京都・仁和寺では「御室桜」が今、満開です。

皆様ご存知の京洛先生です。いつもお世話になります。
今日は天気予報では、関東は気温が20度という事ですが、大気が不安定で、午後から寒冷前線が進み、冷えこむようですね。
風邪にご用心、ご自愛ください。
 恐らく、そちら帝都でも、満開の桜も散っているでしょうが、先月上旬まで、上野の東京国立博物館で開催され、貴人もご覧になってきた「仁和寺展」の、京都・仁和寺では「御室桜」が今、満開です。
 昨日、ぶらっと様子を見に写真を撮ってきました。
 「御室桜」は、2、3メートルの低木の遅咲きの桜です。仁和寺の境内でしか見られません。樹高が低いのは、同寺の土が粘土層で養分が少なく、根が広く張れないのが理由、原因だという事です。
 気温の関係で、桜の満開が全国的に早まっていますが、「御室桜」も、いつもは、4月15日前後が満開時季ですが、今年は既に、お寺の御門には「満開」の看板表示が立っていました。
 平日に関わらず、やはり、境内は、外国人を中心に観光客が大勢来ていました。拝観料500円を払って、本堂に向かう、中門の左手に「桜苑」がありますが、ここには、200本以上の「御室桜」が咲いています。
「桜苑」のトンネルをくぐって歩くのは気持ちの良いものですが、昨日は、桜苑に入るのに長蛇の列、100メートルくらい並ぶので驚きました。
それとともに、この時季、やはり、「中門」傍に、紫色の「ミツバツツジ」が咲きます。
迂生は、「御室桜」より、色鮮やかなミツバツツジにいつも目が行きます。
綺麗でしょう。
 また、此処から、右手(東側)に高さ約30メートルの五重塔が見えます。
  江戸・寛永年間に建てられましたが、この五重塔を背景に、「御室桜」を写すのが、カメラアングルとして最適のようです。
如何でしょうか?
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「仁和寺と御室派のみほとけ」展では思わず手を合わせてしまいました

最近、文化事業に力を入れている天下の読売新聞主催の特別展「仁和寺と御室派のみほとけ」を帝都・上野国立博物館まで朝一番で観に行ってきました。

京都にお住まいの京洛先生からのお薦めで、出掛けたのですが、京洛先生の仰るように「帝都の臣民は、篤い信仰心もなければ、教養が高い人は少ないので、並ばずに直ぐに入れますよ」というわけにはいかず、下記写真のように、「待ち時間40分」の表示。

実質時間を測りましたら、22分で入場することができ、「国宝」や「重要文化財」の前では、二重、三重、四重のとぐろ状態で、かなり盛況でした。

京都・真言宗御室派総本山仁和寺の秘蔵お宝だけではなく、その御室派の筋に当たる大阪・金剛寺、福井・明通寺、香川・屋島寺、大阪・葛井寺、三重・蓮光院などからも惜しげもなく国宝や重文が出展され、それはそれは見事でした。

日本の展覧会では、まず、録音や写真撮影は禁止されておりますが、仁和寺観音堂を再現したこの場所だけは、どういうわけか撮影オッケーでした。

表現が不適切かもしれませんが、圧倒的な迫力で、まるで、仁和寺の伽藍にいるかのような錯覚に陥り、思わず、手を合わせてしまいました。

昔は、展覧会に行く度に、必ず、カタログを買っていたのですが、最近は、やめてしまいました。重く嵩張り、自宅で置くスペースもなく、死んであの世に持っていけるわけでもなく(笑)、蔵書も含めてあらゆる意味で、コレクションの趣味をやめてしまったからです。

それでも、撮影禁止の国宝「千手観音菩薩坐像」(奈良時代・8世紀、大阪・葛井寺)は、ことのほか感銘してしまい、思わず、カタログか絵葉書でも買おうかとしましたが、結局、やめてしまいました。

(リーフレットから葛井寺の千手観音坐像)

このご本尊様は本当に凄い秘仏でした。大阪・葛井寺でも滅多に公開されないようです。公開されたとしても、今回の特別展のように、背後まで見られるようなことはないでしょう。

千手観音の名前の通り、実際に手が千本以上あるのは、この葛井寺の「千手観音坐像」以外、日本では他にないらしく、ここだけは、人だかりが半端じゃありませんでした。

入口に置いてあった「出品目録」で数えてみたら、国宝は、空海の「三十帖冊子」など24点、重文は、徳島・雲辺寺「千手観音菩薩坐像」(経尋作、平安時代・12世紀)など75点もありました。

仁和寺は仁和4年(888年)、宇多天皇により創建されました。ということは、皇室皇族の寺院というわけです。秘仏や国宝が揃っているわけです。

そして、天皇は一人しかなれないことで、他の皇子や皇族は代々、このような寺院の門跡(住職)を務めるようになっていたのです。よく考えられたシステムです。

正直言いますと、私自身、博物館での仏像展示は、何ら功徳も御利益もなく、邪道ではないかと訝しむ気持ちがかつてはありましたが、信仰心さえあれば、そんなことはない、と心を改めることにしました。

この特別展がそのきっかけを作ってくださった気がします。

「仁和寺展」は、東博の「平成館」で開催されていて、見終われば、いつもなら、そのまま帰路に着いていたのですが、今回は、久し振りに「本館」にも立ち寄ってみました、数十年ぶりかもしれません(笑)。

多くの展示品の中で、徳川四天王の一人、榊原康政(上野国館林藩主)の甲冑に魅せられました。本物だと思われますが、意外と小さい。兜には1本太刀がスッと装飾されていました。

ランチがてら、上野から御徒町の「寿司幸」まで足を伸ばしました。博物館から歩けないことはないのですが、以前、アメ横を通ったら、人混みでほとんど前に足が進めない状態で、ウンザリしてしまったので、電車に乗って行きました。

そこまでして食べたかったのは、ここの名物のネギトロとコハダの握り。

昼間っから、オチャケで喉を潤しました。

いやあ、極楽、極楽(笑)

仁和寺の名宝展は見応え十分ですぞよ

お久しぶりです。京洛先生です。(いよっ!待ってました!)

渓流斎さんとやら、昨日は、帝都・銀座の高級バー「伽藍」のことを書かれておられましたが、貴人のような「減俸サラリーマン」が通えるようなお店ではありませんよ。まあ、ランチでお茶を濁すことぐらいが関の山でしょう(笑)。

さて、同じ伽藍は伽藍でも、先月11日から、上野の東京国立博物館で始まった「仁和寺御室派みほとけ~天平真言密教の名宝」特別展(開催3月11日まで。主催=東博、仁和寺、讀賣新聞社)はまだご覧になっていませんか。
まだなら、是非見に行かれたら良いでしょう。「京洛先生!1600円もかかりますよ。年金もない減給の身ではとても行けませんよ!」などととケチ臭いことを言ってはいけませんね。”東銀座の大伽藍”で、知的なお仕事をされているのですから日々、「教養」を高めなければいけませんね。

この展覧会は、仁和寺の本山は勿論、同寺の関連寺院の秘仏や国宝が一堂に展観されていて、見応え十分です。「御用新聞」に成り下がった讀賣新聞拡販のための宣撫活動ではありませんよ(笑)。

以前、貴人に「絶対秘仏」と「秘仏」についてお話をしましたが、会期中に、仁和寺の本尊秘仏の「国宝 薬師如来坐像(2月14日~3月11日)」や「国宝 孔雀明王像(2月12日まで展示)」などが展観されていて、同展開催中は、文字通り、京都の仁和寺の「伽藍」は、もぬけの殻状態でしょう。

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特に来週14日(火)から、展示される大阪府藤井寺市の葛井寺(ふじいてら)の本尊「国宝 千手観音菩薩坐像」は是非見に行かれるべきですね。奈良時代、天平彫刻の傑作の一つと言われています。この像は大手、小手が全部で1041本あり、数ある千手観音像の中で、1000本以上も手があるのはこの像しか日本ではないそうです。迂生はまだ拝んだことはありませんが、写真で見てもその有難味が伝わりますね。

このほか、一年に一回しか開扉されない兵庫県西宮市の神呪寺(かんのうじ)の秘仏「重文 如意輪観音菩薩坐像(平安末期)」(通期展示)や、御室派寺院秘仏本尊が展示されています。

帝都に居ても、これだけの仏教秘仏はなかなかお目にかかれないと思います。拝んで来られたら、色々、ご利益があると思います。当然、貴人の運気も向上することでしょう。

無神論者=無党派層が多い、帝都圏では、同展の有難味が分からず、意外にも並ばずにスムーズに拝見出来るのではないでしょうか。行ってきて感想譚を日乗に書いてください。

…は、はあー…そこまで言われちゃいますとねえ…