またまた甘粕正彦の話です。
林真理子著「RURIKO」によると、満映理事長の甘粕は、満州国務院の役人だった浅井源二郎の4歳の娘・信子を見てこう言ったといいます。
「信子ちゃんは近い将来、とてつもない美女になるはずです。そうしたらぜひ女優にしてください」
浅井信子、1940年、満州の新京(現・長春)生まれ。後に浅丘ルリ子の芸名で大スターになる人です。
変な言い方ですが、満州は、意外にいろんな人を輩出しています。漫画家の赤塚不二夫、ちばてつや、森田拳次らは満州生まれ、もしくは満州育ちだし、指揮者の小澤征爾も、満州生まれの満州育ち。歯科医師で、協和会創設者の一人だった父親の小澤開作が、親交のあった板垣征四郎と石原莞爾から一字ずつ貰って第三子に「征爾」と命名したことは有名ですね。
佐野眞一著「甘粕正彦」にも出てきた人で、満州・関東軍司令部に配属され、敗戦後、ソ連に抑留され、戦後、ロシア文学者になる「内村剛介ロングインタビュー」が、恵雅堂出版というところから出版されたようです。この本も読んでみたいと思いました。