京都・醍醐寺と仏高級レース「ドニヤン」とのコラボ

 おはようございます。京洛先生です。

 昨夜(6月1日)は、貴人もご存知の加藤力之輔画伯のお導きで、世界遺産「醍醐寺」境内の「霊宝館」で開かれた、フランスの高級バックの「ドニヤン(DOGNIN)」社の商品披露を兼ねたカクテルパーティーに行って来ました。

フランス語が喋れる貴人が見えていたら、フランス人関係者とさぞ会話も弾んだでしょう(笑)。

そう言えば、その昔、というか、30数年前、東京・大手町の旧経団連会館で開かれた日仏経済交流のパーティーで、貴人が、ポンセ外相と流暢に仏語で雑談を交わされたの思い出しましたね(笑)。

 今回のカクテルパーティーを主催した「ドニヤン」のデザインを手掛けているリュツク・ドニヤン氏(上の写真、通訳の女性の右隣の白ワイシャツの男性です)の実家は、フランスで1805年創業のシルクの高級レースを手掛けている老舗だそうです。「ドニヤン」製のレースは品質が良いことから、パリのオートクチュールの有名ブランドは「ドニヤン」製の超高級レースをこぞって使用、自らのブランドを高めてきたそうです。英国のエリザベス女王の戴冠式の時も、衣装のレースはすべてドニヤン製だったそうです。

 しかし、どの世界も、業界も、時代の変遷があり、レースも、ファッションの世界から、徐々に、その位置づけが後退して、ドニヤンも、レースだけでなく、多様性が求められてきたようです。

 当主のリュック・ドニヤンさんは、手技が器用なこともあって、繊維だけでなく、バックのデザインも手がけられたということです。伝統、歴史に胡坐をかいてはいられないのですね。業態、業容の変転、変容です。

 今回、醍醐寺とコラボレーションして、「霊宝館」の展示スペースには、ドニヤンさんが自らデザインした、こうしたファッション性の豊かな、最高級バッグが並び、鞄にうるさい、ご婦人連が見られれば「一つ、欲しくなるわね」と、ため息が出そうな光景です。

もっとも、お値段もそれなりにするようで、近々、三越・日本橋店でも、取り扱うことが決まっているということです。

 醍醐寺の仲田順栄総務部長は「我々、お寺も、国際交流をさらに積極的に進めていきます。今回、ドニヤンさんとコラボレーションしましたが、こうした工芸品だけでなく、食べ物や料理などあらゆる分野との交流を深めたいと思っています。フランス人2人を採用し、フランス語の接遇にも力を入れています」と日仏交流に意欲を見せていました。

カクテルパーティは霊宝館に隣接するフレンチカフェであり、このように「仏果」仕立ての、マカロン、ポムフリット(フライドポテトのことですね)、ワインなどのご馳走がふるまわれました。いずれもパリで長年修業したフレンチシェフの料理で、これまた大満足出来ました。

 おフランスも京都のお寺も“ブランド”ですが(笑)、上の写真のレースは200年以上の歴史のある「ドニヤン」が作った超高級の手織りレースです。

 今回、醍醐寺が「霊宝館」を会場に提供されたことから、同寺にリュック・ドニヤン氏が、お礼に寄贈されました。

関係者によると「このレースは、古い、年代もので、極めて貴重で、今では熟練の職人もいないので作れません」ということです。

「手織り」の技術は、世界中、どこでも、熟練した織工、職人が支えているわけですね。各国とも「無形文化財」、「人間国宝」のような形で認定、指定しているわけですが、人間の「眼力」が劣化してしまい、それも先細りしています。

 既存の大手マスコミは、単純に“人工知能”(AI)などによる“技術革新”を絶賛、肯定するだけでなく、人間の持つ、希少、貴重な手技(てわざ)の絶滅危機を、もっと大きく取り上げるべきですね。

 以上

 あらまあ、総務部長さんにまで、随分深く取材されましたね。京都の大手有力寺院もフランスのブランドと提携する時代になったとは驚きでした。いつもながら有難う御座いました。

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