日銀植田新総裁に期待したい

  昨日は、久しぶりに国際経済ジャーナリストのM君と一緒に築地でランチをしました。食事の後、お茶した時に、私が最近凝っている「地球46億年」の歴史の話をしたら、彼は、超大陸パンゲアも、大陸移動説を唱えたアルフレッド・ウェゲナーも、インド亜大陸が北上してユーラシア大陸と激突して、ヒマラヤ山脈が出来た話など、何もかも知っていたので、吃驚してしまいました。

 M君はかなりの読者家ではありますが、経済本に偏っているきらいがあったので、地球史まで会得していたとは感心してしまったわけです。いや、私自身が不勉強に過ぎなかったかもしれませんが(苦笑)。

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 さて、今年4月、黒田東彦氏の後任として就任する日本銀行総裁に、経済学者(共立女子大教授、専門はマクロ経済学、金融論)の植田和男氏(71)が指名され、大きな話題になっています。学者出身の総裁トップは戦後初めてらしいですね。

 黒田総裁が10年間も推し進めた「異次元の金融緩和」の副作用の後始末をどうするのか?ー2月15日付毎日新聞朝刊では、これまで、日銀総裁といえば、財務省と日銀出身者が交互にたすき掛けにトップを務めてきたのに、今回は「貧乏くじ」で財務省も日銀も辞退し、「本命が次々と消えていった」舞台裏を活写しておりますね。

 金融緩和の修正を急げば、市場は大混乱してしまうわけです。だから、戦後初の学者出身の総裁が生まれたわけですか…。

 しかし、学者出身の中央銀行総裁は、海外ではそれほど珍しいものではありません。ベン・バーナンキ元FRB(米連邦準備理事会)議長もその後任のジャネット・イエレン前議長(現米財務長官)も、欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ前総裁(イタリア前首相)もインド中銀のラグラム・ラジャン元総裁も学者出身です。このうち、バーナンキ、ドラギ、ラジャンの3氏はマサチューセッツ工科大学(MIT)出身で、新総裁になる植田氏もMITで経済学博士号を取得しており、3氏とは同窓で意見交換もしている仲だと言われます。

 植田新総裁の経歴はちょっと変わっており、東大理学部数学科出身だそうで、経済学に転向して、MITに留学したというわけです。

 日銀の政策は富裕層だけでなく、庶民の生活も左右しますから、植田新総裁には是非とも適切な舵取りを御願いしたいものです。と、ありきたりの文章で締めくくるのは嫌ですが、私の人智の及ばない話でもありました。