NHKラジオ第2で放送中の「カルチャーラジオ 日曜カルチャー 和食・日本人の伝統的食文化」(お話は日本食普及の親善大使、長島博さん)をスマホの「聴き逃しサービス」で聴いております。これがなかなか勉強になって非常に面白いのです。
特に、第2回の「日本の食文化と陰陽五行」は、知らなかったことばかりでしたので、「へ~」と思ってしまいました。
古代、中国大陸から日本に陰陽五行説が入って来ます。これらは主に政治を司る際に利用されていたと思っていましたが、日本の食文化、つまり和食にも多大な影響を与えているというのです。
物事には、「軽い」と「重い」、「柔らかい」と「硬い」、「明るい」と「暗い」など「陰」と「陽」がありますが、そのどちらかに偏るのではなく、「陰陽和合」が理想の境地だといわれます。(ちなみに、この場合、陰と陽に優劣や巧拙などの差があるというわけではありません)
例えば、和食に関して言えば、丸い器は「陽」で、四角や三角の器を「陰」と捉えます。そんな容器に食べ物を盛り付ける際、陽の丸い容器には、「陰」の角ばった食べ物を盛り付けます。陰の四角い容器には、「陽」の丸く食べ物を盛り付けします。そうすることによって、陰陽和合のバランスが取れるというのです。
もう一つ。浅い器は陽ですが、深い器は陰になります。そこで、陽の浅い容器には、陰の冷たい料理を盛り付けます。陰の深い容器には、陽の温かい料理を入れます。これで陰陽和合を完成することが出来ます。
陰陽和合ー。そんな理想の境地で和食が盛り付けられていたとは知りませんでしたよね。
講師の長島博さんは「病気になったり、体を悪くしたりする原因の99%は食べ物によります」と断言するので、私も目から鱗が落ちる思いでした。やはり、ジャンクフードばかり食べていてはダメだということなんでしょう。
長島さんは、良い食べ物をバランス良く食べることが理想だといいます。先ほどの陰陽和合の例で言いますと、魚介類は陽で、野菜が陰だといいます。だから、肉ばかり食べていないで、ちゃんと野菜も摂って、バランス良く食べるというのが一番良いわけです。
陰陽和合は他にもありまして、左が陽で、右が陰に当たるといいます。だから、食卓では、一番大切なご飯は左に置き、付随する汁は右に置くのだといいます。
先ほど、「陰と陽に優劣や巧拙などの差があるというわけではありません」と書きましたが、綿密に言えば、陽の左の方が陰の右よりも優ることがありました。例えば、古代律令制では、右大臣よりも左大臣の方が位は高いのです。
とにかく、陰陽五行説は奥が深いのです。