腕社会部記者だったという噂は聞いたことがありましたが、その後多くの名ノンフィクション作品を発表し、その底知れぬ猛烈な取材力には恐れ入りましたね。恐らく、大変大変失礼ながら、国際金融に関しては素人だったはずで、相当な数の専門書を読破したことでしょう。清武氏は、「おつな会」の仲間である鈴木嘉一氏とは読売新聞の同期入社で、仲が良いと聞いたことがあるので、いつか機会があれば、またお話を聞いてみたいと思ってます。

高校同窓会、参加率は25%か?

あんりま、金価格が随分上がってきましたねえ。

今年1月7日、「T貴金属」の1グラム当たりの価格が前日比51円も値下がって、4882円になって、「あ、こりゃ駄目だ。買わなくてよかった」と安堵の胸をおろして、最近、全くチェックしていませんでした。

 そしたら、2月4日付の価格が前日比10円高の5037円にもなっていたのです。ということは、5037円-4882円=155円!あの時の底値で買っていたら、1カ月弱でかなり儲かっていたんですね。

まあ、えげつない車会社の守銭奴のような話でした。失礼しました。私は、回し者ではないので、お勧めしませんからね(笑)。今から買っても遅い?これからまた暴落する可能性も、なきにしもあらずです。

バルセロナ・カタルーニャ広場

さて、個人的な話ながら、来月3月に開催する高校の同窓会の幹事をやらされております。3年時のクラス会の同窓会です。生徒数は48人。全員参加は、まずあり得ないとしても、その半数(50%)の24人は参加してほしいと思い、頑張ってきましたが、今のところ、その半分(25%)の12人参加してくれれば、御の字という感じです。

 これは、個人的なとってもつまらない話とはいえ、いわば「社会の縮図」ですから、もう少し続けます(笑)。卒業生48人のうち、メールアドレスが分かっている、これまで何回か参加したことがある人は20人(42%)。メルアドは分からないが住所(実家かもしれないにしても)が分かっている人が12人(25%)。残りの16人は、メルアドも住所も分からない「行方不明者」です。全体の33%です。つまり、これまで10回近く同窓会を開催してきましたが、一度も参加したことがない人は、全体の58%と半数以上だということが分かります。そんなもんですかねえ?

住所が分かっている12人には、葉書を出しましたが、返事があったのは1人。住所が変わったのか、葉書が戻って来た人が1人。残りの10人は、「無視」です。幹事なんてボランティアでやっているのに腹が立ちますねえ(笑)。

バルセロナ・カタルーニャ広場

 しかし、同窓会に参加する人は、心身ともに健康な人か、卒業後、まあまあうまく社会の荒波を乗り越えて生き抜いた人に限ることでしょう。我々の高校は男子校でしたので、野郎ばかりの昔の級友にわざわざ会いたい気持ちになれるかどうかは、その人個人の人生観によることでしょう。

まあ、腹を立てたり、達観したり、同情したり、色んなこと考えてしまいましたよ。

丹羽宇一郎著「死ぬほど読書」を読む

 丹羽宇一郎著「死ぬほど読書」(幻冬舎新書・2017・7・30初版)を読みました。著者は、大手商社伊藤忠の社長、会長を務め、民間ながら中国大使まで務めた有名財界人ですが、意地の悪い私は、実際にお会いしたことがないので、何故彼がこれほど人望が厚い方なのか分かりませんでした。

 でも、この本を読んで少しだけ分かったような気がしました。「文は人となり」かもしれません。まずは、財界人とはいえ、文章がうまい。読ませる力を持っています。文章家と言ってもいいでしょう。それは、実家が本屋さんだったため、子どもの頃から、身近に本があったため、学校の図書館の本をあらかた読んでしまうほどの読書家だったことで裏付けられているかもしれません。

バルセロナ

 仕事で必要な経済書だけでなく、直接仕事に役立たない日本や世界の文学全集まで読破しているのですから、教養だけでなく、人間観察の面で役立ったのではないかと思われます。

 彼が何故これほどまで人望があるのかという一つに、いつまでも庶民目線で、社長になっても黒塗りハイヤーを断って、電車通勤を続けていたことなどが周囲で共感されたのではないでしょうか。

 著者は別に読書を強制しているわけではありません。最初に「何で本なんか読まなくて問題視されなければいけないのか」という大学生による新聞の投書に対して、「別に読まなくても構いません。でも、こんな人生の楽しみをみすみす逃すのはもったいない」と謙虚に意見を述べています。

 この本で、失礼ながら一番面白かった箇所は、丹羽氏の米国駐在時代の失敗談でした。大豆を担当していた若き丹羽氏は、穀物相場の読みを外して、500万ドル(当時のレートで約15億円)の大損失を出してしまったという話です。大失敗の原因は、ニューヨークタイムズの一面に載っていた「今年は深刻な干ばつになる」という予測記事を鵜呑みにしてしまったからでした。干ばつなら大豆の収穫が減り、相場は高騰する。それなら、今のうちにどんどん買えということで、買い付けていたら、日照り続きだったのが、慈雨に恵まれ、今度は一転して農務省が「今年は大豊作になるでしょう」と発表。おかげで、大豆相場は暴落して、大損害を蒙ってしまったというのです。

 この大失敗で、丹羽氏は教訓を得ます。どんなに権威のある新聞でもその情報が正しいとは限らない。何よりも新聞を通した二次情報ではなく、できる限り一次情報を得るべきだということでした。そこで、民間の天気予報会社と契約したり、自分でレンタカーを借りて穀物地帯を視察したりしたそうです。おかげで、翌年、またNYタイムズが「小麦地帯が干ばつなる」という予測記事が出たときに、「今度は騙されないぞ」と意気込んで、カンザス州に向かい、干ばつになる気配がないことをつかんで、買わずに損失を免れたというのです。著者は「情報のクオリティを見抜け」と言います。

バルセロナ

 私はこのブログで何度も告白している通り、これまで社会科学の勉強を疎かにして、古典的名著と言われる有名な経済書などはほとんど読んでいませんでした。この本を読んで、今さらながら、アダム・スミス「国富論」、マックス・ウェーバー「 プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」 、マルクス「資本論」、高橋亀吉「昭和金融恐慌史」などは必読書だという認識を新たにしました。

 いい刺激になり、この本を読んでよかったと思いました。

Tカードの情報漏えいは犯罪なのでは?

昨日の「最後の確定申告」で書きましたように、それがために、昨年、一生懸命に領収書を集めていたら、名古屋の篠田先生から「領収書乞食だぎゃなあ~」と怒られてしまいました。

 それでも、慎ましい生活をしなければならないので、買い物なんかする度にポイントを貯めていたら、今度は「ポイント乞食だぎゃや~」と、また怒られてしまいました。

そこで、今日書きたいことは、Tカード情報漏えい事件です。報道によると、ポイントカード最大手の「Tカード」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブが、裁判所の令状なしに会員の氏名や住所、年齢、電話番号といった個人情報のほか、商品購入履歴(買った時間までも!)やレンタルビデオのタイトルなどを警察に提供していたというのです。その数、6700万人!

バルセロナ・グエル邸

私もTカードを使っているポイント乞食です。怒り心頭ですね、と書いておきます。でも、私の場合は、持っているTカードは、カルチュア・コンビニエンス・クラブ ことレンタルビデオのツタヤで作ったわけではなく、自宅近くのドラッグストアで作ったもので、使用するのは専らその店か珈琲店かコンビニで新聞や週刊誌を買った時ぐらいです。

ツタヤの情報が漏えいしたら、借りたDVDなんか警察当局に丸見えですね。「金縛り何とか」とか、「蝋燭タラタラ」なんてDVDを借りたりしていたら、「こいつは変態じゃあーーー」と警察にマークされますね。

 その点、あたしはツタヤの会員じゃないもんね(笑)。映画は、ちゃんと大型スクリーンで音響設備のしっかりした映画館で観ることにしてますし。

 もちろん、ツタヤに限らず、どこのポイントカード会社も当局に情報提供しているかもしれません。スノーデン氏によると、カード会社だけでなく、グーグルなんかもGメールの内容を米国家安全保障局(NSA)に通報しているらしいですね。戦中、日本は検閲で郵便物を当局が開封していたらしいですが、今の時代はそれどころじゃない、ということでしょう。

バルセロナ・グエル邸

 今回のTカード事件は、明らかに犯罪だと思いますが、まずは被害届が必要でしょうし(警察に利用されているなんて、誰も分からんでしょう)、どういう犯罪となり、ツタヤのへの罰則がどうなるのか、まだよく分かりません。裁判になったら、司法が判断するでしょうけど、政権を忖度するような今の司法も、心もとないですね。やられっぱなしの可能性が高い気がします。

最後の確定申告に行って来ました

 今朝は、出勤前の早朝、最後の確定申告に地元税務署まで行って来ました。「最後の」という理由は、あとで書きます。

そもそも、サラリーマンの分際で何で確定申告をするのかと言いますと、「副収入」があったからでした。具体的に言いますと、翻訳代です。社内でアルバイト感覚でやっておりました。「原稿料」として私の口座に振り込まれておりましたが、3年ほど前に、市役所から連絡がありまして、この原稿料は、なんじゃらほい、ちゃんと確定申告しはりましたまんねんか、このまま、ほっとくと、税務署に通報して、追徴課税されかねますまんねんよ、といった趣旨の柔らかい言葉で脅されました。今は、マイナンバーとかで、収入は筒抜けなんですね。

えーーーー!ですよ。会社の同僚は、「そんなもん、一度も来たことないよ」と言ってましたから、市町村、地方の自治体で対応が違うのでしょうか。

そこで、とにかく、慌てて、その年は確定申告をしました。この時、領収書さえあれば「必要経費」として、あわよくば還付金なるものまであることも分かりました。(当時は、領収書なんか取っておきませんでしたよ)

さて、昨年に引き続き、今年も税務署に行って来たのです。2月から広い会場で大々的にやりますが、12台のパソコンが設置された狭い税務署の方が懇切丁寧に教えてくれるので、自分に合っていると思ったからでした。

バルセロナ・グエル邸

今回が「最後の確定申告」と書いたのは、もう昨夏から「副収入」がなくなったからでした。責任者と称す社内の後輩の男から、「翻訳料タダなら使ってやるが、もう辞めてもらう」と、同僚と一緒に不当解雇されたのでした。この時、私は生まれて初めて、他人に対して殺意を覚えましたね。勿論、覚えただけですよ(笑)。「こいつは許せねえ」と廊下ですれ違っても存在そのものを無視することにしたのです。その方が健康的です。でも、私も精神年齢が幼い。やっと5歳ですかね。(あ、大坂なおみちゃんでした)

バルセロナ・グエル邸

今では、確定申告は、カードリーダーなんかなくても、自宅でパソコンでもスマホでもできるようになりました。でも、「必要経費」として何が認めらて、何が却下されるのか、よく分からないのです。私としては、これで3度目の確定申告でしたが、昨年認められたものでも、今年は却下されたものがありましたからね。

いい加減です。税務署員も毎日、毎日、100人は対応することでしょうから、いちいち、細かいところまで拘っていない。結構、属人的なものかもしれません。

今回、必要経費と認められたのは、パソコンと携帯端末と靴(何と!)の「消耗費」と本や雑誌などの「図書・資料費」の雑費のみでした。しつこく食い下がれば良かったのですが、一生懸命にレシートを貯めた「飲食費」やセミナーなどの「講演費」などは認めてもらえませんでした。しかも、税務署員は、パソコンなど高額品は3年分割で申告しろ、と強制するものですから、「もう来年は申告しない」ということで、やっと一括申告が認められました。

バルセロナ・グエル邸

 そう言えば、ほとんどタクシーに乗らず、電車やバスばかり乗っていたので、領収書がなく、「交通費」も請求できませんでした。

 最も痛かったのは、米国ファンドに投資して莫大な損失があったのですが、見せた書類では、若い税務署員には受け付けてもらえませんでした。

でも、作業をしながら、近くに税務署員(とアルバイトと思しき人)がいると助かりました。結局、パソコン登録に1時間20分も掛かりましたが、無事終えることができました。これで最後か、と思うと感無量です。

どれくらい、追加税を支払うのか、それとも、還付金が出るのかについては、茲では書きません。内緒ですよお(笑)。税務署には早朝に着いたので、私は1番でしたが、フラフラして戻ってきたら、前から4番目になりましたが、帰りに見たら、60人以上もたくさんの人が行列に並んでました。

 それにしても、確定申告ができる副収入が欲しいなあ(爆笑)。

森永卓郎著「なぜ日本だけが成長できないのか」続・完

森永卓郎著「なぜ日本だけが成長できないのか」(角川新書)を1月23日に続いて、今回も取り上げます。彼が務めるラジオ番組で、「この本を書いたら殺されるかもしれない、という覚悟で書きました」と話していたからです。

 23日に取り上げた時は、まだ半分くらいの途中でしたが、昨日、全部読み終わりました。その感想ですが、「少し全体的なまとまりがなく、ちょっと推測も大胆という印象」がありましたが、彼には頑張って欲しいので、原稿料代として(笑)、ネットではなく、有楽町の三省堂書店にまで行ってこの本を購入しました。

 書けば長くなってしまうので簡潔に済ませたいのですが、日本の経済低迷というか転落の原因として、森永氏が槍玉に挙げていたのは、日銀と財務省の金融政策と外資のハゲタカ・ファンドでしたね。

 前回も書きましたが、私は経済に関して非常に不勉強でした。いや忌避してました(笑)。そのおかげで、1990年代のバブル崩壊から不良債権問題が起こり、証券会社や損保生命保険や銀行が事実上倒産して再編成されたとき、面倒臭くて、名称が変わっても、その経緯に、とてもついていけませんでした。まして、その経営陣が外資だったことさえ意識してませんでした。

 この本を読むと、どうも金融庁による誤った不良債権処理で、外資のハゲタカに二束三文で買い叩かれ、値が上がると高額で売り抜けるという手口が明らかにされてます。再生機構が不良債権処理で導入した資金は、国民の税金ですからね。こんな酷いことを納税者が知らないでどうする?という話ですよ。

Mt Fhuji par la fenetre de Tokio Copyright par Duc de Matsuoqua

 例えば、日本長期信用銀行は1998年に破綻し、その処理に3兆7035億円の税金が使われましたが、結局、長銀はハゲタカ・ファンドの一つであるリップルウッド社にわずか10億円の「のれん代」で売却。社名変更で新生銀行になりますが、長銀をメインバンクにしていた百貨店のそごう、スーパーのライフ、第一ホテルなどが「瑕疵担保条項」を「活用」されて破綻します。(2007年に、リップルウッド<RHJインターナショナルに社名変更>の大変著名なティモシー・コリンズCEOは、米投資ファンドに売却し経営撤退しましたが、同社がどれくらいの差額利益を得たのか、この本には書かれていませんでした。まあ、簡単に想像つきますが)

 森永氏はかつて、UFJ総研に在籍したことがあるので、思い入れがあるのか、UFJ銀行の赤字による東京三菱銀行への吸収合併の過程について、「竹中平蔵金融担当大臣がターゲットをUFJ銀行に絞ったのだ、と私は見てる」と書いております。UFJ銀行が抱えていた「不良債権」になったスーパーのダイエーやミサワホームなどは、世間から厳しい目を向けられ、結局、倒産に追い込まれます。マンションの大京グループも赤字に追い込まれ、結局、資本支援して子会社化したのはオリックス。宮内義彦会長(当時)が「政商」と批判されたのは、確か、この頃だったと思います。竹中大臣らのインナーサークルにいたのではないかという批判でしたね。

バルセロナ・グエル邸

 キリがないので、この辺でやめておきますが、森永氏は、ハゲタカ・ファンドの最大手としてサーベラスを挙げております。1992年に設立された米国投資ファンドで、ブッシュ(息子)政権時代の財務長官ジョン・スノー氏が会長に務めたことがあります。

 このサーベラス、田中角栄元首相の盟友として名を馳せた小佐野賢治氏が創業した国際興業を「乗っ取った」と著者を書いております。UFJ銀行とりそな銀行が持っていた国際興業グループの貸出債権約5000億円をサーベラスが半値で一括購入し、その後、小佐野氏が苦労して手に入れていた帝国ホテルを三井不動産へ、八重洲富士ホテルを住友不動産へ売却。サーベラスは、他に売るものがなくなると、バスとハイヤー事業を創業家に売り戻したといいます。その売却価格は1400億円。

 また、西武鉄道乗っ取り計画に失敗したサーベラスは、2017年8月までに保有する同社株を全て売却します。その額は公表されませんでしたが、著者は約2400億円と見て、「11年半で1400億円のボロ儲けだった」と明記します。

 さらに、サーベラスは、あおぞら銀行(前身は日本債権信用銀行)への投資でも、わずか1000億円の投資で3000億円以上の資金を回収するという荒技を演じている、と書いております。

 ま、詳細については本書をお読みください。私も再読することにします。

森永卓郎著「なぜ日本だけが成長できないのか」

正直に告白しますと、現役時代はお金に困ったことはありませんでした。毎月、決まって給与が入り、半年に一度、多額の(まさか=笑)ボーナスまで振り込まれましたからね。会社は赤字でも、京洛先生の会社のように給料遅配の憂き目に遭ったこともありませんでした。

でも、今は遠い昔。現役を引退しますと、実入りが大幅に減額し、あ、はあ、さて、は困った、困った。大変なことになってしまった…。そこで、やり繰りするために、死に物狂いで経済と金融を勉強せざるを得なくなりました。

100冊ぐらい関連書を読みましたかねえ…(笑)。その結果は「さっぱり分からん」です。投げやりな、悪い意味ではないのです。これから景気が悪くなるのか、株が暴落するのか、今は多くの人がそう予想していますが、それはあくまでも予想であって、可能性は高くても、当たるかもしれないし、当たらないかも知らない。要するに未来のことなど誰も分からないという当然の結論でした。(誰にも分からないことを、さも分かった顔をして御託宣してお金を稼いでいる人もいますが)

 一方、過去については、解釈の違いこそあれ、覆せないので、安心して学ぶことができ将来に向けて参考にできます。「歴史に学べ」です。

その点、今読んでいる森永卓郎著「なぜ日本だけが成長できないのか」(角川新書、2018・12・10初版)は、特にバブル経済崩壊から日本経済の転落までを扱ったもので、まさに蒙が啓かれたといいますか、目から鱗が落ちたといいますか、大いに勉強になりました。「プラザ合意」も「バブル崩壊」も、同時代人として体験しながら、その当時はほとんど経済の勉強をしていなかったので、何が原因で起きていたのか分かりませんでしたが、「あれは、そういうことだったのか」「今の状況はそういう繋がりがあったのか」と、今さらながら、やっとクイズかパズルが解けたような爽快感があります。

 この本は面白い。興奮するほど面白いです。日本が不景気になり、経済大国から転落した原因として、人口減や労働人口の低下にあるとされてきましたが、著者は「それは違う」と具体的な数字をあげて反論します。(日本の就業者数は1995年6414万人だったのが、2016年は6465万人で、減っているどころか微増している)

バルセロナ・グエル邸

 それでは、日本経済の低迷の原因は何だったのかと言うと、森永氏は、ハゲタカ・ファンドを含む外資の日本進出にあった、と喝破します。同氏は「世界のGDPに占める日本の比率は、1995年に17.5%だったのが、2016年に6.5%と3分の1も落ち込んだ。これは、2001年からの構造改革により、日本の大切な資本が外資に二束三文で食われてしまったからだ。資本が外国のものになれば、当然、儲けは海外に持っていかれてしまう」と説明します。少し引用します。

 …日本の空洞化は、3段階で進んだことが分かる。

 第1段階は、1986年以降に日本企業が海外生産比率を上げていく『海外移転』。

 第2段階は、1990年のバブル崩壊以降、外国資本が日本の企業の株式を買い漁り、外国資本による株式保有の増加。

 第3段階は、日本企業そのものが二束三文で外国資本に叩き売られた不良債権処理。

 この三つはそれぞれ単独の現象のようにみられるかもしれないが、実は、この順序も含めて大きなシナリオで結びついている。グローバル資本とその先棒をかつぐ構造改革派の日本人は、実に30年がかりで日本経済を転落させていったのだ。…

バルセロナ

 うーん、実に明解ですね。この後、筆者は、この「グローバル資本」と「構造改革派の日本人」として、対日貿易赤字に苦しみ、その打開策を図った米国政府とその圧力に負けた日銀と財務省、構造改革を主導した小泉純一郎首相とそのブレーンになった1962年生まれの元日銀行員だった木村剛氏らを槍玉に挙げます。(当時の最大責任者だった竹中平蔵経済財政政策担当大臣を、森永氏は、時たま擁護するような表現を使うので不信感はありますが)

 特に、不良債権処理の旗振り役だった木村剛氏( 日本振興銀行会長になった同氏は2010年、銀行法違反容疑で逮捕=懲役1年執行猶予3年の有罪刑が確定= )がリストアップした「問題企業30社」は、流通、建設、不動産などに偏ったものばかりで、それは、外国のハゲタカ・ファンドが涎が出るほど欲しがっていたものと一致していたことは絶対に偶然ではないという著者の指摘は、背筋が凍るほどでした。森永氏は「木村氏は問題企業をハゲタカの餌食に差し出す手先だ」と批判しましたが、日本一のスーパーだったダイエーや日本長期信用銀行などの例を見ても、 結果的にそうなってしまいました。

 渓流斎ブログは、多くの経済専門の方々が熱心に読んでくださってますが、私自身は、この本は大変参考になったことを強調しておきます。(まだ、途中なので、この本については、またいつか触れるかもしれませんが)

4億1700万円も寄付する調布の蕎麦屋さんと何百億円も私腹を肥やす拝金亡者

 おはようございます。調布先生です。

 お久しぶりですが、まだ、生きております(笑)。東京で、怒りを滾らせながら暮らしております。《渓流斎日乗》は3年前に突然消えてしまい、主宰者の都合で廃刊されたと思っておりましたが、サイト先を移動されたのか、新設されたのか分かりませんが、見事復活していたのですね。おめでとうございます。

スペイン・バルセロナ

あ、さて、昨晩、何気なく坂田藤十郎一門の歌舞伎の中村扇之丞さんのブログを見ていたらこんな記事が出ていました。どうも読売新聞の都内版のようですが、「美談」ですね。

 迂生が住む調布の深大寺の門前にある蕎麦屋の主人が、「福祉」に役立ててほしいと、2億1700万円もの大金を調布市に寄付したというです。凄いですね。調布先生もビックリです。

 しかも、これまでも何度も同市に寄付していて、ナント総額4億1700万円に達したそうです。すごいですね。動機は、自身が50年前に生活苦で市に支援してもらい、その有難さを感じていて、今度は、自分の商売が軌道に乗ったことから、今では生活難の方に、と寄付を始めたそうです。“日産の金色夜叉”、“三重国籍の拝金亡者”、“会社に付け回しの悪党”のゴーン君に、「日本人の中にはこういう人がいるんですよ」と特捜部の検事を通じて「どう思うか!」と聞いてもらいたいものです。

バルセロナ・サグラダファミリア教会

恐らく、彼は「ワタシはそんなムダはしません」「すべて、その人のジコセキニンですから、ジゴウジトクです」「グローバリズム、バンザイ」と叫ぶでしょうね。

 あの顔を見れば悪党そのものです。日産ゴーン前会長を絶賛していた当時のマスコミの記者や学者、評論家を再点検し、総括してはみてはどうですか。

スペイン・バルセロナ

おお、調布先生ですか。随分久しぶりですね。

記者や学者や評論家は無責任ですから、ま、そんな総括するような奇特な人はいないでしょう。昨晩も、東京・京橋の日本料理店「京都 つゆしゃぶCHIRIRI」で、悪名高い政治ジャーナリストと国営放送NHK名古屋放送局長らが安倍首相と懇談し、しゃぶしゃぶを突っつきながら、「総理、また、あの渓流斎の野郎がクダランこと書きやがってますよ」と御注進していたとか、していなかったとか。

 要するに、メディアは既得権益者の代弁に過ぎないことを心に念じて、接すればいいのではないでしょうか。このことについては、今、とても面白い本を読んでいますので、そのうちご紹介致します。ジャーナリズムの原点のような本です。

グローバリズムの弊害を見直すべき=WSJは、単なる国際金融資本家の機関紙

 先日の忘年会で久し振りにお会いしたインテリ紳士の大杉さん。かつては、リベラルなアナーキストとして進歩的意見の塊の人かと思っていたら、すっかり思想信条が変わっていたので、驚いてしまいました。

 大杉さんが利用する都心と隣県を結ぶ私鉄線。最近、各駅の案内掲示板に中国語や韓国語の併記が目立つようになり、「ほかの国はそんなことやっていないのに、おかしい。行き過ぎじゃないか」と言うのです。

スペイン・サラゴサ

 確かに、一理ありますね。私は芸術鑑賞が好きなので、よく博物館や展覧会場に行きますが、今年から急に、英語だけでなく、中国語と韓国語の併記が増えたと感じるようになりました。

東京一の高級繁華街・銀座のショップも中国語や韓国語の表示が目立つようになりました。特に、中国系のクレジットカードが使えるという告知なんか、一番目立ちます。「何だ、君たちはもう日本人は捨てて、中国人相手だけに商売やっているのかい?」と思ってしまいます。うーん、我ながら、何か、極右反動的ですね。今のマスコミ用語を使えば、差別主義でしょうか(笑)。

大杉さんは、旅行好きで、よく海外に行くそうですが、昔と違って、現地の人から最初に言われるのが、「中国人か?」なんだそうで、彼は慌てて否定するそうです。確かに国粋主義者でなくても、間違えられるのは、あまり気持ちが良い話ではないかもしれません。

スペイン・サラゴサ

こういうことを書きますと、批判の嵐が飛び交うことでしょうが、続けます。

日産のゴーン前会長の逮捕・勾留について、「グローバル・スタンダード(国際基準)に合っていない。早く保釈するべきだ」と主張する日本人のコメンテーターがいます。レバノン人か、ブラジル人か、フランス人が言うのなら、そして、特にゴーン氏との利害関係者なら分かりますが、その日本人は、自分は進歩的で、グローバル・スタンダードを遵守する上流階級の人間だから、知恵遅れの下々どもは俺の言うことを聞けとでも言いたいのでしょうか。

 片腹痛しですね。

日本は法治国家です。強欲ゴーン氏の件については、ちゃんと刑事訴訟法に則って、法的手続きを踏んで、粛々と進めています。

ゴーン氏が逮捕された時、あの有力米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが「共産党が支配する中国の話だろうか。いや、資本主義の日本で起きたことだ」と、「異端審問」扱いする大キャンペーンを張り巡らしました。以前、お会いした著名な日本人経済アナリストが「日本の日経新聞は全く読むに値しない。やはり、ウォール・ストリート・ジャーナルを読まなくては」と強調されておりましたが、ウォール・ストリート・ジャーナルといっても、この程度の新聞なんですからね。

つまり、どこに視座があるかということです。富裕層優遇の市場原理主義、新自由主義の思想に立脚しており、国際金融資本家の機関紙であり、紙面化、デジタル化された時点では、その情報は古く、黄色人種の庶民にはそのおこぼれにも預かれないという深層と真相を、賢明なる人はそろそろ見破るべきなのです。

はっきり言いますが、ウォール・ストリート・ジャーナルは、あなた方、日本人の庶民は全く相手にしておりませんよ。せめて、10億円以上の資産(ゴーンさんと比較すると、何とみみっちいくらい少ないことか!)がある人でなければお話にならないのです。

スペイン・バルセロナ

だから、日本のメディアは、海外の反応など、金科玉条の如く、神棚に飾るが如く、垂れ流しする必要はないのです。淡々と報道すればいいのです。日本人は海外の目を気にし過ぎる民族です。ウォール・ストリート・ジャーナルは、日本人の庶民の意見など馬耳東風、全く気にしてませんから、取り上げることは皆無です。

スペイン・サラゴサ 結婚式を挙行してました

 話を少し元に戻しますと、海外で事故や災害などが遭った時、かつて著名なリベラル評論家が「日本のマスコミは、すぐ『日本人の被害者はなかった模様です』と報道しますが、遅れています。国際基準に合っていません。現地の人のことも報道すべきです」といったような趣旨で、日本のメディアを弾劾しておりましたが、どこの海外メディアが自国以外の被害状況を率先して報道しているのでしょうか?

 オリンピックだって、自国の選手がどれだけ金メダルを獲ったか、躍起になって報道するだけです。

スペイン・バルセロナ

大杉さんにしろ、最近の日本人の思想信条の軸が少しずれてきたかもしれません。これだけ、世界各国で「自国第一主義」が蔓延れば、何処の国でも影響を受けることでしょう。日本も特別ではありません。訪日外国人観光客が3000万人を突破したからといって、喜ぶのは政治家と高級官僚と商人と財界人と市場原理主義者ぐらいです。

大杉さんの結論は、そろそろ、外国のことを気遣うことだけを「進歩的」だの、「おもてなし」だのと誤解することはもうやめにしませんかねえ?グローバリズムの弊害について、日本人はもっともっと、気付くべきです、ということでした。

小生も同感ですね。何しろ、グローバリズムでこの世の春を謳歌しているのは、高給取りの国際機関職員や国際金融資本家らごくわずかですから。