「お金の大学」で金融知識を身に着ける

 銀座のフルーツ大福「弁財天」 いちじく大福が1000円だとか…

 2011年の「安愚楽(あぐら)牧場」事件(和牛オーナー制度と称して約7万3千人から約4200億円もの資金を集めて経営破綻=豊田商事事件を超え史上最大)や今年の「ジャパンライフ事件」(大物政治家や磁気ネックレスなどを餌にして約1万人から約2100億円を集めて経営破綻)など、なかなか巨額詐欺事件はなくなりません。

 騙されるのは決まって高齢者ですが、あれもこれも、皆、金融リテラシーがないので簡単に騙されてしまうのです。高齢者と言えば、人生経験が豊富で、酸いも甘いも散々味わってきたはずです。現在の普通預金金利は、メガバンクでさえ、1000万円を1年間定期で預けても0.002%です。ということは、株にしろ債券にしろ、外貨建てにしろ、年利5%の金融商品があるわけないのです。ないとは断定できませんが、あってもほんのわずかで、そんな希少価値の商品を強欲者が赤の他人に教えるはずがありません。それなのに…。

 最大の理由は、特に昭和世代は、「お金は汚いもの」と小さい頃から蔑視され、お金について学校で全く教えられてこなかったからです。私もそうでした。

 確かにお金は魔物ですから、悪い側面がありますが、正しい使い方を知れば、悪徳詐欺師に引っかからないのです。

 ということで、お金の基礎知識を網羅した面白い本を見つけました。「今売れている本」として新聞の書評に載っていた上の写真の本です。

 若い世代を対象にしているのか、漫画を多用して、文章も「お子ちゃま」向きですが(失礼!)、中身はしっかりツボを押さえています。著者の両@リベ大学長という方は、履歴など詳細は不詳ですが、10代の高校生から早くも起業して、年間1億円以上の収益を得る一方、数々の失敗もされているようです。少なくとも金融に関する書籍をかなり読み込み、セミナーに参加し、関係者や大富豪から話を聞き、実際に実践されているようなので、かなり詳細で濃密な金融の知識の持ち主であることは確かです。著者はYouTubeもやっていて、総動画本数700本以上、再生回数5300万回超ということですから、ユーチューバーとしてもやっていけているようです。

 何故、この本を渓流斎ブログで取り上げたかと言いますと、彼の思想に共鳴したからです。つまり、お金にまつわる問題を早く解決して、最終的に「経済的自由」を得ることが目的だという思想です。はっきり言って、お金は煩わしいですからね。

 そのために、著者は五つのステップを推奨しています。それが以下の五つです。

(1)貯めるー支出を減らす力

(2)稼ぐー収入を増やす力

(3)増やすー資産を増やす力

(4)守る―資産を減らさない力

(5)使うー人生を豊かにすることにお金を使う力

なかなか良いですね。お金は貯め込んで使わないのも馬鹿らしい。死んであの世に持っていけないですからね。著者は、最終的に、自分で稼いだお金で慈善団体に寄付していることが(節税対策かもしれませんが)、素晴らしい。これが、この本に共鳴したもう一つの理由です。

 具体的にどうしたら良いのか、この本は指南書ですから大体書いてあります。個人的に賛同できないこともありますが、しっかり、メリットとデメリットも説明してくれているので、これまた共感できます。読者が自己責任で判断すれば良いのです。

(1)の「貯めるー支出を減らす力」では、スマホは格安SIMにした方が良いとか、1961年から日本は「国民皆保険」制度になったから、ある程度は社会保険でカバーしてくれる。だから、余分な保険は見直した方が良いとか、具体的にアドバイスしてくれます。

 サラリーマンでも、最近多くの会社が認めるようになった副業をしたり、個人事業主になったりして「節税」することも薦めています。

(3)の「増やすー資産を増やす力」で具体的な投資商品を薦める一方、(4)の「守る―資産を減らさない力」では、詐欺師に騙されないよう、絶えず金融知識は更新して勉強を怠らないことも薦めています(そこまではっきりと書いていませんが=笑)。

 私も、こういう本をもっと若いうちに読んでいたら、今頃、悠々自適だったんですがねえ。今もヒイヒイ通勤しています。

「江戸の銭勘定」は一読の価値あり

自宅近くの本屋さん「よむよむ」で見つけた山本博文監修「江戸の銭勘定」(洋泉社歴史新書)を読んでます。

斯界の権威山本博士は監修になっているので、御本人の執筆ではなく、自分の東大の院生にでも書かせたのかもしれません。あくまでも空想に近い推測ですが(笑)。

それでも面白いことに越したことはありません。恐らくテレビの番組制作会社の三次団体の若いADがクイズ番組の種本にするにはもってこいかもしれません(笑)。

そもそも、私自身は、江戸を舞台にした時代劇や小説や歌舞伎に出てくるお金が今の幾らぐらいになるのか、素朴な疑問がここ何十年もあったのでした。この本はその疑問に見事に答えてくれます。

江戸時代は300年近くも続きましたから、そりゃ、物価の変動はかなりあったことでしょう。そこで、本書では目安として、文化文政期を基本にして、1両=18万円、1匁=3000円、1文=30円としております。

握り寿司一貫4文=120円、蕎麦一杯16文=480円、銭湯8文=240円で、大体現代と変わりませんが、酒一升250文=7500円はちょっと高いですね。

文化文政期の職人(上大工)の年収はおおよそ26両2分=447万円だったようです。

庶民の娯楽の歌舞伎の木戸銭は100文=3000円、大相撲となると銀3匁=9000円と結構したようですね。勿論、座席はピンからキリまでありますから、概算です。

「千両役者」ともなると、年収が1億8000万円ということになるんですか。花形ですね。

私が注目したのは、江戸時代の新聞、瓦版で当時は読売と呼ばれていたそうですが、今もあるじゃん!(笑)

この本によると、現存する最古の読売は、元和元年(1615年)5月8日発行の「大坂阿倍野合戦図」で、あの真田幸村が活躍した大坂夏の陣を報道したものらしいですね。江戸時代の探訪記者、従軍記者も頑張ってたんですね。

このことは、横浜にある日本新聞協会の新聞博物館にもない「新事実」でした(笑)。

「住友銀行秘史」 東京三菱は大嫌い

伊太利亜ヴェニス

私は、最近、銀行ほど阿漕で悪どい商売はないと思うようになりました。

特に、個人的に東京三菱UFJ銀行銀座支店には嫌な目に遭ったので、大嫌いです。

何しろ、奴らが「ドブ」と陰で蔑むカモからタダ同然で仕入れてきた商品(カネ)を転がして、莫大な利益を得ているのですからね。

しかし、哀しいかな、素人には奴らが実際に何をやっているのか正確なことが分かりません。

そこに飛び出してきたのが、今年話題になった國重惇史著「住友銀行秘史」(講談社)です。経済犯罪史に残るイトマン事件を縦軸に、銀行業界の裏話が、しかも実名でふんだんに織り込まれているので、これ程面白い読み物もありません。

私は、市民税特別還付期限付無償貸与制度、と書くと何か小難しいですが、要するに図書館で新刊を順番待ちで予約したところ、やっと昨日、手元に届いたので、早速読み始めました。

ですから、まだ、10ページほどしか読んでいません。それでも面白いですね。

このエリート臭に凝り固まった鼻に付く胡散臭さが堪らない(笑)。

著者は1968年、最高学府の経済学部を御卒業されて住友銀行に入行された自信家で、最初から頭取を目指しておられました。

その野心も半端じゃないですね(笑)。まるで、最初から暴露本を書く目的で、膨大なメモを残しているかのようで、それが、今回の「作品」に繋がったわけです。

著者は、Mof担と呼ばれる大蔵省(当時)の銀行局長を誑かして、宣撫したり、折伏したり、機密情報を流したり、奪ったりする銀行業とは懸け離れた秘密調査部員のような裏仕事をしてきたせいか、さすが情報通といった感じです。

ただ、イトマン常務で、事件の主役として実刑判決を受けた伊藤寿永光氏に関しては、巨悪の権化のような、噂に基づいたことばかり書いているらしく、この点に関しては、版元講談社のライバルである新潮社が発行する週刊誌の中で、伊藤氏が、名誉毀損で訴えるような趣旨の発言をしておりました。

ムフフフ、住友屋、おぬしも悪やの~

金融リテラシーは必要十分条件

 My Deer

16日から始まる日銀による「マイナス金利」政策の庶民への影響が徐々に見られ始めました。銀行の普通預金も定期預金も利下げの発表がされ、真綿で首を絞められるように、もしくは、ボディブローのように、ジワジワと効いてくるでしょう。

取り敢えず、庶民としての防衛策は、騙されないように理論武装するしかありません。そうでなくても、私は日頃から「金融リテラシーがない」と批判されておりますので、今、一生懸命に勉強(笑)しています。

先日読んだ小口幸伸著「2時間で分かる外国為替」(朝日新書=2012年8月1日初版)で、生まれて初めて外為の概要をつかめたといった感じです。著者の小口氏は、実際にシティバンクなどで為替ディーラーを務めていたので、学者やエコノミストが書くものと違って、体験に基づき実践的で、説得力がありました。

今は、最新の知識(とはいっても初版が2015年2月16日ですが)を得ようと、上野泰也編著「金融の授業」(かんき出版)を読んでいます。いわゆる一つの「入門書」ではありますが、この本を読むと、自分の金融知識は、何十年も昔の高校生レベル以下かなあ、と思ってしまいました(苦笑)。

何しろ、昔習った「マネーサプライ」も「公定歩合」も今は使わないんですってね。つまり「死語」扱いですよ。

愛読者の皆々様方は、知的レベルが高い方ばかりですので、付け加える必要はないと思いますが、敢えて屋上屋を架してみますと、「マネーサプライ」は、今は「マネーストック」に名称変更されたそうですね。2008年からですが、私もボヤボヤしていたものです。

「公定歩合」も2006年から「基準割引率および基準貸付利率」と名称変更されています。もう10年前ですね。今でも、たまに、新聞などで公定歩合の名称が使われているので、変更されていたとは知りませんでした。

この本には、「ABS」だの「TDB市場」だの、「レポ」「スプレッド」など専門用語がたくさん出てきて、ページを捲るとすぐ忘れてしまいます(笑)。

とはいえ、何しろ、今は、「量的・質的緩和」プラス「マイナス金利」の時代ですからね。将来どうなってしまうのか、1000兆円に上る財政赤字を含めて、実に心配です。

ですから、少なくとも、「今、現時点で何が起きているのか」ぐらい知っておくべきではないか、と慣れない専門用語と格闘しています。

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