「六諭衍義大意」を読んで

京都・二条城

沖縄にお住まいの上里さんが、「六諭衍義大意」の現代語訳のコピーを送ってくださいました。

六諭衍義は、中国・明の洪武帝が1397年に発布した教訓(范鋐=はんこう=作)で、現代語訳にすると、「両親には親孝行しなさい」「年長者を敬いなさい」「郷里に和睦しなさい」「子孫を教訓しなさい」「各々の職業に全力を尽くしなさい」「非行をしてはいけません」の六項目があります。

これを江戸時代中期に琉球の程順則(ていじゅんそく)が持ち帰り、薩摩藩主の島津吉貴に贈呈されます。さらに八代将軍吉宗にも献上され、後に室鳩巣により和訳され、寺子屋の教科書として全国に波及した、と日本史辞典に書いてあります。

いわゆる一つの安倍首相の大好きな修身ですが、明治の教育勅語にも影響があったと言われてます。

沖縄の上里さんが何で、この六諭衍義大意を小生に送ってくださったのか、その理由についてはよく分かりませんが、六諭衍義を日本に伝えた人は、琉球人だったこと。江戸時代、琉球と明、清とはかなり交流があったことを伝えたかったのではないかと思います。

まあ、日本史の教科書に室鳩巣は出てきても、程順則までは出てきませんからね。

今、この渓流斎日乗を相変わらず電車の中でスマホで書いておりますが、目の前で若い女性が化粧し、優先席では図体のデカい若者が、御年寄が立っているのに短い脚を広げて座っております。

彼らにも、この六諭衍義大意を読んでもらい、感想を聞かせてもらいたいものですが、その場で破られそうです。