大手マスコミの「パナマ文書」報道は、そんなパナマだ! 第19刷

木陰に見える滝 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

5月10日。例の世紀の大スクープ「パナマ文書」がネットで世界中に公開されました。

でも、何なんでしょうかね?日本の大手マスコミの報道は。腰が引けてるどころじゃありません。単なる財界の宣伝機関に堕落しているといいますか、もともと、そうだった正体を現した、てことでしょうか?

財界の社内報と言われる日経なんて、酷いもんで、もう前から噂になっていた大手商社の伊藤忠と丸紅やソフトバンクとは、まるで広報室と手を結んでいるかのように、「かつて、某国との取引の関係で、子会社をつくったことがありますが、今では適切に処理をしております」などと、口裏を合わせて、お墨付きのアリバイ証明までしてあげているんですからね。

世界一の販売部数を誇る「永遠に不滅」の讀賣も、堂々と、「企業名は匿名にします」なんて、宣言しているんですから、唖然。そのあまりにもの狡猾さぶりに苦笑してしまいました。

彼ら大手マスコミは、何を恐れているのか?

絶景 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

それは、推測するところ、大手企業からの広告引き揚げを恐れているということでしょうね。「マスコミ殺すにゃ、刃物は要らぬ。広告差し留め、不買運動すりゃ、すぐ潰れる」とはよく言ったもんです。(これは、与党の有力議員がかつて使った手口です。あの手口を学んだらどうか?と言った元首相の話は、別件です)

それに反して、政党助成金を拒否して、広告に頼らず、読者からの講読料で賄っている某政党新聞は大したもんです。

5月9日の一面で、ユニクロの柳井正会長、ドン・キホーテの安田隆夫最高顧問、ベネッセの福武総一郎最高顧問らを槍玉に挙げて、「税逃れ」をしている実体を暴いているのです。柳井氏と安田氏は、資産の一部をオランダの資産管理会社に移し、資産総額約2兆円と日本トップの柳井氏は、年間約7億円の税逃れ。資産総額1792億円の安田氏は、住所をわざわざ東京都港区からシンガポールに移し、巨額の税逃れをしたとみられる、とはっきり書いてますね。

また、資産総額1383億円の福武氏は、妻の保有する自社株1361万株をニュージーランドの資産管理会社に譲渡し、自ら住所も岡山市からNZに移したそうです。巧妙な税逃れですね。違法性はないのかもしれませんが。

でも、例えば、ユニクロが、媒体から広告を引き揚げたとしたら、どうなるのでしょう?自力本願の政党紙なら平気でしょうが、天下の朝日新聞ともなると、「ウチは、クオリティーペーパーですから」とお高くとまってられないでしょう。折込広告まで取り上げられたら、新聞販売店が影響をモロに被りますからね。

絶景かな Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

先日、「国境なき記者団」が発表した「報道の自由度ランキング」によると、日本は180カ国中の72位。前年の61位よりもさらにランクダウンしたそうです。

「そんな馬鹿な!?」と思いましたが、今日のパナマ文書報道で、目が覚めましたよ。

そんなパナマ!?

【後記】

帰宅して、ラジオを聴いていたら、このパナマ文書の分析に関わっている一人である朝日新聞の奥山さんという編集委員さんが出演していて、「まだ、分析は始まったばかりで、『パナマ文書』は、国際調査報道ジャーナリズム連合(ICIJ)に21万余の法人とその株主らの名前や住所などが公開されているので、皆さんからの情報提供をお願いします」と発言していたので、驚いてしまいました。

そこで、そのICIJのホームページを見たところ、企業も人物も名前は変名かもしれないですし、私のような素人ではよく分かりませんでした。反社会組織の隠れ蓑になっていたり、犯罪組織のマネーロンダリンになっているという話もありますから、ますます、裏の顔でさえ表に出すわけなく、こりあ、本当に、記者やジャーナリスト風情では「非力」で、手に負えないのかもしれません。

企業名を「匿名」にしたのは、単に分からなかったからなのかしら?

パナマ文書より舛添知事の方が問題なのでは? thirdedition

艶やかですね  Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

日本関係の「パナマ文書」が、チラホラと公表されつつあります。

ネット上でも大いに話題になって、色んな人の名前が挙がっていましたが、ガサネタも多かったようです。

でも、今回は、「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)に加盟して、直接第一次資料に接触できる朝日新聞と共同通信が報じているので、ネット情報とは違い、間違いないでしょう。ICIJは、日本時間の5月10日午前3時に、内容を公表するようですから、興味ある方は要チェックです。

今回、日本関係で俎上にあがった会社は、丸紅と伊藤忠。何か、ロッキード事件のルートを思い起こさせますね(笑)。ま、若い人にはこの話は通じないでしょうが。

あと、ネット上で話題になっていた日本を代表する報道機関のNHKと世界一の広告代理店の電通は、全く関係がなかったようです。

以前から噂されていた1964年の東京五輪をセコムした飯田会長はアウト。他に、UCC上島珈琲の上島会長の名前も取り沙汰されています。

 これも艶やか  Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

で、今日、一番書きたかったのは、「パナマ文書」ではなく、「文春文書」の方でした。「舛添知事 『公用車』で毎週末『温泉地 別荘』通い」という告白スクープ記事のことです。調査報道です。よく調べ上げたと思います。

今週号の他の記事は、ほとんどマンネリ化して面白みに欠けましたが、この記事1本だけでも、買って読む価値はありました。

週刊誌が出る前から、舛添知事は、海外出張の度に、超高級ホテルのスイート・ルームに宿泊して(一泊15万円)、航空機もファーストクラス(チケット代225万円)。都民の血税を使って優雅な大名旅行をして、何か調子に乗っているのか、勘違いしているのか、ふざけた公人だなあ、と思ってましたら、豈はからんや、でしたね。

記事を読むと、全くせこい男です。哀れにさえ思えます。

何しろ、東京都の年間予算は約13兆円で、スウェーデンの国家予算並みらしいですね。これじゃあ、舛添さんも国王気取りになるのも無理もないのかもしれません。

文春の調べによると、舛添知事は湯河原にある別荘に年間49回、公用車を使って往復していたらしく、経費は400万円。年間49回ということは、年間52週しかないので、ほぼ毎週末、別荘に通っているということになります。

この別荘は、300坪の広大な敷地に和風の数寄屋造りと堂々たる洋館の二棟が屹立しているらしいですね。もちろん温泉付き。不動産屋さんの話では、土地建物で約2億円だそうです。

せこいことに、この別荘は、個人ではなく、MIPE、これじゃ分からんですね(笑)、つまりは「舛添政治経済研究所」の所有になっているそうです。ちなみに、このMIPEは、舛添さんの妻が代表取締役で、本人も役員に名前を連ねているとか。

なーんてこたあない。節税対策じゃないですか。これじゃ、タックスヘイブンの「パナマ文書」と何処に違いがありますか?
税金逃れ、という点では同じではないでしょうか。

しかも、この人は参院議員時代の4年間に自宅を「事務所」として利用したとして、少なくとも2000万円以上の家賃をMIPEに払っていたという疑惑というか前科があります。これは、国会議員ですから、国民の税金である政党助成金が家賃として還流されたらしいので、国民としてはいい迷惑です。

関東地方の大地震は、30年以内に起こる確率が70%と言われています。もしものとき、東京都の危機管理の最高責任者が都内から100キロも離れている神奈川県にいては、何の指揮もできないでしょう。災害に遭ってしまってからは、道路も閉鎖されるなど、身動き取れないのがオチです。

それなのに、文春でスクープされても、舛添知事は「ルールに従ってやっている。全く問題はない」と居直るだけ。厚顔無恥もいいところです。自分の懐の金のことになると、せっせと領収書をこまめに集めて申請するのに、他人の金である税金は使い放題、いや使い易いということなのでしょう。

そもそも、「テレビに出てるから」とか「有名だから」とか「東大出身だから」といった単純な理由で、人格や本性を分かりもしないのに、彼を選んだ都民も国民も悪いということですよ。

しかし、相手は、SPを従えている絶大なる権力者。無名の渓流斎如きが何を書こうが、所詮、犬の遠吠えですよ。