夕張市倒産

怖れていたことが現実に起こったという感じです。

北海道の夕張市の後藤健二市長が6月20日に「財政再建団体の移行」を表明したニュースです。要するに夕張市の財政が破綻して倒産したのです。負債は約600億円。村上ファンドが運用していた最盛期の基金4444億円と比べれば、微々たるものですが…。

かつて「炭都」として栄えた夕張市には24の炭鉱があり、人口12万人を擁したそうです。それが、現在、人口わずか1万3千人。これでは、歳入が先細るばかりです。「過疎」に歯止めをかけようと、観光開発に膨大な投資(約11億円)を行った結果、ツケが膨らみ、地方交付税の大幅削減も原因で、この有様です。

皮肉を言えば、小泉「地方切捨て」政策が実を結んだということでしょう。

私は、2004年3月に吉永小百合さんが主演した「北の零年」のロケで夕張市に行ったことがあります。市内の中心地が、まさに「映画の街」になっており、「カサブランカ」や「ローマの休日」などの往年の名画の看板がそのまま「書割」となっていました。全く部外者の人間で財政のことが知らなかったので、「夕張国際映画祭も有名だし、素晴らしい街だなあ」という印象しかありませんでした。

「夕張メロン」も全国的に有名ですが、もともと、メロンの産地ではなく、炭鉱が下火になった後の街を全国的にどう売り出したらいいか、「苦肉の策で生まれた」と聞いています。これだけ「企業努力」しても、この有様です。私の愛する北海道が苦しんでいるのを見ると本当に忍びないです。

地方の過疎市町の倒産は、これから、もっともっと増えるでしょう。

財務省によると、2006年度末の国の借金の残高は約827兆円。地方の借金は約170兆円。合わせて約1000兆円にも上ります。孫の代になっても返せないでしょう。

これだけ借金があるというのに。お偉い政治屋どもが大きな顔で貧しい外国に円借款したり、金庫の番人が、密かに利殖行為を遂行したりする事実は全く理解できません。

まさに「日本沈没」です。

その頃、「今生きている人は誰もいないからいい」という話なんでしょうかね。