昨日のブログ「高浜原発が再稼働とは」へのコメント「八百長相撲」さんには、恐れ入谷の鬼子母神でしたね。胴元とサクラの関係だったとは!知らぬは、テレビを見て「ガハハ」と笑って寝てしまう反知性主義者の皆さんのみということでしょうか。
さて、図書館で拾い読みしていたら、面白さにはまって、予定もしていなかったのに、つい借りてしまいました。ヤコブ・ブラーク著、小田麻紀訳の「ユダヤ人大投資家の『お金と幸せ』をつかむ正しい方法」(2010年10月初版)です。別に、タイトルに惹かれたわけではなく、開架式の本棚からたまたま手に取って読んだら、面白くて嵌ってしまったのです。何しろ、原題は拙訳すると「チンパンジーはリタイアの夢を見るのか?」ですからね。「こんなタイトルじゃ売れない」と、編集者が大仰なタイトルを付けたのでしょうね。版元を見たら、徳間書店でした。
別にこれから投資を考えている人だけが読む本ではなく、かなり人間というかヒトの本質をついています。何しろ、ヒトとチンパンジーのゲノムを比較したところ、ほとんど同じだったというのですからね。実に98.76%が重複していたというのです。道理で…ですね(笑)。
この本には心理学から社会科学から、色んな本や実験から引用して「教訓」めいたものを引き出しています。備忘録として、印象に残ったことを一部、適当に換骨奪胎して並べてみます。
●幸福になるための10の指針
1、経済的な成功が幸福をもたらすわけではないことに気づきなさい。富は幸福を保証するわけではない。
2、定期的に運動しなさい。運動は軽い鬱病を治すのを助け、身体と心を活気づけてくれる。
3、たくさんの交接をしなさい、なるべくなら愛する人と。
4、人間関係に投資しなさい。喜びも悲しみも分かち合える友人は、あなたの幸福に強い影響力を及ぼす。
5、必要に応じて、身体を休ませなさい。
6、自分の時間をきちんと管理しなさい。
7、自分の才能を活かせる仕事を探しなさい。
8、テレビを消しなさい。(以下略、詳細は本文に当たって下さい)
9、感謝の心を持ちなさい。(同上)
10、他者に救いの手を差し伸べなさい。利他主義によって、人生は一層、有意義なものとなる。
●「ブラックスワン」とは、通常の予想範囲を超える衝撃が大きくて予測の困難な珍しい出来事を意味する。
●私たちの幸福の多くは、未来を想像するという能力によって来ている。未来を想像できるから、人を信頼したり、喜びを感じたりできる。いつか相手からお返しがあると期待して。
●過度の情報は、それが大きな変動の時期に関連しているときには、とりわけ有害なものとなる可能性がある。
●1950年代の英国における無線通信の増加は、同時期の同地域における精神科病院への入院患者の増加と比例しているように見える。これは何を意味するのか?実は、何も意味がない。原因と結果を結び付けたいという私たちの強い願望が、一般に統計上の相関関係とされているものを生み出すのだ。
●人間は、低い確率を過大評価し、高い確率を過小評価しがちだ。
●人は、行動を起こさなかったことで生じる後悔よりも、行動を起こしたことで生まれる後悔の念の方が大きい。ところが、この主張は短期的には正しいが、長期的にみると、後者の方がより大きな苦しみを引き起こす。マーク・トウェイン曰く、「今から20年後、あなたは自分がやったことよりも、やらなかったことの方により大きな失望をおぼえるだろう」。
以上、まだ書きたいのですが、ご興味のある方は、本書を手に入れて読んでください。