木陰に見える滝 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur
5月10日。例の世紀の大スクープ「パナマ文書」がネットで世界中に公開されました。
でも、何なんでしょうかね?日本の大手マスコミの報道は。腰が引けてるどころじゃありません。単なる財界の宣伝機関に堕落しているといいますか、もともと、そうだった正体を現した、てことでしょうか?
財界の社内報と言われる日経なんて、酷いもんで、もう前から噂になっていた大手商社の伊藤忠と丸紅やソフトバンクとは、まるで広報室と手を結んでいるかのように、「かつて、某国との取引の関係で、子会社をつくったことがありますが、今では適切に処理をしております」などと、口裏を合わせて、お墨付きのアリバイ証明までしてあげているんですからね。
世界一の販売部数を誇る「永遠に不滅」の讀賣も、堂々と、「企業名は匿名にします」なんて、宣言しているんですから、唖然。そのあまりにもの狡猾さぶりに苦笑してしまいました。
彼ら大手マスコミは、何を恐れているのか?
絶景 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur
それは、推測するところ、大手企業からの広告引き揚げを恐れているということでしょうね。「マスコミ殺すにゃ、刃物は要らぬ。広告差し留め、不買運動すりゃ、すぐ潰れる」とはよく言ったもんです。(これは、与党の有力議員がかつて使った手口です。あの手口を学んだらどうか?と言った元首相の話は、別件です)
それに反して、政党助成金を拒否して、広告に頼らず、読者からの講読料で賄っている某政党新聞は大したもんです。
5月9日の一面で、ユニクロの柳井正会長、ドン・キホーテの安田隆夫最高顧問、ベネッセの福武総一郎最高顧問らを槍玉に挙げて、「税逃れ」をしている実体を暴いているのです。柳井氏と安田氏は、資産の一部をオランダの資産管理会社に移し、資産総額約2兆円と日本トップの柳井氏は、年間約7億円の税逃れ。資産総額1792億円の安田氏は、住所をわざわざ東京都港区からシンガポールに移し、巨額の税逃れをしたとみられる、とはっきり書いてますね。
また、資産総額1383億円の福武氏は、妻の保有する自社株1361万株をニュージーランドの資産管理会社に譲渡し、自ら住所も岡山市からNZに移したそうです。巧妙な税逃れですね。違法性はないのかもしれませんが。
でも、例えば、ユニクロが、媒体から広告を引き揚げたとしたら、どうなるのでしょう?自力本願の政党紙なら平気でしょうが、天下の朝日新聞ともなると、「ウチは、クオリティーペーパーですから」とお高くとまってられないでしょう。折込広告まで取り上げられたら、新聞販売店が影響をモロに被りますからね。
絶景かな Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur
先日、「国境なき記者団」が発表した「報道の自由度ランキング」によると、日本は180カ国中の72位。前年の61位よりもさらにランクダウンしたそうです。
「そんな馬鹿な!?」と思いましたが、今日のパナマ文書報道で、目が覚めましたよ。
そんなパナマ!?
【後記】
帰宅して、ラジオを聴いていたら、このパナマ文書の分析に関わっている一人である朝日新聞の奥山さんという編集委員さんが出演していて、「まだ、分析は始まったばかりで、『パナマ文書』は、国際調査報道ジャーナリズム連合(ICIJ)に21万余の法人とその株主らの名前や住所などが公開されているので、皆さんからの情報提供をお願いします」と発言していたので、驚いてしまいました。
そこで、そのICIJのホームページを見たところ、企業も人物も名前は変名かもしれないですし、私のような素人ではよく分かりませんでした。反社会組織の隠れ蓑になっていたり、犯罪組織のマネーロンダリンになっているという話もありますから、ますます、裏の顔でさえ表に出すわけなく、こりあ、本当に、記者やジャーナリスト風情では「非力」で、手に負えないのかもしれません。
企業名を「匿名」にしたのは、単に分からなかったからなのかしら?