「国難突破解散」なのか、「敵前逃亡解散」なのか?

日比谷公園(本文と関係ありません)

安倍首相が昨晩記者会見しまして、28日の臨時国会召集日に、演説も質疑応答もなく、問答無用の「冒頭解散をする」と宣言しました。

解散の理由が、遠い先の2年後の消費税増税の使い道の変更を国民に問いたいからだそうな。そして、北朝鮮ミサイル危機に対処するためというもの。自ら「国難突破解散」と命名しましたが、本音は「今がチャンス」と思ったからでしょう。スキャンダルにまみれ、離合集散してる今の野党では勝ち目がない、と踏んだのでしょう。

「国難」を煽り立てれば、国民は不安になり、付け込む隙を確保できますからね。

早速、民進党の前原代表は「森友学園、加計学園問題隠しの責任逃れ。『敵前逃亡解散』だ」と口汚く罵っております。

有難いことに今の時代は、男女同権の民主主義ですから、最終的に、この顚末は国民の判断に委ねられます。前回の選挙でも、国民の判断で安倍さんを選んだのです。

とはいえ、投票率は2014年12月の衆院選は、52.66%、2016年7月の参院選は54.70%。半分近くが棄権してるわけです。つまり、半分ちょっとの国民から25%ぐらいの支持を得れば、好きなことが何でもできますよー、というのが、今のお寒い日本の実態なわけです。

自民党の暴走に歯止めをかけたいという人たちの間では「受け皿がない」という不平不満が広がってます。もう、民進党では頼りないし、まさか共産党に入れるわけにはいかない、というわけです。

今夏の都議会選挙では、「都民ファースト」が反自民の受け皿になり、内閣支持率も下がり、安倍首相が「反省」する題材を与えました。

今回、そのフィクサーの小池都知事が、都政を投げ出して、自ら新党「希望の党」の代表に就任するということですが、これで、彼女は都知事より総理大臣の椅子を狙っていることがはっきり分かりましたね。

恐らく、10月の総選挙で自民党が議席を落として、希望の党と連立を組まざるを得なくなり、党首の小池さんが主導権を握るのではないでしょうか。

政治の世界は「一寸の先は闇」の世界ですから、この先どうなるか分かりませんが、税金を払っている国民がもっともっと責任を持たなければなりません。

まさか、中川秀直さんや宮崎謙介さんや山尾志桜里さんといった不倫スキャンダル議員や豊田真由子さんといった暴言暴行議員をまた選ぶんじゃないでしょうね?

今読んでいる「江戸の銭勘定」の中で、江戸時代の不倫のことが出てきましたが、南町奉行の大岡裁きによると、不倫は姦通罪で、男も女も、市中曳き回しの上、斬首され、浅草で獄門の刑に処されたそうです。(白子屋お熊事件)

件の議員さんたちは、江戸時代に生まれなくてよかった?

パブ屋ばっか跋扈

今はほとんど読まれなくなってしまった作家山本夏彦が、何の本か忘れましたが、エッセイで「全ての新聞や雑誌の記事は宣伝である」といったような趣旨で世相を斬り、世の中の本質を喝破しておりましたが、私も最近、そのことを痛感しております。

媒体(メディア)として、新聞・雑誌が、ラジオやテレビに代わり、それがネットに代わっても窮極的には同じなのです。

番組も記事もサイトも全て、宣伝、広告なのです。

政治の世界で、「安倍首相がどうのこうの」と書けば、自民党の宣伝になりますし、経済面に「iPhone8が発売」と書けば、米アップルの広告、スポーツ面に「清宮、プロ宣言」と載れば、職業野球興行の宣撫活動といった具合です(笑)。

以前は、それを世間の人に分からないように、巧妙な手口で、いわゆるサブリミナル効果を狙っていました。福島原発事故を起こす前の東京電力なんかは、莫大な広報宣撫活動費を使って、記者やジャーナリストを接待して、提灯記事を書かせ、「安心安全」「明るい未来の原子力」を演出しました。

それが最近は、露骨になりましたね。テレビはBSのチャンネルが増えて、「電波の希少価値」が薄れ、朝っぱらから「テレビ・ショッピング」ばかりやってます。

ラジオを聴けば、「痛散湯」「痛散湯」と耳にタコができるくらい連呼して、本当に耳にタコができてしまいました(笑)。

ネットも宣伝広告だらけで、一度見た広告は、いつまでも、何処までもついてきます。パソコンで、しょうがなく仕事で調べものをしただけなのに、見たくもない顔のタレント(の宣伝広告)が、どこのサイトを開いても、いつまでも付きまとってきて、仕事にならないほどウンザリすることはしょっちゅうです。

冷静に観察すれば、検索エンジンのグーグルやヤフーは、検索を隠れ蓑にした広告宣伝会社であり、SNSのLINEやツイッターやフェイスブックも交流サイトを謳った宣伝会社です。彼らの広告費獲得行為を「ビジネスモデル」などと高尚な言い方をしているだけなのです。

先日聞いた話ですが、皆さんも御存知の某テレビ局の某報道記者が、上司から、ある取材を命じられた時、「何で、パブ屋のお先棒を担がなきゃならないのですか」と反抗したことがあったそうです。

うーん、随分気骨のある人だったんですね。

とはいえ、「これは個人の感想です。効果には個人差があります。」と私も顰みに倣って付け加えておきます(笑)。

安河内さん、出てましたね

foigras

「ヤスコーチ君がテレビに出てますよ」ーとのチェーンメールが昨日、世界的規模で瞬く間に広がり、私も昼休みを利用して東京・新橋の街頭テレビで見てきました。

NHKの「サラメシ」という番組で、各企業の社員食堂やお弁当などを紹介する番組です。

ヤスコーチ君というのは、老舗出版社の新潮社に勤めている安河内龍太様のことで、「敏腕編集者」として業界では有名人です。

番組では、しっかり実名と実年齢までもが明記されてましたので、本人も意欲満々でした。安河内先生は以前に「識者」として、東京新聞のオピニオン欄にも登場されてましたから、御存知の方々も多いことでしょう。

番組では、ボリューム沢山の日替わメニューが紹介され、「チキンライス」と言いながら、この他にコロッケやナポリタンなどもサイドメニューとして用意され、どれだけ盛っても200円という超破格な御値段!

おーい、今度俺も食べさせてくれい!

「サラメシ」の番組紹介欄には「東京神楽坂の新潮社にはユニークな社食がある。社員は約500。社食が登場したのは昭和41年。現在も総務部直轄で運営している。青木繁幸シェフの正式な肩書も総務部食堂係主任となっている。きょうのメニューはのりのり丼ということだが、青木シェフは早速中華麺を茹で始めた。出版の現場からは炭水化物のリクエストが多い。今日は焼き魚など6品をつくる。揚げ物などの仕込みも当日行い、その数は280人分。」とありました。

鬼の編集者、安河内先生は「のりのり弁なんて聞いたこたあねえな」と言いつつ、美味しそうに頬張っておりました。

この鬼の編集者とは、もうかれこれ27年も昔、渋谷区神南のNHKの11階にあった放送記者クラブで知り会いました。当時、彼は東京タイムズ(現在休刊)の若い駆け出し記者でしたが、その頃から風格があり、私なんかより10年以上先輩に見えました(笑)。

安河内記者の東京タイムズの先輩というか、上司というか、デスクというか、編集主幹とかいう人物が、今は関西広域を拠点に活動されている京洛先生でした。当時は東京に住んでいたので、自ら調布先生と名乗っておりました。

放送記者クラブには、各社のユニークな名物記者のオンパレードでした。「ザッキー」の異名を持ちスクープ記者として恐れられたサンケイスポーツの尾崎さんを始め、報知の稲垣さん、産経の岩切さんと安藤さん、毎日の仲西さん、東京の村上さん、そして立命館大学に奉職された日経の松田さんら昭和30年代の日本映画の黄金期とテレビ草創期を過ごした超ベテラン記者揃いでした。

当時若手ながら、後に放送評論家として名を成す読売の鈴木嘉一さんや朝日の隈元信一さんもおりましたね。

マスコミ業界では、文化、学芸、芸能記者は、政治、経済記者らよりも一段も二段も低く蔑まされて見られておりましたが、実はなかなか奥が深い(笑)。レコード大賞を作ったり、地方の美術館の館長さんにデーンとおさまったり、演劇、映画評論家になったり、大学教授に招聘されたり多士済々なわけなんです。

あっ?鬼の編集者から話が飛んでしまいましたね(笑)。ま、い、か。

日美と幻冬舎

存在が意識を規定する

昨日は、関西広域を活動拠点にされている京洛先生から、「政界の黒幕」と言われた大谷貴義(1905〜91)のことをご教授受けました。

そこで、私なりに調べてみますと、驚くべき事実が判明しました。

大谷氏は、昭和の初期から活動されていて、政財界を始め裏社会の方々にも精通されていたようです。ざっと見ただけでも、元首相の田中角栄、昭和の最大のフィクサー児玉誉士夫、国際興業の小佐野賢治、山口組三代目田岡一雄組長、東声会の町井久之会長らロッキード事件などでも登場した錚々たる歴史的人物です。

しかも、作家吉川英治夫妻と福田赳夫夫妻を媒酌人に長女享子(1957年度ミスユニバース日本代表)が裏千家宗家の三男巳津彦と結婚したため、茶道界にも縁戚があります。

政財界だけでなく、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川、メリー喜多川きょうだいを駆け出しの頃にお世話をしたことがあるらしく、芸能界にも通じることになります。

「日本の宝石王」と呼ばれた大谷氏は1956年6月に日本美術宝飾倶楽部を設立し、62年に社名を日美と変更して、宝飾卸業から不動産業、清掃業に至るまで、幅広く多角経営に乗り出します。

今は東京は西新橋に本社を構えているようですが、日美の公式ホームページを見て驚きましたね。あのプリンスホテルの清掃業を請け負っているだけでなく、意外にも出版界の風雲児見城徹社長が率いる幻冬舎ビルの清掃業まで請け負っているのです。

日美は現在、大谷貴義の三代目の方が継いでおられるようですが、幻冬舎とも接点があるとは、凄い偶然ですね。

(歴史的人物ら一部敬称略)

座談会 大谷貴義物語

関西広域を活動拠点にしている京洛先生から昨晩電話がありまして、急に「渓流斎さんや、『新潮45』の今月号は読まれましたか?面白いこと書いてありますよ」と仰るではありませんか。

「いやあ、読んでませんよ。何かありましたか?」

「いや、バブルを特集しているんですが、あれからもう30年経ちましたから歴史になりましたね。若い人は知らないでしょう」

「歴史ですかぁ…。もう許永中とか言っても若い人は誰も知らないでしょうね」

「でも、多くの人は許永中は知ってても、その親分の大谷貴義(1905〜91)を知ってる人は少ないでしょう」

「えっ?大谷?宗教関係の方ですか?」

「ハハハ、まさか。最後の黒幕と言われた人で政財界の大物に食い込み、福田赳夫首相の黒幕として暗躍していたことは、当時の新聞記者なら誰でも知ってましたよ」

「えっ?知らないですねえ…」

「これだから、渓流斎さんは駄目なんですよ。大谷貴義を知らなければ潜りですよ。探訪記者なんぞと自称する資格なしですよ(笑)。大谷貴義は、『日本の宝石王』と呼ばれた実業家です。代々木上原に1000坪の大豪邸を構え、許永中は、彼の運転手兼ボディガードとして働き、政財界の裏を一から学んだわけですよ」

「芸能界のドンと言われているバーニングの周防さんも、若い頃は浜田幸一議員や歌手北島三郎の運転手を務めるなど長い下積み生活を送って、政財界や裏社会を見てきたことは有名ですからね」

「ああたは、すぐそういうことを言いますね(笑)。でも、世間の人は全く分かってませんが、『下足番』が一番世の中の仕組みを分かっているのですよ。文字通り、料亭の下足番です。政財界の大物が出入りしますから、その人の顔と序列と地位を熟知していなければなりません。勿論彼らのボディガードもです。靴を間違えようものなら、首が飛びますよ。木下藤吉郎だって、信長の下足番から出発して大出世を遂げたわけでしょ?」

「なあるほどね。大谷貴義さんも若い頃は相当苦労したんでしょうね。よく福田赳夫首相に食い込みましたね」

「まあ、しかしながら、黒幕ですからね。息子の福田康夫は親父の秘書もやってましたから、清和会の中でそういう人間関係を見てきたわけです。だから、彼は二世議員で首相にまで上り詰めてもクールだったでしょ? 色んな汚い、嫌な面を沢山見てきたからなんでしょう。だから、最後に中国新聞の記者に向かって『わたしとあなたとは違うんですよ』と突然キレて、世間から見ると唐変木に聞こえるような名台詞を吐いて、首相を辞めるわけです。

若い頃にたくさんのドロドロしたことを見過ぎたせいで、醒めた人間になったのではないでしょうか」

「なるほど。そういうことでしたか…」

(創作につき、一部敬称略)

日本取引所グループとは

Ma fiiie et son mari célébraient le mariage  dans la salle de noces à Saitama Shintoshin hier. Bien sûr J’assistais au mariage comme le pèré de mariée.Toutes mes fellicitations  pour elle.

9月16日(土)、東京駅近サピアタワーの甲南大学ネットワークキャンパス東京で開催された夏期公開講座に参加してきました。

日本人は、ゲームやスポーツ観戦で忙しいらしく、参加者はわずか10人ちょっとでした。

課題は「株式市場の裏側で」。講師は、日本取引所グループ弁護士の山本渉氏。株式市場とは何なのか、その実態が知りたくて内容もよく鑑みないで6月に申し込んだのですが、講師は弁護士の方で、専門は商法とか会社法とか法律ですから、株式取引の法解釈が主眼点でしたので、少し拍子抜けしてしまいました(笑)。

それでも、私の知らない世界なので大変勉強になりました。

日本取引所グループとは2013年1月に東京証券取引所(東証)と大阪取引所(旧大阪証券取引所)が合併してできたものです。東証は1部2028社、2部524社、この他マザーズ、JASDAQなどを扱い、大取は、先物・オプションのデリバティブを扱ってます。

知らなかったことは、東証が毎日発表している株式指数TOPIXは、1968年1月4日の時価総額を100としたもので、現在1600(ポイント)以上ありますから、半世紀前と比べて指数が16倍になったということだったのです。

ちょうど半世紀前は、敗戦国日本が高度経済成長の働き蜂の末、GNPが世界第2位に躍り出た年でした。

その16倍になったとはいえ、庶民の生活がそこまで豊かになったとあまり実感できませんけどね。

山本講師の話の中心は、今話題になっている東芝問題で、虎の子の半導体会社を売却しなくては会社存続の危機に立たされ、しかも、今年9月までに売却先を決定しなければ、手続きの関係で間に合わないという話をしておりました。その前に東証の会計監査は機能していたかどうかといった問題にも触れてました。(これ以上の詳細は機密事項でした=笑)

東証に上場する企業には、時価総額基準なるものがあり、この基準を満たさないと降格や廃止などの他に、上場契約違約金を支払わなければならないそうです。

会社は生き物ですから、企業経営の厳しさを垣間見ました。

左傾青木とスシロー田崎との対立は左翼と右翼との対立ではないということ

Roma

この春先から夏にかけての森友学園、加計学園問題、いわゆるモリカケ・スキャンダルが怒涛の如く報道されました。(お陰で自民党の支持率が急落しました)

この時ほど、メディアの旗幟が鮮明になった時代はないですね。つまり、安部政権批判の「朝日新聞、毎日新聞、東京新聞、共同通信」対安倍政権擁護の「産経新聞、読売新聞」連合の構図です。

「場外乱闘事件」として 話題になったのが、前川喜平・前文科省事務次官の新宿・歌舞伎町の「出会い系バー」通いを報じた読売新聞でした。

ちょうどモリカケ・スキャンダルの真っ最中でしたから、「核心を熟知している当事者の口封じではないか」「何で現役の時に言わないのか」などと侃侃諤諤の議論が展開されました。

あれから、その総括ではないでしょうが、一連のスキャンダル報道にも関連して、「journalism」(朝日新聞社出版局)9月号が「問われるメディアと権力 ジャーナリスト座談会 政治権力とどう向き合うか 監視か提言か、その役割」と題して19ページの長い特集を組んでます。

座談会の出席者は、司会役が渡辺勉朝日新聞編集委員(元政治部長、1961年生まれ)。ほかにジャーナリストの青木理(元共同通信社会部記者、1966年生まれ)さん、倉重篤郎毎日新聞専門編集委員(1953年生まれ)、田崎史郎時事通信特別解説委員(1950年生まれ)、薬師寺克行東洋大教授(元朝日新聞政治部長、1955年生まれ)の4人。

どういう根拠でこの4人か5人が選抜されたのか分かりませんし、これだけ、読売新聞の「前川喜平・前文科省事務次官口封じ問題」を取り上げているのに、読売新聞関係の人を一人も呼ばず、「欠席裁判」の形で座談会をやるなんて、いかにも朝日新聞社の発行するメディアらしいといえば、メディアらしい(笑)。

世の中のメディアの世界は、いくら花田さんが、御自分の出身母体である文藝春秋が朝日化したと糾弾しても、朝日新聞社中心に回っているのは確かで、そのおこぼれを産経新聞や文春が預かっているという構図は変わらないわけです。(「朝日はおかしい」と書いて、お金をもらっているという意味)

つまり、その一例として、大手の朝日新聞社なら、政治部長さえ務めれば、薬師寺さんのように、東洋大教授のポストが用意されていることが分かるのです。

で、この座談会は、見事、旧態依然の教条主義的左翼の共同通信出身の青木さんと、時の権力者の擁護者というより、安倍の代弁者以上のイタコのような発言をテレビのワイドショーに出まくって、獅子の如くまくしたてる政権護持、極右反動主義的な時事通信出身の田崎さんとの対立が浮かび上がっておりました。

田崎さんは「安倍の提灯持ち」「ジャーナリストなのに安倍と毎月のように夜に会食して、権力に擦り寄っている」と批判されても馬耳東風。「よく、安倍さんとの会食は、官房機密費から出ているという人がいるが、自分たちで払っている」「僕は、家で読売と朝日しか取っていないけど、朝日は間違ってる。読売の報道の方が正しい」と主張するばかり。

それに対して、青木さんは「ジャーナリストは、ウオッチドッグ(権利の監視者)に徹するべきで、読売新聞のように、『改憲草案』を出すようなことは報道機関の仕事ではない。そんなことした瞬間、メディアではなく、政治団体化するではないですか」と、真っ向から見事に田崎論を痛烈に批判するのです。

ここで、本来ですと、読売新聞関係者か渡辺恒雄さんに登場してもらって、持論を展開してもらいたいところですが、それはないものねだりです。

要するに、若い青木さんは、ジャーナリストは「社会の木鐸」であるべきで、反権力志向でなければいけないという書生論。老獪な田崎さんは、所詮、情報なんぞは権利者と寝てナンボといった、ちょっと下衆な言い方ですが、権力者の懐に飛び込んで情報を獲得するというスタンスの違いなだけなのです。

そこで、この二人の論争についてどう思われるのか、ジャーナリスト経験の長い京洛先生に伺ってみると、実に的を射た的確な意見を開陳するのです。

…(京洛先生曰く)青木さんは、いみじくも「このままではメディアが政治団体化してしまう」と仰ってましたが、昔から、メディアそのものが政治団体なのです。不偏不党だの中立公正などありえないのです。だから、本質論に欠けてます。

政治とはなんぞやという書生論を置いといても、自分たちの利益になるように我田引水するのが政治です。明治の成島柳北の朝野新聞も、幕府の旗本だった柳北らが発行した、薩長土肥の藩閥政府に対する反権力的な政治新聞で、権力者を批判し大新聞と呼ばれてました。

だから、新聞の根本は政治だということを若い社会部出身の青木さんは分かっていない。

そもそも、情報産業というのは帝国主義的、植民地主義的なところがあり、ロイター通信が大英帝国の尻馬に乗って、欧州の片田舎から1840年、ついにアヘン戦争を起こした中国大陸の香港に支局を開設するまでに至るのです。

青木さんの共同通信の先輩に当たる魚住昭さんが「メディアと権利」(講談社)の中で、ナベツネさんが、1965年の日韓基本条約締結の際に、右翼の大立者児玉誉士夫ととともに、黒子として暗躍したことを事細かく詳細してますね。

つまり、渡辺恒雄さんは、日韓交渉を第三者の傍観者として取材したのではなく、プレーヤーとして、当事者になっていた様が描かれてました。これでジャーナリズムとは、政治団体そのものだということが分かります。

要するに、ジャーナリストとはスパイなんですよ。あっちに行っては情報を貰い、こっちに来ては情報を漏らし、二重、三重スパイを働いているわけです。

ジャーナリストなんて、広告主や権力者の宣伝ビラを書く、代弁するコピーライターみたいなもんですよ。

だから、テレビに出るようなコメンテーターは、中立ではなく、どこからか金を貰っているスパイだと思えばいいのです。

政権護持の発言ばかりしているスシローはスパイだ、と思えばいいのです。ジャーナリストなんて体裁よく呼んでいるから誤解するのです。戦時中の影佐機関、里見機関、許斐機関と実質変わらない、と思っておけばいいのです。

大学の肩書を持っている人間なら、その大学を宣伝をするサンドイッチマンなんです。

 鶴田浩二の「街のサンドイッチマン」さえ、知らなければ、サンドイッチマンと言われても、何なのか分からないでしょうけどね(笑)。…

おしまい

高野山に眠る著名大名 信玄・謙信・信長・光秀・三成…

雨飾山(百名山)

仕事の取材とプライベートの旅行で、既に30歳代で、北海道から沖縄まで全国47都道府県の全てを踏破しましたが、まだまだ行っていない所、行ってみたい所は数知れず。日本は結構広いです(笑)。

これまで行ったことがなくて、是非行きたい所の中に、空海が開いた高野山(和歌山県)があります。でも、諸般の事情で今年も行けそうにありません。そしたら、NHKの人気番組「ブラタモリ」で3週連続で特集をやってくれているので、食い入るように見ています。

いやあ、知らなかったことだらけですね。

特に、空海の「御廟」がある奥の院につながる道筋に実に30万基もの墓と供養塔があり、多くの有名人や大名が眠っているという事実には驚かされました。

戦国武将武田信玄と上杉謙信の墓が目と鼻の先にあるかと思えば、織田信長と明智光秀の墓まで側にあるのです。このほか、小田原の北条、仙台の伊達、薩摩の島津、加賀の前田、柳川の立花などの大名家もありました。意外にも関ケ原で敗れた石田三成までここで眠っていたのですね。

かつて、高野山は「追放」や「亡命先」のような側面がありました。有名な史実は、関白豊臣秀次でしょう。秀吉の世継ぎとして一旦は指名されながら、淀君(浅井長政と信長の妹お市との間に生まれた茶々)に実子秀頼が生まれたことから、秀吉に疎まれて、高野山に幽閉され、結局は自腹を切らされます。

この事件がきっかけで、秀吉の信望が厚かった山内一豊(掛川)や田中吉昌(岡崎)ら秀次の御家中衆や仙台の伊達政宗らが秀吉から離れ、彼らが関ケ原では家康側についてしまう原因となってしまいます。

関ケ原後、信州で秀忠軍を食い止めた真田昌幸・信繁(幸村)  親子も高野山に幽閉されましたね。このように、高野山は政治的裏舞台でもあったのです。

で、何で、これだけ多くの墓や供養塔があるのかと言いますと、番組によりますと、お釈迦様が入滅した56億7000万年後、弥勒菩薩の姿で復活され、空海もいわば「通訳」としてこの世に復活するというのです。同時に空海の側に控えている人たちも復活するということで、奥の院にこれだけ多くの墓や供養塔があるというのです。

復活というと、まるで耶蘇教の教えのようですが、戦国大名らは信じたのでしょう。彼らだけでなく、現代でもパナソニックやクボタなどの大企業がお墓か供養塔をつくってましたから、信仰の深さは変わらないということなんでしょう。

有名人のお墓の中には、俳優の鶴田浩二がおりましたが、番組のアシスタントの若い優秀な近江アナウンサーは、鶴田浩二のことを「知らない」と言うのでカルチャーショックを受けましたね。あんな一時代を築いた大物俳優でさえ、忘れ去られてしまうとは!

「街のサンドイッチマン」も知らないことでしょう。

嗚呼、諸行無常

もう勘弁してほしい北朝鮮ミサイル

築地「蜂の子」Bランチ 880円

今朝7時、いつものようにラジオでNHKニュースを聴いていたら、突然番組が中断して、あとは北朝鮮のミサイル発射ニュースのオンパレード。

Jアラートは、この前知りましたが、今回はエムネットとやら、何か緊急事態連絡網があるらしく、テレビをつけると、全ての放送局が北朝鮮緊急速報をやってました。(やらなかったのは、WOWOWなどBSの有料放送ぐらいでした)

困ったものです。今のところ、被害は確認されてませんが、戦時中の空襲警報を思い起こさせます。

あのカリアゲ君は、危ない玩具を与えられた幼児のように大はしゃぎしていることでしょう。彼より、彼の背後に控える軍服を着たニヤけたお爺さんの方が薄気味悪いし、独裁国家政権の宣撫活動を一気に担う太ったおばさんアナの勇ましい声と笑顔も気持ち悪いですね。

個人的な感想ですが。

日本の庶民は生活に追われてますから、通勤電車は動くのか、安心して隠れる建物や地下がないのにどうしたらいいのか、といった問題の方が切実です。

ただ、私が危惧することは、国民の危機が一方的に煽られて、為政者も正義を振りかざして軍事衝突にエスカレートすることです。

何しろ、向こうは水爆実験まで成功させ、「日本に四つの核爆弾を落として、列島を破壊する」とまで言ってますし、虚勢を張っているとはいえ、やらない確率はゼロ%と断言できませんからね。

1950年に始まった朝鮮戦争では、軍人だけでなく、巻き込まれた一般市民を含めて何と500万人もの犠牲者が出ました。(先の大戦の日本の被害者は300万人)しかも、未だ終結したわけではなく、「休戦状態」なのです。

今回有事になれば、北朝鮮から大量の難民が周辺国に押し寄せることでしょう。

北朝鮮も、日本の戦時中のABCDラインの包囲網のように石油が禁輸されれば、イチコロなんでしょうが、中国とロシアは「絶対的核心」で、緩衝地帯として、北朝鮮を残しておきたいので、密かに大量の石油や資源を送り続けることでしょう。

古代の北朝鮮の高句麗は、韓民族ではなく、ツングース系(ケモノヘンに白)族ですし、中国とロシアの意向で、北朝鮮の崩壊は無理だと考えて間違いないでしょう。

ですから、恐らく、北朝鮮はグアムや米西海岸辺りにまで届くICBMの実験に成功するまで確実にやめないでしょう。カリアゲ君は、異母兄まで殺害指示するぐらいですから、精神構造は、日本で言えばまだ戦国時代です。

嗚呼、二律背反、絶対的自己矛盾。

スーパーコンピュータの権威の素顔

米テネシー大学ジャック・ドンガラ特別栄誉教授 Copyright par Duc de MatsuokaSousumu

勿論のことながら、「渓流斎」は私の雅号、「朋之介」は字(あざな)です。渓流斎は、釣りとは関係なく、奥入瀬渓流から拝借したことは以前にも書きました。朋之介は、いわゆる一つの筆名ではありますが、これは朋の助け、つまり友達からの助け、という意味なのです。

人間一人では生きていけませんし、何らかの形で周囲に迷惑を掛けたり、助けたり、助けられたりすることは、人間の業というものです。

ということで、本日は、いつもこの日乗の写真で助けられております「松岡二十世とその時代」の著者松岡將氏から送られてきました写真をまたまたお借りすることにしました。恐らく、松岡氏はまさか掲載されるとは思わず、腰を抜かすことでしょう(笑)。

このおじさん、誰ですか?

無礼者!この方を誰方と心得る。前の副将軍、いや、世界的スーパーコンピュータの権威の大権現、米テネシー大学ジャック・ドンガラ特別栄誉教授にあらせますぜよ!

それにしても、ドンガラ特別栄誉教授の持ってるものは何?

9月7日付日経最終面 Copyright par Ducde MatsuokaSousumu

それを拡大したのがこちら。9月7日に日本経済新聞最終面に掲載された「交遊録」です。筆者は松岡聡東工大教授。松岡將氏の御自慢の御子息で、彼も世界的スーパーコンピュータの権威です。

 内容については、この記事をお読み下され。

 世界60億人の中のほんの一部の皆様に御愛読頂いております日乗ですが、世界的スーパーコンピュータの権威様も、恐らく吃驚されることでしょう(笑)。