京都国立博物館の「池大雅展」は見どころ一杯

渓流斎先生ともあろう人が、じゃあーなりすとを気取っておきながら、よっぽど才能が劣化したのか、ネタが尽きたように思われますので、またまた、いつものように、タネをご提供申し上げましょう。
あ、申し遅れましたが、皆様ご存知の京洛先生です。
  迂生は、連休中に京博の「池大雅展」を見てきましたが、4月29日の祝日は、がら空きで、国宝、重文多数をゆっくり見ることができました。
 文豪川端康成が愛藏した国宝「十便十宜」(川端康成記念會蔵)は、大雅と与謝蕪村の合作ですが、確かに川端が手元に置いておきたかった名品、優品であるのが分かりました。
  来場者が少ないので、ガラスケース越しに、ゆっくり15分くらい、自分の所有物のように眺めることができました(笑)。
 このほか、国宝「楼閣山水図屏風」(東博蔵)、国宝「山水人物図襖」(遍照光院蔵)や、重文「蘭亭曲水・龍山勝会図屏風」(静岡県立美術館蔵)、重文「魚楽図」(京博蔵)、重文「五百羅漢図」(萬福寺蔵)などなど、どれも堂々として、画面いっぱいに、大雅の心意気が伝わります。
 池大雅は本名は「池野」だそうですね。京都の銀座の下っ端役人の子供で、彼が生きた享保(1704年)から元文、寛保、延享、寛延、宝暦、明和 、安永(1780年)までの、18世紀の洛中は、ちょうど与謝蕪村、円山応挙、長澤芦雪、伊藤若冲らも活躍していた時代でした。
  大坂に住んでいた皆様ご存知の木村兼葭堂(画家、本草学者)も京都に池大雅を訪ねて、あれこれ交流し、サロン活動を繰り広げていたようです。江戸時代も、幕末に向かう前の頃ですね。
 頼山陽も18世紀後半の生まれで、大雅より年下ですが、恐らく、池大雅らの影響を受けたりしていた思います。
  会期は今月20日までですが、今から出かけてもゆっくり見られると思いますよ。
 京博の近くにある真言宗智山派総本山「智積院」にもついでに立ち寄り、躑躅(つつじ)なども撮ってきました。
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