🎬映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」はマイナス★

 今年の第95回米アカデミー賞で、主要部門の作品賞を含む7部門も受賞した「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート両監督)を観に映画館まで足を運びましたが、あまりにも観るに耐えられず、途中で退席してしまいました。途中退席はあまり覚えていませんが、生涯で初めてかもしれません。

 映画記者や評論家としてではなく、一般庶民として入場券を購入して観たので、正々堂々と開陳させて頂きますと、この映画で、製作者や監督が何を言いたいのかさっぱり分かりませんでした。そして、主演のミシェル・ヨーさん(60)がアジア系で初めて主演女優賞を受賞するなど大きな話題になり、つい田舎もんの私も観てしまいましたが、結局、米アカデミー賞の選考委員たちがどうしてこの映画に栄誉を与えたのか、さっぱり理解できませんでした。

 考えられることは、ハリウッド関係者が、世界第2位の経済大国であり、世界一の人口を誇る中国のマーケットを意識したのでしょう。アカデミー賞は宣伝効果抜群ですから、恐らく、何十億ドルもの興収を狙っているはずです。映画では中国語が頻出しますので、世界中の中国系の人たちは痛快かもしれません。

 メタフィジックスにせよ、血が出る暴力シーンが多く、単なるカンフー映画か、SF映画と割り切って楽しめば良いんでしょうけど、個人的には、あまりにも荒唐無稽過ぎて、観ていて少しも楽しめず、登場人物に少しも感情移入が出来ませんでした。エンターテインメントなのに、腹を立ててしまってはもうどうしようもありませんよね?

 「お金と時間の無駄」と判断して、途中で松岡洋石全権代表の如く、席を蹴って、退席しました。