昨秋、札幌で買ってまだ読んでいなかった『ボブ・ディラン自伝』を読んでいます。面白くて止められません。
恐らくゴーストライターがいるのでしょうが、それにしても彼の記憶力は只者ではありません。
圧巻なのは彼の驚異的な読書量です。ツキディディスから、ダンテ、マキャベリ、はたまたクラウゼビッツ、ジョン・ロック、ルソー、フォークナーまで古今東西の名著を読破しているのです。
彼の歌詞には聖書からの引用が多いので、かなりの読書家だとは想像していたのですが、これほどすごいとは!
10年ほど前から彼は、ノーベル文学賞の候補に上っていました。最初に聞いたときは「まさか」と思いました。ノーベル文学賞の選考は厚い秘密のベールに包まれていて、一体誰が選考委員で、どんな作品が候補になっているのか全く明らかにされることはありません。受賞作の発表でさえ、毎年10月の木曜日ということが発表されているだけで、第何週の木曜日なのか、それさえも教えてくれないのです。
ですから、ボブ・ディランがノーベル文学賞の候補になったという話は信じられませんでした。
しかし、この自伝を読んで確信しました。いつか、彼はノーベル文学賞を獲るでしょう。