「大江戸の華」展のために欧米から甲冑が里帰り=江戸東京博物館

 月刊誌「歴史人」の読者プレゼントで、東京・両国の「江戸東京博物館」の入場券が当選してしまったので、昨日の日曜日に行って来ました。

 日曜日なので、混雑を覚悟しましたが、緊急事態宣言下で、早めの午前中に出掛けたせいか、結構空いていました。あまり期待していなかったのに、とても良かった。江戸東京博物館に行ったのは久しぶりでしたが、すっかりファンになってしまいました。

色々威胴丸具足(1613/贈) 英王立武具博物館蔵 

 特別展「大江戸の華」は、チラシでも取り上げられていましたが、やはり、欧米に渡り、この展覧会のために一時里帰りした武具が最高でした。

 上の写真の鎧、兜は、徳川家康・秀忠が1613年頃に、大英帝国との親善のために、国王ジェームズ1世に贈られたものです。もう400年も昔なのに、全然古びていないのが感動的です。恐らく、一度も着用されていない「装飾」用かもしれませんが、それにしても、凄い。(大事に扱って頂き、英国人さん有難う)特別展では他に、刀剣も展示されていましたが、私は圧倒的にこれら鎧兜を食い入るように観ました。

金小札変り袖紺糸妻江威丸胴具足(江戸・紀伊徳川家)米ミネアポリス美術館蔵

 こちらは、紀伊徳川家伝来の具足でしたが、現在は米ミネアポリス美術館所蔵になっています。「エセル・モリソン・ヴァン・ダーリップ基金」との説明がありますから、恐らく、明治に売りに出されていたものを購入したのでしょう。基金ですから、当時も相当高価だったことでしょう。まあ、武具は、戦国武将、大名の財力と権力を見せつける面もあったことでしょうね。

金小札変り袖紺糸妻江威丸胴具足(江戸・紀伊徳川家)米ミネアポリス美術館蔵

 この武具の兜をよく見ると、載っかっているのは、何と、カマキリじゃありませんか!

 いくらカマキリは強いといっても(特に雌が怖い!)、昆虫ですからね。江戸時代ですから、元和偃武(げんなえんぶ)となり、もう戦場で戦うというより、恰好良さや装飾性を追求したからだと思われます。

日本橋(江戸東京博物館)

 特別展「大江戸の華」は、30分ほどで見て回ってしまったので、6階の常設展示室に足を運ぶことにしました。

 そしたら、面白いったらありゃしない。江戸時代から明治、大正、昭和、平成の江戸と東京の風俗、文化、歴史が立体的に展示されていて、すっかり、ハマってしまいました。

 大変広いスペースだったので、全部観るのに2時間以上かかってしまいました。

江戸の寿司屋台(江戸東京博物館)

 この寿司の屋台は、江戸時代をそのまま再現したようですが、寿司の大きさにびっくり仰天です。写真じゃ分かりませんが、現在の1貫の1・5倍か2倍近い大きさです。これでは、寿司ではなく、「おむすび」ですよ(笑)。5貫も食べればお腹いっぱいになりそうです。

江戸の本屋さん(江戸東京博物館)

 こういう所に踏み込むとタイムスリップした感じがします。

 江戸時代なんて、本当につい最近だと感じます。

「助六由縁江戸桜」の助六(江戸東京博物館)

 江戸東京博物館は、リピーターになりそうですね。外国人観光客を一番に連れて行きたい所です。

 でも、このブログでは一言では説明できませんし、あまりにもジャンルが広いのでご紹介できません。

「助六由縁江戸桜」の揚巻(左)と意休(江戸東京博物館)

 最近あまり行ってませんが、歌舞伎が好きなので、中村座の芝居小屋の模型には感服しました。客席は、枡形の中に4~5人が入るようになっていて、今でも江戸時代の雰囲気を色濃く残す四国のこんぴら歌舞伎の金丸座(香川県琴平町)を思い出しました。

明治・銀座4丁目の朝野新聞(江戸東京博物館)

江戸東京博物館は、幕末を経て、明治、大正、昭和、平成までの「東京」が展示されています。(勿論、関東大震災や、米軍による東京大空襲といった災害も)

 成島柳北が社長と主筆を務めた朝野新聞社の実物大に近い大きさの模型を見た時は、感涙しました。現在、銀座4丁目の交差点にあるセイコー服部時計店の所には、明治の文明開化の時期にはこんな建物があったのです。

 感動せざるを得ませんよ。

 私は勉強家ですから(笑)、以前にこの博物館を訪れた時よりも、遥かに知識が増えているので、一を見ると十のことが理解できるようになりました。やはり、「知識は力なり」です。