内閣広報官の月給は117万円

銀座アスター

 今、話題沸騰騒然の「内閣広報官」というのは特別職の国家公務員で、官僚トップの事務次官級と同じ月額給与は117万5000円なんだそうです。えっ? 何? 月給が117万余円? 今の私の手取り年収じゃありませんか。

  だから、東北新社とNTTから高額接待を受けた山田真貴子さんも、本当は辞めたくなかったんでしょうね。体調不良で入院さえしなければ。

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 後任の内閣広報官に就任した小野日子氏は外務省出身。直前は外務副報道官だったので、局長を経ずに事務次官級に2段跳びしたことになります。ちなみに、日子氏の夫は外務省の小野啓一地球規模課題審議官(局長級)なので、職制で見れば、夫を追い抜いた形になります。ジェンダー平等万歳!といったところですか。

 便宜供与もからんでいるとみられる総務省の高級官僚の接待事件は止まるところを知らず、NTTの澤田純社長らから接待を受けて更迭された谷脇康彦前総務審議官が3月末で定年になるそうですね。谷脇氏は現在60歳で、事務次官級の総務審議官は本来、国家公務員法などに基づき定年を62歳までとする特例があるんですが、更迭されて官房付への異動となり、その適用がなくなるので定年退職してもらおう、というのが表向きの理由。

 しかし、内実は、退職金も満額なら6000万円前後も支給される可能性があり、総務省ナンバー2を経験した人ですから、ほとぼりが醒めれば、どこか放送事業関連会社の役員に滑り込むんじゃないでしょうか。

銀座アスター(デザート) 普段は安い中華料理店の850円のランチだったので、ここではまるで中国皇帝になった気分でした

 山田真貴子氏も総務省審議官時代に東北新社やNTTから接待を受けたのに、文春砲で「発覚」したときは、総務省を離れていたので、事務的な「お咎めなし」でした。谷脇康彦氏も総務省を退職させれば、もう霞が関の人ではないから、またまた「お咎めなし」ということで事件を有耶無耶にしようとする菅政権の魂胆が見え隠れします。

 菅首相は総務省族議員出身ですから、色々、まずいことが出てくるとヤバイというセンサーが働いたんでしょうね。

 以上、「持たざる者」ながら、少額納税者から見た単なる羨望でした。

今では有名人になった山田真貴子内閣広報官=東北新社の思い出

 昨日まで全く無名だったのに、今朝起きたら、世間の誰もが知る存在になることが多々あります。

 今なら、さしずめ、山田真貴子さん(60)ということになるかもしれません。

 例の菅義偉首相の長男が勤務する放送関連会社「東北新社」から接待された総務省幹部が国家公務員倫理規程違反として処分された中、一際目立っていたのが、この山田真貴子・内閣広報官(元総務省総務審議官)です。

 他の総務省幹部の接待費が一人1回1万~2万円程度だったというのに、山田真貴子氏だけは、1回で7万4203円と突出していたからです。

 早速、昨日の日刊ゲンダイが、「一体、何を食ったんだ?」と庶民感覚を代表して取材してくれました。

 タイトルは「山田真貴子氏は“ジジ殺し” 内閣広報官の評判と夜の流儀」とほんの少しだけ品位に欠けていますが、内容は充実しています。

 一応、リンクを貼っておきますが、そのうちリンクの記事は削除されて読めなくなってしまうことでしょうから、この記事を少し引用させて頂きます。

 山田氏は早大法学部卒。1984年に郵政省(現総務省)に入省し、第2次安倍政権が発足してまもない2013年、女性として初めて首相秘書官に起用された(これが、写真入りで育鵬社の公民教科書に掲載され、市民団体が問題視しています=以上、渓流斎)。その後、放送行政を所管する情報流通行政局長などを歴任。19年7月から1年間、次官に次ぐ総務審議官を務めた。省内ナンバー2のときに高額接待を受けたことになる。

 これだけ略歴を書かれれば、東京大学卒が多数を占め、出世競争が極めて高い「男社会」の霞ケ関の中で、「私大卒」「女性」という二重のハンデを背負いながら「ナンバー2」まで出世した彼女の血と汗と涙の努力がいかばかりかと想像されます。

 でも、ヒラの国会議員時代から総務省利権に食い込んでいたと言われる菅首相に対する「ジジ殺し」ぶりで、権力の階段をよじ登ったようなフシも見られるようです。

 (引用)山田氏の名前が知られたのは昨年10月、NHKに抗議したとされる一件だ。菅首相がNHK「ニュースウオッチ9」に生出演し、日本学術会議任命問題についてキャスターから鋭い質問を受けた。放送の翌日、山田氏は同局の政治部長に「総理、怒ってますよ」「あんなに突っ込むなんて、事前の打ち合わせと違う。どうかと思いますよ」と猛抗議したと報じられた。

 なるほど、番組見てませんでしたが、このキャスターって、来月3月いっぱいで降板させられることになった有馬嘉男キャスター(55)のことなんでしょうかね?そして、菅首相が2月24日の記者会見で、山田真貴子氏について「深く反省している。女性の(内閣)広報官として期待しているので、そのまま専念してほしい」と続投させることを表明しましたが、これは、あの憎っきNHKキャスターを降板させた山田氏の功績に対する論功行賞だということになりませんかねえ?

 さて、電波行政などに許認可権を持つ総務省は利権の構造の最たるものという評判(?)があります。総務省の意のままに動かざるを得ないNHKは、総務省幹部や総務省に息の掛かった政治家に足を向けて寝られませんからね。

 菅首相は「長男は別人格です」と強調し、東北新社に入社したことなど預かり知らぬと発言されていたようですが、「どうかなあ」です。「将来、官房長官、首相にもなるかもしれない有力議員の息子を入れなければまずい」という忖度が東北新社側に働いたかもしれませんし、東北新社の創業者である植村伴次郎氏(1929~2019)は、菅首相と同郷の秋田県出身ということから「息子をよろしく」なんてこともあったかもしれません。あ、ウラを取らず、推測で書いてはいけませんね(笑)。

◇東北新社は政財官界有力者の橋頭堡か?

 問題になっている菅首相の長男氏は、メディアであまり、顔も名前も出ないのですが、東北新社の子会社である「囲碁・将棋チャンネル」の役員も兼務しているそうですね。有力政財官界の人々は、囲碁、将棋を趣味とする人が多いので、このチャンネルが、有力者を結びつける「政界工作」の橋頭堡になっていると指摘するジャーナリストもいます。

 東北新社は、1961年に植村伴次郎氏が外国映画・ドラマの日本語吹替番組制作会社として創業し、スター・チャンネルなど「総合映像プロダクション」として放送業界では知らぬ人はいない「大企業」です。私も、もう30年も昔ですが、放送記者としてこの会社を取材したことがあります。(東北新社の沿革を見ていたら、私が子ども時代にはまった「サンダーバード」もこの会社が手掛けていたんですね!)

 この会社は、映像業だけでなく、大使館が多く外国人滞在者が多い東京・広尾の一等地にあるスーパー「ナショナル麻布」を経営していることは意外と知られていません。私が放送記者だった頃、「あの植村社長が、スーパーの駐車場なんかで毎朝、掃除しているんだよ。でも、誰も知らないから、周囲の人は単なる掃除のおっさんだと思って邪見にしたり、道を聞いたりしてるんだって」という逸話を聞いたことを今でも忘れません。

【追記】

山田真貴子・内閣広報官はその後、体調不良で入院され、3月1日で辞任されました。

私がブログでこんなことを書いたからかなあ、と反芻しております。反省ではありません(笑)。