人を見たら詐欺師と思え?

 何か?

年末年始、あまりというか、ほとんどテレビは見なかったのですが、たまたま見ていた画面に釘付けになってしまいました。

途中から見たので、何放送か、タイトルも分かりませんが、(後で調べたら、テレ朝系の「しくじり先生」でした)、往年の人気歌手・女優の辺見マリさんが、泣きながら、自分の非常に過酷な体験を告白していたのです。

辺見マリは、私の世代は、絶好調の美人歌手として超有名でしたが、今の若い人は分からないかもしれません。辺見えみりのお母さん、と言えば分かるかもしれません。お父さんは離婚しましたが、歌手俳優の西郷輝彦です。…蛇足でしたか(笑)。

その辺見マリさんが、自称「拝み屋」なる40代の女性に騙されて、1988年から13年間も「洗脳」されて、5億円も貢いでしまったという壮絶な話でした。実は、これは、昨年2015年9月14日に放送されたもので、「しくじり先生」の年間最優秀賞に選ばれたので、それを再放送していたらしいです。

ですから、既に観た方は、よく知っている話で、「今さら何だ」ということになりますが、あまりにも壮絶すぎて、2~3日、私はこの事件のことばかり考えていましたので、このブログにも書くことにしました。

何しろ、5億円ですよ。家族の弱みにつけこんで、「ああしなければ、親が認知症になる」とか、「200万円持って来なければ、子供がぐれる」とか何とか、言いくるめて、「犯人」は、ほとんどの金を、マカオ辺りでギャンブルで使い果たしたようです。

辺見マリはスターでしたから、資産はあったでしょう。それでも、お金が足りませんから、友人知人に借りたり、自宅を売却して賃貸にしたり、ついには、15歳でタレントになった娘のえみりのギャラにまで手を出してしまったそうです。ヌード写真集を出したのも、この拝み屋に貢ぐためだったと聞いて、驚いてしまいましたね。彼女は最初、食事を多く摂らされて、太らせられ、その後、「仕事しろ」と言われて、ダイエットし、成功します。

そして、今度は「ダイエット教室」を開きますが、入会金が1人100万円と高額。それなのに、辺見マリを信じて多くの人が参加してくれました。ところが、その拝み屋が、入会金2000万円を持ち逃げしてしまったのです。

この時初めて、辺見マリさんは「洗脳」が溶けます。これまで、借金にしろ、自分で工面したお金を貢いできたのですが、今回は他人様から預かったお金を持って行かれたので、やっと目が覚めたそうです。

華やかな世界で、順風満帆にいってそうにみえても、地獄の苦しみを味わっていたのですね。本当にかわいそうになりました。

この話が世間に公にされて、半年経つのに、「犯人」が捕まったとか、賠償されたとか、という話は聞かないので、そのまんまなのかもしれません。

騙された世間知らずの芸能人の話といえば、それまでですが、あまりにも金額が多すぎて、騙す方の計略の緻密さには実に恐怖さえ感じてしまいました。