ジェームス・ディーン似のジーンズと仏友会と北原安奈さんが議員当選したお話

 本日は二日酔いでしたので、例のLee 101zのジーンズを履いて会社に出勤しました。別に深い意味はありませんが…。「例のLee 101zのジーンズ」というのは、4月20日付の渓流斎ブログに書きましたが、「有言実行」で、ジェームス・ディーンが愛用したモデルジーンズを買っちゃったわけです(笑)。結構高かった。

 二日酔いになったのは、ちょっとワインを飲み過ぎてしまったからです。昨日は、東京・大手町のサンケイプラザで開催された大学の同窓会「仏友会」に参加し、講演後の懇親会で美味しいワインを頂いたら、すっかり調子に乗ってしまい、帰宅してから家にあったワインまで開けて呑んでしまったのでした。そりゃあ、二日酔いになります。

 仏友会の同窓会は、ちょうど1年前に不肖、この私が講師として、「仕方なく始まった僕のジャーナリスト生活」の題で講演させて頂きました。あれからもう1年経ってしまったとは!

東京・大手町サンケイプラザ

 今回の講師は、川口裕司東京外国語大学名誉教授で演題は「外語での27年間」でした。川口氏は言語学者で、「中世フランス語における方言研究の現状」などの著作や、「フランス中間言語音韻論における母音研究」「第2言語としてのフランス語教育における話し言葉のフランス語研究」などの論文がありますが、あまりにも専門的過ぎて、内容はよく分かりません(笑)。ただ、驚いたことには、川口氏は1981年に東外大フランス語科を卒業しながら、最初の留学先がトルコのイスタンブール大学でトルコ語をマスターしてしまうのです。その後、パリ大学などにも留学しますが、その後に台湾の淡江大学などとも接点が出来て、学究生活は日本とフランスだけでなく、トルコと台湾まで行き来して講義されたりしていたのです。川口氏の研究は「日本語とフランス語の否定辞比較研究」など非常にマニアックなので、「希少価値」として世界中から引っ張りだこだったのでしょう。

 懇親会では、主に、世界的な金融業界で大変な苦労をされた鈴木さんの体験談を聞きました。涙なしには聞けない話でした。

東京駅

 ワインを呑み過ぎたのは、もう一つ要因がありまして、帰宅後、朗報に接したからでした。4月21日付の渓流斎ブログに書きましたが、旧友Kさんの御令嬢Aさんが福島県の裏磐梯にある北塩原村議会議員選挙に出馬し、昨日が投開票日だったのですが、最年少の新人候補ながら、見事、当選したというのです。私以上に「有言実行」の人です。

 当選したので、もうイニシャルはいいでしょう。北原安奈さんです。

 今朝、やっと選挙結果が公表された北塩原村のホームページによると、投票率が何と85.34%。議員定員数10人のところ、16人が立候補しましたが、彼女はギリギリ10番目で当選したのです。まだ実績のない、知名度も低い新人候補ですから、当然ながら、大苦戦でしたが、天の神さまも見てくれていたんですね。奇跡の風を吹かせてくれました。

 でも、当選してから、これからが本番です。村では過疎化や産業発展など色々と問題が山積していると思われますが、是非とも、2697人の村民のためになるよう尽力してほしいものです。

ジェームス・ディーンはリーバイスじゃなかったのかあ

  最近、どういうわけか、自分の中学生時代のことばかり思い出されます。もう大昔の話ですが、自分の人生でも最悪だった時期の一つでした。

 13歳にして、「人生は一行のボオドレエルにも若かない」と虚無的になってしまったのです。このまま、いい学校に入って、いい会社に入って、郊外に庭付き一戸建て住宅を建てて、家族と幸せに暮らすといったありきたりのエスカレーターに乗ったような人生を送ることが許せなくなってしまったのです。勉強にも手が付かなくなり、学業成績も坂道を転げ落ちるように急降下し、高校受験も失敗してしまいました。

 あの頃の「孤立無援」といった気分は今でも思い出します。

 でも、振り返ると、あの頃、孤立感を味わったのは自分だけではなかったのかもしれません。中学生というのは子どもから大人になる中間のような存在で、電車賃だけは大人料金を取られるのに、気持ちはまだまだ子どもの所がありますからね。

 中学1年の時のクラスメートに野島さんというちょっと大人びた無口な女の子がいました。彼女も休み時間、友人とつるんでワイワイ騒ぐことなく、一人でいることが多かったのですが、ある映画スターだけは特別で、そのスターのブロマイドをいつも持ち歩いていました。そのスターの名前は、ジェームス・ディーン(1931~55年)。「理由なき反抗」や「エデンの東」などわずか数本に主演して大スターの座を獲得しましたが、交通事故で24歳の若さで亡くなってしまいました。

 ジェームス・ディーンは私が生まれる前に既に亡くなってしまったので、私自身は知らなくて、野島さんからその存在を知りました。彼が出演した映画はその後、何度もリバイバル上映されたり、写真集も出版されたりしたので、日本にも根強いファンが多いのですが、「孤立無援」に悩む中学生が見ると、彼が演じる反抗期の挫折感や孤独感には妙に共感してしまうのは確かです。私も一気に大ファンになりました。

 話は少し変わって、先日、テレビの「開運 なんでも鑑定団」を見たら、700万円と450万円で購入したという古くてボロボロの汚い(恐らく臭い)リーバイス501XXのジーンズ2点が出品されましたが、世界的にも数点しか残っていないヴィンテージものということで、何と、何と2点で2000万円もの値が付いて、超びっくりしてしまいました。

 そこで、リーバイスのジーンズなら、映画「理由なき反抗」などで格好よく履いていたジェームス・ディーンの姿を思い出し、自分も一着ぐらい買ってみようかなあ、と思い、調べてみたのです。

 そしたら、これまた吃驚。ジェームス・ディーンが履いていたジーンズは、リーバイスではなかったのです。「Lee」の101ライダースというブランドでした。確か、ジェームス・ディーンはリーバイスの日本のコマーシャルやポスターで出ていた記憶があるので、おかしいなあ、と思いましたが、ワーナーブラザースの衣装庫にあったジェームス・ディーンのジーンズは確かに「Lee 101z riders」でした。

 今は、チャットGPTなんか使わなくても、何でも調べられる時代になりましたからね。私は、自分の中学生時代の「孤立無援」感を思い出してしまいましたが、いつか2000万円のリーバイスではなく、Lee の手頃なジーズンを買ってみようかなと思っています(笑)。