5日間連続の「お笑い怪談噺の夕べ」=大阪・天満天神「繁盛亭」

 京洛先生です。
 こちら京の都は、だいぶ、しのぎやすい気候になってきましたが、そちらは如何でしょうか。
 貴人のブログを拝見させてもらっていますが、真面目な気性がよくあらわれて、難しい話題が満載ですね(笑)
 もっと、街ネタ、探訪記事が欲しいものですが、「先生!それは、おカネがかかるのですよ?」ですかね。それを、言っては御終いです(大笑)。
 人間、動けば、カネがかかるのです。動かないで、家で寝ていれば、カネは使わずに済みますが、あとは、あの世に行くだけですよ。
 ブログの写真も、昼飯を食べて、それを写すだけで、工夫がありません。食べている写真をもって、主治医に健康診断でもしてもらったらどうでしょうか?屹度、「渓流斎さん、これは・・・・・」と難しい表情になると思いますよ(笑)。
 夏季休暇はスペイン旅行に出かけるそうですが、あちらは政情不安と聞いています。十分、身辺には気をつけてください。
 日本国内も、観光客を中心に外人が激増、治安が悪くなっていますが、欧州はそれ以上でしょう。自国の国民が嫌がる「3K職場」に働かせるため、賃金が”激安”と言うことで、外国人労働者をドンドン入国させた大きな負債、ツケが今、爆発、炎上しているのです。
 日本も、同じことをしようと、安倍政権は考え、それを今、推進しようとしていますが、「移民、難民大歓迎!」の大新聞の社説は、もろ手を挙げて大賛成でしょう。NHKの「ノモンハン事件」を見て怒りを爆発させるより、今、起こりつつある大問題に怒りを爆発させないとダメです。
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 ところで、昨晩は久しぶりに大阪の天満天神の境内の「繁盛亭」で、5日間連続の「お笑い怪談噺の夕べ」公演の千秋楽を覗いてきました。
 5日間通しで行くと「現金3000円を最終日にキヤッシュバックします!」ということで、舞台から、その対象者を確認する一幕もあり、リアルなその光景は落語以上に傑作でしたね。
 5日間の入場料1万5000円が、1万2000円になるわけですが、パンフレットには「団体なら10人で、3人が無料!」としてありました。絶滅寸前だった上方落語家は、今や260人もいるのですから、生存競争も激しいわけです。
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 「怪談噺の夕べ」は笑福亭福笑、旭堂南麟が中心で、それに、桂米左、林家染雀、笑福亭たまが、古典、新作、それぞれ、独自の怪談噺を聞かせてくれました。
 講談の南麟は「江島屋騒動」でしたが、三遊亭圓朝が明治の初めに作った有名な怪談です。貴人も一度は聞いたことがあるでしょう。古今亭志ん生や、この間亡くなった桂歌丸らも得意としていました。
 芝日影町(今の新橋駅界隈、港区新橋2丁目~6丁目)の、強欲な古着屋「江島屋」が舞台です。今でいうと京浜国道沿いの品川に向かった左側で、この間、貴人らと行った飲み屋の先です。
 「江島屋」に、いかさまの晴れ着を大金で売りつけられ、雨にうたれて、その婚礼着がボロボロになり、祝言は破談。娘のお里は利根川に身を投げ、その恨みが「江島屋」を襲う怖い話です。
 下総(千葉)の佐倉村の帰りに、道に迷った江島屋の番頭の金兵衛が一軒のあばら家で、またまた、恐ろしい怪異に遭うわけです。
 時代は幕末に近い天保年間になっていますが、その舞台、場所を江戸探訪すると面白いですよ。戦後起こった銀座の事件探訪と同じです。
 芝日影町は、江戸時代、古着屋(古着だけでなく新品も売られていたそうで、素人は、着物、生地の良し悪しは分からないので、まがい物を売りつけられるのですね)などが、軒を並べ、大変な賑わいだったという事です。近くには「芝神明(芝大神宮)」もあり、神社の境内で、相撲見物に絡んで、文化2年(1802年)に、有名な「め組の喧嘩」も起きています。火消しと相撲取りの喧嘩で、これも講談、落語のネタですね。
 昨夜の「江島屋」は講談で聞きましたが、話が長いので、昔は連夜にわたって、長講を、寄席で聞かせていたのだと思います。
 新作の怪談噺では、福笑の弟子の笑福亭たまの「ホスピタル」が愉快で、繁盛亭の客席は爆笑の渦でした。
 病室で起きる、患者と院長、医師、看護師のやり取りを、独特の語り口で、たまが演じるのですが、これは、ナマでないと聞けません。放送では色々支障があって無理でしょう(笑)。テレビでは規制があり過ぎ真実が聞けない世の中なのですよ。
 笑福亭たまは、上方落語の”期待の星”で、芸術祭の演芸部門「新人賞」や「国立演芸場花形演芸大賞」など受賞しています。芸能事務所に所属していなのがいいですね。京大卒業後、福笑の弟子になり、新作も、古典もいろいろ工夫研究しているのがよく分かりました。東京で出演する機会があれば聞きに行くと良いでしょう。お薦めの落語家です。
 以上