京都は今、永観堂と南禅寺の紅葉が見ごろです

南禅寺

だいぶ寒くなってきましたね、渓流斎さん。京洛先生です。

毎日、北関東の集合住宅から「新橋演舞場」にご出仕、ご出勤ご苦労様です。貴方が演舞場の舞台裏で、黒子として大活躍されているのは知る人ぞ知るです(笑)。

永観堂

舞台表で、汗をかく人もいれば、裏舞台でそれをスムーズに進行させるため汗をかく人がいればこそです。「籠に乗る人、担ぐ人、そのまた草履を作る人」と古来から言われておりますが、世の中、表もあれば裏もあるのです(笑)。

そういう渓流斎さんに比べ、当方は最近、めっきり汗をかく機会が減り、運動不足です。それを解消するため、一日「1万歩」を目標に洛中、洛外を歩き回ることにしています。日々、朝晩の出勤は、そういう意味で、気分転換とメリハリをつけて、健康管理にもなっていると思いますね。

永観堂

そんな京都はそろそろ、紅葉の季節を迎えました。洛外は既に「見ごろ」になっていますが、京都市内の洛中はこれからです。あと1週間くらいすると何処も「見ごろ」になることでしょう。

そんな中、比較的、早くも見ごろになってきた「永観堂」と、色づきはじめた「南禅寺」をまわってきました。

永観堂

永観堂は、古今和歌集でも「秋は紅葉の永観堂」と言われる古くからの紅葉の名所です。

東山の山腹の傾斜地にあり、紅葉の色づきに最適な土地なのでしょう。平安貴族で歌人の藤原関雄が別荘にした場所に、西暦853年(仁寿3年)に、弘法大師の弟子の真紹僧都が、真言密教の道場に永観堂を建立したということです。

その後、鎌倉時代初期に当時の静遍僧都という人が、法然に帰依したため、お寺は真言宗から浄土宗になったわけです。

永観堂

永観堂で、有名なのが「見返り阿弥陀」(重文)で、紅葉の時季には本堂を拝観する見どころになっています。

しかし、写真のように境内の紅葉は、いつ見ても色鮮やかで、観光客が押しかけて、「凄い!見て見て、綺麗ね!」、「超!綺麗」と感激するのはよーく分かります。

永観堂

次に、永観堂から10分ほど、ぶらぶら歩きして着いたのが「南禅寺」です。

南禅寺

こちらは、まだ「色づく」程度で、本堂の紅葉もこれから「見ごろ」を迎えると思いますが、週末でしたので、紅葉見物の観光客でごった返していました。

南禅寺

以上、ご報告まで。

南禅寺

あ、序に、もう一つ、南禅寺らしい景色をお楽しみください。

南禅寺

おしまい。

京都・南禅寺金地院の東照宮は意外と…

こんばんは、京洛先生です。

紫陽花が綺麗に咲いているでしょう。此処は京都、南禅寺にある徳川家康を祀る「東照宮」です。

 歴史通の渓流齋先生ですが、恐らく、「え!京都に東照宮ですか?」と瞬きされるでしょうが、京都の東照宮ですよ。

 徳川家康は元和2年(1616年6月1日)に駿府城で亡くなりますが、亡くなる間際に、自分の亡骸、遺体は「久能山」、法要は「増上寺」、そして、法要後は下野・日光山と京都・金地院の小さなお堂を建てるように、と側近、ブレーンの崇伝、天海、本多正純に伝えていた、と言われています。

 だから、京都にも「東照宮」があるのです。皇室からも「正一位」が贈られ、死後は「東照宮権現」の神様にまでなったわけですね。

 ですから、亡くなった後は、徳川家は勿論、その臣下の全国の大名は「東照宮」をつくって、家康を奉ったわけです。明治の廃仏毀釈で、全国の「東照宮」の数は百余に減った、と言われていますが、最盛期は五百以上の「東照宮」があったという事です。

 いわば「家康神社」です。そのうち、日光、久能山、そして南禅寺の東照宮が「三大東照宮」と称されていて、京都の「東照宮」には家康の遺髪、持念仏が伝わています。

 しかし、そんな徳川時代に権威があった京都「東照宮」も、今では、余程の「家康ファン」か、研究家でもない限り、ほとんどの人は「そうだったのか」で終わるでしょう。

 京都の東照宮は「金地院」(臨済宗南禅寺派)の境内にあります。金地院は南禅寺の塔頭の一つで、徳川幕府の”黒衣の宰相”と呼ばれたあの崇伝が住み、十万石を貰って権勢謳歌したわけです。

 「金地院」もここ南禅寺だけでなく、駿府城、江戸城にもあったという事で、崇伝は新幹線もない時代に京都、静岡、東京を行ったり来たり、往来していたわけで、大名の参勤交代よりも凄まじい活動をしていた、という事でしょう。

 安倍政権の”御用学者”、”安倍ブレーン”なんかと、比べようもない、スケール感がありますね(笑)。

 金地院にはまた、小堀遠州の作った庭もあります。遠州の作庭と言われるものはかなりありますが、正真正銘、「遠州が手がけた」と記録に残っている庭は、この金地院の庭だそうですよ。

 ジメジメした梅雨時に可憐な紫陽花をご覧になり目の保養にしてください。

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