顧客名簿が世界経済を左右している?=CATVと契約して随分節約できた友人のお話

 昨晩、旧い友人のAさんから久しぶりに電話が掛かってきました。2年ぶりぐらいでしょうか。特段の急用ではなく、世間話程度でしたが、彼には長いブランクを感じさせない話術がありました(笑)。

 Aさんとは、あることがきっかけで長い間、没交渉が続いておりました(笑)。ただ、わだかまりがあったのは私だけで、先方は何も気が付いていなかったかもしれません(笑)。Aさんは尋常ならざる多くの友人の持ち主で、私はワンオブゼムに過ぎませんからね。長いブランクがあったにも関わらず、かつての友情関係が何事もなかったかのようにリセットされたことは不思議でした。

銀座

 そんなAさんの話で面白かったことは、昨年、自宅でケーブルテレビと契約した話でした。今は、本当に凄い時代ですね。Aさんが加入したケーブルテレビJ:COMの親会社は、住友商事とKDDIなので、何と一緒に携帯電話(auのスマホ)まで契約できるというのです。しかも、それだけではありません。auの電気とガスまで契約できるというのです。

 Aさんは、佐賀県で一人暮らしですが、このケーブルテレビと契約したおかげで、テレビとスマホと電気とガス代、それにパソコンのWi-Fi代も合わせて、月に1万5000円程度で済んでしまったというから驚きです。今時、電気代の高騰で一人暮らしでも月1万円近くなりますからね。それに、それまではソフトバンクのスマホとWi-Fiの使用料だけで月に1万1000円も支払っていましたからかなりの割安です。

 テレビは4Kも見られる50インチの超大型テレビに買い替えたそうです。凄いですねえ(笑)。ケーブルテレビは有料チャンネルとは契約していませんが、それでも、基本料金だけで、CNNを含めかなり多くのチャンネルが見られるそうです。しかも衛星ではなく有線なので、以前は衛星だと天気が悪いと画面がブレたりしましたが、有線だと安定しているといいます。

 それで、テレビは何を見ているかと言いますと、何とユーチューブなんだそうです。今のユーチューブは、お笑いから資料的価値の高いドキュメンタリーまで何でも見られます。「地上波のテレビは今はつまらないでしょ? ユーチューブでも、50インチの大型テレビですから、スマホとは迫力が違います」とAさんは仰います。

 それで、ユーチューブで何を見ているかと尋ねると、Aさんは、戦中生まれの高齢者ですから、映画は溝口健二や成瀬巳喜男ら昭和初期の映画も楽しんでいるそうです。ロックやジャズ、クラシックなどはそれほど好きではないので見ていないようですが、歌舞伎や文楽を始めとした演劇にはうるさい(笑)。「吉本新喜劇は、松竹新喜劇と比べればやはり劣りますなあ。吉本は音楽が酷い。松竹は、歌舞伎を興行しているだけあって、ちゃんと『地がた』を使っていますからね。やはり藤山寛美はピカイチですよ」と鋭く批評されるのです。

◇個人情報のダダ洩れには気を付けるべし

 話はこれだけでは終わりません。世界や日本でも、もう30年以上も前から金融自由化が始まり、銀行や証券や保険などに異業種が参入するようになりました。電気会社のソニーが銀行や保険を始めるようになったのもその一例です。通信会社のKDDI=auや通販の楽天などが電気やガス事業も始めたのもその一環でしょう。

 「多角経営」と言えば聞こえが良いですが、それだけ世の中が世知辛くなったということでしょう。何もかもに手を出さないと企業は生き残れなくなった時代になったわけです。新聞業界も本業では赤字が続いてますから、不動産業にシフトしているくらいですからね。また、百貨店も家電量販店も、ファッションブランド店も、どこもかしこもカードをつくって、顧客の「囲い込み」に必死です。もうカード会社みたいなもんです。

 結局、顧客名簿が世界経済を左右しているということになります。グーグルもヤフーも、フェイスブックもツイッターも、タダで仕入れた顧客名簿の個人情報が生命線です。今、話題になっているマニラから日本に護送されている特殊詐欺強盗グループも、そういった個人情報を巧みに入手して犯罪を行っていたわけですから、気が抜けない毎日ですよ。

ついに私もポイント乞食、いやポイント奴隷に

 ついに私も三木谷王国の軍門に下ってしまいました。

 世界中では今、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)の寡占状況が叫ばれていますが、我が邦では、公社あがりのガリバーか、稲盛様か、孫様か、三木谷様のいずれかを選ばなければならない体制になってしまっています。もちろん、格安何とかもありますが、「安心・安定」で選ぶなら、この四つの王国を選ばなければなりません。

 私は今、スマホは稲盛王国のものを使用していますが、毎月8439円も掛かり、日頃からどうにかしたいと思っていました。通話かけ放題プランですが、データはわずか、月に3GBしか使っていないのに、高過ぎます(調べたら、iPhoneなので、毎月アップルに保証費1309円払っていました)。

 そこで、驚異的な価格を発表した三木谷様のスマホに乗り換えようかと模索しているのです。でも、三木谷王国では、iPhoneがなく、SIMを交換してようやく使えるようで、IT音痴を自認する小生としては、いまだに自分で操作する自信がなく迷っているところです。

 でも、ラジオで興味深い話を聴きました。「三木谷王国経済圏」です。銀行も証券もスマホも電気も通販のお買い物も、三木谷様の王国を使えば、ポイントがバンバン溜まり、年間6万円~10万円も得(ポイント獲得)するというのです。

 私の場合、スマホだけで年間10万円以上支払っていますから、ちょうどその分助かるというわけです。

 ということで、銀行は三木谷王国の口座を契約してみました。コンビニで入出金できるので、意外と簡単でした(ただし、条件により手数料掛かります)。この銀行のデビッドカードを現金代わりに使えばまたポイントも溜まるという仕組みです。

 これで、「経済圏」の一員になるには、あとは、スマホと電気を三木谷王国に代えるかどうかになりました。

 コンピューターは0と1の世界ですから、中間や曖昧さがありません。all or nothing の世界ですね。勝つか負けるか。寡占するか、敗退してゼロになるかの世界です。「2位では駄目ですか」では駄目なのです。消費者は、否が応でも、こうした「経済圏」の覇者争いに巻き込まれます。

 でも、実にせこい話です。私自身は三木谷様とは面識もありませんし、王国に絶大なる信頼をしているわけでもありません(ただし、通販やカードを利用すると、しつこいくらい小まめにメールで連絡してくれることは大変有難い)。それなのに、ポイントを獲得するために乞食になるしかありません。いや、乞食じゃありませんね。三木谷王国の奴隷ですね。

 庶民の経済防衛として、究極の選択です。よゐこの皆さんは真似しないでください、と言っても真似する人は多いことでしょう。だって、真面目に現金払いをしても全くポイントが付きません。それに、この渓流斎ブログの影響力は絶大ですからね(爆笑)。