45年ぶりのプラネタリウム=割と身近にありました

 相変わらず、永田美絵著「星空図鑑」(成美堂出版)を読んでおりますが、巻末に「全国プラネタリウムリスト」が載っておりました。筆者の永田さんの本職が、東京のコスモプラネタリウム渋谷の解説員であることも関係しているのでしょう。

 そしたら、小生の拙宅近くにあるプラネタリウムも掲載されていました。「へ~、そんなに本に載るほど有名なんだ」と思いましたが、30年以上住んでいて、一度も行ったことがありませんでした。その施設は、1988年に出来たらしく、名誉館長は、あの宇宙飛行士の若田光一さんです。もしかしたら、全国的にも有名なプラネタリウムかもしれません。

 そこで、昨日初めて行って来ました。小雨が降っていたので、自転車は諦め、暗渠の道を歩いて行ったら22分掛かりましたが、近いと言えば近いでしょう。プラネタリウムに足を運んだのは、恐らく、45年ぶりぐらいです。今はもうありませんが、渋谷駅前の東急文化会館にあった五島プラネタリウムです。(調べたら、2001年に閉館していたんですね。)学生時代、当時付き合っていた彼女と行ったと思いますが、星座のことは全く覚えていません(笑)。暗闇ですから、当時のアヴェックの逢引き所でした(いずれも死語)。

 さて、自宅近くのプラネタリウムですが、市営なので入場料が520円(50分間)という安さでした。まあ、私自身、たっぷり、市税を払ってますから、堂々と入場しましたよ。でも、お子ちゃまだらけで、始まる前は走り回ったり、騒いだり。始まると、急に私の空いた前の席に座って、リクライニングの椅子を倒して、狭苦しくなり、上映中も、母親と大きな声でしゃべる始末。ま、この子にしてこの親で、その母親も、事前に「スマホの電源を消すか、マナーモードにせよ」と告知されても、無視して上映中に明々と照らして、他人から見れば、それほど可愛くない息子の写真を撮ったり…。まあ民度のあまり高くない野蛮な所にしょうがなく住んでいるので仕方がないか、てな感じでした。

 とはいえ、内容はかなり充実して、楽しくてしょうがありませんでした。「星空図鑑」で勉強したばかりの「夏の大三角」ベガ、アルタイル、デネブだけでなく、「春の大三角」のアルクトゥルス、スピカ、デネボラは7月なら西の空にまだ辛うじて見えるらしいことも教えてもらいました。春の大三角のスピカは、おとめ座の女神デメテルが手に持つ麦の「穂先」という意味でしたが、スピカと同じ語源から、靴のスパイクや登山用のスピックが発生したことも解説してくれました。ん-む、お子ちゃまには分かるかなあ?

 とにかく、拙宅のベランダから見えるほぼ同じ景色から見える夜空の星座を解説してくれたので、大変重宝しました。実は、梅雨空の曇りがちで、街中の光が反射していることもあり、ほとんど星は見えないのですが、青天で明かりを消した状態で見える本来の星座の姿を「再現」してくれたので、感動してしまいました。これなら、毎月のように訪れたいと思ったぐらいでした。

 プラネタリウムは、単なる星という点に過ぎないものを結んで、星座という平面にしてくれて、大熊やさそりや射手や蟹などの図柄を見事に再現してくれるので、本とは違い、瞬時に理解することができます。

 お蔭さまで、夜空の星を見るという楽しみがまた一つ増えました。