有楽町「魚や旬」の魚づくしランチ980円=刺身(鯛、マグロ)、煮魚(鯖味噌)、焼き魚(鮭)、揚げ物(白身魚フライ)という豪華メニュー(焼き魚が写ってません)
私はあまりテレビは見ませんが、テレビ東京の「開運!なんでも鑑定団」は結構見てます。
これでも、大学の卒論は「印象派」でしたし、長じてからは美術担当記者も仕ったこともあり、芸術に関する見る眼と教養はかなりのものと勝手に自負しております(笑)。それでも、この番組の鑑定士は半端じゃない知識と経験の持ち主で、私の知らない作家が出たりして、大変勉強になります。
大体欠かさず見てはいるのですが、たまに、見逃すこともあり、再放送を見たりします。我ながら随分熱心ですねえ(笑)。再放送は、大体、5~6カ月前に既に放送されていたものです。ですから、一度見たかどうか、忘れてしまっているのです。部分部分で、「あ、確か前に見たな」と分かるのですが、まだらボケ状態で、他の部分は全く初めて見たような気がするのです。
これは実に悲しいものがありますね。あれだけ、夢中になって見て、半年経って忘れて、また初めて見るように見ているのですから、あの時の半年前の時間は何だったのか、今消費している時間は何なのか、と空しくなってしまいます。
また、フランス語も英語も、単語は覚えて半年も経つと全く雲散霧消して脳裏から消え去ってしまうのです。哀しい。
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そこで、思い出したのが、赤瀬川源平さん(1937~2014)の「老人力」です。ご説明するまでもないでしょうが、これは「物忘れが激しくなった」と否定的に考えずに、「老人力がついてきた」と前向きに考えようと逆転の発想を提唱したものです。「老人力」(1998年)はベストセラーになりました。あれから、もう20年も経つんですね。
提唱したのが1997年といいますから、ちょうど彼が還暦の60歳のときだったんですね。
個人的ながら、「老人力」がベストセラーになる前に、私も老人力がついて何の著作か忘れてしまいましたが(笑)、一度、彼にインタビューしたことがあります。かなり和気藹々とした会話が続き、彼の偉ぶらない飾らないところに感銘を受けたものです。その3カ月後ぐらいに、ある文壇パーティーで再会したので、「この間は、大変お世話になりました」とご挨拶すると、「…どちら様でしたっけ…」と怪訝そうな表情を浮かべるのです。その時、彼は50代でしたが、既に老人力がつき始めていたということなのでしょうか。
勿論、私以上に毎日のように色んな人と会っているので、一度だけ会っただけの三文記者などいちいち覚えていないでしょうが、当時はかなりショックでした。(当時の私は、取材で年間500人ぐらいの人と名刺交換してましたが)
優秀で才能がある人でさえそうなんですから、まして凡人をやですね。