菅首相、お辞めになった方が

 8月と言えば、原爆忌と終戦記念日です。

 それなのに、日本という国家の最高権力者である菅義偉首相は、6日の広島市での平和記念式典のあいさつで、事前に官僚が用意した原稿の一部を読み飛ばしたり、9日の長崎市での平和祈念式典では遅刻したりしました。総理大臣としての資質と品性に欠けていると言わざるを得ません。

  特に、広島で読み飛ばしたのは「わが国は、核兵器の非人道性をどの国よりもよく理解する唯一の戦争被爆国であり、『核兵器のない世界』の実現に向けた努力を着実に積み重ねていくことが重要だ」などといった箇所。一番重要な部分を読み飛ばすとは、確信的だったのではないかと疑惑を生むほどです。後で、「その箇所のページが糊付けされていたから」などと釈明したらしいのですが、白々しいもほどがあります。

 式典では、核禁止条約にも一切触れず、これでは、広島にも長崎にも、嫌々行ったことが見え見えで、被爆者の皆さんに失礼ではありませんか。歴代首相の中でも最低の部類です。

 この体たらくですから、安倍政権時代に「御用新聞」と揶揄された読売新聞までもが、「自民支持層も『菅離れ』」などと10日付朝刊紙面で大々的に展開しています。読売新聞の内閣支持率調査で、過去最低の35%だったらしく、「五輪で政権浮揚 不発」「首相の解散戦略に暗雲」といった見出しの活字が躍っています。

 御用新聞にまで見放されては、菅氏の命運も尽きた感じです。それに、「東京五輪開催とコロナウイルス感染拡大とは関係がない」と言い張る辺りは、よほど鈍感なのか、人の機微に触れることを理解できないのか、もう救いようがないのではないでしょうか。

銀座・ベトナム料理「ニャー」ハーフ&ハーフ(チキンカレーと海鮮フォー)ランチ1130円

 御用新聞といえば、日本で最初にこの名称を付けられたのは、明治7年、福地源一郎が主筆と社長を務めた東京日日新聞(後の毎日新聞)と言われています。同紙は、「太政官記事印行御用」を売り物にしていたため、世間では「御用新聞」と目されましたが、実は、同紙は社説などで常に政府を擁護したわけではなく、御用ではなく誤用だった、と「幕末明治 新聞ことはじめ」の著者奥武則氏は書いていました。

 しかし、世間の評判を覆すことが出来ず、福地源一郎は「御用記者」呼ばわりされ続け、ついに自ら新聞業界から離れ、明治22年、歌舞伎座創設など演劇改良運動にのめり込んでいくのです。 

 菅さんも来月末に任期満了で首相をお辞めになっても、テレビ改良運動の先頭を走るあの「東北新社」が席を空けてお待ちしているのではないでしょうか?

R社スマホ、快適です=「Go to イート」に挑戦

 先日、携帯のスマホをR社に変更したことを書きましたが、データ通信も通話も全く支障がなく快適です。しかも、料金が一年間無料だというので言うことありません。

 さらに、どなたかにR社のスマホを紹介すると、紹介した人に3000ポイント、紹介された人にも2000ポイントが付きますので、もしご興味を持たれた方は、是非小生に御連絡ください(笑)。小生のR社スマホのIDをお伝えします。キャンペーンは期間限定ですのでお早目に(笑)。

 付け加えると、R社のスマホのデータ通信は無制限に使えるので、初めてテザリングに挑戦してみました。そしたら、こうしてパソコンに難なくWi-Fiが繋がりました。となると、今契約しているOCN(NTTコミュニケーションズ)のモバイルWi-Fiも必要なくなります。解約しようかしら?これで、毎月の通信費が大幅に節約できます。感謝、感謝です。

 さて、昨晩は雨が降る中、「Go to イート」に行って参りました。自宅近くの炭火焼店なので、場所も店名も言えませんが(笑)、なかなか良い店、というか高級店でした。

 とにかく、ジャーナリストを自称していますから、時流に乗るといいますか、今、世間で話題になっていることを自分自身でやってみなければならないということを自分に課しておりますから、こういう無節操なこと(?)もやらざるを得ないのです。

 まず、グルメサイトの「食べログ」に登録して、「Go to イート」キャンペーンに参加している自宅近くの店を検索して、ある店に予約してみました。「食べログ」だと、Tポイントとして1人1000ポイントが付くことになっていました。このTポイントはお店に還元されるのかと思ったら、後からお店の人に聞いたら、「そんなこと全くありません」と言うのです。私は、この1000ポイント分は、またその同じ店でしか使えないと思ったら、どこでも使えるようです。つまり、同じ店に還元されるとは限らないのです。

 よく分かりませんが、どうもこのTポイントは、「食べログ」のサイト内のお店(つまり、「食べログ」に加盟料を払って参加している店)にまた予約する際に使えるようなのです。異様に面倒臭い。恐らく、グルメサイトを使用しなければ、この獲得したTポイントは「宝の持ち腐れ」になるんじゃないかと思われます。はっきり言って、「Go to イート」キャンペーンは、店舗よりも、菅義偉首相のお友達の滝久雄会長のやっている「ぐるなび」などグルメサイトが儲かる仕組みになっているのではないでしょうか?

 「Go to イート」キャンペーンの中身は、実際に自分自身でやってみないと、本当に分からないものですね。

 そうそう、私が利用しとお店の話です。普通の焼き鳥屋を選んだつもりでしたが、豈はからんや、高級炭火焼店でした。本日のお薦めのメニューを見たら、「本マグロ2200円 馬刺し2860円…」ですからね。帰ろうかなと思いました(笑)。

 でも、「本日のお薦め」以外を見ると、大衆焼き鳥屋より少し高めの値段。帰らずに注文しました。そしたら、旨いこと、美味いこと。何しろ、塩は食卓塩ではなく、高級などこかの岩塩で、醤油もスーパーには売っていない高級醤油。サラダのタレも凝っていてバルサミコ酢にチーズも入っている感じでした。

 何と言っても凄かったのは、焼き鳥には「みつせ鶏」を使っていたことです。「比内地鶏」や「名古屋コーチン」なら聞いたことはありますが、初めて聞く鳥なので、お店の人に「何処の鳥ですか?」と伺うと、「佐賀県です」と応えるではありませんか。そこで、早速、某マスコミの佐賀支局長を務めたことがある岡元氏にR社スマホのショートメッセージを使って聞いてみると、「みつせ鶏は旨いですよ。佐賀にいた時は滅多に口にできませんでしたが。」との返事を頂きました。

 そんな高級鶏でしたか! いやあ、実に旨い。感動してしまいました。この店は、数年前に線路沿いにあったのですが、火事で焼けてしまい、ここの場所(駅から歩1~2分)に変えて復活されたようなので、またお邪魔しようかと思いました。

(ビール中瓶と日本酒二合、串盛りと串焼き四本、サラダなどサイドメニュー六品、二人で8610円)

【追記】

食べログで獲得したTポイントは、他にも運用できるようです。

ポイント乞食と見事な「迂回政策」

 昨日は「トリキの錬金術」だの「鳥貴族マラソン」だのといった聞き慣れない言葉がネットを中心にあっという間に広まりました。

 何の話かと思いましたら、10月1日から始まった「Go to Eat」キャンペーンで、予約サイトを利用して飲食店を予約することで、ディナー時間帯は一律1000円分のポイントが付与される特典がありました。居酒屋チェーンの「鳥貴族」は1品327円という格安が売りだったことから、予約客が1品だけ注文してその差額の673円分のポイントを獲得する「錬金術師」が続出したというのです。ランチだと500円分ですが、それでも173円分のポイントが儲かるわけです。

 これは法に違反した商行為ではないので監督官庁も黙認していましたが、さすがに鳥貴族側も本日辺りからコース料理注文者のみにポイント付与するなどして変更したようです。

 この話は、昨日も書くことができたのですが、影響力が強い渓流斎ブログのことですから(爆笑)、真似されると困ると思い、控えておりました。もう変更されて、前述のような錬金術が使えないのでこうして安心して書くことにしたわけです。ちなみに、私自身は一度も「鳥貴族」に行ったことはありません。

 「トリキの錬金術」によるポイントの荒稼ぎは違法行為ではないですが、やはり、倫理的な面では「いかがなものか」となります。ネット上でも「ポイント乞食」なる批判が溢れていました。

 でも、こんなネットで予約してポイントを付与するような「迂回政策」といいますか、アナログ世代にとっては大変面倒なシステムにわざわざしたのは、裏に作為があるようです。やはり、この渓流斎ブログ9月17日付「菅新首相の背後に『ぐるなび』と京浜急行電鉄があり」で書いた通り、ということでしょうかね。再録すると、こう書きましたー。

 …例えば、菅氏が先頭に立って推進している最大469億円の予算がついた「Go toイート」というキャンペーン。その背後にはグルメ情報サイト「ぐるなび」の滝久雄会長が控えているようです。1996年から2012年にかけて、滝会長の広告代理店「NKB」から菅氏の政治団体「自由民主党神奈川県第2選挙区支部」と「横浜政経懇話会」に対して、計280万円献金し、ポスター制作費58万8000円請け負ったことが収支報告書に書かれているといいます。

 NKBは、滝久雄会長の御尊父の滝冨士太郎氏が創業した交通文化事業社が母体になった会社で、最初は地下鉄のベンチの広告から始めたといいます。まさに「たたきあげの苦労人」という共通点があるんでしょうか?

 ーということで、この面倒臭い「迂回政策」というのは「ぐるなび」に一部「蒸留水」が還元されるということなのでしょう。しかも、この蒸留水は、真水ではなく、黄金色に輝いています。

【追記】

 8日付東京新聞によると、「ぐるなび」「食べログ」など大手10サイトは、夕食なら200円程度の「手数料」を店から徴収しているといいます。

 政府は8日、夕食1000円未満、ランチ500円未満はポイント還元しない方針を発表しました。

稲庭うどん・秋田郷土料理店「銀座 佐藤養助」=菅首相と柿崎首相補佐官が御会食

 菅首相は、「首相の一日」を見る限り、朝、昼、晩のご飯はほとんど高級ホテルで召し上がっておられます。赤坂の議員宿舎では、どうも、奥方様と一緒に住んでいらっしゃらないんじゃないかと思われます。余計な推測ですが。

 食事はいつもホテルなのに、10月1日(木)夜は珍しく東京・銀座の稲庭うどん・秋田郷土料理店「銀座 佐藤養助」で会食されておりました。御相伴に与っていたのが、あの注目の共同通信・元論説副委員長から首相補佐官に御栄進されたばかりの柿崎明二氏と園田修光参院議員です。柿崎氏は菅首相と同郷の秋田県出身でしたね。

 それで秋田郷土料理店ですか。彼の首相補佐官就任祝いを兼ねていたのかもしれません。10月1日付の人事でしたから間違いないでしょう。

 場所が銀座ということでしたら、私もそこにランチに行かざるを得ません、ということで、本日行って参りました。

 お店は、泰明小学校近くと言えば見つけやすいかもしれません。斜め向かいにラーメンの「はしご」があります。私も何度も傍を通ったことがありますが、入店するのは今回が初めてでした。

 注文したのは、かけうどんの次に安い「二味せいろ」です。それでも1300円。天ぷらせいろになると2200円でした。残念、手が届きませんでした。そしたら、お隣の若い女性が平気で注文して食べておられました。

 麺に独特のコシがあり、実に美味い。一口食べただけで絶品さが分かりました。それだけの値段の価値があるお店でした(笑)。「八代目 佐藤養助」の創業は、万延元年。この年は、桜田門外の変があった年でしたね。まあ、凄い歴史です。

 秋田県湯沢市に総本店があり、同県内に10店舗、このほか、東京と福岡や、海外では香港とソウルに出店しているようです。

 うどんでこれだけ美味いのですから、秋田郷土料理なら大いに期待できます。その夜は、柿崎氏もさぞやご満悦だったことでしょう。

 帰り、お勘定を払うときに、早速、取材しました。「この店はお二階もあるんですか?先週、菅総理大臣がお見えになったようですね」

 「そうなんですよ。新聞に載っちゃいましたからね。先週の木曜日でしたか、飛び込みで来られて、SPが20人もいらしたんですよ」。あらま、僕みたいな密偵にそこまでしゃべっちゃっていいんでしょうか(笑)。しかも、ちゃんと、20人、本当に一人ずつ数えたのかしら? それにしても、日本の最高権力者が予約なしで来られたとは驚き。

 「(菅首相は)官房長官時代からよく御利用して頂いてますからね」

 あ、そういうことでしたか。菅首相にとって、ツーカーで話が通じる馴染みのお店だったんですね。

 最近の渓流斎ブログは、銀座のランチの話ばかりですが、本日は内容が濃いので、大目に見て頂けることでしょう(笑)。

東証は大丈夫なのか?=そして「学問の自由」の侵害に物申す

銀座・能登輪島 

 昨日10月1日、東京証券取引所のシステム障害で前代未聞の「終日、全銘柄の売買停止」の事態となり、関係者は泡を食ったことでしょう。1日3兆円もの取引があるとは、知らなかったなあ…。

 何しろ、東証に参加している7割が外国人投資家だということですから、世界的な大事件になってしまったわけです。でも、単純計算すると、日本人はわずか3割しかやっていないということでしょうか。じゃ、ほとんどの皆さんには関係ない話でしたね(笑)。

 私が興味を持ったのは翌日の新聞紙面はどうなるか、ということでした。何しろ「終日停止」は初めてのことです。まさか白紙の紙面を出すわけにはいかないはず、どうなるのかなあ、と思いましたら、2日の日経朝刊紙面は上の写真の通り、「-」が並びました。(朝日、毎日、東京は株価欄は掲載せず、読売、産経はデータなしで掲載)

 2日はシステムも回復して、通常通り取引が再開されたということで、やれやれです。「バックアップ」が機能しなかったということが今回最大の問題点だったでしょうね。

 ◇◇◇

 さて、菅義偉首相が1日、「日本学術会議」(政策提言を行う国の特別機関)が新会員として推薦した法律・歴史学者ら6人の任命を拒否していた問題が発覚し、本当に唖然としました。政府は、その理由を開示することを頑なに拒否しましたが、任命拒否された6人は安全保障関連法や特定秘密保護法などで政府の方針に異論を唱えていた学者ばかりです。任命拒否は、憲法が保障する「学問の自由」の否定につながり、「ついにここまで来たか」との意を強くしました。

 任命拒否された一部の学者をご紹介すると、特定秘密保護法について、「民主主義の基盤そのものを危うくしかねない」と批判した東京大社会科学研究所教授の宇野重規教授(政治思想史)、長年、改憲や特定秘密保護法などに反対してきた東京大大学院人文社会系研究科で日本近現代史の大御所・加藤陽子教授、「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法案について、参院の参考人質疑で、「戦後最悪の治安立法となる」と批判した立命館大大学院法務研究科の松宮孝明教授(刑事法)らです。

 随分あからさまですねえ。6人全員、菅氏から見れば、いわば国家権力に歯向かった人ばかりです。でも、ここは、民主主義国家日本ですよ。中国や香港や北朝鮮やベラルーシやロシアの話じゃないんですからね。これでは、「彼らには人権がない」なんて批判すらできませんよ。このままでは「表現の自由」まで脅かされかねません。

 2日になっても、加藤勝信官房長官は「任命権者である首相が日本学術会議法に基づいて任命を行った」と繰り返すのみで、任命拒否を見直す考えはないことを改めて強調しました。

 菅政権になってまだ間もないですが、こういう風潮では「この道はいつか来た道…」になりかねません。安倍前首相が後ろで糸を引いているのか、菅首相自身がしたたかに独裁しているのか、今の時点ではまだ推し量ることはできません。でも、黙っていたら、菅首相に同調することになるので、私は断固、任命拒否の撤回を求めます。