毛沢東の負の側面を知らない?=「青山シャンウェイ銀座店」で孤独のグルメ

「青山シャンウェイ銀座店」メニュー

 さて、そろそろランチにでも行こうかと思ったところ、皆さま御存知の釈正道老師からメールが来ました。

 写真を送ります。昨日の春の嵐で散った遅咲きの山茶花です。ところで、最近の渓流斎ブログは、ようやく読者の期待に応えて、グルメブログに特化したと思ったら、昼飯にしては随分と高額ですねえ。金を拾ったか、闇営業か? そして何よりも、また悪い病気が出て、ゾルゲの蘊蓄まで開示するとは! 一読者として、これからは、城址探訪の短いエッセイと(長いのは駄目ですよ)、知る人ぞ知る銀座の千円ランチ情報を待っております。

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 山茶花の写真をどーせーーちゅうねん?

それに何ですか!?「金を拾ったか、闇営業か?」とは!!!

 失礼な。ちゃんと自腹で払っておりまする。

 昔の偉い人も言ってますでしょ? 「子孫に美田を残さず」と。生きているうちに、自分で稼いだ財産は使い果たすべし。変に残すと相続争いの元だと。

 あれ? これは誤用で、本来は、西郷隆盛が言ったとされる「児孫のために美田を買わず」が正式な言い伝え。その意味するところは、「子孫に財産を残そうと私利私欲に走るようでは志を果たすことはできない。志を遂げるためには全てを犠牲にする覚悟を持て、という自分自身への戒め」だというんですね。

 ま、い、か。

 とにかく、死んでしまったらあの世に持っていけないんですから、生きているうちに、本懐を遂げさせてくださいな、釈正道老師。

「青山シャンウェイ銀座店」」

 さて、「渓流斎ブログは、グルメブログに特化したわけでは決してありません」と、断っておきますが、釈正道老師から「知る人ぞ知る銀座の千円ランチ情報を待っています」と命令されるもんですから、本日は、仕方なく、一読者さまのご要望にお応えして、行って参りましたよ。

 「青山シャンウェイ銀座店」という一風変わった中華料理店です。何しろ、店内に上記写真のように、毛沢東の集団絵画があったり、メニューの中には「毛沢東ポークのパイコー麺」なるものもあります。この店にとって、毛沢東はヒーローなのかもしれませんが、毛沢東と言えば、大躍進政策と文化大革命で数千万人の犠牲者を出した世界史上最大の虐殺者と主張する学者もいますから、ヒーローなどと、そんな牧歌的な甘い雰囲気に浸ってられません。

 もしかしたら、お店の人は、大躍進も文化大革命も知らず、毛沢東にそんな負の側面があることなど全く知らないのかもしれませんが…。

「柔らか蒸し鶏の葱油醤油まぜそば」 900円

 いずれにせよ、何でこの店にしたかといいますと、あの「孤独のグルメ」で取り上げられたという「柔らか蒸し鶏の葱油醤油まぜそば」を食べてみたかったからです。900円ですから、釈正道老師にも御満足いただけることでしょう。

 蒸し鶏がそのまま骨付きで入っていて、麺もモッチリした歯ごたえでした。個人的には、タレがちょっと辛かったかなあ、という感想ですが、好きな人が多くいるかもしれません。お店は結構満員でした。

 あれっ? やっぱし、グルメブログになってしまいましたか? いえいえ、「世界の食を通して、歴史と国際問題について考察するブログ」ということにしてください。

 

 

時の首相は政権トップの器ではないのでは?=「孤独のグルメ」に敬意を表して銀座ランチ巡り

銀座 スペイン料理「ロボス」 イベリコ豚のグリル 1000円

  もう破れかぶれ気味です。

 今の、時の政権といいますか、菅義偉首相は、どうも為政者トップの器ではないように見受けられます。聞こえてくるのは「官僚の書いた作文の棒読み」とか、「二階(幹事長)政権の操り人形」とか、「内閣支持率低下に怯えて宗旨変え」とか、ネガティブな噂ばかりです。コロナ禍という有事の宰相として相応しいとは思えず、何か、批判する気にもなれません。

 派閥を持たないガースーさんということで、日本学術会議問題にせよ、融通が効かないというのは、「揺るぎない精神」の持ち主ではなく、周囲の首領(派閥の長)に気を遣い過ぎて、単に、自己判断ができずに硬直しているだけなのかもしれません。いつも目がどんよりしていて、その目が泳いでいる人です。こういった噂は「首相周辺」とやらが政治記者に流しているようですが、「周辺」って、一体誰なんでしょうか?

 かつて、こういったヤバい噂をオフレコで発言する人をマスコミ業界はボカして、「政府首脳によると」とか「政府高官によると」とか書いていましたが、今では「政府首脳=内閣官房長官」「政府高官=事務次官、内閣官房副長官」のことだということがバレバレです。そこで、「政府筋」とか「首相周辺」なんていう新語を生み出したのかしら?(各社まちまちですが、周辺とは公設秘書も入るようです)

 傍から見て、菅首相と加藤官房長官との意思疎通がうまくいっているようにも見えません。邪推かもしれませんが…。

 ということで、政局の話はこれぐらいにして、本日も、渓流斎ブログ、実は「グルメ・ブログ」と揶揄される通り、銀座ランチ巡りの話です。

銀座コリドー街の先、つまり新橋寄りに「裏コリドー」なる商店街が出来ていました

 今年初め辺りから、テレビで「孤独のグルメ」という番組を見るようになりました。原作の漫画は読んだことはありません。俳優の松重豊さん扮する井之頭五郎という輸入雑貨商が、腹が減ったので仕事先の街でお店を見つけてランチする、というそれだけの話です。

 この番組は、再放送か、再々放送か知りませんが、第1シリーズは2012年1月から始まったようで、もう9年前のことですから、主演の松重さんも今のように白髪ではなく、黒髪で実に若い(笑)。取り上げられるお店は、どの店も安くてボリューム満点の和洋中華何でも御座れといった感じです。番組の最後の方で、原作者の久住昌之さんが、その店に実際に訪問して、昼間っから呑んだりしているので、是が非でも行きたくなるお店ばかりです。でも、いざ、実行に移そうと調べてみると、何と、ほとんどのお店が現在、閉店してしまっているのです。

 テレビに取り上げられて大いに宣伝になったはずなのに、です。閉店の理由は、店主の高齢化とか、後継ぎがいない、といった切実なものが多かったようですが、それにしても残念。

 ということで、つまらない政治の話をするより、私も井之頭五郎になったつもりで、職場のある銀座ランチを楽しむことにしたのです。今までは行きつけの同じような店ばかりでした。

 本日行ったのは、「ローマイヤ―」という老舗のドイツ料理店です。創業1921年ということは、大正11年。まあまあ、古いお店です。

 初めて行ったのですが、知る人ぞ知る有名店らしく、こんなコロナ禍の御時勢なのに超満員。前に3人組が店内に立っていて入れず、外で待っていたら、後から来た元気がいい若い女性がつかつか来て、先に店内に入ろうとするので、「おや?」と思ったら、「(おめえごときが)先に入りますか?」と一応声を掛けてくれたので、「はい」ではなく「うん」と言って先に店に入らせてもらいました。

「豚肩ロースの白ワインビネガー煮込み」

注文したのは、本日のランチの「豚肩ロースの白ワインビネガー煮込み」。ライスとスープとコーヒー付きで1100円。本日のランチなので、早いかと思ったら、混んでいたせいか、10分以上待たされました。これで、味が悪かったら、もう二度と…、と思いましたが、これが結構、薄味でいけました。この味と値段なら再訪したいと思いました。

 さすが老舗です。

 ついでながら、昨日行ったランチは、銀座7丁目の「只今」という割烹・小料理屋さんです。看板に「ランチはじめました」とあるので最近始めたと思われます。

 「只今」は「ただいま」と読むのではなく「しこん」と読みます。禅用語で、「今は今しかなく、自分は自分でしかない」という意味なんだそうです。「ただいま」の語源だとか。奥が深いです。

 場所は、ちょっと分かりにくい、路地を入ったマンションのような建物の4階。九州出身の女将さんともう一人女性が給仕してくれます。狭いお店で、席数は15。

 恐る恐る入ったら、男性1人のほか、男女4人の先客がいて、4人は昼間からワインや焼酎を飲んで御機嫌でした。4人とも50代ぐらいの感じでしたが、ゴルフ談義に花が咲いていました。

写真の4種のおばんざいの他にイワシ焼きが付きました 1200円

 ランチは「おばんざいランチ」1種類で、メインディッシュとして「ロールキャベツ」か「肉豆腐」か「本日のお魚料理」のいずれか一つを選びます。私は、魚がイワシだったので、「本日のお魚料理」にしました。

 初めて行く店なので、その店の「作法」を知りませんでしたが、最初におばんざいが出てきて、さあ食べようかな?と思ったら、なかなか御飯とお味噌汁が出てきません。先に食べ終わった男性客を女将さんたちが、わざわざ出口までお見送りしているのです。ランチなのに、そこまでするかな、といった感じです。時計を見ていませんでしたが、おばんざいが運ばれた4分後にやっと御飯と味噌汁が出てきて、その6分後にメインのイワシが出てきた感覚でした。

 でも、さすが割烹だけあって、美味しかったでしたが、ちょっと量が少なかった。お腹が空いている時は、物足りない感じでした。