🎬「スパイの妻」は★★

 ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞した話題作「スパイの妻」(黒沢清監督作品)を大いに期待して観に行ってきました。

 劇場に着いたら、超満員の観客が列を作ってました。私は事前にネットでチケットを購入していたので安心していましたが、なかなか入り口に辿り着きません。

 「えらい人気だなあ」と思ったら、この作品ではなく、今、子どもから大人まで大人気のアニメ?「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の観客でした。この映画館だけで、この作品を週末は1日15~20回ぐらい上映しているらしく、三密状態で押し合いへし合いでした。

 私は全く興味がないので、漫画なのかアニメなのかよく分かりませんけど、恐らく今年一番の観客動員数を記録することでしょう。

 私の目当ての「スパイの妻」は、7割ぐらいの観客入りといったところでした。

 最初に書いた通り、大いに期待して観たのですが、ガッカリでした。「サスペンス」と称していますので、あまり詳しく内容には触れられませんけど、サスペンスにしては、驚くほど緊迫感はありませんでした。

 「回路」「トウキョウソナタ」などで知られる黒沢清監督も今年65歳となり、もう巨匠です。東大総長も務め、立教大学時代、黒沢監督の師匠に当たる有名映画評論家が、この作品を大絶賛する映画評を新聞に書いてましたが、それほど傑作とは思えませんでした。

 「何でかなあ」と自問してみましたが、はっきりした回答は出てきません。恐らく、もう少し、細部に拘ったドキュメンタリータッチの作品を期待していたのかもしれません。太平洋戦争前夜という緊迫した時代を背景に、神戸の商社社長である主人公福原優作(高橋一生)が、満洲(現中国東北部)に商用で出張した折に、国家機密の情報を知り得てしまうという話で、この映画を観る前、「一体何の話なのか」と思っていたら、結局、「何だ、その話でしたか」という意外性がなかったことで失望したのかもしれません。(その国家機密は、ハルビン郊外の話ですが、映画では新京は出てきてもハルビンのハの字も出てきませんでした。あ、あくまでも映画でしたね)

 この映画は、「スパイの妻」聡子役の蒼井優を中心に描かれた作品ということになるでしょうが、あまりにも彼女の顔のアップシーンが多い気がしました。(だから何だという話ですが)

 出てくる軍人役の俳優が一人も軍人に見えないし,軍隊行進の姿も全くなってない。登場人物の誰一人にも感情移入できなかったのが、最大の難点だったかもしれません。

 研究し尽くされていたのは、当時のファッションだったかもしれません。これは、うまく再現していましたが、当時の人はもっと帽子を被っていたと思いました。

 28歳の若さで戦病死した山中貞雄監督の「河内山宗俊」(1936年)を福原夫妻が映画館で観るシーンが出てきましが、これは旧き大先輩に対するオマージュだったのでしょう。しかし、映画の舞台は主に1940年の神戸。「人情紙風船」などで知られる山中貞雄監督は、1938年に亡くなっていますから、福原夫妻は超大金持ちなのに、弐番館の名画座で観たのかしら?

 昭和初期の細部にこだわる、と言いますか、うるさい人間がこの映画を観ると、難癖をつけたくなってしまいました。あまり詳しくない人にとっては、どうでも良い話でした。

山里亮太さん蒼井優さん、ご結婚おめでとうございます!

 最近は、衝撃的な無差別殺人事件や高齢者ドライバーによる交通死亡事故や幼児虐待のニュースばかり聞かされていたので、心がささくれだっておりました。そのせいか、昨日電撃的に発表されたお笑い芸人と美人女優との結婚ニュースは久しぶりに明るい話題を提供してくれました。大変失礼ながら、もてない世の男性諸君に勇気を与えてくれたんじゃないでしょうか(笑)。

  結婚を発表した山ちゃんこと南海キャンディーズ山里亮太(42)さんと女優の蒼井優(33)さんのことです。

 最初このニュースを聞いたとき、多くの人と同じように「えーー!」と思いました。「ありえない」というのが正直な感想です。

 でも、今朝のワイドショーでの2人の会見を仕事として(笑)見ていたら、「お似合いのカップルじゃないかな」と妙に納得しました。芸能界は虚像と実像が複雑に交じり合った世界ですから、実際のところは分かりませんが、派手好きな芸能人とは違って2人とも堅実で、飾らない性格同士だったことには感心しました。

 特に、蒼井さんは、山ちゃんから結婚指輪を贈られようとしたら断って、「それよりいい思い出をつくってください」と頼んだことには驚きました。2人で色んな所を旅行したり、食事したりする方がいいというのです。女優さんなら派手にネックレスや指輪で飾りたがるものですが、感心感心です。もっとも、本当の理由は、彼女は大切な物はすぐなくしてしまうから、ということらしいですが。

 私もしっかり研修してますね。芸能リポーターみたいです(笑)。

 とはいえ、2人は6月3日に入籍しながら、同居していないというのも気になります。(その必要はないか?)蒼井さんも「恋多き女優」として噂が絶えなかった過去があります。男性42歳、女性33歳は「厄年」ですからね。所属事務所は、山ちゃんが「よしもと」、蒼井さんは、ともさかりえでブレイクしたイトーカンパニーですか。よしもとはともかく、イトーカンパニーの沢山の所属タレントは、ともさかさんと蒼井さん以外、私は知りませんけど…。

 いやいや、せっかくの明るいニュースなのに水を差す必要はないですかあ…(笑)。末永くお幸せに。