健康とは何か?=「頭」だけでなく「心と体」の声を聴くー軽井沢病院の稲葉俊郎院長

 NHKラジオ「日曜カルチャー」<人間を考える コロナ後を生きる(2)>で軽井沢病院の稲葉俊郎院長による「個と場が共に健康であること」をスマホアプリの「聴き逃しサービス」で聴くことが出来ました。(今なら、ギリギリ聴くことが出来ます)

 あまりにも素晴らしいお話でしたので、忘れないためにも、是非ともこのブログに書き残したいと思い、取り上げさせて頂きます。ただし、お話は1時間以上のかなり長い濃密な話で、全てを取り上げるわけにはいきません。この中で、私自身が一番印象に残った一つに絞ってみたいと思っています。

チューリップ

 稲葉氏は1979年、熊本生まれで、東大医学部の博士号を取得後、東大病院勤務を経て、2020年から軽井沢病院で医師として勤務されている方です。その稲葉氏は、学生時代から、病気そのもの以上に、人間が健康であるというのはどういうことなのか、という難題に悩まされて来たと言います。日本の大学の医学部は西洋の現代医学が中心で、例えば、中国の漢方やインドのアーユルベータなど伝統医学について、稲葉氏が学生時代に教授に聞いても、「それはエビデンスがないから」という理由で深く教えられなかったといいます。

 そんな悩みを抱えながら医師生活を続けてきた稲葉氏は15年目にしてやっと、「健康とは何か」についての自分なりの考えがまとまり、それらは著書「体と心の健康学」(NHK出版)として出版しました。

 そんな中で、人間には「頭」と「心と体」のいわば対立する二つで構成されていることに気が付きます。稲葉氏によると、「頭」とは脳のことで身体の中で異物に近い存在で、色んな情報を集めて判断しますが、勘違いや偏見、思い込みをしがちだといいます。例えば、テレビや雑誌などで有名な先生が言っているからその通りにする、といった具合です。また、「頭」は因果論的で、善悪とか好き嫌いといった二元論で考えがちだといいます。病気だったら、例えばガン細胞が原因ならそれを切除したりしますが、短期的には有効ですが、長期的な健康にはなりません。

 一方の「心と体」は、目的論的で、欲求に従って、好きなことをしたり、行きたい所に行ったりしようとします。今ここにある感情で、レストランで食事をして「美味しい」と感じたりします。それなのに、「頭」は別のことを考えたりして、あっちのレストランの方が美味しかったかもしれない、とか、明日はどこへ行こうか、とか余計なことまで考えます。

 「頭」は、「何かをしなければならない」といった命令形の形で出てきます。「食べなければいけない」とか「嫌な人でも仲良くしなければならない」といったいわば偽装された浅い感情に支配されます。一方の「心と体」はオリジナルの深い感情で、何とかしたいという感情はあるものの命令形では出て来ないといいます。「頭」が偽の感情や嘘の感情は発すれば、「心と体」には嘘の概念がないので、拒絶して、だから苦しむことになるといいます。

 「頭」と「心と体」の関係には、いっぱい頭に知識を溜め込んでも、現実世界に応用したらうまくいかなかったりする事例や、ゴルフ理論が分かっても、実際、スウィングしたら、身体がついていっていない、といった事例がありますね。

 稲葉氏は、この「頭」は現代の西洋医学に相当し、病気の解明に大変役立ちますが、「心と体」は、アーユルベータなどの伝統医学で、健康になるには、何をしてどうしたら良いのかを考える。この両者は、対立するのではなく、両立させるべきだと考えたというのです。

 ですから、稲葉先生の診断は独特です。例えば、糖尿病の患者が、「先生、私は何を食べたら良いのですか」と稲葉氏に聞いたとします。すると、稲葉先生は「私は決めません」と言うのです。「私は手助けはしますが、貴方の身体の問題であるので、人生とか食べ物に関しては、最終的には貴方自身で決めてもらいます」と言うのです。つまり、主導権は医師ではなく、患者側にあり、心と体の状態をベースにして、自分自身で決めてもらうというスタンスなのです。今までそんな医師に巡り会ったことがなかったので、へーと驚いてしまいました。

銀座

 稲葉氏は、結局、健康とは、自力と他力(病院や医師)とのバランスを考え、身体感覚を取り戻すことだというのです。

 確かに、人生で一番大切な「健康」について、人は、他人や医師に任せっきりで、自己努力が足りない面が多々ありました。稲葉氏のお話は大変興味深く、私も深く考えさせられました。

【追記】

 このブログに書いたことは、稲葉先生のお話のほんの一部ですから、皆様も「聴き逃しサービス」でお聴きになることをお勧めします。

「老活の愉しみ」で健康寿命を伸ばしましょう

  読んでいた本(「天皇と東大」)を後回しにして、帚木蓬生著「老活の愉しみ」(朝日新書)を一気に読んでしまいました。奥付の初版発行日が、2020年4月30日です。今日は、母親の誕生日でもある4月28日なので、書店に並んでいたものを素早く見つけて「事前に」に読んでしまったわけです(笑)。

 何で、そんなに急いでいたのかは理由があります。このブログにも書いてしまいましたが、忘れもしません。今月7日に、「ギッキリ脚」をやってしまい、歩行困難になってしまったからです。3週間経った今は、何とか歩けますが、「走るのが怖い」状態です。

 もう一つ。この渓流斎ブログは、「ほぼ毎日」書くことを勝手に自己に課していますが、体調不調のため、そうは言ってられなくなったからです。特に酷いのは眼精疲労で、目も開けていられないぐらいです。原因はスマホとパソコンのやり過ぎなのでしょうが、普通の人より、若い時から「液晶画面」は苦手で、すぐ眼痛が起きやすい体質でした。この眼痛が首痛に来て、それが腕が上がらないほどの肩凝りとなって、頭痛も激しくなり、ブログを書く気が起きなくなります。(そのお蔭で、筆が滑って、大切な友人をなくしてしまう機会も減って助かってますが=苦笑)

 そういう状況ですから、新聞広告でこの本を見つけて、幸いなことに、緊急事態宣言下でも会社の近くの築地の書店が開いていたので、買い求めることができたわけです。

 いやあ、素晴らしい本でした。著者の帚木氏は、御存知のように、東大文学部と九州大学医学部を卒業された方で、作家と医者(精神科医)の二足の草鞋を履いて、貫いている方です。しかも、両方とも超一流で、山本周五郎賞など文学賞の受賞は数多。私も30年ぐらい昔、出版社の記念パーティーでお会いして、名刺交換した程度ですが、「凄い人だなあ」と陰ながら尊敬していた人でした。

 ですから、「精神的不調は身を忙しくして治す」「脳が鍛えないと退化する」「食が全ての土台」「酒は百薬の長にあらず」といったこの本に書かれていることは、ほとんど納得しました。自分はかろうじて、まだ、政府国家が主張する高齢者ではありませんが、老人予備軍として実践していこうと思いました。

 例えば、「靴は健康の必需品」という章の中で、帚木氏は「靴こそは毎日世話になる必需品で、健康が大いに左右されます」として、「スポーツシューズは、何と言ってもフィンランドのカルフが気に入っています。軽くて、どれだけ長く歩いても疲れません。旅行のときはこのカルフに限ります」とまで書いていました。私も一瞬、資本主義の原理で、宣伝臭ささを感じましたが、著者を信頼しているので、早速、ネットで、このカルフとかいうスポーツシューズを注文してしまいました(笑)。足腰が弱ってきましたし、これからも趣味の「お城歩き」を続けたいですからね。

 このほか、人間、年を取ると誰でもサルコペニアと呼ばれる筋肉量が減少する傾向となりますが、同書では、これを予防するための運動(スクワットや下肢挙上運動など)も伝授してくれるので大変参考になります。

 精神科医としての帚木氏は、「森田療法」の権威で、その関連書籍も出版されていますが、森田療法では「症状は人に言わない。見せない。悟られない」というのが鉄則なんだそうです。というのに、渓流斎ブロブの主宰者は、浅はかにも、「あっちが痛い」「こっちが痛い」なぞと散々書きまくっていますね。

 駄目じゃん!

健康に老いる脳のための栄養学

新京 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

日本国憲法第25条には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と規定されおります。

ということで、昨日は東京駅日本橋口に隣接するサピアタワーという私も生まれて初めての超高級会員制の建造物内で開催された関西にある有名大学が主催する「秋期講座・研究会」を、皆さんを代表して、有料で受講してまいりました。

関西の大学でも東京都心にネットワークキャンパスがあるわけです。

テーマは「健康に育ち、健康に老いる脳のための栄養学」です。

複雑な事情を抱えた小生にとっては、喫緊の課題で、背に腹はかえられない状況でもありましたので、少し講義料が高いと思えましたが、2カ月も前から予約して銀行振込(メガバンクによる手数料強奪)してこの日に備えておりました(笑)。

非常に次元の低い話ではありますが、講義では、しっかりとお茶とお菓子とお土産のチョコレートまで用意されていて、十分元が取れました(笑)。

「講義料が高い」なんて言ってごめんなさい。次回も何か面白そうな講義があれば、お菓子目当てに参加したいと思っています(子供かいな?)

 新京 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

講義は、全く聞いたことがない初耳の話は少なく、今では、ネットでチョコチョコと検索すれば、出てくるような内容でしたが、やはり、肉声で聴いて、自分でメモする、という行為そのものは、必ずや、記憶に結びつくものだという考えに、この講義を聴けば誰でも至ります。

とにかく、脳や身体の健康を保つのに最も重要な要素は、睡眠食事の二つだということが分かりました。

講義をされた睡眠科学がご専門の知能情報学部の准教授によりますと、私は個人差があると思いますけど、人間の理想の良質な睡眠時間は7時間半なんだそうです。

睡眠不足だと、(1)グレリン(空腹ホルモン)が増加し、レプチン(満腹ホルモン)が減少することから、肥満率が増加。
(2)コルチゾール(ストレスホルモン)が過剰分泌され、風邪などウイルス性疾患に罹りやすくなる。
(3)成長ホルモンの分泌が抑制されて、骨粗しょう症や骨折などを発症しやすくなる。
(4)作業・学習効率の低下(長距離バス事故、スリーマイル島事故)につながる。

…そうです。このほか病気としては、心血管疾患(ストレスホルモン過剰)、糖尿病(インスリン感受性低下)、高血圧、そして精神疾患のリスクが高くなります。

※コルチゾールは、ストレスを起こす抗酸化物質という悪い面がある一方、睡眠ホルモンのメラトニンを抑え、日中、ヒトの活動を活発化させる元気の基となる良い面があります。古代ならヒトは、敵や猛獣に襲われる危険があり、闘争逃走本能が引き出されます。コルチゾールが分泌されなければ、朝起きることさえできません。

睡眠には、(1)オーバーヒートした脳を休める
(2)心身を修復する(筋肉を動かし、脳を働かせるミトコンドリアを増やしてくれる)
(3)成長を助ける(20分程度の昼寝で、アルツハイマーの予防になります)
(4)記憶を根付かせる
…効果があるそうです。

人間の一日の「生体リズム」を簡略してみますとー。

(1)朝、コルチゾールで目が覚める。
(2)朝食は必ず摂ること。特に、タンパク質のトリプトファン(大豆食品、乳製品、肉、卵、バナナなど)がいい。
(3)このトリプトファンは、昼間の日光を浴びると、セロトニン(幸福物質)というホルモンが分泌され、「楽しい」「幸せ」を感じる。
(4)夕方から夜は、オレンジ色の光を浴び、パソコンやスマホ、テレビなど明るい光を避け、入浴は就寝の2時間前に済ます。
(5)夜食は、海老、ホタテなどグリシンがお勧め。亜鉛が多く含まれるから。亜鉛は成長ホルモンと細胞再生の働きがある。
(6)夜は睡眠のため、高カロリー食品、高タンパク質、アルコール、カフェイン、チョコレートは避ける
(7)トリプトファン効果で、睡眠ホルモンのメラトニンが分泌され眠くなる

※セロトニンは、腸に90%、血液に8%、幸せ物質になる脳にはわずか2%しか行きません。腸で過敏になると、下痢になり、血液で過敏になると偏頭痛を起こします。
※亜鉛の細胞再生の働きとは、特に舌が関係します。舌は熱い食べ物などによって細胞が破壊され、常に再生されているそうです。ですから、亜鉛が不足すると大変なことになります。
※メラトニンには、オーバーヒートの体温を下げ、成長ホルモンの分泌を促し、深い睡眠に導く効果があります。

 新京 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

最後に栄養のある食事について記述します。

【身体のための栄養】
(1)タンパク質(バリン、ロイシン、イソロイシン)
(2)脂肪(コレステロール)⇒細胞壁やホルモン合成に働く
(3)ミネラル
(4)ビタミン

【脳のための栄養】
(1)タンパク質(トリプトファン、メチオニン、ヒスジチン、チロシン)
(2)脂肪(コレステロール、アラキドン酸、EPA/DHA、ホスファチジルコリン)

※トリプトファン⇒幸福感、やる気(大豆食品、乳製品、肉、卵、バナナ、蕎麦)
※メチオニン⇒うつ状態の改善(大豆食品、乳製品、肉、卵、キンメダイ、サバ)
※ヒスジチン⇒学習力、記憶力(鶏肉、豚肉、マグロ、カツオ、イワシ)
※チロシン⇒学習力、記憶、やる気(大豆食品、乳製品、肉、卵、カツオ、イワシ、海苔、キウイ、タケノコ)
※アラキドン酸⇒アナンダマイトに変わり、満足感、幸福感を誘発(豚の肝臓)
※EPA/DHA⇒動脈硬化を抑える(魚)
※ホスファチジルコリン⇒アセチルコリンに変わり、運動、学習力を高める(麦芽、ピーナツ等)

以上、いずれの物質も、ホルモンも良い面、悪い面があり、バランスを取ることが肝心です。過ぎたるは及ばざるがが如し!

人生100歳時代 健康長寿の秘訣

 餌場に困らない Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

昨晩放送されたNHKスペシャル「最新科学が解き明かす健康長寿 スーパー100歳の秘密」は、ブラタモリの前のアシスタントだった桑子アナが出るというので、見ただけですが、なかなか面白かったです。

桑子アナは髪の毛がボウボウでした…。という話ではありませんでしたね(笑)。

どうせ、この番組の著作権は天下の神南放送局にありますし、有象無象のたくさんの方がネットで感想文を書いているでしょうから、本当はテレビの話題は避けたいのですが、ま、備忘録として自分勝手に創作しておきます。

 餌場に困らない Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

現在、100歳を超える日本人は6万5692人、世界で45万人いるそうです。…凄い、まるでメモしたみたいですね(笑)。

健康で長寿を保つには、どんな要素が強いのか、というのがこの番組のテーマでした。

よく、英語で、

Nature or nurture ?

と言うことがあります。

Nature and nurture.

は、「氏と育ち」という意味になりますが、

Nature or nurture ?

は、「遺伝か? 環境か?」と意訳できるでしょう。

つまり、生まれつきのもので、長寿が決まるのか、生活習慣で、長寿になれるのか、という永遠の課題です。

それが、最新の研究で、同じ遺伝子を持っている双子を長年追跡調査した結果、遺伝子的要素が25%、環境的要素が75%だったことが分かったというのです。

つまり、生活習慣を心掛ければ、いくらでも健康で長生きできる可能性があることを示唆したわけです。
 餌場に困らない Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

番組では、生活環境の改善として、もう昔から言われている(1)食事(魚、野菜、ナッツ)(2)適度の運動(階段の上り下り)(3)心掛けや物事の捉え方ーの3点を挙げておりました。

老化の要因として「慢性炎症」なるものがあるそうです。老廃物を身体内でうまく処理できなくなるわけですね。これが悪化すると糖尿病や動脈硬化、肺疾患などにつながるようです。

この慢性炎症を抑えることが、健康長寿の秘訣となり、上記の3点を実行することが決め手になるということです。

例えば、食事ならリコピン、ポリフェノール、オメガ3脂肪酸のような抗炎症成分の含む食材を採るとか、なるべく身体を動かし、負荷の掛かる運動をするとか、日々、幸福感、達成感、満足感を味わうといったことです。

この最後の満足感については、食欲や性欲や買い物といった「快楽型」では慢性炎症を抑制する効果はなく、仕事や、世のため人のための社会貢献やボランティア、アート作品の発表といった「生きがい型」が効果があるというのです。

世界最高齢で現在116歳のイタリア人のエマ・モラノさんは、毎日ほぼ寝て暮らしながら、「今が人生で一番幸せ」と現状肯定して常に前向きでしたが、こういった人生の終盤でポジティブな感情になることを「老年的超越」と言うのだそうです。

ゲストに出演していた105歳の医師日野原重明さんも「100歳までつらいことが多かったけれど、100歳を過ぎると心が豊かになりポジティブになった」といったようなことを発言されておりました。

うーん、まるで、備忘録用にメモして書いたみたいですね(笑)。

「シリーズ キラーストレス そのストレスは、ある日突然、死因に変わる」 第5刷

市場は乾物だらけ Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

6月18日(土)~19日(日)の二日間に渡って、右向けば右を向く国有電気紙芝居局が放送していた番組「シリーズ キラーストレス そのストレスは、ある日突然、死因に変わる」は、身につまされるほど面白かったので、備忘録として、アトランダムの箇条書きで残しておこうかと思います。ちなみに、以下に書くことは、番組で放送されたそのまんまを書くわけではありません。自分なりの解釈の覚えている範囲内のことなので、間違っているかもしれません(笑)。

まず、第一回の「あなたを蝕(むしば)むストレスの正体 ~こうして命を守れ~」

■人間は、恐怖や不安などのストレスに晒されると、脳の「扁桃体」が反応して、副腎からストレスホルモンが身体全体に発散される。これによって、心拍数が上がり、血圧も上昇。血液が固まりやすくなり、自律神経も失調気味となる。

■このストレス反応は、古代にヒトが、肉食動物などから襲われる危険に迫られたとき、その防御策として、長い年月をかけて自ら生み出したもの。例えば、心拍数が上がったりするのは、逃げたり戦ったりしやすくするため。血液が固まりやすくなるのは、怪我をしたときに、出血を止め、回復しやすくするため。

■しかし、現代では、生命を脅かされる危険に迫られなくても、扁桃体が過敏に反応してしまい、複数のストレスが重なるとこれが「キラーストレス」となり、神経病や心不全を起こしたりする。

ウリ売ります Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur
■では、その過剰なストレス反応の対処の仕方は?

1、ストレスを避ける
2、笑ったり、笑顔を浮かべたりする
3、周囲からのサポートを得る
4、一回30分、週3回でもいいから、有酸素運動を続けて、脳の負担を軽減させてあげる
5、瞑想。マインドフルネス(注意力集中)

市内を走る命の水脈カレーズ Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

第二回の「ストレスから脳を守れ ~最新科学で迫る対処法~ 」

■不安や恐怖などで、副腎から発散されるストレスホルモンの中にコルチゾールと呼ばれるものがあり、これが、脳の一部を破壊することが最新の科学で分かるようになった。

■コレチゾールが増えると、記憶や感情を司る海馬の神経細胞が減少し、鬱病の原因となる。

■慢性的なストレスホルモンの過剰は、睡眠障害の原因となる。また、免疫不全にもなる。

■ストレスの過剰によって、心の迷走が始まる。過去はその悪い記憶で(人に裏切られた、など)、未来は想像で(これからも人から裏切られるだろう、という意識)しばられる。

■頑張り過ぎると、そのストレスで心臓血管など「身体」が反応する。我慢し過ぎると、そのストレスで、脳など「心」が反応して破壊される。

⇒その対処法とは?

1、コーピング(自分の気晴らしになることを、なるべく沢山リストアップする。質より量で、多ければ多いほどよい。(例えば、花や植物を見る。青空を見る。星空を見る。他人に不満を愚痴る。甘いものを食べる。酒を呑む。ギターを弾く。ピアノを弾く。ジャズを聴く。ボサノヴァを聴く。朗読する。歌を唄う。その他、何でもよい…)

2、マインドフルネス(心の迷走は、過去の悪い記憶と、未来の悪い想像に縛られるということだから、「今」だけを中心に考える→ストレスを感じる扁桃体が小さくなり、過剰反応しなくなる。ストレスで萎縮していた海馬の神経細胞が増えていく)

マインドフルネスの実践法とは?

・呼吸をコントロールしない。
・息が入ってくる「ふくらみ」と出ていく「縮み」を感じて、身体全体で呼吸をイメージする。
・ただ只管、自分の呼吸だけに集中して、雑念を追い払い、瞑想にふける
・過去と将来は考えず、「今」だけを強く実感する。過去を後悔し、未来を心配しなければ、癒しと安らぎ効果。

→「意識革命」→「安心立命」(あんじんりゅうめい)

最先端科学といっても、行き着くところは、一見、非科学的なことなので(笑)、驚きましたが、実際に効果があるようでしたので、私の結論は、

人間、この何と不可解なる不可知な生き物よ

て、ところですかねえ。格好良過ぎる?

健康宣言


もう若くはない、とは自覚はしていますが、昨日は、腰痛というか、左のお尻の辺りに激痛が走り、歩きずらく、ビッコを引いて歩くのがやっとでした。
信号が変わっても、とても走れませんでした。
どうしちゃったんですかねえ?
若くはない、とは言いながらも、まだ、老け込む歳でもないので、身体にガタがくるのは、まだちょっと早過ぎるのではないかと思ったのです。

ズバリ、生活習慣病だと思います。

私は普段、ほとんど運動はしません。ゴルフもテニスもしないのです。
それどころか、毎日、パソコンの前で、一時の休みなく眼を酷使しています。
おかげさまで、疲労が眼から首、肩、腰と伝わり、、ついに歩行困難の状況にまで陥ってしまったわけです。
人類ホモサピエンスは、何万年、何百万年に渡って、狩猟、漁労、そして農耕を基本に生活を送ってきましたが、産業革命、IT革命を経て、ついに、狩猟も漁労も農耕もしないでひたすらディスプレイの前で御託を並べて生活する人類を出現させたことになります。
同時に歩行さえ困難せしむるほどの人類を今回、凾養、育成せしめたわけなのです。

これは、これまでの人類が体験したこともない、未曾有の出来事です。

私は単なるモルモットではないかと、自分自身を感じています。

病院通いの毎日

 函館

 

いやあ、ここ数ヶ月は、眼科医に行ったり、歯科医に行ったり、内科医に行ったり、病院通いばかり。体にガタが来ているのか、本当に情けないやら、辛いやら。

 

健康になれれば、死んでも構わないという格言は、名言だと思います。

 

生きているうちに、遊んだり、喚いたり、泣いたり、怒ったり、笑ったりしているうちに、そして、いつか日が暮れることでしょう。

 

昨晩は作家のYさんと、新宿・中村屋の三階「レガル」で会食。Yさんの著作がこのほど、中国語に翻訳されたことや、Yさんの作品を映画化した熊井啓監督が急逝されたことなどの話を伺う。中村屋については、ボースやエロシェンコ、中村ツネのことなど、Yさんはかなり詳しいので、驚いてしまいました。「『中村屋のボース』が出る前に、私は中村屋のことを書いていますから」ということでした。

「健康問答」その二

  亀戸

 

(昨日の続き)

 医者といえば、科学の最先端を行く人で、あまり非科学的な精神論的な話は信じないものと思っていたのですが、この帯津先生は、変わった人で、いわゆるハンドパワーと呼ばれる手かざし療法についても、「宇宙のエネルギーを注ぐので、効果がある。英国では健康保険の対象にもなっている」などと発言しています。要するに、心のマインドだけでなく、これまで非科学的なものと排除されていたスピリチュアルな面の快方まで重要視しているのです。

 この本で初めて知ったのですが、ホメオパシーという療法があります。これは、1755年生まれのドイツ人医師のサミュエル・ハーネマンという人が始めたもので、劇薬を何十倍も薄めて調合して効果があることを発見したというのです。つまり、みかけは単なる水と同じで、人間の物理的肉体だけでなく、魂のスピリチュアルな部分に働きかけて自然治癒力を高めていくというのです。その人にピッタリ合えば、劇的に効果があるということですから、半信半疑な気持ちになってしまいました。

 そもそも、帯津先生はがん治療の権威ではありますが、ホリスティック医学を提唱している医者です。ホリスティックというのは、体全体の「まるごと」という意味で、誤解を恐れずに言えば、病気になった肉体の患部だけでなく、精神的なことも重視して、治療していくということだと思います。だから、帯津先生は、「いいと思えば、何でもやってください」と提唱しています。「気功」でも、「音楽療法」でも「おしっこ療法」でも何でもです。ただ、「それ一つだけに過剰に行き過ぎてはいけない」と注意していますが…。

これまでの医学書とは違って、何か痒いところに手が届いたような気分になり、再読してみようかと思っています。

「健康問答」

 根津

 

 

五木寛之氏と帯津良一氏との対談「健康問答」(平凡社)は、「我意を得たり」と言った感じで、非常に面白く読んでいます。今年75歳になるのに大盛な作家活動を続ける五木氏の質問に日本のホリスティック医学の権威である帯津氏が答える形式になっていますが、「健康問題」に関して造詣の深い両者ですから、面白くないわけがありません。

 

「水はたくさん飲まなければいけないのか」「牛乳を飲むのはいいことか悪いことか」「高血圧の人は、必ず降圧剤を飲むべきか」-といった50の質問は、具体的で微に入り細に穿った感じで、大変参考になります。帯津氏は、医者で専門家ですから、その知識の深さは当然ですが、五木氏の知識も半端じゃありません。彼のエッセイを読んでも、彼には「偏頭痛」など持病があり、かなり、医学書には目を通しているせいかもしれません。

 

一々個別に書いてしまうと、著作権侵害になってしまうので、書けませんが、全体的に言えば、「極端なことは駄目、程ほどがいい」というのが結論ではないでしょうか。「水を沢山飲まなければならないのか」という事に関しても、結局、「無闇やたらに水を飲めばいいというわけではなく、体の欲求に応じて、喉が渇いたら飲めばよい」ということでした。

 

要するに、人それぞれ体質があるように、これがすべてという健康法はないのです。ある人に効果があっても、ある人には逆効果という事態が発生することもあるのです。

 

「牛乳を飲んだらいいのかどうか」についても、さっぱり分からなくなってしまったのですが、「無理して飲まなくていい。好きな人は適量飲んでも問題ない」というのですから、とても分かりやすい。

 

いい本を見つけました。

 

さっぱりわからん

ローマ

「健康になれれば、死んでもかまわない」というのは、よくできた小噺だと常日頃から思っています。

ですから、「紅茶キノコ」だの、「指回し」だの「1円玉を腰に貼ったら長年の腰痛が治った」などといった「民間療法」でも「へー」と思って、興味を持って眺めていたりします。

そういった「眉唾もの」の健康情報ですと、まあ、笑って許せますが、権威のあるドクター資格を持った医学者が正反対のことを言ったりすると、どちらのことを信じたら、さっぱりわからなくなってしまうのです。

これは、大袈裟に言えば、犯罪に近いのではないでしょうか。

このブログでも昨年の8月27日に「病気にならない生き方」というタイトルで、胃腸内視鏡外科医の世界的権威である新谷弘実氏の著作を紹介しました。http://blog.goo.ne.jp/keiryusai/e/396138f2f116658fb46c72ec2411bdb7

同氏は、俳優のダスティン・ホフマンや中曽根康弘元首相ら、これまで30万例以上の胃腸を診てきた結果、

●食生活は肉食を避け、菜食中心にすること。植物性(穀物、豆類、野菜、キノコ類、果物、海藻)85%、動物性(肉、魚、卵、牛乳など)15%が理想。

●市販の牛乳は「錆びた脂」なので、牛乳や、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品は食べない。

ことなどを力説していました。

この影響で、私などは、牛乳を飲まなくなったし、ヨーグルトも食べなくなったくらいなのです。

ところが、昨日、東京新聞に掲載されていた病理学者の家森幸男氏によると、まるっきり、正反対のことを言っているのです。

要するに、健康と長寿を願うなら「もっとたくさんヨーグルトを食べなさい」と主張しているのです。

同氏は、一時期ブームになった「カスピ海ヨーグルト」を日本に広めた「仕掛け人」ですから、無理もない話なのかもしれませんが、庶民は、どっちを信じたらいいのか、さっぱりわかなくなってしまいますよね。

家森氏は、1985年から2005年にかけて、25カ国61地域を駆け巡り、1万5千人の尿を集めて、成分を調べて、脳卒中を防ぐために「減塩とタンパク質を摂ることが重要」という結論に達しました。

特に食塩に含まれるナトリウムは、コレステロールの吸収を促し、取りすぎると高血圧や動脈硬化の原因になるといいます。

日本人は一日平均12gの食塩を摂取しますが、これを6gまで減らせば、脳卒中の死亡率はゼロまで低下させることができるというです。

「ヨーグルト」では見解がまるっき正反対の二人ですが、野菜や穀物を中心にした食生活を推奨していることだけは共通しています。

家森氏によると、大豆に含まれるイソフラボンや魚に含まれるタウリンには、血圧やコレステロールを下げ、血流をよくして、ガンを予防したりする働きがあるといいます。

それにしても、ヨーグルトです。

新谷氏は「食べるな」と言いますし、家森氏は、毎日、きな粉入りの「カスピ海ヨーグルト」を食べて、植物性タンパク質とイソフラボンを吸収し、健康を保っていると言います。

さて、食べるべきか、食べざるべきかー。