「禅と骨」のミトワ禅師にまつわる意外な話の展開

東銀座「ねのひ」B定食800円

(昨日の続き)

渓流斎です。

昨日は、京都にお住まいの京洛先生のお薦めの映画「禅と骨」をご紹介しましたが、あれから吃驚。京洛先生も知らない驚くべきお話が寄せられました。

スクープですかね?(笑)

「禅と骨」は、「粋人か?変人か?」と言われた有名な禅僧ミトワさんの評伝ドキュメンタリー映画でしたね。

そしたら、世間は狭い。このミトワ禅師の奥さんを知っている方がいらしたのです。

京洛先生行きつけの馴染みのお店。京都三条商店会「力」(今年、惜しまれて閉店)の女将さんの美人従姉妹マキさんです。知ってるどころではありませんでした。

いわゆる一つの今年の流行語大賞を受賞した「インスタ映え」、じゃなかった、「LINE」で女子高生のような電報を送って下さったのです(笑)。

…こんにちは。従姉妹のマキです。お元気ですか?渓流斎さんのブログを読ませて頂き、特にミトワさんの記事に驚きました‼️(びっくり)

実は中学生の頃から奥様のMrs.ミトワ (幸子)さんに英会話を習っていました☺️高校生の時に、Mrs.ミトワと一緒にアメリカ🇺🇸旅行へ行きました✈️

当時まだ日本に東京ディズニーランドの無い時で、“遂に私は夢の国へやって来た〜🏰”と大興奮(笑)
その後20代前半までMrs.ミトワ家(天龍寺)へ通ってました。ヘンリー・ミトワさんとはご挨拶くらい。
そして、私が13年くらい前に帰京した時に、再会したのが最後です。

とても懐かしかったので、ここでお喋りさせていただきました☘…

ねっ?大スクープでしょ?

これは京洛先生も知らないことなので、さぞかし吃驚していることでしょう(笑)。

映画「禅と骨」所感

東銀座・イタリア「ダ・フェリーチェ」ランチ1000円

京都の京洛先生です。私の書いた記事が《渓流斎日乗》で大変好評だと聞きまして、これは横井英樹さんに倣って乗っ取るしかないと確信し(笑)、一筆啓上仕ります。

◇禅僧ミトワの半生

帝都は東中野の「ポレポレ東中野」で12月11日まで上映している「禅と骨」はご覧になりましたか?

迂生は京都の”小芝居”ならぬ”小映画劇場”の京都シネマで見てきました。ドキュメンタリータッチで、禅宗の周辺には、こういう人士が多士済々なのだ、と再認識しました。

青い目のミトワという生臭い「禅僧」の戦前、戦後の一代記を評伝風に作ってあります。ミトワは日系アメリカ人ですから、戦前はスパイとして特高からマークされ、父親の母国に行っても、今度は敵国から来たという扱いを受けたり、何処の国でも、ハーフ、混血というのは苦労が多く、生き方も大変だと、思い至ります。

”グローバリズム”は、体裁の良い事ばかりが、強調されますが、「日本の近未来」の前触れというか、歴史は同じことの繰り返しです。

◇男を迷わせるもの

また、ミトワ自身も、家族をほったらかしにして、思うように生きたわけです。親しかった作家の水上勉の臨終直前には、お互いの◯◯を握り合って「これが男を迷わせるので、困ったものだ」と言ったり、「ワシは未来に興味、関心はない。過去に興味があるのだ」と言ったりします。

天龍寺の老師は「風流人だった」と言っていますが、家族は迷惑だったことでしょう。面白い生き方の一つだ、と思いますが…。

◇千玄室大宗匠の迫力
ミトワの末娘が父親の生き方を批判的で、反発しますが、あれは本当は父親のミトワが大好きだった、と思いますね。
映画には「裏千家」の千玄室大宗匠も出てきます。もう、93歳なんですね。この人も、生臭くて、ミトワと相通じるものがありますが(笑)、久しぶりに映像で見ました。風格が出て、何とも言えない雰囲気が出ています。底の浅い映画俳優より迫力をにじませています。

予告編は「禅と骨」で検索されるとみられます。 野口雨情作詞の「赤い靴」の謂れも紹介されたり、「映画製作はカネが無いと踏んでかかると、サッと皆んなが引いていく」とか、新たな人生勉強になりましたよ。

「密偵」は★★

映画「密偵」ポスター

◇750万人も観客動員

韓国で750万人もの観客を動員した大ヒット映画「密偵」(キム・ジウン監督)を、先週の日曜日、ちょっと風邪気味を押して出掛けて新宿まで電車に乗って観てきました。

片渕須直監督のアニメ映画「この世界の片隅に」が1年間の超ロングランという記録を伸ばしてまだ上映中だと言われてますが、それでも私も観たこの名作の観客動員は200万人ですからね。

韓国の人口(5125万人=2016年)は、日本の半数以下なのに、750万人も動員するとは、何じゃこっちゃ!と思い、つい無理して観たわけです。日本でも大ヒットした「シュリ」(1999年)や「JSA」(2000年)と同じくらい面白いのかなあと期待したわけです。

◇日ごろの鬱憤を晴らす?

しかし、ちょっと大いに期待し過ぎてしまったせいか、満足度は落ちてしまいました。まあ、仕方ないでしょう。大日本帝国によって植民地となった朝鮮の1920年代が舞台で、「義烈団」と呼ばれる革命独立組織が、暗躍するものの、そりゃあ、韓国の映画ですから、日本はとんでもない植民地征服者であり、朝鮮に正義があるという描き方で、最後は日本人はやられるという映画ですからね。韓国の人も日ごろの鬱憤を晴らすことができたのでしょう。

主役のソン・ガンホは今や国民的大スターらしく、日本では来年4月に公開される予定の光州事件を題材にした実話を基にした「タクシー運転手」にも主演しているようですが、興行成績の成功は彼によるところが大きかったのでしょうね。(「シュリ」にも出演していたらしいですが、あまり覚えてません=笑)

ソン・ガンホは、元朝鮮人ながら今や革命団を取り締まる日本の警察の犬と嫌われるイ・ジョンチル役。民族間で悩みを募らせます。セリフの日本語のうまさには驚いてしまいました。鶴見辰吾がイ・ジョンチルの上司の朝鮮総督府警務局部長ヒガシ役。人気俳優イ・ビョンホンが、義烈団の団長役、コン・ユという若手俳優が義烈団のリーダー役でした。女優さんは、名前を覚えられず、皆同じ顔に見えてしまいました(笑)。

映画なので、やたらと必要のない人殺しがあり、ちょっと荒唐無稽な場面も多くがっかりしてしまいましたが、近現代という時代的には好きなので、上海や満洲などの場面や話も出てきて、当時のファッションや自動車や列車内も厳密に再現していて、それなりの見どころもありました。

「ブレードランナー2049」★★★

久し振りに映画を観てきました。

SF映画史上の名作、もしくは金字塔とまで言われた「ブレードランナー」(リドリー・スコット監督、フィリップ・K・ディック原作)の続編「ブレードランナー2049」です。

前作は1982年公開と言いますから、あれから実に35年も経ってしまったとは!それほど「SF好き」とは言えない小生ですが、「ブレードランナーを知らないなんてもぐりだね…」なぞという輩の挑発に乗ってその当時、観に行きましたが、よく分かりませんでした。

第一、35年も経っているので内容も忘れました(笑)。何か、渋谷の交差点や猥雑な場末の盛場を思わせるような場所が出てきたり、ビルの高い所に立体的な広告が出てきたりして、遠い未来の世界を暗示させるものがありました。

でも、驚いたことに、あの前作の舞台は2019年だったんですね!再来年じゃありませんか。まあ、当時から見れば、37年後の遠い遠い先の未来の話でしたが、恐るべきは時間の経つ速さです。

東京

今回(ヴィルヌーヴ監督)は、前作から30年後の2049年のロサンゼルスが舞台になっていました。2049年なんかも、あっという間に来るのかもしれませんよ(笑)。あなたは生きておられますか?

映画の解説には「30年前に行方不明となったブレードランナーのリック・デッカードを捜す物語。前作の主人公デッカードを演じたハリソン・フォードが同役で出演し、「ラ・ラ・ランド」のライアン・ゴズリングがデッカードを捜す“K”を演じる」とありましたが、観てもあんましよく分からない映画でした。

ブレードランナーそのもの自体は、ロサンゼルス市警の一員として人造人間のレプリカントを抹殺をする役目のようですけど、何でそんなことするのかもよく分からない。悪役のレプリカント製造会社の若い社長さんも変なコンタクトレンズを入れて、思いっ切り悪そうに見せても、ハリウッド映画悪役のワンパターンの域を出ることができず、何を企んでいるのか。。。世界征服なのか、そんなことして楽しいのか。とにかく、どの登場人物にも思い入れが湧かず。途中で我慢できず、思い切り低く腰を屈めてスクリーンを横切ってトイレに行ってしまいました。そのせいで筋が分からなくなったのかしら?(笑)

まあ、映画はエンターテイメントですから、つべこべ言わずに30年後の近未来のSF世界を楽しめばいい、てなところでしょうか。

日本のソニー映画のせいか、 「うどん」や「カラオケ」など、やたらと日本語が出てきましたね。また、ソニーやコカコーラなんかも広告に登場してちゃっかり宣撫活動に勤しんでました。それに、飛び切り若くて美人の女の子も登場してくれて、娯楽映画としてのお役目を十分果たしてくれたようです。

「エル ELLE」は★★★★

ポール・ヴァーホーヴェン監督作品「ELLE エル」をやっと観に行って来ました。東京・日比谷のシャンテシネマにまで行ったのですが、今、この辺りに、どでかいビルが建設中で、東京宝塚歌劇辺りの道路まで工事現場だらけでした。

さて、ヴァーホーヴェン監督は「氷の微笑」や「ショーガール」など官能サスペンスで知られていますが、この「エル」も彼得意のジャンルのようです。

代表作に「ロボコック」などもあるオランダ人のヴァーホーヴェン監督(78)は当初、ハリウッドで映画化する予定でしたが、主役のミシェル役がなかなか見つからず、原作(フィリップ・ディジャン「ベティ・ブルー」原題”Oh…” 2012)も場所もフランスであり、イザベル・ユペールがミシェル役に名乗り上げてくれたことから、フランス・ドイツ・ベルギーの三カ国合作映画になったようです。

スリラーサスペンス映画なので、結末は書けませんが、ゲーム会社の社長を務めるミシェルが、自宅で覆面を被った男に暴行されるという衝撃的な場面で始まります。ミシェル自身は直ぐに警察に届けることなく、普段通りの不可解な生活を続けることから、彼女のその後の人生を決定づける過去の「事件」にまで遡ってストーリーが展開されます。

この映画では、恋愛好きのフランス人らしさが現れてます。いわば半径100メートル以内で男も女も関係を持ちたがり、何か、いくら作り物だとはいえ、「勘弁してほしいなあ」と呟いてしまいました(笑)。あまりにも人間的なドラマかもしれませんが。

異様に蠱惑的なミシェル役のユペールは1953年生まれですから、撮影時63歳ぐらいです。「えーー」と思ってしまいました。「人生100年時代」の到来が日本より先にフランスで始まってます(笑)。

脚本のダビド・ビルクの軽妙洒脱でエスプリの効いた科白は、恐らくハリウッド作品だったら実現できなかったかもしれません。フランス語の会話は、この私でも字幕を見ないで所々少し理解でき、2時間6分、パリで過ごせた気分でした(笑)。

俳優陣の肩肘を張らない、自然な振る舞いが、まるで演技をしていないかのように見えて良かったですね。

ほぼ全員、初めて見る俳優さんでしたが、隣人パトリック役ローラン・ラフィットと元夫リシャール役のシャルル・ベルランはフランスでは有名な俳優さんらしいですね。いつもヒステリー状態のミシェルの息子ヴァンサンの彼女ジョジー役のアリス・イサーズ(26)は、なかなかの美人さんで、この先伸びるんじゃないかなと思いました。彼女の出演作品のほとんどが日本では劇場未公開なので、恐らく日本ではあまり知られていないでしょうから、私が先鞭をつけておきます(笑)。

親切なクムジャさん

韓国映画「親切なクムジャさん」を見ました。昨年のヴェネチア国際映画祭特別賞3冠も獲得した作品でしたが、「見なければよかった」と後悔しました。

監督のパク・チャヌクが何を言いたいのかさっぱり分かりません。「復讐者に憐れみを」「オールドボーイ」に続く「復讐3部作」らしいのですが、暴力シーンもセックスシーンも中途半端で、消化不良気味。

無実の罪で13年の刑に服した美女(イ・ヨンエ)が、自分を陥れた男(チェ・ミンシク)を復讐する話ですが、異様に残虐なシーンが多く、本当に反吐が出るほどでした。

イ・ヨンエが美女として登場しますが、「どう、見て!私綺麗でしょう?見て、見て!」といった感じで、妙に鼻がつきました。

何でこんな映画を見たんだろう?