🎬「007ノー・タイム・トゥ・ダイ」は★★★

 色々と観たい映画があったのですが、もう半世紀以上観続けてきた「007シリーズ」の最新作(25作目)「ノー・タイム・トゥ・ダイ」を観に行って来ました。15年間、主役を演じてきた6代目ボンド役のダニエル・クレイグの最後の作品(5作目)ということだったので、他の作品を押しのけて最優先したわけです。

 で、感想はと言いますと、「長過ぎ」でした。最初の15分ぐらいはお葬式場のコマーシャルや次回上映作品の宣伝などを見せ付けられますが、3時間も椅子に座っていなければなりませんでした。前の座席の人は、その間、2回もトイレに駆け込んでいました(笑)。3時間では、集中力が途切れます。それに、マシンガンで無暗に敵を殺し過ぎます。そういう無意味な戦闘シーンを好むのは血気盛んなお子ちゃまぐらいで、人生の酸いも甘い知った大人世代にとっては「もう勘弁してくれよ」と叫びたくなりました。

 とはいえ、最初の「ハラハラドキドキ」シーンは、本当に息をもつかせぬ圧巻の迫力で、スタントマンを使っているのか、いないのか分かりませんが、度肝を抜かされました。

 あまり、内容を明かしてしまうと怒られるので触れられませんけど、6代目ボンドのダニエル・クレイグの卒業作品になっておりました。クレイグが6代目に就任した作品「007 カジノ・ロワイヤル」は2006年公開です。当時、38歳。彼は身長178センチで、歴代ボンド役の俳優がいずれも185~190センチだったことから、体格の見栄えが落ち、5代目ボンド役のピアース・ブロスナンのようなハンサムではなく、公開前は、さんざん非難と批判を浴びたようでした。でも、いざ蓋を開けてみたら、歴代ボンドの中で最高の収益を上げたとか。私も、最初はイメージ的にゴリラ顔(失礼!)のクレイグがボンドには相応しくないと思っていたのですが、あんな身のこなし方が素早くで格好いいボンドはピカイチで、歴代ボンド役の中では、ショーン・コネリーに次いで素晴らしかったと言いたいですね。

 ダニエル・クレイグは私生活では、あのレイチェル・ワイズと再婚していたとは知りませんでした。ボンドを引退しても、また新たな新境地を開くことでしょう。

劇場先着何名様かにプレゼントされた「007」のキーホルダーです。中国製でした(笑)。

 この007映画のもう一人の主役はボンド・ガールですが、前回の「007スペクター」(2015年)の続きになっているので、再びマドレーヌ役のレア・セドゥでした。フランスの女優なので、フランス語も出てきます。監督は、日系米国人キャリー・ジョージ・フクナガで、作品の中で、日本の興収を意識したのか、日本の領海付近や能面など、ジャポニズムが登場します(笑)。

 ボンドの敵役サフィンを演じたラミ・マレックは、後で解説を読んで知ったのですが、「ボヘミアン・ラプソディ」(2018年)でフレディ・マーキュリーを演じていた、あの彼だったんですね。気が付きませんでした。さすが、名役者さん。

  「ノー・タイム・トゥ・ダイ」 は、新型コロナの影響で何度も公開が延期され、そのお蔭で、「新兵器」のはずが流行遅れになってしまい、何度か撮り直しを行っていたことが、業界紙に出ていました。想像するに、その一つは、高級腕時計「オメガ」じゃないかと思われます。映画公開日前日には、新聞で全面広告が打たれていたからです。

 映画は製作費が高いので、ビールとかウイスキーとか、ある特定の商品を映画の中でわざわざ登場させて製作費を賄う手法です。

 

「007 スペクター」は★★★★

Paris

何を隠そう、とは言っても、別に隠す必要もないのですが、私は映画「007シリーズ」の大ファンで、大人げもなく(笑)小学生の時から観ております。全作を観ています。もっとも、子供の時は、映画館には行けませんから、テレビで見ていましたが。

けれど、確かに全24作を観ています。そして、細かい内容は全部忘れています(笑)。でも悲観してはいけません。また、新たに、新鮮な気持ちでビデオを観られるという特権を持つことができるということですから(笑)。

扨て、今鳴り物入りで、ロードショー公開中の最新作「スペクター」を観てきましたよ。

ジェームス・ボンド役は、やはり、初代のショーン・コネリーがあまりにも恰好良すぎて、ナンバーワンだと思いますが、6代目のダニエル・クレイグもなかなかのものです。第4代ティモシー・ダルトン、第5代ピアース・ブロスナンとハンサムが続いたので、クレイグはどう見ても、真逆(失礼!野性的と書けばよかった)。あまり期待していなかったのですが、彼の第1作の「カジノ・ロワイヤル」と観ると、何か一番ボンド役にふさわしいような、人間味を感じて、すっかりファンになってしまいました。

「スペクター」はよかったですよ。難癖つければ、もう少し短くしてもいいかな(つまり間延びするシーンがあったということ)と感じましたが、まあ満足な出来でした。最初から、荒唐無稽なフィクションだということは分かっていても、ハラハラドキドキ。どんな銃弾の嵐を浴びても007は死なないですからね(笑)。

最初の「つかみ」のメキシコの「死の祭り」(確か)のシーンは、どうやって撮ったのか、凄いアクションで度胆を抜かれてしまいました。

どう考えても、本物の祭りに潜入して撮影できるわけがなく、要するに多分、あれだけ多くのエキストラを集めたということでしょう。もしかしたら、CGかもしれませんが、とにかく「製作費をかけているなあ」と圧倒されました。

これから観る皆さんに遠慮して内容については、触れないことにしましょう。

ただ、一点だけ、気になったことがありました。それは、「食事する場面」が一つもないということです。もちろん、お決まりのドライ・マティーニなどお酒を飲むシーンはありますが、レストランが出てきても、食べ終わった後、何か食べ物を美味しそうに、もしくは淡々と食べるシーンがないのです。それに舞台となっている場所が、砂漠のど真ん中だったり、雪深い山奥だったりして、コンビニがあるわけでなく(笑)、「どうやって食糧を調達するのだろう」と思ってしまいました。

かつての007シリーズも食事のシーンは出てきたでしょうか?全作観ても、私は忘れています。読者の皆さんの中には小生より「マニア」がいることでしょうから、コメントでご教授ください。

最後に、ボンドガールは、昨年観た「アデル、ブルーは熱い色」に主演したフランスの女優レア・セドゥーでした。彼女がボンドガールに抜擢されたというゴシップ記事を昨年読み、是非観たいと思っていたのですが、やはり、良かった。ボンドガールにピッタリでした。

007シリーズが続いているのも、product installation(確か)と言って、車や時計などの小道具に製品を忍ばせて、「宣伝費」として莫大な製作費の穴埋めをしているからでしょう。今回もボンドは、オメガの時計に、トム・フォードの高級スーツをばっちり決めてました。あ、宣伝の尻馬に乗ってしまった!(笑)