浜田真理子

公開日時: 2005年4月9日

◎少女の感性と深遠なる宇宙観を持つ歌手

すっかり、はまってしまいました。浜田真理子。人はジャズシンガーというが、そんな一つのジャンルでは捉えきれない。深遠なる宇宙観を持つ類稀なる才能に溢れた歌手ーと言っても言い過ぎではないかもしれない。

きっかけは、深夜に放送されたドキュメンタリー番組でした。正直に言うと、彼女の名前すら知らなかった。だから、何の偏見も予備知識もなく、頭を空っぽの状態で見たから良かったのかもしれない。グイグイと引き込まれてしまいました。

彼女に一番共感したのは、その日常生活でした。普段は島根県の松江市に住み、OL生活を送っているシングルマザーです。東京の大手レコード会社が契約しようとしても断り続け、自分のペースを守っている。だから彼女のコンサートも年に6回程度だという。地方で仕事を持ちながら静かな生活を送ることによって初めて彼女の体の中から自分の音楽が生まれてくる、そういった感じなのです。東京発信の文化に慣れた私にとっては新鮮な驚きでした。

彼女は島根大学を卒業。学校の先生になるつもりだったのに、方向転換してしまいました。セミプロとして、松江市内のクラブなどでピアノの弾き語りを続け、地元島根のレーベルから1998年にアルバム「mariko」でデビューしました。これが宣伝もしない(できない?)のに、口コミであっという間に全国に広がっていきました。

デビューアルバムからすべてオリジナルで、英語の歌詞「AMERICA」なども作曲していますが、ネイティブが歌っているのではないかと間違うほど英語の発音がいいのです。余程彼女の耳がいいのでしょう。一転して2枚目のアルバム「あなたへ」は日本語の歌詞。特に5曲目の「月の記憶」がいい。少女のような彼女の感性にドキリとしてしまいます。

とにかく、彼女にはまってしまいました。最近では女優の宮沢りえさんもすっかりはまっているそうです。相変わらず彼女のコンサートも超満員。今が旬の歌手であることは間違いないでしょう。