孫正義氏がビットコインで145億円も損失とは…

 昨日から、いや一昨日からかなあ、このブログと、ツイッター・フェイスブックのSNSとの同期が切れてしまいました。ツイッターやフェイスブックでこのブログを御覧になっている皆様にはご迷惑をお掛けしますが、諸般の事情で連休明けにも復旧するかもしれません。私自身、もともとSNS好きではないので、一方通行の送り放しだけで、ほとんど利用していなかったのですが、同期が切れている間は、ますます利用しないことでしょう(笑)。

ドン・キホーテ像(マドリード)

 さて、最近のニュースで一番驚いたのは、孫正義さん(61)が、仮想通貨ビットコインの取引で約145億円損失していたという「事件」です。孫氏は、個人的にビットコインを2017年後半に購入し、2018年前半に急落した後に売却したとされていますが、この事実を報じたのが、日本のメディアではなくて、米ウォール・ストリート・ジャーナル(4月23日付)ですからね。

 145億円の損失なんて気が遠くなる数字で、普通の人なら自殺したくなることでしょうが、ある経済評論家は「蚊に刺された程度ではないでしょうか」と言うのです。

 そこで調べてみると、フォーブス・ジャパン 「日本長者番付2019」によると、 孫氏の総資産は2兆6670億円(第2位)もあるというのです。となると、損失額145億円はその0.54%に当たります。年収1000万円あるエリートサラリーマンだったら、5万4000円の損失。まあ、痛いことは確かですが、 注射針でチクっと刺された程度の損失かもしれません。

 それにしても、孫氏が会長兼社長を務めるソフトバンク・グループには16兆円近い有利子負債があると聞きますし、孫氏の金銭感覚は、とても庶民にはついていけません。いや、最初から、全くお呼びじゃありませんね。

ついに特殊詐欺師からの電話

 ついに、というか、とうとう、東京の片田舎に住む老母のところに、特殊詐欺師から電話が掛かってきました。

 母はもう齢、卒寿を超えていますから、誰を名乗った男か「覚えていない」ということでしたが、内容については、「医療保険の還付金が3万5000円も出たのにまだ取りに来ていません。キャッシュカードは持っていますか」といった丁寧な口調だったそうです。

 幸い金銭的なことは子どもたちに任せていて、本当にキャッシュカードが手元になかったので、「今はない」と答えたところ、「そんなことはないはず。それでは明日朝9時にもう一回電話します」と言って、電話が切れたそうです。

 そこで、子どもたちが、翌朝は、絶対電話に出ないように母親に伝え、それを聞いた母親は、電話が掛かってきても、約束を守って出なかったため、事なきを得ました。しかし、「リスト」に入っていたわけですから、また、手を変え品を変え、犯人たちは電話を掛けてくることでしょう。

 嫌な世の中ですね。でも、どうして詐欺師から母親に電話が掛かってきたのでしょうか?

Eapagne

 昨晩は、高校の後輩のM君と久しぶりに湯島の純酒肴「吟」で飲んだので、彼にこの話をして、「何で母親の電話番号が分かったのだろうか」と聞いてみたところ、彼は、名簿が闇取引されて個人情報が漏れているのではないかと推測していました。

 中でも、かつての携帯電話ブームで、街中あちこちで「携帯ショップ」が乱立しましたが、次第に淘汰されて次々と潰れてしまいました。倒産する際、社員に給料を払わなければならない社長が、名簿を闇で転売する事案が多くあったというのです。そこには、生年月日、性別、住所氏名、電話番号など個人情報が網羅されてますから、詐欺師にとってはバイブルになるのでしょう。 

 ほかにも、商店街の買い物、カード、懸賞応募など、どこでどういった形で情報が漏れるのか分かったもんじゃありません。

 今の時代、覇権大国同士の「戦争」は、爆撃機やミサイルなどが飛ぶ「実弾戦」ではなく、サイバー攻撃や諜報活動などの「情報戦」になったような気がします。

 詐欺師の世界も「情報を制する者は世界を制する」といった、手段を選ばない阿漕な手口を使っているということでしょう。

 許せない。いつまでたっても特殊詐欺がなくならないのは、ウマミがあり過ぎるわりには、罪が軽すぎるからじゃないでしょうか。刑法では、懲役10年以下で、初犯の場合、執行猶予が付くということですからねえ。

 本当に許せない。

騎西城と古河城に行くのが楽しみ

 4月27日(土)からの10連休はどう過ごそうか、楽しみながら予定を練っております。人混みが嫌いなので、あまり出掛けたくないのですが、色んな事情がありますから、そうもいきませんね(笑)。

 まず、大型連休を「ゴールデンウイーク(GW )」と命名した映画業界に敬意を表して映画は1本ぐらいは観るつもりです。有力候補は、先週金曜日の日経夕刊の映画評で、五つ星に輝いていたイタリア映画「幸福なラザロ」です。

 次は、自分の部屋の片付け。生前整理のつもりで、断捨離をやってみようかと思ってます。

 あとは、「城歩き」を予定しています。「城歩き同好会」の皆さんと一緒に5月4日、赤羽村長に関係が深い埼玉県加須市にある騎西城跡に行くことは決定しています。騎西城は、康正元年(1455年)、古河公方の足利成氏(しげうじ)が、関東管領の上杉勢を攻略した地として最初に文献に登場し、江戸初期の寛永9年(1632年)に廃城され、姿を消します。

関宿城

 4月7日に千葉県野田市にある関宿(せきやど)城跡を訪れ、このブログにも書きましたが、関宿城を開城したのは梁田氏で、古河公方からの命令でしたね。

 そこで、どうしても、古河公方~古河城は外せないということで、10連休の中のどこかで、一人で古河に行ってみようかと思っています。

 古河市は茨城県です。40年近く前、運動部記者だった頃に、取材で古河サッカー場を訪れたことがあります。当時は古河第一高校が、全国制覇するなど強豪校として名を馳せていたのです。でも、当時は今のようにお城にそれほど興味がなかったので、古河城跡は訪れませんでした。

 この古河市の歴史を調べてみると驚くほど面白いですね。まず、古河公方とは何かと言いますと、京都に室町幕府を開いた足利尊氏が、関東勢力の「目付け」として「鎌倉府」を置きます。そのトップの鎌倉公方に任命 (1349年) されたのが尊氏の四男基氏(もとうじ)でした。しかし、足利基氏はまだこの時、9歳でしたので、政務の補佐役として関東管領が実務を行いました。当初は、斯波氏、上杉氏、畠山氏、宇都宮氏が関東管領でしたが、次第に上杉氏の勢力が強大となり、他氏を排除して独占します。

 やがて、鎌倉公方の足利氏と関東管領の上杉氏は対立し、1439年に永享の乱が起こり、関東管領の上杉憲実(のりざね)が第4代鎌倉公方の足利持氏(あしかが・もちうじ)を自害に追い込み、鎌倉府を滅ぼします。(この上杉憲実は、「日本最古の総合大学」と言われる足利学校を再興した人物として歴史に名を残しています)

 その後、30年に及ぶ享徳の乱の末、持氏の遺児足利成氏(しげうじ=第5代鎌倉公方)が、鎌倉府を逃れて、古河御所に本拠を置いたため、初代の古河公方と呼ばれるようになったわけです。


渡辺崋山筆 「鷹見泉石像」(国宝) 所蔵する東京国立博物館のHPから

  話は飛んで江戸時代。渡辺崋山描く「鷹見泉石像」は、国宝ですし、美術の教科書にも掲載されているので、御存知のことでしょう。でも、この鷹見泉石なる人物が何者なのか、案外知られていない。

 控えい。この方は、蘭学者ですが、古河藩の家老を務めた人でした。また、藩主土井利位(どい・としつら)が大坂城代を務めていた時に、大塩平八郎の乱が起き、鷹見自身も乱の鎮圧に当たったというのです。(土井家は代々、幕府の要である老中も務める名門大名)えーー、知らなかったですね。どうも、日本史の教科書では、乱を起こした人は取り上げますが、鎮圧した人は教えてくれません。例えば、島原の乱天草四郎時貞は誰でも知っていても、鎮圧した松平伊豆守信綱(老中、川越藩主、埼玉県新座市の平林寺に墓所あり)となると、知らないでしょうねえ。

 古河城は、日光街道の要所にあり、将軍が日光東照宮に参社する際、滞在する重要な拠点でもありました。江戸城を出たお殿様は、岩槻城、古河城、宇都宮城の順で宿泊しました。

複雑多難な国スリランカ

 4月21日に突然に、スリランカの最大都市コロンボなどで起きた爆発テロ事件。キリスト教会や五つ星の高級ホテルが襲撃され、200人以上が死亡し、この中で日本人も1人が死亡、4人が負傷したようです。

 何で起きたのか、専門家もまだ詳細に分析できないようですね。私の拙い知識では、スリランカというより、以前に名乗っていたセイロンの方が私の世代では馴染みが深く、それとともに、セイロン紅茶がすぐ思い浮かびます。また、コロンボは、「2001年宇宙の旅」などで知られるSF作家アーサー・C・クラークが永住していた街だったことが意外だったので記憶があります。スリランカは多民族国家で、1948年に英国から独立しましたが、仏教徒を優遇した政策から、仏教徒とヒンズー教徒との間で長い間紛争が続き、その紛争は10年ほど前に収まり、平和な国になったと聞いていました。

 日本の外務省の資料によると、スリランカ国内の宗教分布は、仏教徒70.1%,ヒンズー教徒12.6%,イスラム教徒9.7%,キリスト教徒7.6%。 民族は、シンハラ人(主に仏教)74.9%,タミル人(主にヒンズー教)15.3%,スリランカ・ムーア人9.3%となっています。

 今回襲撃されたのはキリスト教会と高級ホテルであることから、イスラム過激派が主犯で外国人観光客を狙ったものと言われてますが、その目的も狙いもさっぱり分かりませんね。観光産業を振興する政府に対する反政府運動なのかもしれませんが、観光の打撃になることは確かでしょう。爆発テロが遭った時、教会では復活祭のミサの最中だったという報道もありました。

 私自身、スリランカとは紅茶以外に個人的な接点はなかったのですが、驚いたことに、先日の大学の同窓会で謦咳に接した建築ジャーナリストの淵上氏からスリランカの建築家ジェフリー・バワ(1919~2003)の「生誕100年記念 現地建築ツアー」の案内が届いていたので、つい、大丈夫かなあ、と思ってしまいました。スリランカに世界的に著名な建築家がいたことも知りませんでした。でも、建築ツアーは9月開催ので、その頃までには落ち着いていることでしょう。

 そう言えば、日本人の多くに知られていないのが、スリランカ南部にあるハンバントタ港です。2017年7月にスリランカ側が中国国営企業に港の管理会社の株式の70%を99年間譲渡する11億2千万ドルの取引の合意文書に調印し、高金利債務の返済に困ったスリランカ側は、同年12月に中国側に港湾を引き渡したことです。これでは、まるで、アヘン戦争を起こした大英帝国が、戦勝後に香港を借款した手口を真似したような印象です。

 中国は、「一帯一路」戦略の一環として、借款した同港を軍港として整備しているとも言われています。日本の防衛省も、マレーシアのマハティール首相も、中国に依存することが「債務のわな」につながる可能性が高いと批判していました。

 こうしてみると、スリランカという国は、南国の穏やかな天国に近い島ではなく、国家財政が厳しく、多くの複雑な「内憂外患」を抱えていることが分かります。

ノートルダム大聖堂、火災前の雄姿

 今日は、萩生田・自民党幹事長代行の「消費増税延期」発言について書こうかと思いましたが、何か、馬鹿らしくなってきました。

 萩生田さんと言えば、安倍晋三首相の側近中の側近。モリカケ問題華やかりし時に、加計学園の加計孝太郎理事長と安倍総理と3人一緒に缶ビール片手にバーベキューを楽しんでいるお姿の写真が出回り、その親密度が、日本中に強烈な印象を残しました。

 そんな最高権力者の懐刀とも言うべき政権中枢の御方が、勝手に、しかも、公に、個人的意見をわざわざ発言するわけないじゃありませんか。

 こういうのを業界では、「アドバルーン」と呼びます。つまり、観測記事です。重大な政策などを決定する際、世間の反応を様子見するために、事前に反応を確かめ、衝撃を和らげるために、周辺に語らせる手口です。与党幹部も「予定通り、増税します」と、萩生田発言を打ち消すことは、事前の打ち合わせ通り。まるで舞台劇ですよ。舞台裏が透けて見えるので、嫌になります。

 で、先ほどから御覧頂いている写真は、火災に遭う前のノートルダム大聖堂です。

 皆様御存知の松岡將氏が、小生が4月17日に書いた「嗚呼、ノートルダム大聖堂の大火災」をお読みになって、心配してたくさんの写真を送ってくださったのです。それらの写真のうち、厳選して公開させて頂くことにしました。

 ブログには「大聖堂のステンドグラスは大丈夫だったでしょうか」と書いたのですが、そしたら、松岡氏は「 大聖堂のステンドグラス。。。そう言えば、小生、確か写真を撮っていたはず、と、あちこち探したら、2007年に撮った写真が出てきました。小生一人で見るのは勿体ないので、先日のお礼を兼ねて、お裾分けします。往年の大聖堂の気分に浸って貰えば、幸甚です」と、こうして、見事なステンドグラスの写真も添付してくださったのです。

 現地からの報道によると、ステンドグラスはどうやら無事だったようですね。ただ、荘厳なパイプオルガンは、消火の際の水が被り、駄目になってしまったようです。修復には最低でも1年以上はかかることでしょう。

 マリアさまのピエタ像もかなり被害を受けました。

 ということで、大火災に遭う前の貴重な写真を送って頂きましたが、小生に送るということは、ブログで全世界に公開されるということを意味しておりました(笑)。悪しからず。。。

 今回の火災で、一番衝撃的だったのは、96メートルの尖塔が燃えて崩落してしまった場面でした。また、現地からの報道によると、この尖塔は「木製」で、19世紀にできたものだというのです。てっきり、中世からあるものと思っていました。19世紀ということは、恐らく、1830年の七月革命か、1848年の二月革命の際に、ノートルダム大聖堂が襲撃されて一部破壊された後に修復された時に造られたのでしょう。(細かい報道がなかったので、勝手な忖度ですが)

 今回は、ルイ・ヴィトンさんを始め、フランスの大金持ちさんが超多額の寄付をされ、マクロン仏大統領も5年以内での修復・復活を宣言されておりました。

 いずれにせよ、修復前の2007年の時点の貴重なノートルダム大聖堂内部の写真を送ってくださった松岡氏には感謝申し上げます。

  Tous les photos Copyright par Duc de Sousoumou Matsuoqua

 

 

オリンピックは五輪貴族のため?

 不労所得がガッポリ入る五輪貴族のための祭典、東京オリンピック・パラリンピックが来年に迫り、競技日程やら、チケット販売やらの細目が発表され出しました。 

 大手マスコミはスポンサーになってインサイダーなっているので、全く批判せず、「よかった」「おめでたい」「素晴らしい」の称賛一色ですから、一人ぐらい屁理屈を言うつむじ曲がりがいてもいいことでしょう。

 まあ、大方予想はついておりましたが、「オリンピック大会の華」と言えば、何と言っても、陸上競技です。それは、古代オリムピック大会からそう決まってます。その陸上競技の中の花形中の花形が、男子100メートル決勝です。それが、国際陸連の発表によると、8月2日午後9時50分にスタートだとは、驚きですねえ。勝負は10秒以内に終わってしまいますが、何でこんな遅い時間なんでしょうか。お爺さんはもう寝る時間です。

 2016年リオデジャネイロ五輪で日本が銀メダルを獲得した男子400メートルリレー決勝は、8月7日午後10時50分に開始。男子200メートル決勝は8月5日午後9時55分。女子100メートル決勝は1日午後9時50分スタート。じぇーんぶ、寝る時間じゃないすか。恐らく、高額の放送権料を支払っている欧米のテレビ局のゴールデンアワーに合わせたのでしょう。

 ちなみに、日本の午後9時50分は、米東海岸では午前8時50分です。うーん、ちょうど良い時間帯です。でも、逆でしょう?

 陸上のもう一つの花形、男子マラソンは、8月9日(日)午前6時に号砲。早(はや)!でも、これは分かります。日本の夏は、40度と殺人的な暑さで、しかも、卒倒するほど湿度たっぷりです。早朝の号砲は、日本が初参加した1912年のストックホルム五輪大会で、金栗四三が出場したマラソン大会のように死者が出かねないからでした。でも、何か変。

メダルが期待される柔道の決勝(7月25日~8月1日)は、男女とも午後5時から7時40分です。
 夜に試合をするんですか? 何で、こんな変な時間帯に決勝をやらされるんでしょうか。 このように、もし、欧米列強の時間帯に合わせているとしたら、日本開催なんか意味ないし、これじゃあ、まるで植民地ですよ。

 そもそも、真夏の一番ピークの殺人的猛暑が続く期間に何で選んで開催するんでしょうか。前回の1964年東京五輪の開会式は10月10日。まだ良心的でした。「スポーツの秋」で、身体を動かすのに1年でも最も適した季節です。

 2020年東京五輪大会を秋の絶好のシーズンに開催できないのは、単に、米大リーグ野球やらプロバスケット、欧州のプロサッカー、ゴルフなどがシーズン真っ盛りだからなんでしょう。

 こんなこと、誰でも分かりきっているのに、誰も批判しない。マスコミも批判しない。やはり、オリンピックは、五輪貴族と関連業者のための祭典と言わざるを得ませんね。

嗚呼、ノートルダム大聖堂の大火災

4月15日夜から16日未明にかけて起きたパリのノートルダム大聖堂の大火災。まだ、原因が分かっておりませんが、唖然、呆然としてしまいました。

ノートルダム大聖堂は、1163年に着工され、182年間かけて建設が続けられて1354年に完成。ゴシック建築を代表するもので、世界遺産に登録されていることは皆さま御案内の通りです。

2014年3月に訪れた時のノートルダム大聖堂。この時、長蛇の列だったので、内部に入らず、惜しいことをしてしまった。ステンドグラスは無事だったのかしら?

 訪れる観光客は、何と年間1200万人だとか。私も以前に2~3回、足を運んだことがありますが、まさか、燃えちゃうなんて思いも寄りませんでしたね。正面のファサードは石造りですが、内部や屋根は複雑な木造構造だったようで、96メートルの尖塔が燃えて崩落してしまう様子をテレビで見ましたが、呆然としてしまいました。

 私がフランスに派遣している秘密特派員からの情報によると、ノートルダム大聖堂には、聖ルイ(ルイ9世)が十字軍で持ち帰った聖遺物「キリストの茨の冠」 La couronne d’épines やイエスを磔にする際使われた釘(といわれるもの)などが安置されていましたが、無事保護されたといいます。屋上の12の像も修復工事のため運良く取り外されていたようです。これらは、一時的にパリ市庁舎に避難しているようで、いずれ詳細は明らかになるでしょう。

 ただ驚くことに、フランスでは歴史建造物の修復工事中の火事は、実は多いそうです。フランス人は、日本人ほど作業が慎重でないこともあり、今回の場合も、テロや事件ではなく、作業員のミスの可能性が高いようです。(その場合は、原因究明と再発防止に努め、個人的な犯人探しはやめた方がいいと思います)

 ノートルダム大聖堂は、今年856歳ですが、よくぞ第1次、第2次の両世界大戦でも破壊されず、戦災を逃れてきたものです。しかし、実は、1789年のフランス革命や、1830年の七月革命などではかなり破壊され、荒廃してしまったといいます。

 フランス革命では、ノートルダム大聖堂だけでなく、フランス全土に及び、教会や修道院が破壊尽くされた事実は、案外知られていません。教会や司祭はアンシャンレジームの支配階級の一角だったため、革命勢力の格好の標的になったのです。日本でも明治維新で、「廃仏毀釈」というとんでもないことが起きましたが、単なる維新ではなく、薩長土肥の若者による暴力革命だったことが分かります。

 七月革命で荒廃した大聖堂を嘆いたヴィクトル・ユーゴが、不朽の名作「ノートルダム・ド・パリ」(1831年)を書くきっかけになったことは、知る人ぞ知る逸話ですね。

 ノートルダム大聖堂火災は、日本で言えば、法隆寺や東大寺、または伊勢神宮が火災に遭うようなものです。フランスだけでなく人類の世界遺産ですから、心から御見舞い申し上げます。

攘夷と開国の成れの果て

 時は幕末。

 血気にはやる若者たちは、尊王攘夷思想を信奉して、幕府打倒に立ち上がりました。

 病気がちの将軍に代わって、忖度主義で権力を独占したのが老中の阿倍正弘でした。敵対する井伊直助を排除して、ついに開国に踏み切ります。

 不平等条約を結んだのは、ハンザ同盟から離脱したエゲレスと、奴隷解放令を成立させて異国に奴隷を探し求めていたメリケン。そして、インドシナを植民地にして勢いに乗るオフランス。こうして、開国によって、高給を求めて大勢の異人が大和に押し寄せて来ました。

 しかし、異人さんは、大和の実態を知りません。分別のある大人が、電車の遮断機の横棒をノコギリで切断したり、新幹線を止めて線路に飛び降りたり、泰国まで出稼ぎして振り込め詐欺を働くような野蛮な人間がいることさえ知らないのです。異人さんたちは、お金を稼ぐのが目的ですから、「万葉集」どころか、大和言葉に興味ありません。大和学校に登録するだけで、学校に通わず、仕事優先。茶屋四郎次郎が経営する江戸福祉学問所は、これがビジネスチャンスと便乗し、幕府から助成金をふんだんにせしめています。異人が行方不明になろうと知ったことはありません。登録料さえもらえば、後は野となれ、山となれです。

 一方、異人さんの不満解消・吸収策のため、老中の阿倍正弘は、御用瓦版を使って、「人手不足の解消」だの「大和人との同等賃金を」だの「かわいそうな異人たち」だのと、盛んに洗脳記事を書かせます。

 しかし、老中の阿倍自身が、この開国によって、将来の大和がどんな「国のかたち」になるのか、全く想像も思い描くこともできませんでした。

 大津安二郎監督が「大学は出たけれど」を撮った安政の大獄恐慌の頃と同じように、老中阿倍政権の初期に、就職超氷河期が押し寄せました。そのため、40歳になってもいまだにアルバイトか、パートか、契約、派遣に甘んじている大和人が、職安通りに溢れています。それなのに、阿倍政権は、異国人優先の開国に踏み切りました。

 さて、幕府打倒に踏み切った非正規雇用の若者たちの運動は、どうなったのか?

 それが、ぽしゃっちゃったのです。阿倍老中政権の巧みな「働き方改革」で残業がなくなり、享保の改革、寛政の改革、天保の改革に並ぶ金字塔を打ちたてたのです。御用瓦版を使って、民百姓を洗脳し、若者だけでなく、異人さんたちも懐柔し、羊の群れのように唯々諾々とお上に従う民を道徳教育で作り上げることにも成功したのです。

 若者たちは、GHQの目論見通り、国営放送を通じて、芸能人のスキャンダルとスポーツ観戦にひたすら熱中し、銀座の歩行者天国で、ええじゃないか踊りに没頭し、物見遊山の超富裕異人さんたちは、群れをなして日本橋の高級商店に押し寄せて爆買し、格安航空で来た異人集団は道端に食べ残しを捨てまくり、疲れては地べたに座り込み、飽きては大声で叫び、穏やかな大和人の通行を妨害し、開国の自由を謳歌しているのでした。

 嗚呼、まんず、めでたし、めでたし。

建築ジャーナリスト淵上正幸氏の世界

 昨日4月14日(日)は、東京・大手町のサンケイプラザで開催された仏友会総会に参加してきました。仏友会とは、東京外国語大学でフランス語を専攻した人たちの同窓会で、大正時代からある伝統的な親睦会です。一時、というか、長らく「休眠」していたのですが、25年ほど前から田島宏先生の呼び掛けで復活したそうです。

 私自身は、何も知らずに15年ぐらい前から参加していたので、同窓会というのは普通のものかと思っていたら、同じ大学でも英米語を専攻して卒業した人から、「同窓会がないので参加したことがない」という話を聞いたので、驚いてしまいました。と、同時に仏友会を復活させて頂いた諸先輩方の努力と苦労には頭が下がる思いでした。

建築ジャーナリスト淵上正幸氏

 14日は、昭和31年卒のOB(ということは84歳ぐらい) から現役3年生(ということは20歳ぐらい)まで61人も参加しました。毎回、斯界で活躍する先輩卒業生による講演会が開催されますが、今回は建築ジャーナリストの淵上正幸氏。ちょうど50年前の昭和44年卒業ということですから、とっくに古希は過ぎておられますが、非常に若々しく50代にしかみえません。

 しかも、抜群の記憶力の持ち主で、世界各国の著名な建築家の「作品」をスライドで説明しますが、全く、メモも見ず、作品の規模から価格、歴史的背景、建築家の略歴まですべて細かい数字も頭の中に入っていて説明されていたので、恐れ入ってしまいました。こんな頭の良い人は、世の中にそういません。

 大学の卒業生の中には、本当に色んな方がいらっしゃいますが、「建築ジャーナリスト」なるものは初めて聞きました。そしたら、淵上氏は「建築ジャーナリストというのは、私がつくった肩書で、初めてでしょう」と仰るので、ずっこけてしまいました。大学卒業後、紆余曲折があって、結局「新建築社」という出版社に転職し、これまで、全く、建築に興味がなかったのに、会社の書庫で、世界中の多くの「建築写真集」を見ているうちに、異様に面白くなり、世界中の建築を見て回る仕事に没頭したといいます。この新建築社という会社、私は全く知りませんでしたが、大正14年創業の老舗でした。

 それにしても、建築士でも設計士でもない方が専門家にインタビューしたり、同等に渡り合ったりして、どんなことをするんだろうか、と思っていたら、淵上氏の話を聞いて、大枠が分かりました。ここでは詳しく書けませんが、かなり凄いこともやっておられました(笑)。

 とにかく、淵上氏は、今の日本の建築ジャーナリズムの世界ではナンバーワンの方で、「ヨーロッパ建築案内1~3」「アメリカ建築案内1~2」などの著書多数あり、昨年は、日本建築学会文化賞まで受賞されてます。当然ながら、現代建築界の「世界の巨匠」と呼ばれる方とも昵懇で、建築家と施行主、自治体、もしくは大富豪との間を取り持つコーディネーターの仕事もされております。吉祥寺のハーモニカ横丁をシマにして、お酒と女性をこよなく愛す大変ユーモアに溢れた方で、世界各地の著名建築を見る旅を主宰されたり、ノミニケーションで、世界の巨匠の一人から、御自宅の門をタダで設計してもらった特権まで披露されておりましたが、これは内緒の話でした(笑)。

 個人的ながら、私も建築は好きなので、バウハウスのグロピウスやル・コルビュジエらの作品など知っているつもりでしたが、彼らのような1900年から1967年ぐらいまで活躍した人たちの作品を「近代建築」と呼び、それ以降を「現代建築」と呼ぶということでした。この現代建築家として、世界的に有名な丹下健三をはじめ、磯崎新、安藤忠雄、隈研吾といった日本人は知っていましたが、世界の巨匠となると、ほとんど知らず、淵上氏のスライド紹介で初めてその輪郭が分かりました。


オーレ・シェーレン設計のシンガポールの「インターレイス集合住宅」

 約2時間の講演会の世界各地の建築紹介の中で、一番印象に残ったのは、ドイツのオーレ・シェーレン(1971~)設計のシンガポールにある「インターレイス集合住宅」でした。傍から見ると、不安定な積み木を組み立てたような変な集合住宅で、淵上氏も「酔っ払って帰ったら、自分の部屋が分からなくなる」と冗談を飛ばしておりました。でも実体は、六角形を基準になかなか精緻で緻密な計算で作られた設計で、中庭を配したり、プールをつくったり、風通しや日射を良くするために、一部の建物を割愛したり、「あっと驚く」工夫設計でした。

 2020年東京五輪の新国立競技場会場設計をコンペで獲得しながら、後で政府により白紙撤回されたイラク出身のザハ・ハディッド(1950~2006)も淵上氏とは昵懇の仲だったようで、少し長く紹介の時間を割いていました。

 建築費の高騰を理由に撤回され、猛烈な抗議の中で、ハディッド氏は、65歳で心労も原因で急死してしまいますが、彼女の作品が紹介されたスライドを見て、本当に類稀な才能で、惜しい人を亡くしたと思いました。新国立競技場問題の最中は、政府による巧みな世論操作で、日本人は、ハディッド氏がまるで我利我利亡者のような印象を植え付けられましたが、そんなんじゃなかったんですね。何か背後に「鶴の一声」があったのかどうかも真相は不明です。

 東京・汐留の電通本社ビルを設計したのがフランスのジャン・ヌーヴェル(1945~)で、淵上氏の親友でした。酔いに任せて彼の自宅の門を設計する約束をさせたのが、この人でした(笑)。この人を調べてみたら、私自身が昨年、スペイン・マドリードでピカソの「ゲルニカ」を見たあのソフィア王妃芸術センター新館を設計した建築家がこのジャン・ヌーヴェルだったんですね。驚きでした。

 有楽町の東京国際フォーラム(1996年)を手掛けたのがウルグアイ出身のラファエル・ヴィニオリ(1944~)で、これで一躍有名になり、世界各国で引く手数多だそうです。

 このほか、世界の巨匠として、104歳で亡くなったブラジルの天才建築家オスカー・ニーマイヤー(1907~2012)やメキシコの巨匠ルイス・バラガン(1902~88)、カナダ出身のフランク・ゲーリー(1929~)らも紹介してくれましたが、実際に現地に行って、実物を見たくなってしまいましたね。

東京駅 辰野金吾

 絵画や彫刻とは違って、建築物(美術館、大学、病院、駅舎、集合住宅、オフィス、モール街など)は持ち運べず、そこに行かなければ見られません。淵上氏は、建築見学ツアーも主宰されており、「現地にタダで行って、帰れば、講演会と執筆・出版もできます。一石二鳥どころか、一石三鳥です」と最後までユーモア溢れる講演会でした。

 それにしても、建築設計の世界は素人には全く分からない世界です。世界中のコンペ情報はどうやって入手するのか?どのように審査されるのか? 設計費やマージンやコーディネート代はいくらが相場なのか?-気になることばかりでしたが、知っても、茲では書けないでしょうね(笑)。同じジャーナリストなら、人間の業(ごう)や暗闇や負の側面ばかり見せつけられて、ひねくれてしまうジャーナリストより、世界中を飛び回れる建築ジャーナリストになればよかったかなあ。。。(一部敬称略)

WTOが、韓国による福島産水産物の禁輸を容認

世界貿易機関(WTO)は4月11日に、韓国による日本産水産物の全面禁輸を容認したため、日本国内では大騒ぎになっています。

弥次郎兵衛 日本政府の全面敗訴だなあ。まさに驚天動地。まさか、あのWTOが、日本の主張を却下するとは思わなかったよ。韓国は、最近、何でもいちゃもんばかり付けているから、このままじゃ、増長するよ。

喜多八  いやいや、これは韓国だけの問題じゃないんだよ。福島原発事故を理由に日本産食品の輸入を禁止しているのは世界23カ国・地域に及ぶんだよ。韓国なんてマーケットが小さい、小さい。遥かに大きい中国や米国、EUだって、いまだに、日本産品の輸入をストップしているんだよ。

弥次 えっ?何だって?それ、本当か?

喜多 ああ、例えば、中国なんか、東北、関東など10都県の全食品と飼料の輸入を今でも停止しているんだよ。福島原発事故が理由なのに、福島県産以外に埼玉県、東京都、長野県産まで停止命令が出ているだから、よく分からない。

弥次 それだけ、いまだに放射能の影響があると思ってるんじゃない?俺なんか、毎日、東北産や関東産の魚や野菜を食っているけどなあ。

喜多 ま、お互い。それはいずれ、「結果」が分かるんじゃないの。それより、安倍首相は、福島第一原発の汚染水は「アンダーコントロール」と見えを切って、東京五輪・パラリンピックの招致を獲得したんだよ。でも、いまだに汚染水は駄々洩れだから、大ウソをついたことになる。こっちの方が問題じゃないの?

弥次 それは、東京五輪の後援・スポンサーになっているマスコミは、グルだから、一切、絶対、批判しないし、報道すらしないよ。何しろ、福島原発は、メルトダウンしていたのに、最初は全く報道されなかったんだよ。汚染水は、自然に漏れているだけじゃなくて、処置に困っている放射性トリチウムを含む100万トンの汚染水を、これから薄めて海に流すらしいから、魚は本当に大丈夫なの?てな感じだよ。

喜多 だから、俺は、魚は山陰産しか食べないもんね。

弥次 おっ! ずるいなあ。

喜多 もちろん、段ボール入りの中国産冷凍餃子も食べないし、ポストハーベストの農薬漬けの野菜や遺伝子組み換え食品も食べない。今の政財官界の大物たちだって、福島産の農水産物を食べないと思うよ。

弥次 そんな推測でモノをしゃべっていいのかい?

喜多 もちろん、間違っていたら訂正するよ。憶測に過ぎないからね。積極的に食べているかもしれないし。それより、沖縄県の玉城知事が、米軍が駐留する欧州の英、ドイツ、イタリア、ベルギー4カ国の地位協定を調べたら、4カ国とも国内法が適用されていたことが分かったじゃないか。例えば、同じ第2次世界大戦の敗戦国のドイツでさえ、国内法が適用され、米軍基地への立ち入り権が明記され、米軍による訓練も独政府の承認が必要とされ、航空機事故が起きた場合、ドイツも調査に関与できることになっている。それなのに、日本だけは、国内法の適用がなく、国内なのに、基地に入れないどころか、事故が起きても捜査などできないことになっているんだ。まるで、植民地だね。治外法権もいいところだ。

弥次 えーー、そうなの。何で急に、そんな話になったの?

喜多 新聞のWTOの記事の隣に書いてあったからさ(笑)。沖縄県の調査について、河野太郎外相は「様々な国内法を含めた一つの体系なので、何かを取り出して比較することに全く意味がない」と批判したらしい。「全く意味がない」ということは、日本は植民地に甘んじますと宣言しているようなもの。河野外相もやはり、福島産の農水産物は食べていないね。

弥次 だから、そんなこと言って大丈夫なの?