行方不明になった2歳の男の子を救出して一躍ヒーローになった尾畠春夫さん。週刊誌やテレビなどの取材でだんだん彼の素顔が明らかになってきましたが、非常に奥が深い(笑)。78歳ですから、お孫さんもいらっしゃいますが、ボランティアで日本中を駆け回っているうちに、奥さんは「5年前に出かけたまま帰って来ない」状態なんだとか。
年金はやはり、想像した通り、月額5万5000円で、これだけではとても食べていけないだろうなあ、と思ったら、「お金がなければ、1日1食で済ます」。え?私なんか、1日しっかり3食摂ってますからね。とても、尾畠さんのようなスーパーボランティアにはなれません。
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さて、昨晩、人類進化学者の海部陽介氏が出演していたラジオ番組「3万年前、人類はどうやって海を渡り、日本列島にたどり着いたのか?」は、かなり面白かったです。
海部氏の長いお話を勝手に乱暴に(笑)要約しますと、我々現代人の祖先であるホ・サピエンスは20万~30万年前にアフリカ大陸で出現し、約5万年前に全世界に移動を始めたそうです。この時、まだ、北京原人やジャワ原人などの原人類やネアンデルタール人などの旧人類も共存していたようです。
長い進化の過程でホモ・サピエンスが登場しましたが、まだ解明されていないことも多く、なぜ移動を始めたのかも分かっていないそうです。
我々の祖先の日本人について、海部氏は、ユーラシア大陸から3万8000年前に渡ってきたのではないかと結論付けておりました。それは、遺跡やDNA鑑定などで推測されるそうです。家族や集団で舟で海を渡ってきたと考えられ、渡航コースは、(1)当時陸続きだった台湾から沖縄を通って日本列島へ(2)朝鮮半島から対馬を通って日本へ(3)当時陸続きだった北海道から日本へーという三つだというのです。
その中で、一番多かったと見られる沖縄から日本へのコースを、当時の技術と資材によって作られた舟で辿ってみるというのが、海部氏らのグループによる実験的試みでした。既に、草で作った舟と竹で作った舟で試みましたが、うまく行かず、恐らく、当時は木でつくった舟で渡ってきたのではないかということで、今、木舟をつくっている最中なんだそうです。
地球46億年の歴史と比べると30万年前も3万年前もほんの最近のことです。当時の現生人類は、何で、海の向こうの島(日本列島)に渡ってきたのでしょうか?謎だらけです。
いずれにせよ、私が学生時代ではここまで具体的な年代まで解明されていない話でした。DNA鑑定など最新科学のなせる伎でしょう。
こういう壮大な人類の進化の話を聴くと、普段の悩みなどあまりにもちっぽけな感じがして、ほんの少し気が楽になります。