何と言っても、オリンピックは番外編の方が面白いのです(笑)。
名古屋市の河村たかし市長が8月4日に表敬訪問した五輪選手の金メダルをかじったことで、国内外で批判が高まり、市長は謝罪しましたが、海外では「市長が新型コロナウイルス対策を訴えるボードの前で、マスクを外してメダルをかんだ」(ロイター通信)と、皮肉を込めて報じられ、世界に大恥を晒しました。
金メダルをかじられたのは、ソフトボール日本代表で、名古屋市出身の後藤希友選手で、同選手が所属するトヨタ自動車までもが抗議声明を発表する事態に発展しました。
しかし、東京五輪組織委は「メダル製造で瑕疵(かし)があった場合のみ無償で交換対応するが、それ以外は対象外です」とし、たとえ、河村市長の歯形が付いたとしても、交換しないからねえーといった意味を込めて?、わざわざ声明を発表するほどです。ウイルス感染も心配なのになあ…。
河村市長は「宝物を汚す行為で配慮が足りなかった。後藤選手には申し訳なかった」と陳謝しましたが、こんな市長を選んだのも名古屋市民ですからね。恐らく、この陳謝で、一件落着で終わることでしょうけど、河村さんが公費ではなく、自腹で弁償してあげれば一番スッキリすると思います。組織委は、有償なら交換してくれるんでしょ?
「メダルかじった」市長、と聞いて、「はなおかじった」先生を思い出しました。花岡実太と書きます。1966年に放送されたドラマ「忍者ハットリくん」に出演していた強烈な個性の先生で、よく、同僚の先生や生徒から「鼻をかじった」先生と呼ばれるので、いつも「鼻をかじった、ではにゃく、わたすは、花岡実太だ」と、東北のズーズー弁で反論するのがお決まりのパターンでした。
「忍者ハットリくん」 は藤子不二雄原作の漫画を実写版ドラマとしてNET(今のテレビ朝日)系で放送されたものでしたが、私は子どもだったので、よく見たものですが、内容については、この「はなおかじった」先生のことしか覚えていません(笑)。
今は便利な時代で、すぐ検索することができ、この花岡実太先生役を演じていたのは、谷村昌彦(1927~2000年)という俳優で、山形市出身だったんですね。喜劇役者としてスタートしましたが、時代劇からヤクザ映画まで幅広く出演していました。夏目雅子主演の「鬼龍院花子の生涯」や黒澤明監督の遺作「まあだだよ」にも出ていたこともすっかり忘れていました。
谷村昌彦さんは、恐らく、もう若い人は誰も知らず、すっかり忘れ去られた俳優さんなんでしょうけど、昔の俳優さん、特に脇役の方は、今より遥かに個性的で強烈な印象を残したものでした。悪役の上田吉二郎なんか、いつも子分たちに「ムハハハハ、馬鹿野郎、早くやっちまえ」とハッパをかけて主役を食っていましたし、「悪魔くん」のメフィスト役などに出ていた吉田義夫なんか、本当にアクが強そうだった。.品川隆二は、近衛十四郎(松方弘樹、目黒祐樹の父)の「素浪人 月影兵庫」の焼津の半次役で滑稽な印象がありますが、その前に出ていた「忍びの者」では、石川五右衛門役をやったりして本当に怖かった。。。
その点、今の主役級の俳優さんは、誰とは言えませんけど、偉大な俳優の二世、三世ばかりで、残念ながら、コマーシャルばかり出ているせいか、宣伝マンに見えて、魅力に欠けますね。雷に当たったような痺れるほどカリスマ性があった俳優は松田優作辺りが最後かなあ、と思っています。