「できる人の勉強法」

 

 

公開日;2008年1月8日

TOEIC990点満点、英検1級、通訳案内士、国連英検特A級等を取得している予備校講師・安河内哲也氏の「できる人の勉強法」(中経出版)によると、結局、勉強(特に語学学習)とは、「反復」と「繰り返し」に尽きるそうです。

彼の言う「反復」とは、スパイラル方式で、寝る前に一度覚えたことを翌朝に復習したり、忘れた頃に何度も「メインテナンス」を行ったりすることです。こうすることによって、記憶が定着します。

 

ドイツの心理学者エビングハウスが1885年に発表した「忘却曲線」というものがあります。

一度覚えても、ヒトは、30分後にその40%を忘れ、

一日経つと、66%忘れ、

3日後は75%、

30日後は80%も忘れてしまうというのです。

つまり、1ヶ月経つと、わずか20%しか脳に残っていないのです。

 

それでも、試験に合格するためにはとにかく暗記しなればなりません。

年を取るとなかなか覚えづらくなってきますが、彼によれば、ほんの4、5回で覚えられなくても諦めてはいけないというのです。10回どころか、50回、100回と何度も同じことを「繰り返し」て暗記するしかないというのです。

それには「音読」が一番だそうです。

机に向かって覚えていてはすぐ飽きてしまうので、まず、立って音読、次に座って音読、今度はCDなど耳から覚え、もう一度音読して、今度は身振り手振りを使って音読していく。

こうしてやっと「身に着く」といいます。

私自身、誰もが認めない神童でしたが、一度ざっと見ただけで、教科書も洋楽の歌詞もすぐ覚えられたものです。しかし、今ではさすがに、5回でも覚えられません。いや50回でも無理でしょう。100回やってやっと覚えられるという感じでしょうか。彼の理論は正しいです。

スポーツの能力もそれが身に着くまで、平均17・3年掛かるそうです。誰の説か、ラジオで聴いただけなので、聞き漏らしました。

イチローも5歳くらいから、毎日のようにバッティングセンターに通いつめて、同じようなことを「繰り返し」「反復」練習し、やっと、20歳を過ぎた頃に華が咲きました。

彼が、同じ味のカレーを毎日7年間も食べ続けることについて、私は以前「変質狂的」と書きましたが、決して悪い意味で書いていません。一種の才能なのです。単調な同じことを反復できるというのは才能なのです。同じカレーを7年間食べられる才能があるから、一流の野球選手になれるのです。普通の人なら野球の練習にしろ途中で飽きて投げ出して大成しません。それは芸術の世界でも、職人の世界でも同じでしょう。

「反復」と「繰り返し」を飽きずにやり遂げた人だけが成功するのです。