「大市」をご存知なら通です

調布先生から電話がありました。5年ぶりに携帯を買い換えたので、その「試し電話」でした。「声が大きくなって、よく聞こえるでしょう?」と、日頃の大先生ぶりは何処へやら。まるで子供のようなはしゃぎぶりでした。

調布先生とは、先日、老舗鰻屋にご一緒致しました。「本郷三丁目まで来い」と言うので、出かけてみると、「それでは行きましょう」と、最終目的はそこからまた丸の内線に乗った「東高円寺」。

「小満津」というこれまた知る人ぞ知る老舗の鰻屋で、もともと、京橋にあったのが、店を閉じてしまい、そのお孫さんが東高円寺に再興して20年ほど経つというのです。

何やら、歌舞伎役者の十三世片岡仁左衛門が贔屓にしていたらしく、部屋には揮毫書が飾ってありましたね。

お味は、秘伝のタレを使っているらしく、甘くもなく辛くもなく、私には丁度よい塩梅でした。お銚子1本と焼き鳥2本と竹重で、ちょうどお一人五千円というお値段は、まあ手頃かなあと思いました。

しかし、調布先生は「鰻が今ひとつでしたね。日本橋高島屋の特別食堂にある『野田岩』の方が鰻はいいと思いますよ」と、流石に私の知る現役最高のグルメだけに、品評が鋭い。

「それより、異国の超高級ランチを食べたそうですが、そんなもんお食べになるなら、絶対に京都の『大市』にすべきですよ」とおっしゃるじゃあ、ありませんか。異国の超高級ランチとは、私が昨日書いた「厲家菜(れいかさい)」のことだと思われます。

このブログの熱心な読者なら、ご存知かと思いますが、調布先生は、「ブログ亡国論」者で、普段から「ブログなんて○○の落書きですよ」とおっしゃる方です。私は、先生に超高級ランチの話をしていないので、このブログをご覧になったのでしょう(笑)

それが可笑しくて、今日は、ブログを休もうかなあ、と思ったのですが、書くことにしたのです(笑)こんなこと書いたら、先生に怒られるでしょうねえ、きっと。

さて、その「大市」ですが、私は知らなかったのですが、グルメを自認している人間が知らなければ、もうそんな看板は下ろした方がいいという老舗の「すっぽん屋」さんでした。創業が元禄年間だということですから、創業330年にもなるそうです。大石内蔵助も知っていたのかもしれません。下長者町通にあります。

何しろ、色んな文学作品にもこの店は登場するらしく、志賀直哉の「暗夜行路」や川端康成の「古都」、開高健「新しい天体」などにも出てくるらしいのですが、確か読んだのに記憶にないですねえ。

コースで2万3千円とありました。

いつか、清水の舞台から飛び降りる覚悟で、挑戦してみますか。