国立科学博物館に寄付しました

 東京・上野の国立科学博物館(科博)が、保管標本や資料の維持費等がひっ迫したということで、寄付を募るクラウドファンディングを始めました。小生も遅ればせながら、参加しました。(システム利用料として寄付金以外に220円掛かります)

 目標金額は1億円としていましたが、寄付を呼び掛けたその日の午後5時過ぎに1億円を突破したというので、よかったでした。私は昨日の8日に寄付したところ、支援者としては2万765人目で、支援総額が3億4200万2500円になった、と即、回答がありました。そして、本日はもう5億円近くになっていました。募集は11月5日まで続けるそうです。

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 それにしても、こんな事態になったのは、「国立」とは名ばかりの、博物館の「独立行政法人」化です。維持費が足りないのは「自己責任」と言わんばかり、政府自民公明政権は手を差し伸べることさえしません。クラウドファンディングは科博の苦肉の策だったのでしょう。500万点以上の標本等を保管するためには絶えず一定の温度を保たなければならず、電気代もばかになりません。今年度の光熱費は2021年度の約2倍になる見込みだということで、科博は「このままじゃやっていけない」と危機感を募らせたことでしょう。標本等は、年間数万点増えると言われています。科博のホームページにある通り、これら全て「地球の宝」です。

 でも、こんな学問・芸術・科学分野の保護の維持として、民間の寄付で賄うのは如何なものか、です。政府自公政権は、やたらと周囲の危機感を煽り立てて、防衛費の倍増に躍起になっておりますが、アカデミーに対しては随分冷たいじゃありませんか。

 そう言えば、菅義偉首相(当時)が任命拒否した日本学術会議の人事問題もいまだ宙に浮いていると言いますか、解決しておりません。というか、政権に異議申し立てをする学者は、現政権が続く限り、任命は絶望的でしょう。

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 貴重な標本や遺跡品は、一度失ったら二度と復元できず、お終いです。戦争が起きる度にそれは繰り返されてきました。2001年、タリバンによるアフガニスタンのバーミヤン大仏の破壊は、個人的に、心がよじれるほど痛恨の極みでしたが、今でも、ロシアによるウクライナ侵攻で、ウクライナ博物館が所蔵する貴重なスキタイ文化の遺跡物の損壊が危ぶまれています。

 いつまでたっても、ホモ・サピエンスは愚かだとしか言いようがありません。