「イースタン・プロミス」★★★★

 久しぶりに映画館で映画を見てきました。5月に見た「ぜア・ウイル・ビー・ブラッド」があまりにもつまらなくて、正直、映画館に足を向ける気力さえ失せていました。あまり面白そうな映画がなかったこともあります。

 

でも、今回見た映画はすごかったですね。

 

「イースタン・プロミス」という映画です。今年一年で印象に残るベスト7に入ります。

 

現代ロンドンを舞台に、人身売買の売春組織の話です。実在のロシアン・マフィア「法の泥棒」を扱っています。薄っぺらなハリウッド映画ではなく、イギリス映画なので、問題意識、問題提起が異様に深く、斬新で、残酷で、胸奥にぐさーとナイフを突きつけられた感じです。

 

抗争の殺害シーンは、あの「ゴッド・ファーザー」より、残酷で、正視に耐えません。東映ヤクザ映画も顔負けです。あまりにも残酷で、私もまともに見ることができませんでした。18歳未満お断りどころか、心臓が弱い人は見ない方がいいかもしれません。

 

運転手、後に罠に嵌められた格好で組織に正式に入会するニコライ役のヴィゴ・モーテンセンは、一癖も二癖もあって、本物のマフィア以上にマフィアに見えます。悪党ぶりが内部から滲み出て、それでいて、変な純粋な正義感があったりして好感が持てます。

 

トラファルガー病院に勤める主人公の助産師アンナ役のナオミ・ワッツの知的な美しさには吸い込まれそうです。イングリッド・バーグマンにも匹敵します。

 

粗筋を言ったら面白くないので、是非、一度見ることをお奨めします。あまり宣伝もしていないので、上映していることを知らない人も多いかもしれませんが、こういう映画こそ、いっぱしの鑑賞者を納得させてくれます。感動の余韻に浸ることができます。派手に宣伝したり、アカデミー賞候補などと言って騙されて見た映画にはがっかりさせられましたからね。

 

ただし、もう一度言いますが、心臓の悪い人は見ない方がいいですよ。

あ、明日は、通院、いや違った痛飲のため、お休みさせてもらいます。

おやすみなさい。