?「居眠り磐音」は★★★★、そして随時随所無不楽

  当初観るつもりはなかったのですが、高知にお住まいの岩崎先生から大いに薦められて時代劇映画「居眠り磐音」(本木克英監督)を観て来ました。(話は全く別ですが、岩波ホールの「ニューヨーク公共図書館」を観ようかと思ったら、一般2000円、シニアでさえ1500円ですからね。最近値上がったらしいですが、これでは映画は裕福な特権階級のものとなり、ますます映画館離れが進むのでは?)

 さてさて、「居眠り磐音」の主役は、豊後関前藩を脱藩した浪人・坂崎磐音役の松坂桃李(時代劇初主演だとか)。一見、軟弱そうに見えますが、なかなかの剣豪で、滅法腕が立ちます。(変な居眠り剣法には笑ってしまいますが)

 人気作家佐伯泰英の「居眠り磐音」シリーズが原作なので、内容はしっかりしているんですが、この映画では、ちょっと悲劇やら何やらを一辺に詰め込み過ぎていて、次から次に起こる騒動や事件でちょっと疲れてしまいました。

 観終わっても、何か途中で、話が終わっていない感じなので、これから続編が次々とつくられることでしょう。何と言っても、時代背景を綿密に考証した佐伯氏の原作人気シリーズですから、種は尽きないことでしょう。

 あらすじに触れると、これから御覧になる人には迷惑なので触れませんが、エンターテインメントとしてうまく出来ているので、小生のように細かいところにいちゃもんつけないで、そして、矛盾も軽くすっ飛ばして観ていれば、大いに楽しめるでしょう。

 何しろ、絵に描いたような「勧善懲悪」劇です。今の世の中は複雑過ぎるので、大いに泣けて、すっきりしますよ。

随時随所無不楽

 話は変わって、昨晩は、仕事で、裁可が長引いたため、「働き方改革」だというのに、普段よりも3時間も夜遅くまで一人で会社に居残っていたのですが、たまたま、京都の京洛先生からメールが来ました。

 手持無沙汰だったので、愚痴めいたことを返信したところ、京洛先生は「まあ、顔を出して、モグモグやっていれば何がしかを頂戴できるのですから、有難いと思わないと罰が当たりますよ。『随時随所無不楽』。意味が分かりますか?(笑)。『どんな時でも、どんな所でも、楽しみを見つける』という意味です。沢柳政太郎の座右の銘です。えっ?沢柳政太郎も知らない?(笑)東北、京都帝大総長を歴任した文部官僚で成城学園の創立者。狩野亨吉、幸田露伴、尾崎紅葉らと『帝大』の同期ですが、清廉潔白な人だったそうです」と仰るではありませんか。

 さすが、物識りの京洛先生です。小生、勿論、沢柳政太郎も「随時随所無不楽」 (随時随所楽しまざる無し) などいう銘も知りませんでした。

 お蔭さまで、手持無沙汰の3時間も「随時随所無不楽」という言葉だけで、充実したものとなりました。