「生娘をシャブ漬け戦略」は翻訳不可能?

 昨日は、牛丼チェーン「吉野家」の常務取締役が、東京・早稲田大学・日本橋キャンパスで行われた社会人向け講座での「生娘をシャブ漬け戦略」なる不適切発言が大きな話題を呼びました。問題発言した常務の伊東正明氏(49)は取締役を即刻解任され、吉野家の株も下がりました。河村泰貴社長の役員報酬も今後3カ月間、削減されるといいます。

 「田舎から出てきた右も左も分からない若い女の子を無垢、生娘なうちに牛丼中毒にする。男に高い飯をおごってもらえるようになれば絶対に食べない」といった趣旨の発言があったとされますから、あまりにもアナクロニズム、という以上に、傍若無人で女性と貧困層に対する蔑視発言であることは言うまでもありません。

 私の会社の同僚の娘さんは、英国人と結婚していますが、このニュースを聞いて、旦那さんから「どういう意味なの?」と(英語で)聞かれたそうです。生娘?シャブ漬け? 同僚の娘さんは、英語で何というのか思いつきません。そこで、Google翻訳で、「生娘」を検索したところ、出てきた英語が「Raw daughter」。まさに、生の娘です。英国人の旦那さんは目を白黒させました。

 今度は「シャブ漬け」です。こちらは「Pickled in shabu」。はあ~? シャブシャブの漬物かいな!? こりゃ、駄目だあ~。

銀座・中華「東生園」 肉野菜炒めランチ 900円

 問題になった「デジタル時代のマーケティング総合講座」は、全29回で受講料38万5000円だったとか。初日16日の発言だったそうで、問題が発覚したため、講座をキャンセルする人も出たようです。(その場合、主催者の早大は受講料は返金する用意があるという)取締役を解任された伊東氏は、米系生活用品大手のP&G出身で、辣腕のマーケッティング力が買われ、2018年に吉野家に転身しました。華麗なる経歴です。今回は、顧客を小馬鹿にする本音の戦略が、ポロリと漏れてしまったということなのでしょう。

 彼の発言を聞いていると、彼は自社製品(吉野家の牛丼)は貧乏臭くて食べられない、自分は食べないからね、と言っているようなものですからね。

 ちなみに、吉野家の牛丼、私は好きで食べていましたよ。

東京・銀座 ドイツ料理「ローマイヤー」日替わりランチ1100円

 でも、世界的な某清涼飲料水の会社の社長は自社製品は飲まないと聞いたことがあるし、世界的ファストフード店の会長も食べないと聞いたことがあります。直接、本人から聞いたわけではないので、信憑性は不確かですが、むべなるかな。

 ということは、カリスマ講師伊東氏は、単に会社戦略を正直に吐露しただけで、本人は嘘がつけない大変正直な人なのかもしれません。

 だって、人間ですからね。