「ロシア闇の戦争 プーチンと秘密警察の恐るべきテロ工作を暴く」

 知床

公開日時: 2007年8月22日 

今読んでいる「ロシア闇の戦争 プーチンと秘密警察の恐るべきテロ工作を暴く」(光文社)は本当に苦労しています。ちょっと、読みさした隙に、名前と地名の区別さえつかず、わけが分からなくてしまうのです(笑)。コルジャコフ、ドゥーダエフ、ステパーシン、イングーシ、グローズヌイ、ゴシュホヴォ…これらの固有名詞を見て、すぐ分かる人はなかなかのロシア通です。

 

この本の共著者は、あのロンドンで亡命中に毒殺された元ロシア諜報員のリトビネンコ氏です。「この本を書いたために、リトビネンコは毒殺された!」と帯に刺激的な惹句があるくらいです。

 

私は、学生時代にドストエフスキーの小説と格闘して、読了した時の感動と感激と達成感は何物にも変えがたいものがありましたが、この本を読破すれば、あの懐かしい感動が蘇ってくることでしょう。

 

しかし、これは単なる小説やお話ではなくて、プーチン政権の闇の部分ともいうべき大変大変恐ろしい実態が暴かれており、本当に人の生命が関わっているのです。(ドストエフスキー自身も生命の危機に晒されましたが)

よく、ここまで調べ上げて書いたものだと感心します。

 

折りしも、昨日から毎日新聞で、「プーチンのロシア」の連載が始まっています。自分の出身であるKGBや故郷のサンクトペテルブルクの人脈を政権中枢や政府系企業に送り込んで、恐怖政治で独裁体制を樹立している様が描かれています。セチン大統領府副長官は46歳、ポスト・プーチンと言われるメドベージェフ第一副首相が41歳、イワノフ第一副首相が54歳…。それにしても、みんな何とも若い!何しろ、プーチンでさえ、54歳の若さですからね。

 

しかし、それもそのはずです。ロシア人の現在の平均寿命が男性で58・6歳だったのです!(女性は73歳)1990年では、男性は63・4歳だったというのですから、異様な数字です。現代ロシアはどうしてしまったのでしょうか?

ストレスによる酒や煙草、麻薬の過度の摂取による、ガンや心筋梗塞、脳卒中、結核などが死因の上位を占めているということです。

国家からだけではなく、絶えず、周囲に監視される「秘密警察国家」は、庶民にとって、住みやすいわけがありません。

 

今の日本はまだましです。いや、今の日本はこうして物が言えるのですから、本当に素晴らしい国です。