元気まち上士幌東京会議

銀座

公開日時: 2006年11月10日 @ 23:07

今晩は、品川プリンスホテル新館12階「彦根」で開かれた「元気まち上士幌東京会議」に出席しました。北海道十勝管内にある上士幌町は、人口5414人で、ご多分に漏れず「過疎化」の悩みを抱えています。農業酪農が主な産業ですが、観光産業も欠かせません。

上士幌町では、竹中貢町長を中心にその観光資源を全国にアピールして何とか観光客だけでなく、移住者、定住者の受け入れなどに目下、取り組んでいます。その一環として、花粉症の人が避難する「リトリートツアー」や森林浴ツアーなどがあります。かなりマスコミにも取り上げられ、全国的に脚光を浴びつつあります。

竹中町長はかなりのアイデアマンです。地方自治体の限界を肌身で感じているせいか、国(内閣府、国土交通省、環境省、総務省、農水省)や農協、民間の電源開発や旅行代理店、商社の三井物産とまで手を組んで、まさに町の命運を懸けて、「町おこし」に全力を尽くしているのです。

この日の会議には、竹中町長から私のところに直々に電話があったため、出席したのですが、本当に面白かったのです。

それは、かなり変わったおじさんが一人いたためです。

会には、37人ほどの人が出席したのですが、最後に、簡単に自己紹介を兼ねて、それぞれが挨拶をしました。皆が皆、上士幌町の素晴らしさや、良い所を褒めていたのに、最後に回ってきたこの山下亨さんという、まちの元気相談室代表は

「皆さん、上士幌町をどうか、そっとしておいて欲しい。電源開発は、自然を破壊した張本人だ。もうこれ以上破壊するのはやめてもらいたい。役人は、自分の任期中の出世だけしか考えていないから、絶対に責任を取らない。皆さん、本当に素晴らしいことを述べていましたが、みんな、嘘ですね。誰一人とも、本音でしゃべろうとしていない。農水省の方はどうか田舎を食い物にしないでください。総務省や環境省の方も自分のステップアップのために地位を利用しないように。ナイタイ高原牧場には3000頭の牛を買っているいるということだが、屎尿はすべて川に垂れ流して、もう水なんか飲めたもんじゃない。ここにいる竹中町長もそのうちいなくなるか、消えるか、捕まるかのいずれかでしょう…」と、天下の官僚先生らを相手に「正論」とも言うべき本音をズバズバ言うので、皆苦笑するしかありませんでした。

よくこんな「正直な人」を会に呼んだものだと、主催者の懐の深さには感服してしまいました。私は、苦笑するどころか、痛快で、大声で笑ってしまいました。

この山下さんという方は、元自治省の役人だったらしく、国家公務員の裏表を知り尽くした人でした。廃線となった旧国鉄士幌線のアーチ橋の保存に奔走した人で、現在このアーチ橋は、北海道遺産に選定されています。

http://www.kamishihoro.jp/index.php

山下さんは「トイレ研究家」という変わった肩書きを持ち、世界の民族のお尻の拭き方について、食事中であることもお構いなく話していました。

「お尻に一番適しているのは、蕗の葉っぱ。だから、ふきという。アメリカのインディアンは、トウモロコシの実をすべて食べた後の芯で拭く。イスラム教徒は、左手を使って水で3回拭く。だから、絶対に他人に左手を使ってはいけない。左手で握手をしてはいけないし、左手で子供をなでたりしたら殺されます…」

こんな調子でした。あっ、食事中の方は失礼しました。