他人は変えられない

 浄土宗廓信寺

 私自身は、天才でも秀才でもなく、お金持ちでも富裕層でもない、単なる迷える凡夫ではありますが、世の中には自己保身が強く、自己の出世のために汲々としている人間を見ると怒りさえ覚えます。

 それが「社会の木鐸」と呼ばれ、裁判官のように関西電力の幹部を批判しているようなマスコミの人間となると尚更です。自分の出世のためなら、平気で嘘をつき、人を裏切り、逃げ隠れする卑怯な行為をしても何とも思っていません。

 先日、ラジオを聴いていたら、日本のジャズ界の至宝北村英治さんが見事なクラリネットのライブ演奏を聴かせてくれました。今年満90歳だというのに、失礼ながら全く音色は衰えていません。

 司会者が長生きの秘訣を聞いたところ、彼は「嫌な奴と付き合わないことかなあ」と即、答えていたので納得してしまいました(笑)。でも、仕事上、嫌な人間と付き合わざるを得ない人も多いはず。接客業となると相当大変です。アーティストだから、長生きできるのかもしれません。

 北村さんによると、ジャズ界にも嫌な奴がいるらしいですね。驚いたことに、大変著名なベニー・グッドマンやスタン・ゲッツなんかも非常に「嫌な人」らしく、北村氏も「いくら演奏が素晴らしくても、個人的には付き合いたくないなあ」と本音を漏らしていました。そう言えば、ジャズ・マンは個性的な人が多く、カルテットやクインテットを組んでも長続きするケースは少ないですよね。

浄土宗廓信寺  法然上人

 ということで、ここ2~3日は、人間関係で不愉快な日々が続きましたが、相手は梃子でも動くわけがなく、考え方も行いも変えるわけがなく、結局、こっちが変わるしかないんですよね。

 自然災害と同じです。いくら科学や技術が進歩しても、人間が台風の進路を変えたり、噴火を止めたりすることは不可能でしょう。

 そう言えば、人間も自然の一部でした。自然を変えられないと同じように、他人も変えられないのです。そう考えたら、スッキリしました。