緊迫する朝鮮半島情勢

伊太利亜フィレンツェ

いやはや、本当に驚きました。腰を抜かすほど。まあ、朝鮮ウォチャーとしては、何年も前から予想していたことでしょうが、まさか、本当に実行するとは思いませんでした。

北朝鮮の最高指導者金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄金正男氏が13日、マレーシアのクアラルンプール空港で暗殺された事件のことです。

まるでスパイ映画のような出来事です。

韓国の大手紙朝鮮日報系のテレビ朝鮮のスクープらしいのですが、北朝鮮の工作員と見られる女2人が、金正男氏を空港内で毒針で刺して殺害し、そのままタクシーで逃走したというのです。
伊太利亜フィレンツェ

享年45。

45歳と言えば、まさに男盛りと言いますか、バリバリ仕事を成し遂げる年頃です。

独裁体制を固めたい金正恩委員長が、自分の存在を脅かされるのではないかと異母兄の暗殺を工作員に命じたものとみられています。

まるで戦国時代ですね。

金委員長の義理の叔父で北朝鮮ナンバー2に当たる張成沢氏が2013年に処刑されたときも、ビビりましたが、腹違いとはいえ、自分の実兄まで殺害するとは…。何しろ、金委員長は既に100人以上の高級幹部を「国家反逆罪」の容疑で処刑したという情報もあり、もう何千人もの人民が餓死していると言われています。

これが、民主主義人民共和国の実体だとしたら、恐ろしい限りで、こういう隣国とどう付き合ったらいいのか、世界の叡智を集めて考える段階ではなくなっているのかもしれません。

何しろ、北朝鮮は日米首脳会談の真っ最中を狙って中距離ミサイルを日本海にまで飛ばして威嚇するぐらいですからね。
伊太利亜フィレンツェ

とはいえ、さりながら、我が国としては、少し冷静にならなければなりませんね。

こういう事態だからこそ。

北朝鮮の後ろ盾になっている中国も、抑えが効かない、歯止めが効かない状態になっているのかもしれません。

1950年に始まった朝鮮戦争も、まだ終わったわけではなく、未だに休戦状態です。

こんな大事な時に、お隣韓国では、大統領が弾劾され政治的に不安定な状態が続いています。

こういう時期だからこそ、情勢収集と冷静な分析と対策が必要とされます。

拉致問題もいまだに解決されていません。

ただ今回の金正男氏暗殺で一つだけ分かったことは、北朝鮮はまだ戦国時代を生きており、本気だということです。

60年ぶりのゴルフ外交

伊太利亜フィレンツェ

2月10日~12日の日米首脳会談。やれ「大成功だった」だの、「従属おべっかつかい外交」だのと専門家と称する人から一般の人まで、好き勝手放題の感想を並べたてて、喧しいったらありゃしませんか?

トランプ米大統領と安倍首相が二人っきりで、一体何を話し合ったのか、当人と通訳以外誰も分からないのに、周辺から漏れてくる情報をもとに、したり顔で得意気に喋っているだけではないでしょうか。

伊太利亜フィレンツェ

そういう私も、特別にツテがあるわけではありませんから、新聞の活字やテレビの活動写真を通じて知る範囲だけですが、何と言っても驚かされたのが、「冬のホワイトハウス」との異名を持つトランプ大統領のフロリダ州の別荘でしたね。

活動写真を見る限り、まるでヴェルサイユ宮殿みたいな豪華さでした。

何やらトランプさんは、この宮殿を9億円ばかしで手に入れたらしいですね。

ある信頼できるかできないか分からない情報によりますと、トランプさんは、もともと大富豪の持ち主だったこの宮殿を、大富豪が亡くなって未亡人が相続していたことに目を付けて、まず最初にこの宮殿の庭先の海岸を2億円で手に入れて、景観を隠して住みづらくして、本丸を手に入れたらしいですね。

あ、これは未確認情報ですから。あくまでも。

伊太利亜フィレンツェ

今回の日米首脳会談で、最も注目されたのが、ゴルフ外交でした。お二人さんは、何と27ホールも回ったそうですね。

ゴルフ外交には伝統がありまして、ちょうど60年前の1957年に安倍首相の祖父岸信介首相とアイゼンハワー米大統領(いずれも当時)が、ゴルフ外交をして親交を深めたことがあり、それ以来らしいですね。

このアイゼンハワー~岸ゴルフ外交は、ちゃんと米国立公文書館に記録と写真が保存されてまして、今ではネットで誰でも簡単に見ることができます。当時のマッカーサー駐日米大使(GHQダグラス・マッカーサー司令官の甥)が、裏で交渉役として活動した当時の極秘文書が今では公開されておりました。

さて、トランプさんが安倍さんを招待した御自身が所有するゴルフコースの入会金は5000万円、年会費200万円、プレー料金は1時間3万円なんだそうですね。

アメリカには18ホールを3000円以内で回れるパブリックコースが有象無象にありますから、破格的な価格です。

このプレー代について、安倍首相が払うと、回りに回ってトランプさんの懐に入り、これが米国憲法に抵触するとかしないとかで、結局、トランプさんの「奢り」ということで決着がついたそうです。

もっとも、安倍首相も昨年、ニューヨークにある次期大統領(当時)のトランプさんの豪華マンションを電撃訪問して、54万円もするゴルフのドライバーをお土産に持っていったという噂ですから、これでチャラになるのでしょうか?

でも、この54万円の出処は如何に?内閣機密費なんでしょうかね?となると、国民の血税となりますが、真相を御存知の方は教えて頂きたいものです。

バノン氏の暴走を止めるのは誰?

伊太利亜フィレンツェ

私は最近は、トランプ米大統領以上に、スティーブ・バノン首席戦略官(63)の言動に注目しています。

経歴は、ハーバード・ビジネス・スクールで名誉(?)修士号などを取得した後、海軍やゴールドマンサックスに勤務し、入閣する前は、ユダヤ系の右派ネットメディア「ブライトバート・ニュース」の編集長を務めていた人です。

アイルランド系のカトリックだそうですが、過激な発言から「人種差別主義者」「女性蔑視主義者」として危険人物視されてきました。

熱烈なトランプ支持者として、大統領選挙の選対責任者に選ばれ、大統領のスピーチや大統領令の草案を作っているものと見られ、トランプ大統領の側近中の側近ブレーンです。

既存メディアを蛇蝎視して、「お前たちは、さっさと敗北を認めて黙ってろ」と放言するなど、彼らしい面目躍如を発揮しております。

伊太利亜フィレンツェ

その白豪主義者バノン氏が昨日、国家安全保障会議(NSC)の常任メンバーに選出されたことから、またまた物議を醸しています。

彼がメンバーに選ばれることは既成路線だったとしても、統合参謀本部議長と国家情報長官がNSCの常任メンバーから除外されたというのは穏やかではありません。

これでは、バノン氏の暴走、いや独裁が目に見えています。NSCは、米国内だけでなく、日本を含む対外、つまり国際戦略に大変大きな影響を及ぼすセクションであることは明白です。9.11以降、米国はイラク・アフガン戦争を起こし、憎しみが憎しみを呼ぶテロ組織を萌芽させる遠因も作りましたからね。

気になるのは、彼のアジア人蔑視です。大国アメリカの政権中枢にいるバノン氏が、日本人を含むアジア人から、また植民地主義時代に戻って搾取することしか考えないようなら、今から遅くはないので、対策を考えるべきではないでしょうか。

そんな中、世界各国の首脳が、トランプ大統領による入国制限の混乱について批判するメッセージを発表しているというのに、日本の安倍首相だけはだんまりを決め込んでいるのが気になります。

トランプ大統領は、悪徳保安官?

伊太利亜フィレンツェ・ウフィツィ美術館

アメリカのトランプ大統領が、シリア、イラク、リビアなど中東・アフリカ7カ国からの入国を一時的に禁止する大統領令を署名したおかげで、米国内では大混乱をきたしていると、大々的に報道されています。

米国内の空港では、入国を拒否された家族や会社や関係者と見られる人々の抗議デモがありました。

テキサス・レンジャーズで活躍しているダルビッシュ投手の父親は、イラン人なので、息子の応援にも行けないかもしれない、と地元ダラスのメディアは報じています。

それにしても…。

メキシコ国境に壁をつくる、などといった公約は、大統領選挙のための単なるパフォーマンスだと世界中の多くの人は見ていましたが、冗談でも見せかけでも何でもなく、本気で着々と進めています。

伊太利亜フィレンツェ・ウフィツィ美術館

今日発売の「週刊現代」の見出しを見て、思わず苦笑してしまいました。

トランプ大統領について、「こいつ、本物のバカかもしれない」なぞと書いているんですからね。彼が日本語を読めたら、名誉毀損で訴えるかもしれませんねえ。

いやはや、世知辛い世の中になってきたものです。

伊太利亜フィレンツェ・ウフィツィ美術館

トランプさんは、明白にバカではないでしょうが、事実誤認が激しいところがある人だということは、日本人の多くが思っています。

例えば、彼は日米自動車貿易の不均衡を主張されておられますが、現状は日本から米国への輸出は2.5%の関税を掛けられているのに、米国車の日本への輸出関税はゼロなのです。

トランプ大統領が不平等だと主張するのなら、日本からの米国輸出関税をゼロにするべきでしょうね。

今の安倍政権は、属国意識が強くて頼りないので、不平等条約を改定した実績を持つ井上馨卿か陸奥宗光卿の登場をお願いしますか?

そして、彼は米軍の駐留経費は、各国全額負担しろ、と迫っておりますが、既に日本は駐留経費の74.5%も負担しているのです。同じ、敗戦国のドイツなんか、わずか32.6%だというのに…。

日本の右派識者でさえ、「これ以上負担すれば、米軍は日本の傭兵になってしまう」と指摘するぐらいですからね。

私は、トランプ大統領がバカだなどとは言いません。商才に長けた頭のキレる人でしょう。しかし、思い込みが激しい過剰な自信家であり、西部劇に登場する悪徳保安官に見えます。

大統領と言えば、かつては尊敬の対象だったのに、トランプさんの品に欠ける軽さのおかげで、すっかり格が落ちて、今では軽蔑の対象になってしまった感じがします。

※注=渓流斎ブログは2016年6月13日に書いた「あめりかは王政復古」で、秋の大統領選で、「トランプ大統領」になることを早くも予言しておりました!

大波乱の時代か?

京都 par Kyorakusensei

検非違使の田口です。

日頃から不穏な動きをして、お上が憚かるような言動を慎まず、好き勝手放題に人民を愚弄していた渓流斎の野郎をとっ捕まえてやりました。

これで、検非違使総監賞は間違いなしでしょう。

何しろ生意気ですからね、あやつは。そこで、日頃からあやつが通る路地裏で待ち伏せして、微罪で引っ張ってやろうという魂胆でした。

あやつ、まんまと引っ掛かりやがって、六波羅探題に引っ張ってきたら、日頃の勢いは何処へやら。借りてきた猫のようにシュンとなっていたので、背後から羽交い絞めにして、ぐうの音が出ないくらい、叩きのめしてやりやんしたよ。

◇◇◇◇◇

ベルリンで、一般市民を巻き込むテロ殺害事件が起きたり、アンカラでトルコ駐在ロシア大使が暗殺されるなど、またまた世界中で不穏な動きが活発となりました。

今年も終わりが近づき、さて、来年はどうなるかと予想した時、どうも明るい未来が開けないと思うのは、私だけではないかもしれません。

変な世の中です。

いわゆる一つの「トランプ相場」とか言われるバブルの影響で、日本の日経平均株価も2万円近くまで急上昇し、ドル円レートも120円近くまで、円安になってきました。

「見えざる手」ではなく、誰か、とは言ってもはっきりしているのは何れにせよ、何処かの国の金が余った相場師がマネーゲームをやって、動かしているのでしょうね。

何しろ、まだ、トランプさんは大統領に就任したわけではなく、実体経済ではないからです。単なる思惑で動いているか、動かされているか、相場師が動かしているかに過ぎないからです。

これだけドル高が進むと、米国内の輸出産業に痛手が出るわけですから、保護主義を主張するトランプさんも、来年1月20日に就任するやいなや、何らかの手立てを打つことでしょう。

そしたら、また相場が荒れ、破産する人も出るかもしれません。

先日テレビで、チラッとやっていたのを見たのですが、世界一の大富豪のビル・ゲイツさんは、当然、株か何かに投資していますが、1日だけの損得が半端じゃありません。

な、な、なんと、1700億円でっせ、親分。

1700億円大儲けする日もあれば、1700億円大損することがあるわけです。

ここまで来ますと、凡人の想像を遥かに越えて、お笑い番組とそう変わらなくなりますよ。

植民地物語

伊太利亜ヴェニス

補聴器をしてチャリンコを漕いでいたら、検非違使に捕まった渓流斎翁です。まだ、牢屋に入っておりますが、伝書鳩を使ってこの秘密の文書を皆様にお届けしております。

風の噂では、南の楽園の島で、オストプーとかいう未確認飛行物体が、墜落し、まだその事故原因が解明していないのにも関わらず、わずか6日で飛行を再開したそうな。

倭国は、やはり、麦軍の植民地だったんですね。

何しろ、麦軍の司令官とか言われるいかにも怖そうな顔をした責任者が、「墜落じゃねえ。不時着だ。それも、操縦士は機転を利かして、住宅地ではなく、浅瀬に不時着して、被害者は一人も出さなかったんだから、有り難く思え!」と言い放ったらしいですからね。

そして、昨日の事前通告時間2秒前のオストプーの飛行再開です。おろしあ國の代表も遅刻などせず、麦國に見習ってほしいものです。あれっ?違うか…

倭国の永田町連中は、麦軍からの一方的な再開通告に対して、「ははあ、ご尤もで御座いまする」と平身低頭したとか、しなかったとか。

永田町連中は、南の楽園島に「合理的判断」と、直接ではなく、媒体を通して言ったらしいので、南の楽園の島民は、怒るまいか怒るまいか。

島民長は「言語道断。もう、永田町連中とはやってられん」と、倭国からの独立も辞さない覚悟のようです。

今、第一報の速報として、ゲルマン國のクリシミマス商戦真っ只中のマーケットにトラックが突っ込み、多数の死傷者が出たというニュースが飛び込んできました。

詳細は分かりませんが、計画的テロで、シリア問題が絡んでいるとか。

シリアの内戦には、おろしあ國も深く関与しており、同国は、極東で北方四島、中東でシリア、隣国ではウクライナと未だに19世紀の覇権主義から脱していないようです。

南シナ海では経済大国になった漢族國が、軍事力を増強して、たちまちのうちに、18世紀の世界大国主義復活を目論んでいるようです。

そんな中の、南の楽園の島問題です。一つの島の問題ではなく、地政学的に、世界史的視野で見ていくと、全部繋がっているようにも見えます。

独裁者カストロ死す=ワシントン・ポスト紙が報じる

寺院 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長が25日に亡くなりました。享年90。

もう10年前から議長職を実弟ラウル氏に譲り、政界からも引退していたので、超メガトン級の影響はもうないでしょうが、それでも、一つの時代が終わったという感じがします。

カストロは、少なくとも1980年代末からの一連のベルリンの壁崩壊、ソ連邦崩壊という大事件が起きるまでは、世界の希望の星でありえた時期がありました。

それは、ほぼ鎖国状態で、キューバ国内の実態が海外にあまり伝わってこなかったから、という背景もあったでしょう。

 軍事博物館 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

私も、2000年に生まれて初めてキューバを旅行で訪れて驚きました。その当時、世界的に「ブエナ・ビスタ・ソーシャル・クラブ」(ヴィム・ベンダース監督、ライ・クーダ主演)というキューバの老ミュージシャンの復活をテーマに取り上げた音楽ドキュメンタリーが大流行して、私も大変な感銘を受けて、どうしてもキューバに行きたくなってしまったからです。

しかも、キューバは、私も好きで主要作品の殆どを読破した作家ヘミングウェイが活躍したところです。かつての邸宅兼書斎も公開されているということで、是非この目で見てみたかったからです。

そして、実際に行ってみて驚いたことは、社会主義革命を実現したキューバは、さぞかし、自由はともかくも、平等で、福祉がしっかり行き届いていて、街には生活に困った人が溢れていることはまずないだろう、と事前に確信していたのに、それが見事に裏切られたことでした。

世界中、格差拡大社会で、何処に行ってもホームレスや、物乞いがおりますが、キューバでは、それが子供たちだったことに衝撃を受けたのです。

いわゆる、ストリートチルドレンです。

また、白人と黒人との間で、公然と差別があり、黒人は、スポーツや医学など、よっぽど他人から秀でた才能がない限り、一般人は、「鑑識」みたいなものの常時着用が義務付けられ、驚くべきことに、許可のない地域外の移動は禁じられていたのです。

私が現地で知り合った黒人青年は、ハバナから1キロぐらいしか離れていない旧市街にでさえ移動できず、私と一緒に乗ったタクシーから降りることができませんでした。

キューバは、人類の理想のパラダイスだとばかり思っていたのに、実体は、行ってみなければ分からないと確信しました。

わずか、1週間の滞在でも、高額なビザ申請料金を在日大使館で請求されたことについて不思議に思ったことも事実でした。

 寺院 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

26日付のワシントン・ポスト(電子版)の見出しは、「Cuban dictator, a spiritual beacon to the world’s political far left, dies at 90」でした。

意訳しますと、「キューバの独裁者、世界の極左政治家の精神的支柱、90歳で死す」となりますね。

それにしても、あまりにもあからさまな凄い見出しですが、今や、すっかり極右化した日本では、「カストロ?誰それ?」「えっー?あのゲバラとも関係あったの?」てな感じかもしれませんね(笑)。

日本に来て下さい、トランプさん

伊太利亜ヴェニス

何これ?!

11/17(木)274ページ 92人 11,554位
11/16(水)362ページ 124人 7,731位
11/15(火)372ページ 136人 8,586位
11/14(月)353ページ 119人 10,462位
11/13(日)416ページ 155人 6,752位
11/12(土)334ページ 140人 6,487位
11/11(金)239ページ 111人 9,590位
※ランキングは上位100,000件まで表示されます

えっ?昨日のアクセスは、僅か92人でしたか。久しぶりの二桁です。1日1000人を目指しておりますから(笑)、もう、やめようかしら。

◇韓国と米国

韓国では、いつの間にか、「朴大統領よ、早く退陣しろ」と上から下から大騒ぎです。

先日は、ソウル中心部で36万人もの民衆がデモに参加したとか。うーん、とてつもない国です。

何やら、朴大統領は怪しげな新興宗教の教祖の娘と数十年にも渡って公私共々交際があって、朴大統領自らがその特権を利用して、その教祖の娘が経営する関連事業に便宜を図ったり、人事にまで介入させたり、その教祖の娘の娘の有名大学への裏口入学の口利きをしたなぞといった疑惑が数多浮上しているからなんだそうです。

民衆は、教祖の娘が、選挙で選ばれた公職者でも何でもないのに青瓦台に顔が利くことが許せないようです。縁故主義を批判しているわけです。

しかし、です。

次期大統領に決定したトランプさんは、次期政権運用に当たって、かなり、露骨な縁故主義を導入しています。前妻の長男や長女は当たり前。ハーバード大学を出たユダヤ系の実業家である娘婿まで、ホワイトハウス入りを画策しております。

それなのに、米国民は誰も批判していません。(いや、何人かは批判しているかもしれませんが…)

これは、人間は、もともと、縁故主義の動物だということを証明しているようなものです。

王制貴族社会から逃れて、民主主義国家をつくった米国でさえそうなんですからね。

◇日本の米軍駐留経費負担率は74.5%

ところで、次期大統領のトランプさんは、駐留米軍の日本人の負担が少な過ぎる。増額しなければ、引き揚げると、大統領選で「公約」しておりました。

米軍が出て行ってくれるのなら、フィリピンの大統領なら、大喜びなんでしょうが、日本の首相は慌てふためいて、直談判のために訪米するほどです。

しかし、日本の負担はそんなに少ないのか?

昨日の東京新聞が表入りで解説してくれました。

何と、日本は米軍駐留経費の74.5%も負担しているじゃありませんか。同じ、敗戦被占領国のドイツなんか、わずか32.6%ですよ!

韓国でさえ、40%です。

右派の外交評論家でさえ、「これ以上、日本が負担したら、米軍は日本の傭兵になってしまう」と指摘するぐらいですからね。

実業家のトランプさんは、経済政策理論も、日米貿易摩擦が激しく、三菱地所がロックフェラーセンターを買収したバブルの1980年代の印象で止まっています。

トランプさんよ、今の日本にお忍びでもいいから来てみてください。

【追記

韓国の教祖の娘の娘さん(20)が裏口入学したのは、名門梨花女子大学のようですね。馬術に熱中して、高校も大学も殆ど授業に出席せず、特待生扱い。

韓国は、極端な階層社会で学歴だけが、庶民が這い上がることができる「最後の砦」として知られています。

それなのに、何の苦労も知らない娘さんは「金も実力のうち。悔しかったら、親を憎め」とネットに投稿して、火に油を注ぐ格好になったようです。

まあ、真実ではありますが、橘先生の御著書ではありませんが、「言ってはいけない」。

トランプ次期大統領を予期できなかったマスコミ

伊太利亜ヴェニス

あんりま、マジっすか? てな感じですね。

米次期大統領に当選したドナルド・トランプさんのことです。(発音からは、ダーン・タンプが正しい表記ですが、このまま続けます)

マスコミは、クリントンさんの楽勝を予想していたはずです。取材能力が低下したのか、世論操作に失敗したのか分かりませんが、とにかく、マスコミは、「英国EU脱退」に続き、見誤りました。

長丁場の劇場型の米大統領選。メデイアは、「善人ヒラリー=安定」「悪党トランプ=暴言、不安定」の報道一色でした。結果だけみれば、ヒラリー当選確実報道は、単なる希望的観測に過ぎなかったのですね。

しかし、蓋を開けてみたら、トランプ圧勝です。よほど、ヒラリーさんは、富裕層と既得権益者のためだけの利益誘導型政治家とみなされ、かなりの嫌われ者だったわけですね。

一方のトランプ勝利は、このブログで先日触れたように、企業倒産による中間層の没落、格差拡大、薬物中毒、家族とアメリカンドリームの崩壊、自殺者急増といった病理がマスコミが報道する以上に深刻だったということでしょう。と言いますか、メデイアはそんなダークな部分を見て見ぬふりをしていただけなのかもしれません。それが、番狂わせのような報道をして言い訳しているように見えます。

世の中の進歩のお陰で、昨日はネットで米ABCの生中継を見ておりましたが、著名な政治アナリストや解説者や番記者が口を揃えて、「トランプが大統領になったら、これから先、一体どうなるのか分からない」と告白していたことが印象的でした。

その通り。超能力を持った予言者ならともかく、誰も分からない、というのが正解ですから。

「メキシコの壁」も「イスラム教徒の入国禁止」なども、大統領に就任して実際に着手するのか、そして、保護貿易主義で内向きになるのかどうかも含めてです。

日本の政治家で、トランプさんとのパイプを持っている人は、ここ数日で急に浮上した(笑)亀井静香さん以外誰もいないでしょから、これから、TPPや米軍基地など日米間に問題が山積していて、大変でしょうね。

それにしても、アメリカは凄い国です。これから、トランプさんがプーチンさんや習近平さんらと口角泡を飛ばして論争する姿が、もう目に浮かぶようです。

足を踏まれた人の痛み

「二乃宮」

大島てるです。

バングラデシュで、日本のJICAから派遣された方々が、首都ダッカのレストランでテロ襲撃に遭って、命を落とされたということで、非常に胸が痛みました。

何も、遊びや旅行で行ったわけではなく、バングラデシュのため、お国のインフラ整備のために、仕事で出張されていた方々でしたので、お気の毒で、遺族の皆様には大変御愁傷様でした、と言う言葉以外見つかりません。

何よりも、実行犯の若者たちは、裕福な家庭に育ち、留学経験もあるインテリだったという事実には衝撃を受けました。開発途上の国を良くしようとはるばる遠方からやって来た外国人を、異教徒だからといって、殺害したりしますかねえ?日本人が何で十字軍なんですか?インテリは駄目ですね。

全く無関係なのですが、私にとって、バングラデシュと言えば、どうしても、ジョージ・ハリスンが主催した「バングラデシュ・チャリティーコンサート」を思い出してしまいます。

うろ覚えの記憶で、電車の中で書いているので間違っていると思いますが、確か、あのコンサートは、1971年8月に、ニューヨークのマジソン・スクウェア・ガーデンで開催された本格的な、世界初のチャリティーコンサートで、主宰者のジョージ・ハリスンは、長髪で胸まで垂れるほどの長い髭を伸ばして、目が覚めるほど真っ白の上下高級スーツを着こなし、クリーム色のフェンダーのストラトキャスターを弾きまくっていました。(日付等間違っていたらどんどん改訂します)

凄いお爺さんに見えましたが、当時、ジョージは28歳の若者でした。前年の1970年に、ビートルズが正式に解散し、ジョージ自身は3枚組LPのソロアルバム「オール・シングズ・マスト・パス(諸行無常という意味)」をリリースし、その中の「マイ・スウィート・ロード」が世界的に大ヒットして、ソロとして自信を深めていた頃でした。(盗作事件もありましたが)

私も、バングラデシュという国については、このコンサートで初めてその名前を知りました。コンサートの模様は、映画化され、私も何十回、映画館に足を運んだか覚えていないほど足繁く運びました。当時は、ビデオもネットもありませんからね(笑)。

映画では、独立運動で戦うバングラデシュの人々や、飢えで苦しむ子供たちが、沢山写っていました。

政治的な人物として前面に出していなかったジョージが、何故、バングラデシュ問題に関わったのかについて、映画の中での記者会見や、主題曲(?)のバングラデシュの歌詞にも出てきます。シタール奏者で、ジョージの友人のラヴィ・シャンカールから「助けてほしい」と支援を求められたからです。

シタールという楽器は、インドの古代から使われている楽器で、ビートルズのアルバム「ラバーソウル」(1965年)の中の「ノルウェー製家具」(以前のブログに書きましたが、「ノルウェーの森」はあまりにも酷過ぎる誤訳です!)で、初めて使われました。ローリング・ストーンズもすかさず真似して、「黒くぬれ!」で、ブライアン・ジョーンズが器用にシタールを弾きこなしています。

もう15年ほど前ですか、ノラ・ジョーンズという若い女性歌手が「ドント・ノウ・ホワイ」でグラミー賞を受賞して、大きな話題になった際、彼女があのラヴィ・シャンカールの娘だったということを知った時の驚きは今でも忘れません。

「バングラデシュ・コンサート」には、ボブ・ディランやエリック・クラプトン、レオン・ラッセル、ビリー・プレストン、バッド・フィンガーらが友情出演して大成功を収めました。

恐らく莫大なチャリティー金が出て、バングラデシュ政府に寄付されたことでしょう。昔なら、よかった、よかったで終わりますが、あれから、ひねくれ者として成長した私なんか、あの寄付金は、しっかり貧しい人たちの手に渡ったのか、不信感を抱いています。まさか、政府高官たちによって、公用車で別荘に行くお車代や、ホテル三日月への家族旅行に使われたんじゃないでしょうね?

いくら、数字や文章を見せつけられても、単なる統計に過ぎず、足を踏まれた人の痛みなんて、その人本人しか分からないものなんです。足を踏んだ本人が、とやかく、自分の功績として、数字を吹聴しているだけなのです。