緊急事態宣言・疫病下の東京五輪狂詩曲

 宰相のガースーさんは「もう民百姓の面倒は見きれん」と、ついに匙を投げてしまいました。「もうどこの病院も患者でいっぱいじゃ。疫病に罹ったら中等症でも長屋で黙って寝ていろ!」と御前会議での勅許を得ることなく、記者会見も開かず勝手に通達してしまったのです。

 これに怒った水戸浪士たちは桜田門外で、ガースーを待ち伏せておりましたが、ガースー宰相は、予定を変更して、東京・虎ノ門のホテル「The Okura Tokyo」内のレストラン「オーキッド」で秘書官と朝食を楽しんでおりましたので、難を逃れました。

 巷では、東海道五十三次飛脚大合戦と浜名湖古式遠泳競技大会の真っ最中で、これに参加した邦人と異人との間で疫病蔓延が拡大しているのではないかというのが、適塾の緒方洪庵先生の見立てです。

築地・手打そば「つきじ文化人」フランス語講師のベルギー人ローランさんが板前さんやってました

 感染拡大を怖れた庶民があれだけ大会開催に反対したというのに、国際遊戯委員会のヨハン・セバスチャン・バッハ男爵と、米南北戦争の北軍の英雄で、電気紙芝居会社を起業したエヌ・ビーシー会長らの策略で開催は強行されました。全ては天保通宝の威力の賜物でした。お主も悪やのお~、あれです。

まさに、飛脚合戦と遠泳大会は、国際政治の策謀と渦に巻き込まれました。旧おろしや帝国の流れを汲むベラルーシ国の最高責任者ルカシエンコさんという大統領(66)は、「欧州最後の独裁者」と言われ、「大会でメダルを獲らずに帰国したら、牢屋に入れちゃうからねえ」と派遣選手団を脅迫したらしく、女子飛脚大会で予選敗退したツイマノウスカヤ選手は母国帰国を拒否して、ピアノの詩人ショパンを生んだポーランドに政治亡命することになりました。3年後の巴里大会には、 ツイマノウスカヤさんは、ポーランド選手として参加するかもしれませんが、彼女のご両親やご家族はどうなってしまうのか心配です。

それにしても解せないのは、ドーピング違反で出場停止処分を受けたおろしあ国が、国としてではなく、おろしあ遊戯委員会(ROC)だったらいいよぉーと、個人参加が許されたり、香港が優勝しても、他の国の異次元の国歌が会場で流れたりしたことです。誰も「おかしい」と声を大にして叫ばないんですからね。不思議です。

築地・手打そば「つきじ文化人」淡雪せいろ1080円

 そもそも、熱中症が危険視される猛暑のニッポンの夏に大会を開催すること自体が間違いの元です。NBA、大リーグ、アメフト、サッカーとドル箱の競技が目白押しの秋のシーズン開催を避けたいという電気紙芝居エヌ・ビーシー会長の思惑と策略によるものです。

 蝦夷地も、このところ、日中は35度に迫る猛暑で、せっかく江戸開催のマラソンと競歩を蝦夷地への移転開催を決めたというのに、これでは、効果ないかもしれませんね。蝦夷地で選手がバタバタ倒れないことを祈るばかりです。

 あらあら、もっと明るい前向きな話をしたいのに…、うーん、ちょっと無理ですかねえ。

疫病下の東京オリンピアード=熱狂と祝祭を求めて銀座をブラブラ

  7月26日(月)は東京五輪開催4日目です。

  昼休み、日本を代表する繁華街、東京・銀座の街中を歩いて、その熱狂と祝祭気分を取材してみました。

銀座SIX

 うーん。この通り、大型店舗は、どこでも、「検温実施」「マスク着用」「手指のアルコール消毒」など励行するよう入口にデカデカと案内看板を設置しています。

 もう見慣れた表示ですが、あと5~6年もすれば、貴重な歴史的写真になるのかもしれません。

午後1時過ぎの銀座通り この通り、人も車もガラガラです。

 東京五輪は「無観客試合」ということになり、テレビ中継でしか競技を見られなくなりました。これなら、何処かの遠い遠い異国の地でやろうと、同じです。まさに、テレリンピック!

 「ニッポン、金メダ-ルゥ~」と、テレビの実況アナウンサーが大袈裟に雄叫びを挙げています。まさにマッチポンプです。「狼が来た、狼が来た」と狼少年のように煽り立てて、叫んでいます。その側では、誰かが「ガン、ガン、ガン」と大きな銅鑼を叩いています。その催眠術に罹ったのか、昨日まであれだけ開催を反対していた輩まで、「やっぱ、やって良かったね。この感動は代えがたいねえ」と、恋人、夫婦、家族で顔を見合わせて笑っています。

 これが人間ですねえ。

 いいじゃないか、人間だもん。

銀座「日新堂」 このパテックフィリップの時計、1億円ぐらいかなあ~?この辺りもガラガラで熱狂なし

 それにしても、オリンピックって、政治そのものですね。国威発揚の場でもあります。北朝鮮は選手団を派遣しませんでしたし、中国は「日本は防衛白書で我が国を敵視している」、生意気だ、とばかり、開会式への高官派遣を急に取りやめました。

 結局、顔を見せた大物の国家元首は、次期開催(2024年のパリ五輪)が決定して仕方なく(?)来日したフランスのマクロン大統領ぐらいでしょうか。他の大物元首の皆さんは、日本が、新型コロナウイルス変異種の培養・育成・拡散場と化していることを怖れているんでしょうか?

 まあ、こんな感じで、オリンピック開催中だというのに、東京・銀座では熱狂も祝祭気分も全くなし。

 ランチに入ったドイツ料理店「ローマイヤー」でも、隣りに座った男女3人組は関西人で、ずーと、途切れもなく関西弁で話し続けていましたが、オリンピックの話は一切なし。よく分からない仕事関係の話をしていました。

 写真のように、五輪のマークの入った「表示板」(?)を撮らないと、オリンピックを開催している都市とは分からないほど。

 それが現実でした。