チョムスキー「誰が世界を支配しているのか?」とは、どんな原則や価値観が世界を支配しているのかということ

ノーム・チョムスキー著「誰が世界を支配しているのか?」を辛うじて読了しました。読破で はありませんね。やっと、読み倒したといった感じです(笑)。

原著「Who rules the World?」by Noam Chomsky  は、欧米知識人の間で大ベストセラーになったらしいですが、その知的レベルの高いこと!

翻訳者の一人である大地瞬氏は「訳者あとがき」の中で、「読みだしたら止まらなくなり、2度読んだ」そうで、版権が日本でまだ取得されていなかったことから、出版社に掛け合って翻訳書を出したといいます。

この本については、前回にも書きましたが、今年90歳になるMIT名誉教授チョムスキー氏による傲慢な「世界の支配者」に対する批判です。

本書の中で特に割かれているのは、1960年代のベトナム戦争、キューバ・ミサイル危機、パレスチナ・イスラエルの中東問題、イラン問題、地球環境問題などです。彼は、国家転覆、大量虐殺…陰に陽に指令する支配者層に対するアンチテーゼの事実を列挙して批判しています。

例によって、目を引いた箇所を換骨奪胎で引用させて頂きます。

・「誰が世界を支配しているのか?」というのは、結局、「どんな原則や価値観が世界を支配しているのか」ということだ。(「世界」とは、ワシントンとロンドンの政治支配者の世界ということ)

・「フォーリン・アフェアーズ」誌とは、支配者階級の間で最も権威のある雑誌だということだ。

・中央銀行である日本銀行は、日本政府が51%の株式を所有しているが、米FRB(連邦準備制度理事会)は、12の連邦準備銀行が株式を持ち、米政府は株式を所有していない。つまり、FRBの実権支配者は私企業ということになる。

・ジョン・ロックは、植民地の管理者だった。

・NAFTAもTPPも、保護主義の要素が強く、決して「自由貿易協定」ではない。「自由」は御用メディアが使う「不当表示」だ。内容の多くは貿易とは関係ない。投資家の権利を守る協定なのだ。おかげで、労働組合の多くが切り崩された。経営者が「労組をつくるなら、工場をメキシコに移転する」と脅したからだ。これには「政府による確実な支援」があった。

この辺にしておきます。

 

パソコンのトラブルで疲労困憊 チョムスキーの「誰が世界を支配しているのか?」も問題山積で重すぎる話

ここ2,3日、先日買い換えたばかりのDell パソコンでちょっとトラブってます。

Wi-Fiの接続で、通信速度が極端に遅くて、うまく繋がらないと思ったら、原因はルーターが「節約モード」になっていたためで、「節約モード」をオフにしてやっとスムーズに繋がり、解決しました。

そしたら、今度は、Windows10のエクプローラーEdgeとかいうのが、うまく起動しません。どうやら買ったばかりなので、うまく初期化されていない感じで、すぐ「IMEが無効です」とバッテンが表示されて、フリーズしてしまいます。

相手は機械ですから、こっちがイライラしても始まりませんが、時間ばかり無駄に流れて疲れてしまいます。

今日は会社の富士通のパソコンまでご機嫌斜めで、社内無線LANで繋がってますから、アップデートを指令され、再起動をかけたら、今度は、ワードもブラウザーもフリーズ(もしくは応答なし)ばかりするようになり、仕事が何度も中断されて余計疲れました。

幸い会社には技術担当の青年がいるので、診てくれますし、個人用パソコンの方は、この機種を勧めてくれたITに詳しい石田先生がいるので、何度もメールで問い合わせて、救って頂きました。感謝深謝多謝です。

先達はあらまほしけれ、ですね。

銀座「能登輪島」 能登ランチ定食850円

そんな中、今、寸暇を惜しむようにして、ノーム・チョムスキー著、大地瞬、榊原美奈子訳「誰が世界を支配しているのか?」(双葉社、2018年2月25日初版)を読んでますが、内容が深刻過ぎて、心苦しいといいますか、読み進めるのが辛いです。

チョムスキーは、「生成文法理論」を提唱して現代の言語学に革命を起こした言語学者で、私の学生時代から既に著名で、雲の上の存在のようなオーソリティーでした。今はどうしているのか、学生時代の友人の安田君という奇才が熱烈に信奉していたことを思い出します。

チョムスキーは1928年、米ペンシルベニア州生まれですから、今年90歳です。マサチューセッツ工科大学(MIT)名誉教授。1960年代のベトナム反戦運動から筋金入りの反政府主義者で、何度も投獄された経験の持ち主です。

ですから、この本も反体制=反米、政府批判の書と言ってもいいでしょう。何しろ、アメリカという国の成り立ちである先住民の大虐殺にも触れ、裏庭である中南米には親米政権になってもらわないと困るので、CIAによる反米国家の転覆(チリのアジェンデ政権など)や、「世界制覇」を維持するためのイラク、イランに対する封じ込め、親イスラエル寄り政策によるパレスチナ人の虐殺への直接的、間接的加担、そしてゴールドマン・サックスなどによる金融支配など、これでもか、これでもかと抽出し、白日の下に晒し出します。

比較的進歩的で、穏健派と言われた民主党のケネディやクリントンやオバマ大統領についても、「共和党のブッシュよりひどい」とコテンパンに批判します。

パレスチナ問題にせよ、地球環境問題にせよ、本書でこれだけ多く問題提起されると、とても、とても、安穏には暮らせず、まともな神経では立ち向かえないと思いました。

正直、逃げ出したくなりました。

さて、一体、誰が世界を支配しているのか?ーチョムスキーによると、「世界」とは、ワシントンとロンドンの政治支配層のことで、彼らの意にそぐわない輩のことを「テロリスト」とか「過激派」とかレッテルを貼り付けて、最後は殲滅するというのです。

個人的に以前から「正義」というのは胡散臭いと思ってきましたが、正義というものは、そういう脈絡で主張されていくものなのですね。

世界一のパン、世界一のパン職人 第6刷

絶景 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

恐らく日本で、いや世界で一番値が張るパンを食しました。

美味いといえば、美味い。漢字で書けば、旨い、という書き方の方が近いかもしれません。

普通の食パンのように見える「パン・ドゥミ」は、まず、パンそのものが、「原色」のような匂いです。(詩的ですねえ~♪)発酵した小麦そのものの香りがします。

味は、これまで一度も食べたことがないパンの味。何か、ブレンドされていて、カラス麦のようなものも混合されている感じです。

とにかく、バターもジャムも何も付けなくても、主食ではなくて、おかずのように食べられます(笑)。

1斤1188円也!!そんじょそこらのスパーで安い食パンを見つければ220円ぐらいでも買えますから、何と5倍もの値段です!!

ちょっと高過ぎるんじゃないですか?-というのはまだ早いです。

絶景 Copyright Par Duc Matsuocha gouverneur

何しろ、パン作りに懸ける手間暇が半端じゃないのです。

下拵えに数時間、第一次発酵に掛ける時間は低温で10数時間、その後、捏ねたり、成型にしたりして、再び発酵させて、原型をつくり、特殊の石窯か何かで焼き上げているそうです。まあ、最低でも1~2日かけて手作業でつくるようですから、工場で、流れ作業で大量生産される大衆向きのパンと比べられること自体、次元が違うといった感じです。

えっ?どこのパン屋さんか、ですって?

うーん、このブログでは宣伝料をもらっていなので、アクセス数が莫大で、人気の渓流斎ブログに書く必要はないのですが(爆笑)、熱心な皆さんに「話のタネ」としてお教えしませう。

パン屋さんの名前は、「シニフィアンシニフィエ」と言います。これでピンと来た方は、学生時代に言語学を齧った方でしょう。そう、スイスの言語学者フェルディナン・ド・ソシュールの有名な造語です。懐かしいですね、記号論は。私も、共時的、通時的、ラング、パロールなんていう難解な専門用語に悩まされたものです。(この話は、またいつかしたいです)

ソシュールによりますと、言語とは記号=シーニュの体系であり、シニフィエとは、その記号の表す概念のこと。またの名を所記。シニフィアンとは、言語記号の表現すること。またの名を能記、と呼びます。

まあ、こんな説明で分かった方は、大したもんです。天才です。もし分からなければ、これから言語学を学んでみようという気がしませんか?(笑)このあと、構造主義に進み、ロラン・バルト、レヴィ=ストロース、チョムスキーを読破してみませんか?

さて、このパン屋さんのご主人志賀さんは、ソシュールが大好きなのか、フランスで修行されたのかどうか分かりませんが、パン作りに関しましては一家言の持ち主で、確固たる哲学を持ち、パン職人の間では神様扱いだそうです(推測)。もしかしたら、世界一のパン職人かもしれません。本も沢山出しておられるようです。

お店は、何と、皆さんよくご存知のガルーダ博士こと山本さんのお住まいのご近所なのです。

デパートにも支店を出されているようですが、遠くて行けない、すぐにでも食べてみたいと思う方は、ネット通販もやっております。(高くて腰を抜かすぜえ=笑)

どこですかって?

そこまで、ご興味を持って、是非一生に一度、口にしてみたいと思われるのなら、自分で調べてみてくださいな。

渓流斎ブログはコマーシャルじゃありませんからね(笑)。と言いつつ、もし、挑戦された方は、コメントください。「なあんだ、渓流斎はどうかしてる。どんな味覚持っとるんや」でも構いません(笑)。